店舗デザインの基本を知ろう!相場や費用、お願いできる会社とは?

開業・経営

シックな店舗デザイン

飲食店の開業準備の中で、絶対に失敗をしてはいけないことのひとつが内装工事です。なぜなら、工事が終了してから不具合が見つかっても、簡単に内装工事をやり直すことはできないからです。限られた予算と工事期間内で満足のいく内装に仕上げるには、設計会社との綿密な打ち合わせは欠かせません。

そこで今回は、初めて飲食店を開店する際に知っておきたい予算の立て方と、設計会社への依頼のしかたなど、店舗デザインの基本についてご紹介いたします。

店舗デザインとは?

木目調の店舗デザイン

飲食店をオープンするにあたって、料理やサービスと共に重要なのが店舗のデザインです。いくら料理がおいしくて接客のしかたがよくても、照明が暗すぎたり席が狭かったりしたのでは、落ち着いて飲食することができません。お客様に満足してもらうためには、「料理を引き立てる食空間の演出」がキーワードとなります。

また、近年の「SNS映え」「フォトジェニック」というトレンドを考慮にいれて、店舗デザインを考えることが重要ポイントになっています。料理や店内の写真をお客様にSNSで拡散してもらえれば、それだけで多大な宣伝効果がもたらされ、一挙に来店客が増えるかもしれません。SNSでの拡散は若い世代だけでなく、その強固な口コミ力によって、幅広い層の方にお店の評判が広まっていく可能性もあります。

しかし、行列ができるほどの人気店になったとしても、一過性のもので終わる店舗が少なくありません。そこで大事になってくるのが、お店のコンセプトを店舗デザインに反映させ、どのようなお店であるかをデザインからアプローチすることです。後述する店舗のコンセプトがお客様に伝わればおのずとリピーターが増え、お店の繁栄につながるでしょう。

店舗デザインの費用と相場とは?

設計図と電卓

店舗デザインを行うのは設計会社です。設計料は会社の実績や規模によって異なりますが、一般的なデザイン料の割り出し方には次の3つのパターンがあります。

総施工費から割り出す

造作工事費(塗装や内装工事など)と設備工事費(電気、ガス、給排水、空調工事など)の総工費から設計料を算出します。設計料は大型店舗か小型店舗かによって異なりますが、店舗の大小に関わらず、総工費の10~15%が設計料金に充てられるのが一般的です。

坪単価から割り出す

「坪数×単価」で算出します。デザインと内装工事を同じ会社に依頼する場合は、内装工事費込みで坪単価30万~50万円がおおよその相場となります。10坪以下の店舗の場合、坪数で計算するのではなく最低料金として一定額を設定しているところが多いのが現状です。そのため、小さな店ほど割高になってしまうこともあります。ちなみに、10坪とはカフェの場合で13~15席程度の広さです。

人件費 + 技術料から割り出す

造作工事や設備工事にかかる人件費を基準にして、設計料を割り出す方法です。特殊な技術を要する工事の場合は、さらに技術料が加算されます。

店舗のデザイン料は、テーブル席だけなのかカウンターだけなのか、両方を取り入れるのかによっても変わってきます。ですので、はじめに業態をしっかり決めておく必要があります。

店舗デザインを依頼する前に準備しておきたいこと

設計図とメジャー

店舗物件には、「スケルトン」と「居抜き」の2通りの形態があります。

スケルトン物件は、壁や床がコンクリート下地のままで、配管もむき出しの状態です。居抜き物件は、前の借主が施した内装や厨房機器、什器などがそのまま残されている状態です。

スケルトン物件は、造作工事費+設備工事費+その他費用によって、1,000万~2,000万円の設備資金が必要といわれています。居抜き物件であれば、内装も厨房機器も「造作譲渡料」を支払うだけで安く買い取ることができるため、設備資金はスケルトンの5分の1程度で済むとされています。造作の状態によっては、無償譲渡というケースもあります。

また、スケルトンの場合は大がかりな工事が必要なため、物件の契約から工事が終了して開店するまで数か月かかります。工事期間中であっても空(から)家賃が発生するのが一般的ですから、それも予算に組み込まなければなりません。居抜きの場合は、不具合が起きているところのみ改修する程度ですむので、契約後比較的早く開店することができます。

飲食店の店舗物件の探し方教えます!居抜き物件とスケルトン物件の特徴と比較

ここでは、スケルトン物件を契約した場合における、店舗デザインの進め方を見ていきましょう。

オープン予定日の3~4か月前には、デザイン設計会社を探して交渉に入ります。デザイナー(設計士)にこちらの計画や要望を的確に把握してもらうためには、次のような準備が必要です。

  1. 店のコンセプトを明確にする
    どんな客層にどんな料理を提供し、どのような時間を過ごしてもらいたいかなどを明確にし、デザイナーに共有してもらうようにします。メニュー構成もできていれば、食材や調理法なども伝えます。
  2. 参考になる図面を用意する
    自分の造りたい店舗のイメージに近い写真を、インテリア雑誌やネットなどから探しましょう。それと同時に契約した物件の図面も用意し、店舗イメージの写真と一緒にデザイナーに提示するようにします。依頼主(クライアント)のイメージが固まっていなかったり、参考資料がまったくない場合は設計料金が高くなることもあるため、以上2つはできるだけ用意するようにしましょう。物件の図面は、たいていは物件のオーナーが所持しています。
  3. 予算は多めに組む
    飲食店の場合は、設備に多くの費用がかかります。そのため、予算はできるだけ低く抑えたいと思うものですが、自分にできる予算の上限をつけることがポイントです。なぜなら、デザイナーに予算の上限を提示することで、複数の予算ごとのアイデアを出してもらいやすくなり、それらを比較検討することでよりよい店舗を造ることができるからです。予算を安くしてしまうと、デザイナーも安いレベルの店舗デザインしか提案してくれないでしょう。
    なお、設計料の支払いについては、設計会社との契約時に半額、工事終了(竣工)時に残額支払いというのが通例です。

店舗デザインはどこに依頼すればいいの?

店舗デザインの説明

デザイン設計会社とひと口に言っても、住宅設計に特化しているところや商業施設を得意とするところなど、会社ごとに専門領域があります。飲食店の店舗デザインをお願いするのであれば、できるだけ飲食店の設計で実績のある会社を選ぶようにします。自分で探すのは時間的に困難という場合は、経営コンサルタント会社やインターネットのマッチングサービスを利用する方法があります。これらは店舗設計の事例が豊富なので、効率的にデザイン設計会社を探すことができます。

店舗デザインの場合は、最初から設計会社を1社に絞ることは少なく、3~5社を選んでデザインコンペを開催するのが一般的です。

コンペを行う場合は、

発注 → 申込者への説明 → プレゼンテーション → デザイン案と見積書の比較検討・決定 → 内装工事会社の選択 → 着工 → 竣工 → 引き渡し

という流れになります。マッチングサービスに申し込めばコンペの手はずをすべて整えてくれるので、依頼者はデザイナーからの提案(エントリー)を待って選定するだけで構いません。マッチングサービスは、店舗の規模や条件を問わずどんな案件にも対応してくれるということで、最近では利用する人が増えています。

まとめ

店舗デザインへのこだわり

いかがでしょうか?

デザイン設計会社に直接依頼するにしてもマッチングサービスを介するにしても、大切なことは初めに物件の状態をデザイナーに伝えることです。居抜き物件を契約した依頼主がそのことを告げずにコンペを行ったため、デザインが決定し着工したあとで厨房機器の老化や給水設備の劣化が発覚した事例もあります。その事例では、修繕するには費用も工期もかかりすぎるということで、結局開店を断念したとされます。

店舗デザインを手がけるデザイナーにとって、物件に関する情報は多すぎるということはありませんので、こんなものは役に立たないだろうと思うものでも、できるだけ早めに渡すようにしましょう。デザイナーとの店舗デザインの共有や物件の状態に関する細かなやり取りが、納得のいく店舗デザインへと導くのです。

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