ラーメン屋内装の考え方とは?基本的なレイアウトやポイントを紹介

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ラーメン屋のカウンターでラーメンをすする

ラーメン屋はほかの業種より低コストで新規開業できることから、脱サラをして開店するケースなども多く、地域によってはコンビニの店舗数を上回るところもあります。そんな競争の激しいラーメン業界を勝ち抜いていくには、味だけではなく、快適性や安心感、親近感といった付加価値を与えることが必要不可欠です。その付加価値をつくる要素の1つが内装デザインです。とくにSNSが普及している現代は、お店のコンセプトが表現されている食空間を求める傾向が強まっています。

そこで今回は、ラーメン屋の基本的なレイアウトと、コンセプトに合った内装づくりのポイントをご紹介します。

ラーメン屋の内装の考え方

ラーメン屋の厨房

ラーメン屋に求められるのはスピードです。ホールスタッフもキッチンスタッフも手際よく作業を進めなければなりません。そのためには、スペースにゆとりのある客席と、使い勝手のよい厨房をつくることが大切です。それぞれのポイントをあげてみましょう。

客席

席数は、一般的には1坪あたり1.5席が適正とされていますが、ファストフードやラーメン屋のように食べたらさっと帰る滞在時間の短い業態は、1坪あたり2席が目安とされています。売上を伸ばすためには席数が多いほどいいと考えがちですが、窮屈なお店ではお客様が入りにくく、回転率を下げる原因になりますから、10坪の店舗なら20席を目安に設計するようにします。

仮に20席とした場合、全部を4人掛けのテーブルにすると、1人客や2人客の多いお店では稼働率が低下し、売上効率が悪くなってしまいます。

ランチタイムのビジネスパーソンをターゲットにするのであれば、U字型のカウンター席のみでテーブル席は不要です。ファミリー層やグループ客をターゲットにする場合は、2人掛け用や4人掛け用のテーブルを配置し、人数に応じてテーブルを2卓つなげるなどして対応するようにします。

テーブル席を配置する際に重要なのは、効率のよい動線を確保することです。動線とは、店内でスタッフが移動する方向や頻度などを示す線のことです。客席で注文を受けて厨房へ伝える、できた料理を厨房からテーブルへ運ぶ、レジで会計業務をしてお客様を見送る、次のお客様のためにテーブルの上を片付ける――こうした一連の作業をスムーズに行うことで、回転率アップにつながります。通路の幅は、お客様と楽にすれ違うことができるよう60センチはとるようにします。

厨房

使い勝手のよい厨房とは十分なスペースがあり、水回りや床が整備されていることです。ラーメン屋の厨房機器は、ゆで麺機、スープレンジ、ガスコンロ、冷凍冷蔵庫、コールドテーブル(冷凍・冷蔵庫に作業台がついた機器)、2層シンク(流し台)、グリストラップ(ゴミや油分を除去する装置)、従業員用手洗い器などです。ちなみに、2層シンクとグリストラップ、手洗い器は、飲食店の営業許可を得るために必ず設置しなければならないものです。

これらの機器を、麺をゆでるところから最後にトッピングして提供するまでの作業をスピーディーにこなせるように、動線を考えてレイアウトします。餃子やチャーハンは調理スペースを別にして、動線が交差しないようにすればなお効率的です。

床は、湯切りをするため常に濡れているうえ、油や醤油、酢などが飛び散って滑りやすい状態になっています。それだけでなく、油などが酸化するとコンクリートが劣化して凸凹になり、その凹みに雑菌が繁殖しやすいことが指摘されています。それを防止するのに有効なのが「ウレタン系塗床材」です。抗菌性があり、衝撃にも強い床材で、最近は多くのラーメン屋やうどん屋で採用されています。

ラーメン屋の定番レイアウトとは

ラーメン屋のカウンター

ほとんどのラーメン屋に設置されているのがカウンターです。3坪の店舗に10人掛けのカウンター席だけで収益を上げているラーメン屋も珍しくありません。

カウンターの最大のメリットは、機能性が高いことです。回転率で勝負するラーメン屋のカウンターは、1人でも多く集客できるように、割り箸や醤油、薬味などは一段段高いところに置くようになっています。食べ終った食器もそこへのせるようになっているので、片付ける手間も最小限ですみます。

テーブル席だけの店舗に比べれば少ないスタッフで回すことができますから、人件費の削減にもなります。カウンターの原型は、江戸時代に寿司職人が寿司を売り歩くのに使っていた屋台といわれていますが、実に機能性に富んだ造りになっています。

ラーメン屋で人気のオープンキッチンのメリット・デメリット

仕事中のラーメン職人

他店との差別化を図るためには、お客様に強く印象づける演出が必要です。その方法の1つに厨房と客席を一体化する「オープンキッチン」スタイルがあります。

メリット

オープンキッチンはキッチンを客席の中央に配置し、食材の出し入れから調理まですべてお客様の目の前で行うもので、次のようなメリットがあります。

  • 湯切りをしたり、中華鍋を振るダイナミックな動きを、ライブ感覚で楽しんでもらえる
  • 調理の過程をオープンにすることでお客様に安心感、信頼感をもってもらえる。従業員は衛生管理の意識が高まる
  • お客様とカウンター越しに会話を交わすことができるので、親近感をもってもらえる

デメリット

オープンキッチンのデメリットとしては次のような点があげられます。

  • 厨房機器もお客様に見られるため、最新型をそろえるなど初期投資が大きくなりやすい
  • 気化した油や煙が客席に流れていかないようにするための設備費用がかかる
  • たえず整理整頓を心がけなければならないので、気が休まらない

このようにメリット・デメリットがありますから、お店のコンセプトに合わせて判断することが大切です。たとえば、ビジネスパーソンをターゲットに、活気のある店づくりをコンセプトにするのであればオープンキッチンのほうが適しています。カップルやシニア層など、落ち着いた空間を好むお客様が多いお店であれば、調理の音や食器の触れ合う音が届かないクローズドキッチン(客席から離れている従来のキッチン)が向いています。

最近は、1杯3,000円という完全予約制の高級ラーメン屋が相次いでオープンし、経済的に余裕のあるシニア層や女性客でにぎわっています。このような「極上の1杯をゆっくり味わっていただく」ことをコンセプトにするお店を目指すなら、カウンターも合板材や人工大理石などではなく、木肌が白くきめ細かいヒノキや、ウオールナットのように杢目の美しい木材を使用し、優雅なひと時を楽しむのにふさわしい内装にする必要があります。

まとめ

おいしいラーメン

いかがでしょうか?

内装デザインを考えるときの重要ポイントは、お客様が入りやすいこと、スタッフがスピーディーに移動できる動線を確保すること、無駄なく効率的に作業ができる厨房であることの3点です。

経営者としては厨房を狭くしてできるだけ席数を多くしようと考えがちですが、それは失敗のもとです。客席も厨房も非効率的な動線になり、結局、お客様を待たせることになってしまうからです。まず、「どのような客層をターゲットに、どのようなラーメン屋にしたいか」というコンセプトを固め、それを具現化する内装づくりを心がけましょう。

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