多店舗展開の出店戦略とは?「成功するカギ」と「確認すべきこと」

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開店したお店の業績が好調だと、さらに多くのお客様に商品やサービスを提供すべく、2店舗目の検討をはじめると思います。

たしかに多店舗展開に踏み切れば売上の上限を伸ばすことやリスクの分散を期待できますが、その一方で人材の育成や複数店舗のマネジメントなど、新たな課題を抱えることにもなります。2店目以降で成功するためには確かな戦略が不可欠となりますが、どのような注意をすればよいのでしょうか。

今回は多店舗展開のメリットとデメリット(リスク)を考えながら、成功する秘訣をご紹介します。

多店舗展開の5つのメリット

お店を開店して数年が経ち、経験と実績を積み重ねると、オーナーは2号店、3号店と多店舗展開を考えるようになります。まずは多店舗展開のメリットについてご紹介します。

売上の上限を伸ばせる

当然のことながら、単独店舗より複数店舗を運営したほうが売上の上限は高くなります。ただし、それぞれのお店の立地や規模によって上限に幅が生まれます。商売繁盛が期待できる反面、各店の売上やコストなどの正確な管理が必要になります。

仕入れ単価が下げられる

商品を仕入れて販売する場合、少量よりは大量のほうが単価は下がり、コストダウンにつながります。多店舗展開することで仕入れ量が増加し、原価が下がることで、利益率の向上が期待できます。

お店の認知度が向上する

同じ店舗名・ブランドで多店舗展開すれば、その存在が地域で目立つようになりお客様との接点が増え、その結果認知度が向上します。それはやがて信頼となり、ブランドイメージを高めることになります。

スタッフのキャリアパスが形成できる

オーナー以外にもマネジメントにかかわる人材が必要となるため、スタッフ→リーダー→店長→エリアマネージャーといったキャリアパスの設定が可能になります。良好な成果はスタッフのモチベーションアップにつながり、さらなる業績向上が期待できます。

店舗ごとの業績を比較・検討できる

複数店舗の数値データを比較・検討することで、経営上の分析が可能になります。1店舗だけではわからなかった課題を発見し、対策・業務改善を講じることができます。

多店舗展開のリスク・デメリット

多店舗展開を実施したからといって良いことばかりではありません。デメリットについてもしっかり把握しておくことが重要です。想定されるデメリットには次のようなものがあります。

経費が増加する

多店舗展開すれば、家賃、人件費、電気代など、お店にかかる経費が増えます。その分収益が上がれば問題ないのですが、何らかの事情で売上不振に陥ったときなどは経費が経営を圧迫するようになるので注意が必要です。

経営管理が複雑になる

お店の運営では、売上集計、仕入れ発注、金銭管理、勤怠管理など細かい事務的な作業が発生します。1店舗のときはオーナーや店長が責任を持って処理できても、多店舗展開となるとそうはいきません。どこかで思わぬミスが起きる可能性が高まります。したがって正確に経営管理できる体制が必要になります。

人材不足が起きがち

お店の数が増えただけ優秀なスタッフも増えてくれればよいのですが、採用が思うようにならない場合もあります。スタッフが不足してお客様への接客がおろそかになっては本末転倒です。特にマネジメントのできる人材の不足は経営にとって命取りになりかねません。オーナーが一人で複数店舗を管理することは難しいため、エリアマネージャーや店長の育成が急務となります。

多店舗展開のメリットとデメリットを紹介しましたが、これはビジネスをするうえで表裏一体です。上手にやりくりしていくことが成功への道といえるでしょう。

新規出店のタイミングとポイント

さて、多店舗展開をすると決意したものの、いざ実行に移すタイミングがわからないという声をよく耳にします。どのタイミングで出店するのがよいのでしょうか。それを考えるときは、以下のポイントを判断材料にしてみるとよいでしょう。

新規出店のタイミング

現在のお店が繁盛している

ピークタイムとアイドルタイムで差があるのは仕方ないとしても、ピーク時が満員である状態であればベストといえるでしょう。

利益が計上できるようになった

開店当初は赤字だったお店が、安定して営業利益を計上できるようになったとしたら自信を持ってよいでしょう。

お店を任せられるスタッフが育った

多店舗展開にマネジメントのできるスタッフは必要不可欠です。安心してお店を任せられる人材が育ったならばゴーサインと考えましょう。

銀行や信用金庫などの金融機関から融資が受けられるようになった

金融機関の融資担当者はお店や経営者を厳しくチェックしています。追加の出店に際して融資が受けられるか否か、それも大きな判断材料です。多店舗展開の展望などを担当者の方に相談してみてはどうでしょうか。

経営者としての自覚ができた

飲食店などを切り盛りしている職人気質のオーナーには、何でも自分でやらないと気が済まないケースがあります。しかし2店舗以上を持つ経営者には「仕事を人に任せられる」度量が必要。その自覚を持ちましょう。

多店舗出店時に確認すべきポイント

以上のような判断材料をもとに、さあ2号店を開こう!となったときに、確認しておくべき点がいくつかあります。

現在のお店(1号店)がなぜ成功したのかを確認する

現在のお店の成功には、「お店のコンセプトが良かった」、「商品が魅力的だった」、「設定したターゲットにヒットした」、「立地に恵まれた」など様々な要因が考えられます。なぜ成功したかを言語化して、今後のために確認しておきましょう。

既存店と新店の立地はどうか確認する

新店舗が現在のお店と近すぎれば競合してしまい、遠すぎればオペレーションが非効率になってしまいます。双方がベストの状態で営業できる立地かどうか慎重に確認しましょう。立地選び、物件選びについては下記を参考にしてください。

出店資金と調達法を確認する

新規出店、多店舗展開となれば、それなりの資金が必要となります。その内容と調達については以下の記事を参考にしてください。

多店舗展開成功のカギは業務の標準化と人材育成

お金と立地の目途がつき新しく出店が決まったら、成功するかどうかは業務の標準化(仕組みづくり)人材育成(任せられる人づくり)が最大のポイントです。繰り返しになりますが、オーナーが現場にいなくても代わりにマネジメントできる人材が存在し、仕事が回る仕組みをつくっておくことが理想です。

そのためには普段からスタッフの誰もが万一の場合にそなえ、担当外の仕事をカバーできるように教育されている必要があります。業務のマニュアル化も視野に入れるべきでしょう。また、売上集計や在庫管理といったツール化できる業務はPOSレジを導入して効率化することも検討に値します。

POSレジを使用した多店舗分析は「複数店舗経営の業務をPOSレジで効率化する データを一元化して経営に活かす方法」で紹介しています。

オーナーやマネージャーが安心して業務を任せられるよう、業務の標準化と人材育成こそが多店舗展開の生命線になります。たくさんのお店があるというメリットが、お店が回らないというデメリットにならないためにも、日常的な仕組みづくりと人づくりを心がけてください。