すだれが和食店のインテリアにぴったり?

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観葉植物とすだれ

すだれというと、窓辺に掛けられた日除けをイメージしますが、もともとは源氏物語絵巻などで見られる「御簾(みす)」と呼ばれる高貴な調度品でした。

今では、竹や麻などの天然素材で編まれたすだれは、和テイストやアジアンテイストのお店に最適なインテリアとしてレストランやカフェなどでも利用されています。そこで今回は、和食店を開業する方のために、バリエーション豊かなすだれの種類と、上手な選び方についてご紹介します。

すだれがインテリアになる?

和食店にかかるすだれ

すだれは、日除けや目隠し、虫よけの役目を果たすとともに、涼風を室内に通す働きもしています。すだれに水をかけると入ってくる風は外気より2~3度も低いといわれます。こうした開放的な構造は日本の高温多湿な風土から生まれたもので、近年の猛暑の影響でそのよさが再発見されています。

このすだれの歴史は古く、平安時代の寝殿造りに用いられた「御簾」が始まりといわれています。寝殿造りとは貴族階級の住まいの建築様式で、当時は戸がなかったため、空間を御簾で仕切っていました。御簾の素材である竹は神聖な植物とされ、御簾で仕切ることには、貴人と庶民を隔てる意味合いもあったと考えられています。

平安時代後期になると建物内部を仕切った部屋が造られるようになり、それとともに板戸やふすまなど木と紙を使った日本独特の建具(たてぐ)技術が発達してきました。

竹で作るすだれは、江戸時代初期までは将軍や大名など高貴な身分の人しか使用できず、庶民は葦(よし)や蒲(がま)で編んだ「簾(す)」を日除けや目隠しとして用いていました。

元禄期になると庶民の間にもすだれが広がり、浮世絵などにも描かれるようになりました。江戸すだれは、公家文化の御簾のような華やかさはなく、天然素材の味わいを生かしたシンプルなデザインが特徴です。

現在は、御簾は皇居の御所や神社仏閣において、神域と俗界を隔てる境目を意味する「結界」としてほぼ原型のままで用いられています。

すだれは、室内装飾用と日除け用の2種類が製造販売されています。装飾用のすだれは、客人をもてなす部屋に欠かせない調度品であったことから「お座敷すだれ」と呼ばれ、老舗料亭はじめ和食店、寿司屋、居酒屋、焼肉店などで用いられています。

最近は、レストランやカフェなどでも竹製のすだれ(バンブースクリーン)を用いて、アジアンテイストの開放的な雰囲気を演出するお店が増えています。

和食店でのすだれの活用法

日よけのすだれ

飲食店で用いられるすだれには、間仕切り用、壁掛け用、遮光用などがあります。

間仕切り用

天井または鴨井(かもい)から吊り下げるお座敷すだれのほか、すだれ衝立、すだれ屏風があります。一般的な衝立や屏風と違って、すだれは透けて見えるので圧迫感がなく、室内に広がりが生まれるという視覚的な効果が得られます。

壁掛け用

すだれ壁掛けは、裏面に花を挿すチューブがついていて、夏は朝顔、秋は紅葉というように四季折々の草花を生けて、和食で大切にされる「季節感」を表現することができます。

遮光用

遮光用すだれは、大きな窓に掛けても透かし効果で開放感があります。また、窓を開けたときに、カーテンやブラインドは風に吹き上げられたり音がうるさかったりしますが、すだれは風を通しますからいつでも快適な空間を保つことができます。

インテリアとしてすだれを選ぶときのポイント

すだれ

すだれを選ぶときは、見た目の美しさだけでなく、素材や、大きさ、操作のしかたを確認するようにしましょう。

素材

すだれの代表的な素材は竹です。厳選した竹を加工して1枚のすだれに仕立てますが、加工のしかたも両面に施すものと片面だけに施すもの、竹の節を波形にそろえて模様を編み出すものなどがあります。竹のすだれは、素材が太すぎず細すぎず、節の間隔もそろっているものがよいとされています。ただ、そこまで良質のすだれとなると高度な技術と手間を要しますから、価格は割高になります。

竹のほかに経木(きょうぎ)もよく用いられます。経木とはシナやスギなどの天然木を削ったもので、木製素材のもつ調湿性(室内の湿度が高くなると湿気を吸収し、逆に乾燥してくると放出する性能)が竹より優れています。

麻を使ったすだれも人気です。清涼感があり、竹や木にはないぬくもりとしなやかさが魅力です。色が後染めなので、カラーバリエーションも豊富です。

そのほか、PCV(ポリ塩化ビニール)やプラスチック製のすだれもあります。人工素材は汚れが付着しにくく、耐久性にも優れている点がメリットです。

すだれは、製品によって防炎加工済みのものと未加工のものがあります。飲食店は、消防法によって防炎加工されたカーテンやブラインドを用いることが義務づけられていますから、すだれも加工済みのものを選べば安心です。

サイズ

すだれ1枚のサイズは幅88㎝×高さ170㎝が基準です。オーダーメイドの場合は縦横とも1㎝単位で広げることができ、最大で幅98㎝×高さ270㎝まで製作可能とされています。

遮光用のすだれは、基本的には窓の外に取り付けますが、インテリアも兼ねる高価なすだれは内付けにするといいでしょう。その場合は、調節しやすいように、窓の寸法より長めのすだれを選ぶようにします。

操作のしかた

すだれを上下に開閉させたり、好みの高さに調整する方法には、ロープで下から巻き上げる「ロールアップ」と、チェーンで上から巻き上げる「ロールスクリーン」の2通りあります。すだれの大きさや重さによってロールアップ加工ができないものもありますから、操作法についても確認する必要があります。

既設のカーテンレールに取り付けるアコーデオン式すだれもあります。これは左右の取っ手にマグネットがついているのでピッタリ閉めることができます。

すだれはどこで買えばいい?

おしゃれなすだれイメージ

オーダーメイドする場合

オーダーメイドする場合は、すだれの専門店に依頼します。専門店であればアフターサービスの態勢が整っているところが多いので、すだれの糸が切れたときなども修理に応じてもらえます。

〈参考〉

ネットショップを利用

近くに専門店がない場合は、ネットショップを利用する方法もあります。専門店のように実物を見たり相談にのってもらうことができない点はデメリットですが、数多くの製品の中から選べる点がメリットです。また、一軒のショップだけでなく、多くのショップを比較検討することもできます。

〈参考〉

まとめ

和食店イメージ

いかがでしょうか?

すだれは、ホームセンターで売られている安価なものから、すだれ専門店の手作業で仕上げられた高級品までまさにピンからキリまでです。店舗のインテリアとして使うのであれば品質のよいものを選びたいものです。ただし、高級なすだれでも、糸が劣化して切れてしまうと使い続けるのが困難です。そういう意味ではすだれは消耗品といえます。できるだけ長持ちさせるためには、見た目や価格だけで判断しないで、使われている糸や手入れのしかたなどをきちんと確認することが大切です。

シンプルだから、使いやすい。ユビレジ 和食店導入事例
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