せんべろでも利益は出るの?安くてうまい印象を与えられる理由

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赤提灯とやきとり

大衆居酒屋や立ち飲み屋は、かつてはおじさんたちのオアシスというイメージが強かったのですが、最近は若いビジネスマンや女性の間でも人気が高まっています。なぜなら、うまい酒と質のよい料理を1,000円程度で楽しめるお店が増えているからです。

そこで今回は、「せんべろ」と呼ばれる立ち飲み屋や大衆居酒屋で成功するためのビジネスモデルについて見ていきましょう。

せんべろとはどういう意味?

ビールで乾杯

「せんべろ」とは、「1,000円でべろべろになるほど飲める店」を略した造語のことで、大衆居酒屋や立ち飲み屋を指します。最近ではメディアでも取り上げられることが多くなり、せんべろの魅力が広く知られるようになってきました。

せんべろの元祖は、酒販店でお酒とつまみを買い、その店の一角で立ち飲みをする「角(かく)打ち」と呼ばれるスタイルです。「角打ち」は飲食店と異なり、あくまでも「酒を買ったお客が店内で勝手に飲むこと」なので、酒は冷やのまま、つまみは商品の缶詰や乾き物、練り物程度です。そのため、酒を燗(かん)したり、料理を作って提供するといった接客サービスを行うことはできません。こうした町の酒屋さんから派生・進化していったのが、現在主流の立ち飲み屋といわれています。

立ち飲み屋という業態も年々進化しており、新しいコンセプトを打ち出して坪月商30~50万円という繁盛店もけっして珍しくありません。では、なぜ客単価1,000円前後で利益を上げられるのでしょうか。まずは、せんべろの人気の理由から探ってみましょう。

せんべろはどうして人気があるの?

焼鳥とビールと枝豆

人気の理由は、なんといっても「安い、うまい、雰囲気がいい」の3拍子そろっていることです。「安かろう、まずかろう」が通用する時代は終わり、今や料理のクオリティーと、何度も通いたくなる居心地のよさでリピーターを増やしているせんべろ店が多くなっています。

立ち飲み屋の場合はひとり客が多いので、雰囲気作りは特に大切です。繁盛している立ち飲み屋の店主は、「店側がある程度お客様を選ぶことが必要です」と発言しています。そのため、「〇〇屋ルール」のように、店内での約束事を掲示しておくそうです。

たとえば、「飲まない、食べない、ケータイに夢中のお客さんはお帰りいただきます」「酔って周囲にからむお客さんは出入り禁止とさせていただきます」など、ほかのお客様に対する配慮がなされたルールです。

お客様に毅然とした姿勢を示すことで、店全体の雰囲気がよくなり、女性のおひとりさまも入りやすくなります。女性客がいるお店は安心できるとして、デートに利用する若いカップルも増える効果があるといいます。

男性のひとり客にしても、隣合った同士で軽い会話を交わし、1時間も飲んだらサッと帰ります。そして、同じ人と2~3回も顔を合わせるうちに意気投合して、フレンドリーな関係になるというのも立ち飲みならではの魅力といえます。

せんべろといっても、本当にべろべろになるほど飲む人はいませんから、スマートな大人飲みをしたい世代にとって、立ち飲み屋はうってつけの社交場といえるでしょう。

せんべろで利益が出る理由

キンキンのビールと焼き鳥

せんべろの一般的な価格を見てみると、ドリンク類はハイボール300円、ワイン350円、日本酒360円、生ビール380円と、ほとんどが300円台です。フード類は刺身などの魚料理が200~400円、串揚げは1本80~150円、もつ煮込みが400円程度と、500円以上の料理はほとんど見当たらないという安さです。低価格帯でも収益を上げる方法はいろいろありますが、その中から2つご紹介します。

セットメニューを設ける

1つはセットメニューを設けることです。その一例として、生ビール、サワー、焼酎、日本酒の中から好きな飲み物1杯と、串揚げ5本をセットにして提供するとします。

串揚げの中の1本は原価が450円するとします。提供価格を1本130円とすると、この分は逆ザヤとなります。320円の赤字になりますが、原価が高いだけあってお客様の満足度も当然高くなります。これは「安くてうまい印象を与える」ための戦略の1つです。

では、320円の赤字はどこで補填するのかというと、それはドリンクです。酒類は原価が安く、利益率の高い商品です。1杯300円のハイボールは原価が90円程度ですから、ハイボールを2杯追加注文してもらえば「300×2=600円」で、これから原価を引けば「600-90×2=420円」となります。これで320円の赤字が埋まるというわけです。

価格だけを見ると、生ビールのほうが効率よく赤字を補填できるように思いますが、ビールは酒税の関係で原価が高くなるため、利益はあまり出ません。ウイスキーや焼酎のように水や炭酸、ウーロン茶などで割って飲むものほど利益は大きいのです。

メニューを絞る

そのお店の個性が最も現れるのが料理といわれます。しかし、メニューの幅を広げると調理スタッフに負担がかかりますし、お客様に提供するまでの時間もかかるなど、オペレーションが非効率になります。

せんべろは価格を安くして回転率を上げる薄利多売が基本ですから、メニューはできるだけ絞り、提供時間を短くすることが重要なポイントになります。

せんべろの定番料理といえば煮込みです。安い食材でも時間をかけて煮込むことで間違いなくおいしい一品に仕上げることができるため、看板メニューに掲げている飲食店が多いものです。

魚や肉などの生鮮食品は、仕入れ業者との関係に左右されることが多く、欲しい食材を仕入れることができない場合があります。しかし、仕入の実績を積み、業者と信頼関係を築いていくことで、市場への着荷が少ないときでも融通を利かせてもらったりすることが可能です。仕入れ時に便益を図ってもらうためにも、よい業者を探して仕入れのノウハウを身に着けていくことが大切です。

人気のせんべろ店を参考にしよう

ビールを持つ男性

若い世代に人気のせんべろをご紹介いたします。店内の雰囲気や、メニューを考案する際の参考にしてください。

熊だ

原宿駅近くに2017年にオープンしたサーモン丼専門店。目玉はせんべろセット。焼酎割りなど最大4杯+お通し3品で1,000円。おしゃれな雰囲気なので、気軽に入れるお店です。

池袋 木々家(はやしや)2号店

池袋界隈でははずせないといわれる人気店。やきとん1本150~180円、ホッピーは490円。やきとんは1本を2人でシェアしても十分なほどボリューム満点。ほかにもビールがおいしくなるメニューが豊富です。

横浜 ちょいのみてぃ横浜処

女性でも入りやすいモダンで落ち着いた雰囲気。女性にいちばん人気なのは、10皿以上並んだ惣菜(各100円)から選ぶ個別メニュー。ミックスフライ(アジフライ、カレーコロッケ、チキンカツ)380円もコスパのよさで好評です。

まとめ

ビールを飲む男性たち

いかがでしょうか?

せんべろの強みは、予算をそれほど考えずにふらりと立ち寄れるところです。立ち寄ったお店でおいしい料理に出合えば、お客様は「毎日でも通いたい」と思うでしょう。しかし、どんなに気に入ったものでもやがて飽きてしまいます。飽きればすぐに他のお店に流れて行きます。

それを防ぐためには、調理法の工夫をしたり、食材を変えたりして、お客様がつい足を運びたくなるお店を作り上げていくことです。

せんべろで繁盛しているお店の中には、材料費を抑え、缶詰だけの創作料理でリピーターを増やしているところがあります。アイデア次第で成功することができるのですから、せんべろのほうが一般のレストランや居酒屋よリ効率的なビジネスということができるでしょう。

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