接客のロールプレイングを行う理由とロールプレイングのやり方

居酒屋

接客ロールプレイング

初めて接客の現場に立った時は誰でも緊張するものです。上手に注文が取れるかどうか、お客様に失礼がないかどうか、クレームが来た時はどう対処すれば良いのかなど考えることが山ほどあるのではないでしょうか。

なんの知識や経験も無しに接客することは、お店の営業の面から見ても非常に危険です。しかし、本番に臨む前にあらかじめ接客の場面を想定したシミュレーションをしていたらどうでしょうか?はるかにスムーズに接客やサービスが行えるはずです。

そのシュミレーションが「ロールプレイング」です。今回は効果的なロールプレイングの方法をご紹介します。

ロールプレイングとは

パソコンをみるビジネスマン

ロールプレイングとは本来、教育方法の1つで、役割演技法とも言います。 実際の仕事上で起こりえる場面を設定し、そこでそれぞれの役割を演じることで、実務上のポイントを体得する訓練法を指します。

例えば、販売に携わる職業に従事している人ならば、セールスの技術のトレーニングや、社会人としてのマナー教育など、ビジネス・パーソンとしての基本技能の修得や対人能力の向上を目的とした研修によく使われる方法です。

接客業であれば、スタッフの中からお客様役を設定し、その役割を演じることです。つまり、実際の接客販売を想定して、販売員や接客スタッフがお客様にどのような接客やアプローチをかけていけば良いのかを練習していくわけです。”接客ロープレ”などと呼ばれることが多いです。

ロールプレイングを実施するワケとは

男性ウエイトレス

ロールプレイングは接客業では極めて重要な練習方法です。何故なら、実際のお客様を想定して、ロールプレイングを通して事前に練習しておくことで、本番でも慌てることなくスムーズに接客ができるようにできるからです。

目的をきちんと理解させロープレイングを行うことで、劇的に現場で通用する意味のあるものとなります。接客歴が浅い人には、実際のお客様を接客させる前にスタッフ同士でロープレイングを行った方が確実に効果的です。また、お客様対応に不安がある場合においても、事前に練習をしておけば本番でも落ち着いて対応できるようになります。時には、経験豊富なスタッフにもロールプレイングを行い、新しいフードやドリンク商品の進め方とか、接客がマンネリ化してないか、などの問題点の指摘や改善のために有効活用できます。

このように、ロールプレイングは新人、ベテラン問わず、お店のスタッフのサービス向上に役に立ちます。

ロールプレイングのメリット・デメリット

ロールプレイングのメリット・デメリットを理解すると、実際に接客ロールプレイングを導入する際にどういった面に注意しなければならないかが分かり、一番お店に合うロールプレイングの方法を採用することができます。

ロールプレイングを行うには事前の準備や各スタッフの時間を確保する必要があるためわずらわしく感じるかもしれませんが、最終的にはお店のスタッフの接客レベルがアップし、集客向上につながります。

メリット

1.短期間で効果的に接客技術を修得できる

実践しながら接客技術を修得するため、初めて接客の仕事をするスタッフにとても効率よく接客方法を教えることができます。お客様が入店してからお店を後にするまでの流れを把握するうえでも有利な方法です。

新人スタッフが先輩スタッフやオーナーと一緒にロールプレイングをすることで、新人スタッフに自信をもって接客させる効果だけでなく、お店のコンセプトに適した接客を伝え、先輩スタッフたちにも今までの接客方法を見直すいい機会になるでしょう。

また、接客を体験してみることで理想の接客を理解することができます。様々なシチュエーションでどのような言葉遣いをすれば良いのか、笑顔や声のトーン、話し方なども学ぶことができるでしょう。

2.どんなお客様にも良い接客ができるようになる

接客ロールプレイングを行うことで老若男女や国籍を問わず、恐れずに接客ができるようになります。特にグローバル化が進み、個人経営のお店にも外国人のお客様が来店することが増えてきています。外国人のお客様が来店しても緊張せずに、丁寧な接客ができるよう様々なシチュエーションを使ってロールプレイングをすることもおすすめします。

言葉が通じなくても、丁寧な接客やまなざし、笑顔などで印象が大きく変わります。一方クレームなどがあってもロールプレイングを行っていれば、焦らず的確な対応ができるでしょう。

3.スタッフ同士の助け合い精神が生まれる

ロールプレイングを行うことで、スタッフ同士の会話が増え、どんな接客が望ましいかを分析し合うことができます。そうすることで接客を実践するときにもサポートしあったり、声をかけあったりとスタッフの絆が強くなることがあります。

このように協力の精神が芽生えるとオーナーが一つ一つ説明しなくても、スタッフ同士で話し合うことで接客が向上したという例もあります。

デメリット

1.接客がパターン化しやすくなる

定期的にロールプレイングを行なうとそれがパターン化してしまい、真剣さがなくなることがあります。その結果、実際の接客でもあまりいい接客が行えない場合があります。

毎回のロールプレイングで新しい課題に取り組むようにし、マンネリ化しないように注意する必要があるでしょう。

2.時間がかかる

もしスタッフの人数が多いと接客ロールプレイングに時間が多くとられてしまうかもしれません。そうすると全体的にだらけた雰囲気にもなりかねません。人数が多い場合は何組かに分けて同時にトレーニングをして効率化を図ると良いでしょう。

ロールプレイングの方法

それではロールプレイングの方法を確認していきましょう。

前もって計画することで意義のあるロールプレイングになり、実践するときにはより自信をもって接客にあたることができます。

<主な流れ>

  1. お客様入店
  2. 接客
  3. 会計
  4. お見送り

この流れに沿ってシナリオを作成し、各スタッフに役割分担(接客スタッフ、お客様、オブザーバー)を決めます。このときの場面設定はできるだけ現実的な設定で行うようにしましょう。実際に生じるかもしれないハプニングも想定していくつかのパターンを準備するのも良いでしょう。

まず各スタッフに接客にかかる時間や注意点を説明し、どんな点を意識するかを伝えます。

目的やテーマが具体的であればあるほどより現実味がある接客になるでしょう。可能なら他のスタッフがロールプレイングの様子をビデオで撮影して、どんな点が良かったか、改善点やポイントを分析するなど、終了後の話し合いの材料にすることができます。記憶が鮮明なうちに話し合いをすることで改善しやすくなり、繰り返し練習してレベルアップすることができます。

また、接客の流れだけに注意するのではなく、お客様への対応、話し方、声の調子、視線、表情なども細かに確認することで、自分では気がつかなかった改善点が見えてくるかもしれません。また、スタッフ同士で褒められる点を積極的に伝えることで、互いの良い点を取り入れて、スタッフ全員の接客レベルが確実にアップすることでしょう。

ロールプレイング時にはできるだけリラックスして取り組むように進めましょう。失敗しても焦らず、完璧を求める必要がないことも伝えておきましょう。上手にしようと思うあまり不自然になったり、萎縮したり、機械的な対応になりかねないからです。また、失敗してもそれが改善するための材料にもなるので、できるだけ普段通りに接客を行うように説明しておくことも大切です。

接客のロールプレイングのコツ

接客業の女性

接客ロールプレイングには3つのコツがあります。

  • 目的意識
  • 場面ごとに切り取る
  • 終了後はすぐに良かった点、悪かった点を振り返り、チェックする。

まず1の目的意識ですが、スタッフ役とお客様役で何の練習をするのかをきちんと話して認識することが大事です。これによって、お互いがどこに問題があるのか、どの点に注意をしておけば良いのかがわかるわけです。

次に、場面ごとの切り取りでは、最初のいらっしゃいませの部分、注文を受ける時、配膳、お皿の下げ方、お見送りの部分だけなど、場面を細かく分けることが大事です。そうすることで、時間も短く集中でき、一つずつを確実にクリアしていくことができ、どの場面がその人が苦手か、問題点があるかがはっきりします。

そして終わってすぐに良かったところや悪かったところを振り返ってみましょう。ロープレを終えたらすぐにその場でどこが良かったのか、どこに問題があったのかを振り返ることで、確実に記憶付けることができます。また、注意点などはメモを取ることも欠かせません。

スタッフ役とお客様役それぞれで見え方が違うので、どちらも意見をしっかりと出し合い、互いで解決する方法を探すのがベストです。この3つがしっかりできていれば、ロールプレイングはとても効果のある練習になります。これまで苦手意識の強かった方は是非試してみてください。苦手と思える点を中心に練習を繰り返すことにより自信につながってくるでしょう。

ロールプレイングでつけた自信がいい接客へ

お客様を喜ばす店員

このように事前にロールプレイングで練習することで、スタッフも次第に接客に自信が出てきます。なぜなら、人間はあらかじめ用意しているものがあると思うだけで、安心感が変わってくるからです。お客様からしても、おどおどと、何を言っているのかわからない態度で接客されるよりも、落ち着いて明確にサービスをされた方が安心しますし、スタッフに好感度を抱きます。スタッフの好感度がイコール、お店の好感度になるわけです。お客様から接客態度を褒められたら、その分そのスタッフの自信はさらに深まりますし、モチベーションも上がります。

逆に、何かの失敗でクレームを受けても、ロールプレイングできちんと対応を練習しておけば、きちんとしたクレーム対応ができ、逆に怒っていたお客様がお店のファンになったりすることもあるのです。

良いことも失敗もロールプレイングで次の糧にすることが可能なのです。

まとめ

最善を尽くせブロック

このように、ロールプレイングは新人スタッフが自信をもって現場に出ることができる研修から、ベテランスタッフの初心回帰、さらにはその都度、接客の問題点のあぶり出し、改善へとつながる有意義なものです。

それが、最終的にはお店全体のサービス向上に繋がり、集客アップや良いお店作りに繋がってくるのです。 意味のあるロールプレイングで自信をつけ、良い接客を心がけましょう。