テーブルセッティングで最上級のおもてなしをしよう!

飲食店

洋式テーブルセッティング

テーブルセッティングとは、食事をするのに必要なお皿やグラスなどをそろえることですが、料理やお酒をよりおいしくいただくために、テーブルをドレスアップするといった意味合いもあります。時が過ぎて料理の味は忘れても、記憶に残るような演出をするのが本当のセッティングともいわれています。

食器やカトラリーは種類が多く、慣れないうちは難しいと思われるかもしれませんが、基本を押さえればプロ並みのセッティングができるようになります。ここでは、西洋料理、和食、中華料理のジャンル別にテーブルセッティングの方法をご紹介しますので、参考にしてください。

テーブルセッティングを正しく行う理由とは

綺麗なテーブルセッティング

ヨーロッパでは、中世に入るまでは王侯貴族でさえ、食事をするときは手づかみで食べていたそうです。時代とともに料理のバリエーションが増え、それにつれて肉を切り分けるためのナイフ、切り分けたものを口に運ぶためのフォーク、熱いものを飲むためのスプーンというように、カトラリーを使い分けるようになったといわれています。

今では当たり前のように箸を使っている日本においても、箸を使うようになったのは7世紀に入ってからで、それまでは手で食べていました。日本で箸を使うようになったのは、飛鳥時代に遣隋使が持ち帰った中国文化の1つに箸食(はししょく)があり、聖徳太氏が箸食を朝廷の儀式で用いるようになったのが始まりとされています。一般庶民に箸食が広まったのは、8世紀になってからです。日本人がナイフやフォークで食べるようになったのは、明治時代からです。

こうした歴史のなかで、テーブルウェア(陶磁器やガラスの器、カトラリー、テーブルマット、ナプキンなどの総称)が数々作り出されてきました。料理や食器の種類が増え、食卓が多彩になると必要になってくるのは、「きれいで、食べやすい」状態に整えることです。そうして生まれたのがテーブルマナーであり、テーブルマナーはしだいに洗練され、今のスタイルへと確立していきました。テーブルセッティングはその土台となるもので、特に大切なお客様をおもてなしするときには重要なマナーです。

西洋料理(フレンチ)のテーブルセッティング

フランス料理のテーブルセッティング

洋式のテーブルセッティングのしかたはその国の食文化によって異なり、フランス式、イギリス式、イタリア式、アメリカ式、ロシア式などがあります。ここでは、日本で最もポピュラーなフランス式についてご紹介します。

フルコースでのセッティングの手順

  1. テーブルクロスを敷く。シワがよりやすい素材のテーブルクロスは、霧吹きで水をかけ、ブラッシングをしてシワをきれいに伸ばしておきます。
  2. テーブルを人数分に均等割りして各人の位置を決め、サービスプレート(位置皿)を置く。この皿はメインディッシュをサーブするときに取り下げます。
  3. 位置皿の内側から外に向かってカトラリーを並べていく。ミートナイフ(右)、ミートフォーク(左)、フィッシュナイフ(右)、フィッシュフォーク(左)、オードブルナイフ(右)、オードブルフォーク(左)、スープスプーン(右)の計7本になります。
  4. 位置皿の上方にデザートナイフ、デザートフォーク、コーヒースプーンを横向きに置きます。
  5. 位置皿の左側にパン皿を、その上方にバターナイフを置く。パン皿は位置皿の上に重ねて置く場合もあります。
  6. 位置皿の右上方に水用タンブラー、赤ワイングラス、白ワイングラス、シャンパングラスを置く。グラス類は手が触れて倒したりしないようにナイフより遠い位置に並べます。グラスは大きめが赤ワイン、小さめが白ワイン、背が高めのフルート型はシャンパンやスパークリングワイン用です。
  7. ナプキンを位置皿の上にのせる。パン皿を位置皿に重ねてある場合は、位置皿の左横にナプキンを置きます。ナプキンの折り方にはいろいろな形がありますが、慣れないうちは手早く折れるシンプルなものにします。ナプキンはお客様が口元を拭いたりするためのものですから、いつまでも触れているのはよくありません。

テーブルセッティングの基本は以上の通りですが、お客様にとっての快適さを最優先すべきです。それには、テーブルコーディネートのしかたも覚えるといいでしょう。コーディネートの仕事は料理に合った食器を選んだり、花やキャンドルなどさまざまなアイテムを使って食空間全体を演出することです。それによってセッティングの不備なところなども見えてきて、お客さまの印象に残るステキなおもてなしができるようになります。

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和食の配膳のしかた

豪華な会席料理

私たち日本人は、普段から和食を口にする機会が多いのではないでしょうか。私たちに身近な和食ですが、特に決まったテーブルセッティングのルールはありません。しかし、伝統的な和食の種類を知り、お客様を満足させる配膳の方法を知ることは重要です。そこで、和食のテーブルセッティングではなく、和食の配膳の方法について簡単にご紹介いたします。

和食の形式は次の3つに大別されます。

本膳料理

室町時代から伝わる本格的な日本料理です。一汁三菜、二汁五菜、三汁七菜などの種類があり、汁と菜の数によって膳の数も多くなり、本膳(一の膳)二の膳、三の膳、与の膳、五の膳まであります。五の膳までずらりと並べるのが正式とされています。

懐石料理

お茶会の席で供される料理です。一汁三菜の簡素な手料理が基本とされ、一品ずつ出されます。温めた石でお腹を温めるように、空腹をしのぐ程度の軽い食事という意味で、「懐石」と呼ばれるようになったといわれています。

会席料理

本膳料理が簡略化されたもので、おめでたい日の宴席料理です。結婚披露宴などで用いられるのはこの会席料理で、メニューは下記のようなものが一般的です。会席料理も本膳料理のように一度に全部並べる場合もありますが、一品ずつ配膳する場合もあり、会場によって異なります。

  1. 先付……料理が運ばれる前に出される軽い食べ物。
  2. 前菜……お通し、口取りなどという場合もあります。
  3. 吸い物……魚や野菜などが入ったすまし汁。
  4. お造り……刺身のこと。向付(むこうづけ)ともいいます。
  5. 煮物……魚や野菜の炊き合わせ。椀盛りともいいます。
  6. 焼き物……尾頭付きの魚や切り身の魚。
  7. 揚げ物……天ぷらなど。
  8. 蒸し物……茶わん蒸しや土瓶蒸しなど。
  9. 酢の物……口をさっぱりさせたり、箸休めとしての役割も果たします。
  10. ごはんと香の物
  11. 水菓子……フルーツやお菓子など。

料理の数は、縁起をかついで奇数でそろえるのが慣例になっています。奇数は割り切れないことから、「縁が切れない」という意味で吉数とされています。

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中華料理のテーブルセッティング

中華のテーブルセッティング

中華料理は、ターンテーブル(回転卓)にのせられた大皿料理を取り分けて食べる、格式張らないスタイルです。円卓を6~8人で囲んで食事をしますから、同席の人と楽しく和気あいあいといただくのがマナーといえます。

円卓にも上座・下座があるので主賓は上座に、招待する側(ホスト)は下座に着くのが基本です。上座は和室と同様に出入り口からいちばん遠い位置です。その上座から見て左隣が第2席、右隣が第3席、第2席の左隣が第4席というように、左右交互に格が下がっていき、出入り口にいちばん近い席が下座になります。料理は、ターンテーブルを時計回りにまわして順に取り分けていくのが原則です。

円卓のテーブルセッティングはシンプルで、特にこれといった決まりはありません。ここでは、一般的な中華料理のセッティングのしかたを紹介します。

フルコースのセッティングのしかた

  • 取り皿
    取り皿は料理ごとに新しい皿に換えます。お客様の中に取りにくそうにしている人がいるときは、スタッフが手伝うようにしましょう。
  • ナプキン
    指先が汚れたり口元にソースがついたりしたときに使います。セッティングするときは、取り皿の上にのせておきます。
  • 小皿
    調味料を取り分けるための皿です。
  • れんげ
    崩れやすいものやめん類を食べるときに受け皿代わりに使います。
  • 箸、スプーン
    洋食や和食同様に、スプーンと箸も用意します。
  • 調味料、取り皿
    しょう油や酢、塩などの調味料と取り皿は、ターンテーブルの上に置きます。

フルコースのメニューは、前菜、スープ、主菜(4~8品)、主食、点心(デザート)の順に出します。料理が円卓をひと回りして余った場合は、食べたい人のところへテーブルを回して、残りを食べてもらいます。

ただ、中国には料理を残すことを「食べきれないほどのおもてなしに感謝します」という、少しだけ残すのが礼儀とする考えもあります。そのため、お客様に合わせた臨機応変な対応が望まれます。

まとめ

テーブルセッティングされた店内

いかがでしょうか?

テーブルセッティングは、お客様をお迎えする前にしておかなければなりません。忙しいとつい雑なセッティングになりかねませんので、スタッフ間でしっかりオペレーション化して、スムーズに行えるようにしましょう。事前に予約帳を見て人数・時間を確認し、キッチンにも伝達しておけば、当日になって慌てることがないでしょう。

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