社員・パート・アルバイトの雇用って何が違うの?

開業・経営

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接客業である飲食店では、スタッフ一人ひとりがお店の顔というべき大切な存在です。また、飲食店の経費でいちばん大きいのは人件費です。売り上げを伸ばし、経営を安定させるためには、店にふさわしい人材を確保し、しっかり定着させることが必要です。

そこで今回は、社員とパート・アルバイトそれぞれの雇用形態を解説するとともに、スタッフを雇う上で経営者として知っておきたい各種手続きについてご紹介します。

飲食店の社員(正規社員)とは?

話す社員

飲食店の社員はフロア業務と厨房業務に分けられますが、ここでは調理師やコックなどの専門職人ではなく、運営スタッフとしてフロアを担当する社員について見ていきましょう。

まず、社員とは、雇用期間の定めがない「無期雇用」で、所定労働時間をフルタイムで働く労働者を指します。社員として採用する場合は、一般に店長候補ということになり、経営者は店長教育をしていく必要があります。店長の仕事は人材管理や売上管理、設備管理など多岐にわたります。人材管理では、パート・アルバイトのシフトを作成したり、お客さまからのクレームに対してスタッフに代わって対応するなどがあります。売上管理では、営業時間が終わってから1日の売り上げを集計して売上日報を作成します。このように、アルバイトには任せられない業務が、店長の業務としてあります。

また、賃金や待遇の面でも、社員として採用する場合は雇用契約書(従業員が10人以上いる場合は就業規則)を作成し、それに従って定年まで雇用する義務が発生します。具体的には、賃金は基本給+手当(住宅手当や資格手当、残業手当など)、年2回の賞与、年1回の昇給、有給休暇、交通費、退職金を支給するのが一般的です。

さらに、従業員を雇用する際は、労災保険、雇用保険、健康保険(介護保険を含む)、厚生年金保険(国民年金を含む)に加入し、それらの保険料を半額ずつ負担しなければなりません。個人事業で従業員が5人以下の場合は、健康保険と厚生年金保険の加入は任意となりますが、求人募集の広告に「社会保険完備」と記載することでより優秀な人材を得やすくなるのは確かです。

飲食店のパート・アルバイトとは?

案内をする飲食店スタッフ

パートは「パートタイム」の略で、フルタイムが1日8時間労働とすれば、忙しい時間帯の4~5時間だけ働くという、短時間労働者のことをいいます。アルバイトは、仕事や勤労を意味するドイツ語の「Arbeit」からきた言葉で、日本では副業の意味で使われています。パートと同じ短時間労働者に分類され、仕事内容や待遇面でもパートと変わりがありません。

パートもアルバイトも、通常は6か月とか1年などと期間を定める「有期雇用」で、契約期間満了ごとに契約更新または契約終了の手続きをすることになっています。
※現在は、6か月以上雇用していたパート・アルバイト従業員を社員に登用することで助成金が得られる「正規雇用転換コース」という制度が実施されています。詳しくは厚生労働省のホームページで調べてください。

また、パート・アルバイトであっても、労働基準法では社員と同じ「労働者」とみなされているため、賃金体系や待遇面で社員と差をつけることが禁じられています。そのため、「アルバイトには有給休暇はいらない」「予告なしにいつでも解雇できる」などと思うのは大きな誤りです。労働時間数などに応じて有給休暇を付与する必要があり、解雇できるのは、客観的で合理的な理由が認められる場合に限られます。

社会保険についても、以下の条件を満たしている場合は加入する義務が生じます。

  • 1週間あたりの決まった労働時間が20時間以上であること
  • 1か月あたりの決まった賃金が88,000円以上であること
  • 雇用期間の見込みが1年以上であること
  • 学生でないこと(ただし、夜間、通信、定時制の学生は対象となる)
  • 従業員数が500人以上の会社で働いているか、500人以下の会社で働いていて、 社会保険に加入することについて労使で合意がなされている

これらに該当するパートやアルバイトを雇用している場合は、すみやかに「短時間労働者資格取得届」を提出し、加入手続きを行う必要があります。

飲食店の雇用に向いているのは社員? それともパート・アルバイト?

お盆を持つ飲食店スタッフ

社員とパート・アルバイトの雇用形態についてざっと見てきましたが、実際に採用する際にどちらの形態がよいのか、チェックポイントごとにメリット・デメリットを比較してみましょう。

チェックポイント1:賃金について

●社 員

月給制の社員は、時給制のパート・アルバイトより人件費が高くなります。社会保険料などの福利厚生費をはじめ通勤費、オフィスの光熱費、通信費その他もろもろの費用がかかるため、「社員一人雇うのに給料の3倍の費用がかかる」いわれます。たとえば、給料が25万円なら会社は75万円の経費を負担することになるというわけです。

●パート・アルバイト

短時間雇用が原則ですから、ランチタイムやディナータイムをはさんだ4~5時間だけシフトに入ってもらうことができ、人件費を低く抑えることができます。年末などの繁忙期だけという期間限定で雇うこともできます。

チェックポイント2:残業について

●社 員

労働時間が定められている社員は、その時間内は拘束することができます。所定労働時間外でも、やむを得ない事情がある場合は業務命令として残業を指示することができます。

●パート・アルバイト

法的には残業を命じても問題ありませんが、パート・アルバイトは学業や育児、家事などと両立させているケースが多く、本人には残業を拒否する権利があります。そういう意味では社員より融通が利きにくいといえます。

チェックポイント3:仕事に対する責任感について

●社 員

社員として入社する人の中には「自分の店をもちたい」という夢を抱いている方もいるかと思います。軽微な作業だけではなく、あえて責任を伴う仕事を経験させ成長を促すと良いでしょう。ただし、最初から丸投げするのではなく、あくまでも指導育成するという姿勢で接することが大切です。

●パート・アルバイト

本人が責任ある仕事を望む場合は別ですが、そうでなければ負担をかけることになるので、とくに金銭を扱う仕事を任せるのは避けたほうがいいでしょう。

このように、社員とパート・アルバイトの双方にメリットとデメリットがあります。 そのため、どちらか一方の形態と決めるのではなく、自分の右腕として育てたいのであれば社員を、忙しいときのサポートが欲しいのであればパート・アルバイトを、というように状況に応じて雇用形態を選ぶことが最善策です。

社員もパート・アルバイトも同じ職場の働く仲間!

一緒に働く仲間

お店はスタッフと共に成長していくものです。ただ料理を作る人とそれを運ぶ人がいれば経営が成り立つというものではありません。スタッフ全員が「この店で働くのが楽しい」「やりがいがある」と思えるようになれば、経営者がとくに指示をしなくても自発的に動いてくれるようになります。 そうした活気のある店には、特別な宣伝をしなくてもお客さまが寄ってきてくれます。

そのためには、経営者がスタッフの目線に立ち、同じ目的を達成するための仲間という意識をもってコミュニケーションを図り、信頼関係を築いていくことが望まれます。

まとめ

握手

以前は飲食店のパートやアルバイトが社会保険に加入するケースはあまりありませんでしたが、最近は社会保険だけでなく賞与や有給休暇も社員並みに保障するお店が増えています。

社会保険など福利厚生を充実させることのメリットは、スタッフの定着率を高めることだけではなく、お店とその経営者の社会的信用を高めることにもつながるということを認識しておきましょう。

 

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