ドタキャンはなぜ起こる?飲食店での予約キャンセルを防ぐ対策とは

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ドタキャンで困る店員

飲食店の店長や経営者の方にとって、予約は売上が見通せるうえでとてもありがたいものです。しかし同時にそれは「予約のドタキャン」や連絡さえもなく来店しない「ノーショウ」というリスクと背中合わせであることも事実です。

予約を含めた来店客数に応じて準備した食材や、人員のシフトが無駄になるばかりではなく、予約のためにほかの予約電話やフリー客を断ってしまったというチャンスロスも痛手です。特にそのドタキャンが大人数の宴会客などの場合、被害は甚大です。経営上はできるだけドタキャンやノーショウを防ぎたい、という思いは共通した願いでしょう。

しかしそれについて店長や経営者の皆さんは、どこまで予防策を施していますか。案外、「祈る」だけで特に予防としては何もしていないという場合も多いのではないでしょうか。しかし、しっかりと策を施すことである程度そのリスクは軽減できるのです。

そこでここでは、ドタキャンやノーショウなどの予約キャンセルを防ぐ対策についてご紹介します。

予約のドタキャン、ノーショウはなぜ起こるのか

スマホから予約する人

それではまず最初に、なぜ予約のドタキャンやノーショウが起こってしまうのか、という原因について検討してみましょう。

統計から見た予約キャンセルの理由は?

株式会社コンピューター・プランニング・リサーチの調査によると、飲食店の予約をキャンセルした理由としては、

1位:家庭、家族の事情(急な冠婚葬祭など) 38.2%

2位:仕事上の事情(急な残業など) 37.4%

3位:友人、知人関係の事情(同伴者の都合が悪くなったなど) 19.8%

でした。いずれにしろキャンセルをする理由はそれぞれにあり、それを飲食店側でコントロールすることは困難だということがここからもわかります。

「ネット予約」の簡単さも原因1つ

最近のぐるなび、ホットペッパー、食べログといったグルメサイトには「ネット予約」の機能がついています。店舗ページに空席状況の入ったカレンダーが載っていて、その空いている日付をクリック、またはタップをするとそこから直接予約ができるという便利なものです。最近はこの予約方式が飲食店においては主流になり始めてます。

しかしこの便利さは来店客にとっても飲食店側にとってもよいことではある反面、「もろ刃の剣」でもあるのです。簡単に予約できるということは、来店客側が事前の予定調整などをしっかり行わないまま「とりあえず」予約をしてくることや、あるいはそもそも「予約に対する責任感の欠如」につながり、簡単な予約キャンセルにつながってしまっている面も少なくないのです。

特に最近は、接待などの幹事役の人が複数の人気店を同時に予約し、当日に接待相手にその中から店を選んでもらって、それ以外の店を当日キャンセルする、あるいはキャンセルの連絡をし忘れる、というケースも増えてきました。中には、デート特集の雑誌でこの方法を推奨しているような悪例さえあるくらいです。これは、電話などで「対人間」で予約をした場合は、心情的にも中々できないことです。

急な予約キャンセルが店舗経営に与える影響とは

頭を抱える男性

このような風潮が続けば今後もどんどんドタキャンやノーショウは増えていくに違いありません。それは店側にとってどのような影響があるでしょうか。店長や経営者の方は肌で分かっていることでしょうが、改めて整理してみます。

・食材ロス

まず1つは食材のロスです。予約を見越して食材を仕入れ、仕込みをしていた場合、ほかに転用できなければすべてロスになります。特にそのキャンセルが団体客や宴会客の場合は悲惨です。

・無駄な人員シフト

またスタッフも予約を含めた来店客見込みに合わせてシフトします。予約がキャンセルになったからと言って、当日入ってしまったスタッフに帰ってくれとは言えません。この人件費もすべてロスになります。

・チャンスロス

またその予約のために満席になってしまっていた場合、後からの予約や当日のフリーの来店客を断っているでしょう。それらもその予約がなければ、本来は売上になっていたはずですから、これらの「見えないチャンスロス」も非常に大きいです。

・トラブルに発展

ドタキャンをした人に連絡をとってキャンセル料の請求をなどを行った場合、相手が「事前にキャンセルの連絡をした」と、言った言わないのトラブルになってしまうこともあり得ます。そこで引き下がるのも精神的な疲労は大きいですし、さらにはその人が「悪質」だった場合は、口コミサイトなどに悪意のある書き込みをされてしまう危険性さえあります。


このように、ドタキャンやノーショウは飲食店にとっては非常に大きな損失なのです。ですから予防のためにはあらゆる対策を施す必要があります。

今すぐできる!予約キャンセルを防ぐ対策とは

電話で対策

それでは予約キャンセルの対策にはどのようなものがあるのでしょうか。すぐできることとして、8つご紹介します。

1:連絡先を確実に聞く

まずできているようで意外に多いのが、予約時に相手の連絡先をしっかり聞いておかないケースです。連絡先を聞くことは、次にご紹介する事前の予約確認のためにも、キャンセル時にキャンセル料を請求するためにも、そして何より相手に心理的なプレッシャーをかけるためにも、絶対に必要です。予約時に相手から聞き出す内容を整理してマニュアル化することと、予約台帳を整備して聞き漏らしのないようにしましょう。

また、特にドタキャンをされると被害の大きい団体客や宴会客の予約の場合は、相手の名前、連絡先と一緒に、勤め先の社名や会社の電話番号も聞いておきましょう。何かあったら会社に連絡が行く、ということは非常に心理的なプレッシャーなので、大きなキャンセル予防策になります。

2:予約の事前確認連絡をする

予約の前日から3日前くらいのタイミングで、予約相手に確認の連絡を入れましょう。キャンセルの連絡をするのを忘れていた、ということだけではなく、意外に予約したこと自体を忘れていたり、ほかの日のつもりでいた、という場合も多いのです。

その際は電話連絡が主でしょうが、予約台帳システムを導入している場合は、それを利用して確認メールを送ることもできます。またすべての予約客への確認の連絡の時間が取れない場合でも、ドタキャンをされたら痛手の大きい団体客など、優先順位を決めて行うことは必須事項です。

3:予約時にキャンセルポリシーを案内する

電話予約の場合は「キャンセルの時は3日前までに連絡を」「無断キャンセルの場合は申し訳ないがキャンセル料をもらう」といったキャンセルポリシーを必ず伝え、相手の確認をとりましょう。実際にキャンセル料を取るかどうかは別にしても、ドタキャンやノーショウの予防にはなります。

また自店舗のホームページから予約を受け付けている場合は、サイト上にキャンセルポリシーを明記しておくことも重要です。

4:予約席数を限定し希少性を出す

またこれはある程度の繁盛店の場合しか難しいことですが、予約をとる上限を決め、「なかなか予約が取れない店」を演出するのも方法の1つです。頑張って取った予約は誰でも簡単にはキャンセルしません。

5:ホテル経由の外国人予約の場合は、ホテルと責任の所在を確認する

また最近インバウンドの影響で増えているトラブルが、外国人旅行客がホテル経由で予約をしてきたもののノーショウなどになるケースです。その外国人客の連絡先が通常はわかりませんから、ホテルに確認し、場合によってはホテルにキャンセル料を請求するわけですが、ホテル側が「仲介しただけだから」と責任を回避することが多いのです。とはいえそのような予約を断ることもできませんので、ホテル経由で予約が入った場合は、キャンセル時にはホテルが責任をとる、ということをしっかり確認しましょう。

6:前金制にする

また団体客など大口の予約の場合は、電話やメールでの予約は「仮予約」にし、予約人数に合わせた前金の振り込みがあって初めて「本予約」にする、というルールも有効です。前金を払っていればキャンセルそのものが減りますし、万が一の場合もキャンセル料を前金から差し引けますので、被害は少なくて済みます。

7:予約に無断で20分遅れたら自動キャンセル

これはやや力わざですが、7と同様にドタキャンの可能性が高まった場合、極力空席を作らないために、すぐにほかの来店客を案内してしまう、ということも考えたほうがいいでしょう。具体的には、「連絡なしで20分以上遅れた場合は自動キャンセルにする」というルールを設けることです。もちろん、ルールの明示無しで実行してしまうとトラブルになりますから、キャンセルポリシーの中に入れ、予約時に伝えておくことが重要です。

8:ドタキャンが出た場合はSNSで空席案内

それでもドタキャンが発生し、食材が余ってしまった場合は、FacebookやTwitterなどのSNSで空席案内を出すことで損害を最小限に食い止めましょう。その際には正直に、ドタキャン出たことを明らかにし、加えて食材を使った料理を大幅値引きするなどして、集客力を高めることも重要です。全く売上が立たないよりも、原価分だけでも回収できればよしとする、ということです。

予約システムを活用したドタキャン防止対策

ノートパソコンとタブレット

最近はネット予約と連動できる「予約管理システム」の導入も進んでいますが、そのシステムの中にドタキャン防止機能が入っているものもあります。たとえば「トレタ」は、予約客とスタッフのやりとりを自動録音して「言った言わない」の防止ができる機能がついています。

あるいは先ほど少し触れましたが、予約確認メールの自動配信や、前金を預かるデポジット機能なども搭載されています。これらは「TableSolution(テーブルソリューション)」などの予約管理システムにも搭載されていますが、トレタの場合は契約した店舗がドタキャンの被害に遭った場合、被害額の一部を補てんしてくれる「お見舞い金サービス」も実施しています。このようにITを使ってドタキャンを防止することも最近は可能になってきています。

まとめ

予約席プレート

いかがでしょうか。

予約キャンセルは飲食店だけではなく、美容院など店舗型のサービスビジネスの場合は宿命ともいえるものです。できることはドタキャンやノーショウなどによる被害を最低限に抑えることと、もしも発生した場合少しでも損害額を補てんできるようにしておくことです。

飲食店の健全な経営のためには非常に重要なことですので、ぜひ上で挙げたような対策を実行しましょう。