料理人の確保や育てるための方法について教えます

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料理人イメージ

リピーターが多くて連日にぎわっているのに、経営は赤字続きという店があります。理由はオーナーシェフの味に対するこだわりが強く、食材も調理法もグレードの高いものばかりで、経費が売上を超えてしまっているからです。

このように、味は一流でも経営能力は二流といわれる料理人は少なくありません。では、本当に利益を上げられるプロの料理人を探すにはどのような点を重視すればいいのか、ここではレストランでのシェフを例に見ていきましょう。

「腕がいい」料理人とは

腕がいい料理人

「腕がいい」とは技術・技量がきわめて優れているという意味で、料理人の中には卓抜した調理技術をもつ人はたくさんいます。しかし、その腕一本で成功を収めた料理人となるとごく一部で、シェフと呼ばれる人でも調理技術以外の能力がないと務まらない時代になってきています。たとえば、食材の発注・仕入れから、原価計算、後輩の指導、品質管理、衛生管理など、経営者なみのマネージメント能力を求められます。

かつては「調理技術が第一、経営能力は二の次」が常識とされていた料理業界ですが、今は「経営能力が第一、調理技術は二の次」と逆転しているのです。

長年、有名ホテルでシェフを務めてきた人が独立開業をしてオーナーシェフとなったものの、わずか1年で閉店といった話は珍しくありません。これは料理の腕と経営の手腕はまったく違うものであることを示しています。

「調理技術は二の次」といわれるようになった背景には、不況の影響で高い飲食店より手ごろな価格の大型チェーン店を利用する人が多くなっていることや、厳しい修業を積まなくてもインターネットのYouTubeで調理法を覚えられるようになったことなどがあります。

実際、下積み修業らしいことはしたことがないのに自分のお店をもって繁盛させている料理人がいます。しかし、彼はけっして自由気ままに作りたいものを作って提供しているわけではありません。なぜここで塩を使うのか、野菜をゆでる期間はどれくらいが適切かといった基礎的なことを納得いくまで追求し、最新の技法を取り入れたりしながらオリジナルの味を作り出し、お客さまを感動させているのです。

さらに、原価計算にしても管理業務にしても今はパソコンでやる時代ですから、そのスキルを身につけることも必要です。このように料理人を取り巻く環境が大きく変わってきた現代は、「腕のいい料理人」とは、調理技術と経営能力に創造力などもあわせ持つ人のことを指すようになってきました。

料理人とオーナーの分業体制が増えている?

料理人とオーナー

料理人に経営能力などが求められる時代になったとはいえ、まだ純粋に調理技術を極めようとする職人気質のシェフが多いのも事実です。そんななかで飲食店経営はオーナーと料理人が分業体制をとるケースが多くなっています。

この場合の分業とは、経営者と従業員という雇用関係にありながら、オーナーが資金と経営スキルを提供し、料理人が対等な立場で調理技術を提供するというwin―winの関係で、欧米でもよく見られる形態です。

これは双方にとってメリットがあるというだけでなく、結果的に顧客満足度を高めることにつながることから、今後さらに増える傾向にあるといわれています。

腕のいい料理人を確保する方法

料理人を採用する

腕のいい料理人とはどのような人材なのか、もっと具体的な要素をあげてみましょう。

  • 「お客さまが食べるものを作っている」というプロ意識が強い
  • コスト意識があり、食材のロスや時間的なロスをなくそうと努める
  • スタッフを指導する力があり、周囲への気づかいもできる
  • 調理技術だけでなく、経営スキルも身につけたいという向上心がある
  • 基本をおろそかにしない、誠実な人柄
  • いつかはオリジナルのコースメニューを開発したいといったビジョンをもっている

以上のような要素をすべて持ち合わせている人材はそうはいないでしょう。しかし、今は不完全でも、こうした姿勢、意欲をもっていることが感じられればおおいに期待できます。反対に、以下のような要素をもつ人材は、技術的には優れていてもトラブルを起こしやすいタイプといえます。

  • プライドが高く、「腕がよければお客はきてくれる」という思いが強い
  • コスト意識が低く、料理の量が多すぎたり、高価な食材を使いたがる
  • 組織の一員という認識が薄く、スタッフとコミュニケ―ションをとろうとしない
  • ミーティングにもきちんと参加しない
  • 店の売上がよくなると給料アップを要求する

そのほか、確かな調理技術をもっているが、それは生活していくための手段と割り切っているサラリーマンシェフもいます。このタイプはスタッフを率いていく力はないので避けたほうが賢明でしょう。

次に、有望な料理人をどのようにして確保するかですが、主に次の3つの方法があります。

  1. 人脈(コネクション)を利用する
  2. 求人情報誌に掲載する
  3. インターネットの飲食店専門の人材バンクを利用する
この中でもっとも手堅い方法といえば①のコネクションを利用することです。同業者の集まりなどに参加して適任者を紹介してもらったり、コネを通じて引き抜き(ヘッドハンティング)をしたりすることができます。この場合は相手の人柄などもある程度わかりますので、採用してから後悔するようなことも少なくてすみます。

いずれの方法にせよ、応募する側も店舗の立地条件や外観、内装などをチェックし、肝心の料理内容は自分の目指す味と一致しているかどうかを確認するはずです。そのうえで判断しますから、経営者としてはきちんと礼を尽くして応対することが大切です。

腕がいい料理人へと育てる方法

料理人を育てる方法

まず、育てる側ではなく育てられる側に立って考えてみましょう。料理を作るのが好きでこの道に入り、数年間修業を積んできた。新しい店ではよりステップアップするために頑張ろうと意欲に燃えているときに、料理のことをよくわからないオーナーがああしろこうしろと指図をしてきたら、いっぺんにやる気を失ってしまいます。

腕のいい料理人に育てるためには、先輩であるシェフやスタッフが各自ポリシーをもち、料理にそれを反映させている姿を見せることです。ことばではなく、「われわれが作る料理はこういうものだ」と胸を張ってくれれば、「この人たちについて行きたい」という尊敬の念が生まれ、あとは経営者が放っておいてもどんどん成長していきます。そうして店も一緒に成長していくものなのです。

まとめ

いい料理人たち

料理に関しては素人同然の経営者が厨房に口出しをする、腕に自信のあるシェフは経営者の言うことを聞き入れない、ホールスタッフは不満でいっぱい――このような状態では廃業に追い込まれるのは時間の問題ですね。しかし、実際にこうした例が後を絶たないのです。

それぞれ立場が違うとコミュニケーションを取るのも簡単なことではありませんが、繁盛店をつくるためにはオーナー、シェフ、スタッフの全員が気持ちを1つにして支え合っていくことが何よりも大切です。