レストランの開業資金はいくらかかる?資金内訳と資金調達の方法とは

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レストランのテーブル

レストラン開業を計画している人にとって最も気がかりなのは、「資金はいくら必要か」ということでしょう。店舗の内装費はどれくらいかかるのか、運転資金はどれくらい用意すればいいのか、具体的な金額がわからないと事業計画書を作成することもできません。

そこで今回は、レストラン開業に必要な資金の内訳と、資金調達の方法についてわかりやすく説明していきます。

レストラン開業に必要な資金とは?

レストランの開業資金イメージ

「個人で飲食店を開業するには1,000万円が目安」などといわれることがあります。しかし、これは店舗をオープンするのに必要な費用であって、その後お店を運営・維持していく費用が含まれていません。これでは売上の少ない月が3~4か月も続いたら家賃や材料費、光熱費などの支払いが滞り、開店後1年もたたないうちに閉店に追い込まれてしまいます。

経営ノウハウの乏しい人は、事業が失敗するのは売上が落ちて赤字になるからだと思いがちですが、それは勘違いです。仮に赤字の月が3~4か月続いたとしても、家賃や諸経費を支払うことができればお店を維持することができます。

この赤字でも乗り越えて行けるだけのお金を「運転資金」といい、個人事業を始める際に最も重要視しなければならないコストです。つまり、赤字になったから倒産するのではなく、事業計画を立てる段階で運転資金の見積りを怠ったことが敗因と考えるべきなのです。

では、そうした失敗を避けるためには開業資金をいくら準備すればいいのか、ここでは一般的なフレンチレストランを例に見ていきましょう。開業に伴う費用は次のように4つに大別されます。

1.物件取得費

店舗物件を探すときは、立地や外観だけで決めるのではなく、まずは売上予測を立て、家賃が売上の10%に納まる物件を探すようにします。

たとえば、客席面積が30坪でテーブル席が45席、回転数が1日3回、客単価1,000円、満席率(稼働率)80%と想定した場合、1日の売上予測は「45席×3回×1,000円×80%=10万8千円」となります。

1か月25日営業とすると「10万8千円×25日=270万円/月」ですから、家賃はこの10%の27万円を目安に探すようにします。

飲食店向けの物件では、保証金が家賃の10か月分、前家賃・礼金・仲介手数料がそれぞれ1か月分で、計13か月分を支払うのが一般的です。この場合は「27万円×13か月=351万円」で、約350万円が物件取得費の目安となります。

以上はスケルトン(内装も設備も何もないコンクリート打ちっぱなしの状態)物件の場合です。これに対して、居抜き(前の借主が施した内装や設備をそのまま使える状態)物件であれば、造作物譲渡金として50万~300万円を支払うことですぐに借りることができます。内装や設備の状態によっては無償で借りられる場合もあります。

2.設備・内装費

スケルトン物件の場合は、次のような設備工事と内装工事が必要です。

  • 電気工事……コンセントと照明器具の配線、給排気ファン、エアコン、業務用冷蔵庫の配線など。
  • 水道工事……厨房とトイレの水回りのほか、保健所の指導による2層シンクとグリストラップ(生ゴミや油を除去する装置)、従業員専用の手洗い器の取り付けなど。
  • ガス工事……飲食店用のガスが引かれていれば配管のみ。
  • 内装工事……天井、壁、床、厨房、トイレ、ファサード(入口)など。

工事費用はお店の規模やコンセプトによって大きく異なってきますが、一般的には1坪当たり30~40

万円が相場とされています。30坪のレストランの場合は1千万円前後かかることになります。

居抜き物件で、不具合な部分を修繕する程度であれば1坪当たり5万~50万円ですみます。

3.開業諸経費

備品、什器、家具、音響、レジ、食器類、消耗品、初期仕入、販促費(チラシ、ショップカード、ホームページ作成など)の諸経費で、売上の30~40%が適正とされています。売上予測が270万円/月の場合は、80万~100万円に抑えるようにします。

4.運転資金

飲食店を開業して軌道に乗るまで早くて3か月、一般には6か月かかるといわれています。開店当初は「オープン景気」といって多くのお客様が寄ってくれますが、やがて売上がガタっと落ちる日が来ます。そのような低迷期に備えて運転資金を確保しておかなければなりません。

運転資金の考え方にはいろいろありますが、わかりやすいのは「月額売上に対する固定費比率」で見る方法です。売上予測270万円/月で計算すると次のようになります。なお、「給与」はスタッフを雇用していなくてもオーナーの生活費を計算する必要があります。

  • 家賃……10%=27万円
  • 諸経費……10%=27万円
  • 給与……15%=40万5千円
  • 合計……94万5千円

これの6か月分は567万円となり、約550万円の運転資金が必要ということになります。

1から4までの総額が1千980万円、約2千万円が開業資金として準備したい金額です。ずいぶん高いと思われるかもしれませんが、運転資金には先行投資的な意味合いがあることを理解しておきましょう。

開店当初は運転資金を切り崩しながら営業を続けますが、しだいに軌道に乗っていき、ある時点から損益分岐点を超えて利益が出るようになります。

常連客も増えて利益が上がるにつれて、これまで投資した運転資金が徐々に回収されていきます。そして、利益が残る状態になれば経営は安定し、赤字状態に戻る心配はなくなるというわけです。よく「物件や内装費は削っても運転資金だけは削るな」とか「運転資金の調達が会社経営の出発点」といわれますが、運転資金が重視される理由はここにあるのです。

ジャンル別!レストラン開業の資金相場

資金を貯める男性

一般的なフレンチレストランについて見てきましたが、レストランのジャンルによって内装や厨房設備にかかる費用は異なってきます。その主なものをあげてみます。(金額は1坪当たりの相場)

  • 和食……畳敷きの個室が多い造りでは40~100万円
  • イタリアン……ピザ窯を客席から見える場所に設置したり、厨房もオープンキッチンスタイルにする場合は40~80万円
  • 中華……油を使うメニューが多く、気化した油が客席へ流れるのを防ぐエアカーテンを設置する必要があり、30~40万円
  • 焼肉……各テーブルに専用のコンロと無煙ロースターを設置するため50~120万円

レストランの資金はどうやって調達すればいい?

資金の相談に乗ってくれる女性

開業資金は全額自己資金でまかなえればそれに越したことはありませんが、そうはいかないのが現実です。自己資金では足りない分は親兄弟や金融機関から借りることになります。知人や関係者から出資を募る方法もありますが、万一、経営不振に陥ったとき、手のひらを反すように激しく返済を迫られることがあります。そのような状況を避けるためには、開業資金としてお金を借りるのは親兄弟と金融機関に絞るほうがいいでしょう。

個人事業を始める際に多く利用されるのが、日本政策金融公庫の「中小企業経営力強化資金」です。これは無担保、無保証、低金利で、開業してすぐに利用できる点が大きなメリットです。融資限度額は2千万円です。同じような制度に「新創業融資制度」もありますが、それよりも中小企業経営力強化資金のほうが金利を低くできるのでおススメです。

【中小企業経営力強化資金制度の相談から融資までの流れ】

  1. 認定支援機関の融資専門家による指導・助言を電話で受ける
  2. 必要書類を作成
  3. 必要資料を準備(設備投資するための見積書など)
  4. 資料を専門家へ郵送。専門家が資料を確認したうえで日本政策金融公庫へ郵送
  5. 面談(融資申込者の都合に合わせて日時を決め、当日は専門家も同席することが多い。面談は約1時間)
  6. 日本政策金融公庫の担当者が開業予定地に赴き現地調査を行う
  7. 融資決定。書類が送られてくるので必要事項を記載して返送する
  8. 借入額が着金(書類の到着後3営業日後に指定口座に送金される)

この流れを見るとわかるように、細かい手続きは専門家が代行してくれるため、融資を受ける本人は日本政策金融公庫に何度も足を運ぶ必要がありません。面談の場にも同席してもらえるので緊張することなくスムーズに進めることができます。

こちらの記事に更に詳しく記載していますので参考にしてみてください。

創業計画書の書き方!日本政策金融公庫の融資審査を高確率で通す方法

まとめ

レストランのテラス席

いかがでしょうか?

日本政策金融公庫は、銀行のように各地に支店があるわけではありません。その代り商工会議所と連携して定期的に経営相談会を開催しています。その中で、中小企業経営力強化資金などについても説明を受けることができます。開業資金の融資を考えている場合は、自己資金はいくら用意すれば有利なのか、どんな書類が必要なのかといったことを知るために、一度参加してみるといいでしょう。

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