路面店?ビル2階以上?飲食店はいったいどこにだせばいいの?

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賑わう夜の有楽町

資金計画を立て、コンセプトや客層のターゲットも決まったら、いよいよ店舗探しです。飲食店は立地と物件が売り上げに影響しますから、賃料や保証金などのコスト面だけでなく、駅から何分くらいで、広さは何坪で、ビルの何階がよいのかというように、判断基準を明確にすることから始めましょう。

そこで今回は、飲食店や物販店、事務所などが入る複合ビルの路面店と2階以上の店舗について、実際に探すときのポイントと共に解説していきます。

路面店とは

綺麗に清掃された商店街

路面店とは、文字通り道路に面した店舗のことで、1階部分の物件を指します。それに対して、2階から上の物件を空中店舗(空中テナント)、地下1階から下を地下店舗と呼んでいます。

都市部の一等地といわれる繁華街では、老舗の専門店や有名ブランド直営店が路面に店を構えています。オフィス街ではビルの低層部に商業系テナントを導入し、路面はほとんど飲食店で占められています。また、郊外の交通量の多いところでは、大手コーヒーチェーン店やうどんチェーン店などが、路面店を次々にオープンしています。

路面店の最大の強みは、視認性が高いことです。通りすがりの人にもすぐ認識してもらえるため、それだけ高い集客力が見込めます。しかし、必ずしも路面店が有利とは言い切れません。業態によっては階数の影響を受けなかったり、空中店舗のほうが適しているケースもあります。次項から、路面店と空中店舗の違いついて詳しく見ていきましょう。

路面店と空中店舗はどちらがいいのか

夜の宮益坂交差点

同じビルでも、階(フロア)ごとに賃料が異なります。路面店がいちばん高く、次いでエレベーターと階段を使える2階が高く、それ以上は同水準になるのが一般的です。これを「階層別効用化」と言います。路面店が高い理由は、次のようなメリットがあるからです。

路面店のメリット

  1. 集客しやすい
    1階の店舗は視認性が高いことと、入りやすいことがメリットです。デートなどの待ち合わせ場所として利用するのならわかりやすいことが大事ですし、子どもやお年寄りを含むファミリー層からすると、出入りが楽な路面店を利用するケースが圧倒的に多いという統計があります。
  2. 回転率が高い
    急いで食事をしたいとか、ちょっとだけ時間つぶしをしたいというとき、店内の様子がわからない空中店舗に行く人はいないでしょう。空席状態がわかり、移動時間のかからない路面店を利用するのが普通です。このように、路面店は客単価が安くても回転率のよさで利益を上げられるため、それだけ賃料も高くなります。よって、ラーメン店やそば屋、牛丼店、テイクアウト店など、滞在時間の短い業態に適しています。
  3. 店づくりをしやすい
    店先に鉢植えを並べたり看板に趣向を凝らしたりと、空中店舗に比べて店づくりをしやすい点も魅力の1つです。

以上のような利点があることため、路面店は賃料が高くても人気があり、空き物件が出るとすぐに埋まってしまう状態です。そのため、希望の物件が見つかるまでに時間がかかることを念頭に置いて、準備を進める必要があります。では、続いて空中店舗のメリットについて見てみましょう。

空中店舗のメリット

  1. 賃料が安い
    なんといっても、賃料の安さが空中店舗のメリットです。都心のオフィス街の場合、同じ占有面積で1階は1坪あたり3万円、3階は1坪当たり2万円で、1万円も差がつく物件が少なくありません。仮に15坪の面積とすると1階は45万円、3階は30万円です。つまり、3階は1階より毎月15万円浮く計算になります。この浮いた分を宣伝広告費に回すことで、視認性の低さをカバーすることが可能といわれています。
  2. 値引き交渉がしやすい
    路面店は人気物件だけに、値引き交渉の余地はまずありません。しかし、3階以上の店舗を検討する場合は、交渉しない手はありません。なぜなら、希望者が少ない物件ほど、大家さんや不動産屋は「この機会を逃したらいつ借り手がつくかわからない」という気持ちになり、譲歩してくれることが多いからです。
  3. 落ち着いた店づくりができる
    道路から離れる分だけ騒音が届かず、落ち着いた雰囲気の店づくりができます。友人同士やカップル、グループなど、人数が多く滞在時間も長い客層をターゲットとする場合には、空中店舗が適しています。

路面店と空中店舗、決めるポイントは?

指差すウェイトレス

駅前の路面店であるにもかかわらず、頻繁にテナントが入れ替わっている物件があります。初めは喫茶店だったのがレストランに変わり、1年そこそこでドラッグストアに変わるという具合のため、よほど問題のある物件に違いないとうわさになるほどです。

しかし、頻繁にテナントが入れ替わる原因はただ1つ、賃料が高すぎることにあります。路面店は集客力がありますから、オープン当初は売上も伸びますが、その状態が長く続くことはありません。売上が落ちてくると経費を削減せざるを得なくなります。賃料は下げることができませんから、材料費や人件費を削ることになります。そうなるとお店全体のクオリティが低下し、結果的にお客様に背かれて閉店を余儀なくされてしまうのです。

こうしたケースは、「路面店は視認性が高く集客力がある」という通説に頼りすぎたために招いた失敗といえます。どのビジネスにもいえることですが、とくに賃料の高い店舗で営業をする場合は、まず売上目標を設定し、それを達成するための客単価や回転数を割り出すことから始める必要があります。綿密なシミュレーションを行って運転資金に余裕をもたせないと、利益が出てもすぐ賃料に食われてしまって、経営を続けることが難しくなります。

このケースとは対照的に、駅から10分以上かかるビルの4階という不利な物件でありながら、繁盛しているお店もあります。この場合は、賃料が安い分を宣伝広告費に回し、運転資金もキープしていたため、食材の質を落とすことなく経営を続けられたことで徐々にリピーターを増やすことができたからなのです。リピーター、つまり固定客がつけば宣伝広告費を減らすこともでき、より多くの利益を出すことができるようになります。

このような例からもわかるように、路面店は有利で空中店舗は不利とは限りません。どちらを選ぶにしても、固定客がつくまでは時間がかかります。飲食店が軌道に乗り、利益を出せるようになるまでには半年~1年はかかるといわれます。そのことを計算に入れて運転資金を確保しておくことが、成功するための重要ポイントです。

まとめ

道頓堀を歩く女性

いかがでしょうか?

以前は「商売をするなら一等地で」という風潮がありましたが、今は飲食店が飽和状態にあることやインターネットが普及したこともあって、場所よりも経営者の「マネジメント能力」が売上を大きく左右するといわれます。

二等地の中間店舗でも、グルメサイトなどを活用することで集客力を高めることができる時代です。店舗探しをするときはコンセプトを固め、これだけは達成したいという売上の数字を割り出し、それに沿った物件をリストアップすることからスタートしましょう。

どんな物件があるかを調べるには、インターネットで無料公開されている商圏分析サイトを利用する方法もあります。出店を希望するエリアで検索してみてください。