立ち飲みで成功する秘訣とは?繁盛する理由や利益の出る仕組みを紹介

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立ち飲みを楽しむ男女

今や飲食店の1つのスタイルとしてすっかり定着した立ち飲み屋。カジュアルな雰囲気と美味しい料理で人気の立ち飲みバーは、若い女性の常連客も増えています。 立ち飲みは狭いスペースで内装費や人件費もあまりかからないため、少ない資金で開店できるというメリットがあります。しかし、新規にオープンする店が増えている一方で廃業する店も多く、開店から閉店までのサイクルが早くなっているというのが現状です。

そこで今回は、立ち飲み屋経営の成否を分ける要因はどこにあるのか、繁盛させるにはどんな対策が必要かについて見ていきましょう。

立ち飲み屋とは

立ち飲み屋イメージ

立ち飲みとは、酒店で酒とおつまみを買ってその店の一角で立ったまま飲食をする形態が原型となっています。戦時中は酒が配給制になったため衰退し、戦後は闇市で復活し、その後の高度成長期になると安い酒を飲む人も減少したため再び衰退するという歴史を繰り返してきました。そして平成に入るとまたしても不況の波……。長引く不景気のなか、低価格で飲める店として大手外食企業が立ち飲みスタイルの居酒屋を展開するようになりました。

最近は、小規模飲食店の参入も増えており、なかには14坪の店舗で1日平均の客数が130人以上、月商500万円以上という繁盛店も現れています。 客層も従来は中高年層が主体でしたが、このごろは若者や女性をターゲットとしたワインバー(バル)などが登場し、ひとり飲みを楽しむ女性も珍しくなくなっています。

立ち飲みが繁盛するワケ

繁盛する立ち飲み屋

立ち飲みですから、椅子に掛けてくつろぎながら飲むことはできません。それでも性別を問わず幅広い層に支持されているのは次のようなメリットがあるからです。

・安くて美味しい

一般に立ち飲み屋は、価格を安くして回転率を上げることで利益を得るシステムですから、料理も飲み物も居酒屋より低予算で楽しむことができます。客単価は1,000~2,000円といったところです。店に滞在する時間は、男性で平均1時間、女性で平均1時間半と短く、フラフラになるほど飲み過ぎる客はいないというのも立ち飲みの特徴です。

・一人でも気軽に入れる

にぎやかな居酒屋や高級そうなバーに一人で行くのは苦手という人も、立ち飲み屋なら気軽に寄ることができます。お店側としても大勢で来店して長く場所を占領されるより、「サクッと飲んでサッと帰る」おひとりさまのほうを歓迎します。

・適度な喧騒が心地よい

店内はスタッフがオーダーを取る声や客同士で談笑する声などでざわめいています。そのうるさすぎない適度な喧騒は、ひとりで「家飲み」しているときは味わえない心地よさで、疲れが癒されるという常連客が少なくありません。

・紳士的なお客様が多い

お店によっては「立ち飲みルール」を掲示しているところもあります。たとえば、「酔っ払いの入店はお断りします」「混み合ってきたときは詰めてください」「追加注文せずに会話や携帯電話に夢中の方は退出を願います」など、客として守るべきマナーです。こうしたお店の常連客は飲み方がきれいで紳士的な人が多く、女性客も安心して通うことができます。

・フレンドリーな会話を楽しめる

知らない人でも隣合わせで飲んでいるうちに自然と打ち解けて、フレンドリーな会話を交わすことができるようになります。利害関係のない異業種の人であれば未知の話を聞けて勉強になったり、思いがけない仕事のヒントを得たりすることもあります。

そのほか、女性と出会うチャンスがあることも立ち飲み屋のよさだという意見があります。ただし、すべての店がそういうわけではなく、ルールのきびしい店では女性に話しかけるのを原則禁止としているところもあります。品位を欠いた男性客の振る舞いによって女性客が離れていくことを懸念してのことです。このように立ち飲み屋とひと口に言っても、その店のコンセプトや客層によってサービス内容はさまざまです。

立ち飲みで利益が出る理由

立ち飲みは儲かる!

立ち飲みの特徴は何といっても安さです。フードメニューの定番であるハムカツが150円。マグロの刺身は一般の居酒屋なら600~700円はするものを200円で提供している店もあります。ドリンクメニューは生ビールが450円、グラスワインが350円、酎ハイが300円、ウーロンハイが250円程度です。このような低価格でどうして利益が出せるのか、その仕組みについて見ていきましょう。

わかりやすくマグロの刺身を例に単純計算してみると、提供価格が200円で原価(仕入れ値)が400円の場合

提供価格(200円)- 原価(400円)= −200円

つまり200円の赤字になってしまいます。

原価率を計算すると

原価(400円)÷ 提供価格(200円)× 100 = 200%

となります。飲食店の場合、利益を出すためには原価率を30%に抑えるのが目安とされています。あくまでも目安ですが、200%というのは大変な赤字です。

では、この赤字をどのように補填するかというと、それはドリンクです。提供価格300円の酎ハイは、原価は1杯あたり80円程度ですから、1杯注文してもらえれば

提供価格(300円)- 原価(80円)= 220円

となり、200円の赤字が消えて20円の黒字になるというわけです。

価格だけで見ると、単価450円の生ビールならもっと効率がいいように思いますが、ビールは酒税の関係で原価が高くなり、利益はあまり出ません。焼酎を炭酸やウーロン茶などで割るドリンクのほうが原価率が下がるため、利益もそれだけ大きくなるのです。酒類は調理の必要がありませんし、売れ残ったとしても開栓しなければ悪くなるものではないので食材のようにロスを出すこともなく、不良在庫を抱える心配もないという利点もあります。

人気の立ち飲み屋を見てみると、人件費や在庫管理費などの経費がかからないメリットを生かし、高い食材を使った料理を安く提供するための工夫をしている店がほとんどです。なかには食材の原価率を60~70%と高くして毎月500万円もの売上げを維持している店もあります。繁盛する理由はやはり料理のクオリティの高さにあるといえるようです。

立ち飲み屋の注意点とは?

疲れている立ち飲み屋オーナーと女性客

立ち飲み屋は開業資金が少なくてすむので、簡単に始められます。それだけに競合店が多いということでもあります。現に、開店する店が多い一方で閉店する店も同じくらい多いのです。

開店してもお客様からの評判が「そこそこ美味しい」「まあまあイケる」程度では長続きするのは困難です。自分のスキルが立ち飲み屋を運営するのに適しているか、他店と差別化を図ることができるかといったことを見極めたうえで開店することが望まれます。

開業した後は仕入れ業者とのつきあいが始まるわけですが、実績のあるお店と新規の小さなお店では、仕入原価に差をつけられたり、何かと不利益を被ることがあります。

また、お店を自分一人で切り盛りする場合はもちろんですが、アルバイトを雇うにしても、メニュー作りやチラシ配りなどの宣伝活動まですべて自分でやらなければなりません。体力・気力を消耗する仕事であることを覚悟する必要があります。

しかし、苦しいとき、疲れたときは一人で悩まないことです。同じように経営で苦労した人の話を聞いたり、家族や友人など身近な人に相談するなどして、精神的なサポートを受けることができればきっと乗り越えることができます。

まとめ

立ち飲みを楽しむ人達

いかがでしょうか。

立ち飲み屋に限ったことではなく、どんな業種でもいえることですが、サービスで手抜きをしないことが繁盛店への確かな道です。今はブームに乗って次々と新しいスタイルの立ち飲みが登場しており、大手外食チェーンもさらに値下げに踏み切ったりして価格競争が激化しています。

そんななかを勝ち抜いていくには、自分の利益よりもお客様の利益を優先し、信頼関係を築いていくことが大切です。