焼肉屋の内装・レイアウトの考え方について

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焼肉屋の内装を話し合うオーナー達

今、外食市場で業績の伸び率がとくに高いのが焼肉屋といわれています。その理由として、ラーメン屋や居酒屋などに比較して客単価が高いことと、特別な日の会食から仕事上の接待まで用途が幅広く、安定的であることがあげられます。

しかし、お客様が自分で肉を焼いて食べるスタイルですから、ほかの業態より設備工事費が高額になります。また、煙・油・臭い対策に万全を期す必要があります。

そこで今回は、お客様にクリーンな空間で焼肉を楽しんでもらうための内装・レイアウトについて具体的に説明していきます。 

焼肉屋の内装の考え方

焼肉屋の理想的な内装イメージ

焼肉屋というと、煙がこもって壁や天井は油と煤(すす)で黒く汚れている店舗が少なくなかったのですが、最近はずいぶん様変わりしました。

高級レストランと同様の落ち着いた雰囲気のお店や、女性が気軽に入れるおしゃれなお店が次々と登場しています。また、焼肉屋は単独では入りにくいお店の代表格でしたが、「ひとり焼肉」を楽しめるようカウンター席にコンロを設置したお店も増えており、会社帰りの若いビジネスパーソンによく利用されています。

高級焼肉店でも気軽に入れるカジュアルな焼肉屋でも、売上を伸ばし、安定した経営を維持しているお店に共通しているのは、事業主のコンセプトがはっきり打ち出されていることです。

売上は「客単価×客数」で求められるわけですが、高級店は客層を経済的に余裕のあるシニア層やビジネス層に絞り、客単価を2万円ほどに設定し、1日数組という少ない客数で売上を確保しています。一方のカジュアルなお店では客単価を2千円程度にし、その代わり客数を多くすることで売上目標を達成しています。

このように、客層や客単価などを設定してコンセプトを明確にすれば、どのような店舗デザインがふさわしいか、お店づくりの方向性がおのずと見えてきます。

焼肉屋は好景気といっても、売上が伸びずに早々に撤退するお店が多いのも実状です。その敗因はコンセプトがあいまいで、他店との差別化を図ることができなかったというケースがほとんどです。競争が激しい業態だからこそ、開業前にコンセプトを打ち立て、内装工事会社と念入りに打ち合わせを行うことが重要です。

焼き肉屋の定番レイアウトとは?

焼肉屋のレイアウトを設計

焼肉屋のレイアウトは、無煙ロースターまたは炭火焼き用の七輪を埋め込んだテーブルを配置し、各席に排煙用のダクトを設置するのが特徴です。

無煙ロースターを使えばクリーンな空間を保つことができるため、衣服や髪に臭いがつくこともありません。無煙ロースターは排煙の仕組みによって3つのタイプに分けられます。

  • ダクトタイプ(据え付け型)
    ロースターテーブルを床に固定し、床下に配管したダクトと接続して煙や臭いを外に排出する仕組みになっています。焼肉屋の大半がこのタイプを使用しています。価格は1台あたり取り付け工事込みで20万円~。
  • ノンダクトタイプ(可動型)
    煙・油・臭いを処理する機能がロースターテーブルに組み込まれていて、店内を自由に移動することができます。高性能脱臭機能付きで、ダクト工事も不要なため設備費が削減できます。ホテルのパーティー会場など、広い場所で使用されています。価格は35万円~。
  • 上引きタイプ
    ロースターテーブルの真上に排煙フードを設置し、煙を吸い取る仕組みになっています。これは低コストで手入れも簡単です。価格は10万円~。

炭火焼きの場合は、お客様が来店する前から火をおこしておかなければならないので、火おこし専用の部屋が必要です。最高級の備長炭(びんちょうたん)を使えば1キロ当たり5,000円と高く、また、炭のロスが出やすいこともあり、ガス式より2~3割高くつきます。

焼肉屋の内装を考えるポイント

焼肉料理店のしちりん

では、集客力の強い焼肉屋にするためにはどのような内装にするのが効果的でしょうか。内装は完成してからではやり直すのが困難ですから、失敗しないために重要ポイントを押さえておきましょう。

壁紙は防汚加工されたものを

焼肉屋は油汚れを避けて通ることができません。壁に汚れが付着してしまうと落とすのに手間がかかりますから、防汚加工された壁紙を使用するか、防水・防汚フィルムを貼るようにします。ウレタンコート素材のフィルムであれば、キズにも強いのでおすすめです。日常の汚れは、固く絞ったきれいなスポンジか布で水拭きします。

床は継ぎ目のない素材を

床はオイルミスト(粒子状になった油)やこぼれた調味料などでベタベタしやすく、お客様が出入りするたびにほこりも入るため非常に汚れやすい部分です。タイルやフローリングのように継ぎ目のある床材は、継ぎ目に汚れが詰まりやすくなりますから、フラットな床材を選びましょう。ビニール系の店舗用フロアクッションはデザイン性に優れ、油汚れにも強く、滑りにくいので飲食店全般に適しています。

照明はスポットライトが効果的

人気の高級焼肉店には、壁や床を黒かダークブラウンで統一して、照明にスポットライトを使っているところが多く見られます。スポットライトは明るくしたい部分だけピンポイントで照らします。そうすることで汚れを目立ちにくくし、店内に立体感を生み出すことができます。また、壁面にライトを当てて間接照明として使用すると、やわらかい光でお客様の気持ちをリラックスさせる効果もあります。

個室を設ける

接待の席として焼肉屋を利用する企業も少なくありません。そのようなビジネス層をターゲットとする場合は個室を設けるといいでしょう。接待は宴会とは異なり、招く側・招かれる側それぞれ2人ずつか4人ずつが一般的ですから、それほど広い部屋は必要ありません。個室を気に入ってもらえると接待のたびに「定席」として長く利用してもらえる可能性があります。和室であれば工事費は1坪(2畳)あたり60万円前後が相場です。

女性客向けの気配りを

最近は女性のおひとりさまでも入りやすいように、カウンター席を増設したり、テーブル席に衝立(ついたて)を置いたりするお店が増えています。女性客のリピーターを増やすためにはそれだけでなく、トイレに配慮することもポイントです。掃除をきちんとすることはもちろんですが、アメニティグッズもそろえておきましょう。にんにくの匂いを消すためのマウスウオッシュ、化粧直しのための油取り紙、綿棒、メガネ拭き、それに爪楊枝も用意しておくと喜ばれます。

まとめ

焼肉を食べる女性

いかがでしょうか?

ここでは内装に関する費用について見てきました。このほかに店舗物件の取得費などがかかります。あくまでも目安ですが、焼肉屋を開業するには、物件取得費、厨房設備費、内装工事費、それに運転資金(経費の6か月分)を合わせると3,000万~5,000万円は必要といわれます。

店舗はスケルトンではなく居抜き物件を探せば大幅にコスト削減することができます。厨房機器も中古機器を購入したり、リースを利用したりすれば半額程度ですむ場合もあります。

しかし、居抜き物件にしても中古機器にしても、探そうと思ってすぐに希望のものが見つかるわけではありません。よく検討せずに即決するのは失敗のもとですから、時間的余裕をもって探すようにしましょう。準備に早すぎるということはありません。

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