プレオープンの目的は?実施のメリット、注意点を徹底解説します!

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新規に飲食店を開業したり業態変更してリニューアルオープンをする場合、最近ではプレオープンというステップを踏むお店が増えています。プレオープンを行うお店が増えている背景には、プレオープンを行うメリットが隠れているからです。

そこで今回は、プレオープンをするメリットを中心に、プレオープンを実際に実行する場合の方法も含めてご紹介いたします。

プレオープンとは?

美しいセーブルセッティング

プレオープンとは、「プレ=その前に」という英語の意味の通り、本格的に新規オープン、リニューアルオープンする前に、1日または数日間試験的に店を営業することを指します。よって、プレオープンは飲食店だけで行うものではなく、店舗を構える業態すべてで行われています。

プレオープンを行うかどうかは、店にとってのオペレーションの重要度と複雑さに比例します。たとえば、アクセサリーショップなどのシンプルな物販店の場合は、プレオープンを行わない場合が多いとされます。一方、検眼からメガネのフレーム調整までを店舗内で行うメガネ店などの場合は、同じ物販店でもプレオープンを行うことが多く見られます。

飲食店の場合、ホールのオペレーションからキッチンのオペレーションに至るまで、それぞれがすべて重要であり複雑となるため、プレオープンを行うケースが非常に多い傾向にあります。

プレオープンを行う目的とメリットは?

料理を運ぶ女性ウェイター

プレオープンとは何かについて、お分かりいただけたかと思います。では、プレオープンとはそもそも何のために行うのでしょうか。また、プレオープンを行うメリットとは何なのでしょうか。

プレオープンの目的1:トレーニングを兼ねた試運転

プレオープンを行う大きな目的の1つは、実際にお客様をお迎えし、接客、料理提供を行う中で、それらが問題なくできるかどうかの試運転をするということです。プレオープンまでにキッチン機器のチェックからキッチンでの動き方、ホールでの動き方に至るまでトレーニングもシミュレーションもしているでしょう。しかし、トレーニングやシミュレーションとはいってもやはり模擬の話となりますので、実際にお客様が来店された時にうまくいくかどうかは分かりません。また、実際に稼働しなければ気づけない問題点もあるはずです。

特にシミュレーションの場合は、従業員がお客様役になって行うケースが多いはずです。そのため、従業員の人数の多さと店舗の大きさ次第ではありますが、ほとんどの場合、満席状態でのオペレーションはできません。しかし、いざオープンともなれば、オープン景気で満席となることも多いでしょう。その時に、ホールかキッチン、あるいはその両方でトラブルが発生しお客様に不満を与えてしまったら、一度与えた悪い印象を払拭することは非常に困難です。なぜなら、不満を一度でも感じたお客様は、ほとんどの確率で再度来店されることはありません。そうしたことが積み重なると最悪の場合、その影響で店舗の営業が頓挫してしまう危険性さえあります。

以上のような事態に陥らないためにも、内部の関係者ではない、お客様に近い人を仮のお客様として呼んで、通常通りにホールもキッチンもオペレーションを行うという試運転をすることで、問題点がないかを確認します。プレオープンでなにか問題が発生した場合には、正式オープンの前に対応しておけるように対策を打つことができるでしょう。

また、プレオープンはホールスタッフにとって来店時のお出迎えから注文、料理提供、会計、バッシングまで、すべてを通したトレーニングになります。キッチンスタッフにとっては本当の食材と機器を使い、短い時間内に料理提供ができるかどうかのトレーニングになります。こうした実践は、シミュレーションでは決してできないことです。

プレオープンの目的2:宣伝活動

プレオープンをするもう一つの目的は、販売促進・宣伝です。この場合、店舗に呼ぶのは地域の情報誌、新聞社、Webマガジンといった媒体を持つメディア関係者、そして、店舗の近隣に居住する方たちになります。前者は店舗の内容を無料で記事にしてくれる可能性がありますし、後者はプレオープンで店舗を気に入っていただければオープン後も来店が期待でき、口コミの源泉となって集客の後押しをしてくれる可能性があります。

特に後者の場合、近隣の幼稚園や小学校の子供たちや、老人ホームなどに居住するお年寄りを無償で招待してもよいでしょう。子供やご老人の方を招待すれば、お店が行うボランティア活動としてメディアの報道価値を生み、マスコミで取り上げられる可能性もあります。

しかし、地域貢献を目的とした場合は、「代金をいただかない」という点のみがプレオープンとなるだけで、問題が発生すれば返って逆効果になります。したがって、この目的でプレオープンを実行するのであれば、目的1でご紹介したプレオープンを、「プレ・プレオープン」として先に行ったほうがよいでしょう。

プレオープンの7つのメリット

以上のような目的でプレオープンを行えば、7つのメリットを得ることができます。

  1. 接客の質を上げられる
  2. 機器、設備などの不備がないか確認できる
  3. 料理の味や接客に対して、お客様目線による本音の批評が聞ける
  4. 接客、キッチンのオペレーションがスムーズになる
  5. オープンまでにお世話になった人へのお礼の場が持てる
  6. 宣伝効果、集客効果、販促効果が期待できる
  7. メディアに取り上げられるチャンスがある

プレオープンには誰を呼んだらいい?

食事を楽しむ女性たち

実際にプレオープンをすることになった場合、どのような人を招待したらよいのでしょうか。

忌憚なく意見を言ってもらえる人

試運転の目的でプレオープンを実施する場合には、料理の質、提供時間、接客の質などについて本音で忌憚なく意見を言ってもらわなければ意味がありません。お世辞で「良いお店ですね」などと言ってもらっても、本格稼働時にトラブルが出たのでは意味がないからです。ですから、お互いに信頼関係があって、忌憚なく批評してくれる人を招きましょう。

その場合もできるだけ多くの人を呼び、待ち時間を作らない程度の満席で試運転をしたほうが、隠れた問題点まで発見できるでしょう。

多少の失敗をしても営業に影響がない人

プレオープンには試運転をする目的があります。そのため、ある意味失敗すること、問題が起こることを前提に、それらのあぶり出しを期待する部分さえあります。ですから、万が一失敗や問題が起きてしまった際に失礼にならない人、許容してくれる人、あるいは本格稼働時にお客様となる可能性が低い人を招きましょう。

集客によい影響力のある人

宣伝活動がメインの場合は、当然それによって店舗の集客力がアップしてくれないと意味がありません。そこで、店舗の集客増を見込める影響力のある人を呼びましょう。上でも述べたように、マスコミ関係者、ターゲットとなる客層に影響力のある人、近隣の住民などがそれにあたります。

お世話になった人

オープンまでにお世話になった人へ、感謝の意味を込めて招待するのもよいでしょう。お礼の気持ちを込めて精一杯のおもてなしを行い、楽しんでもらいましょう。感謝の気持ちも込めておもてなしをすれば、今後も店舗のファンとして応援してくれるでしょう。

プレオープン実施時のポイント

プレートを持つ男性ウェイター

プレオープンを実際に行うにあたっては、どのように実施したらよいのでしょうか。具体的には以下のポイントを押さえましょう。

プレオープンの実施日

プレオープンはオープンの前日、あるいは2日前に行うことが一般的です。ただし、オペレーションに不安がある状態でプレオープンを実施する場合は、まずは1度プレオープンを実施し、発覚した問題点を改善させましょう。その後、2回目のプレオープンを行って問題点が解決できたかを確認しましょう。また、宣伝活動の目的で招待客が多ければ、2日に分けて行うこともあるでしょう。

何よりも大切なことは、プレオープン後は必ず2〜3時間程度の時間をとって、スタッフと一緒に問題点の洗い出しと改善策を検討する反省会を開きましょう。それだけではなく、プレオープン時に発生した問題点がすぐに改善できないような事柄だった場合、その改善ができるまで本格オープンの日程を延期した方が良いかもしれません。それは、場合によってはオープンを延期をした方が結果的には店舗のためになり得るからです。そうしたことを見越して、オープン日より1日開けた前々日にプレオープンを実施するという方法もあります。

招待状が必要な場合も

身内や知人の招待だけであれば、電話やメールなどの案内でよい場合もあります。しかし、取引先など相手が企業の場合は招待状を送ったほうがよいかもしれません。企業の場合でも、こちらが仕入れ先で相手が納品業者であれば、担当者への電話などで招待をすればよいでしょう。ところが、相手が親会社だったり師匠筋に当たる人、あるいは店舗物件のオーナーなど取引先の場合は、招待状が必須です。ただし、FAXやメールに招待状の文書を添付して送っても問題ないでしょう。

代金は取らない

プレオープンはすべて無料、料理の代金は取らないということが基本です。もしも何らかの意図があって代金をいただく場合でも、通常の半額程度の価格にしたほうがよいでしょう。

お祝いのお返しは不要

オープンに際して装花などをお祝いとして贈ってくれる場合もあります。頂いた装花を店内外に飾ることで、感謝を表すことができます。しかし、開店祝いに対するお返しは基本的に不要です。お返しをするのなら、プレオープンの食事がお返しだと考えてよいでしょう。もちろん、来店時にはお礼の言葉をかけることが必須となります。

余裕を持って予約、席を確保する

プレオープンで来店した人を待たせるわけにはいきませんから、基本的にはすべて予約制としましょう。記事内では何度も満席状態で稼働させたほうがよいと書きましたが、お客様が急いで料理を食べなくても済むように、時間には余裕を見て予約を取るようにしましょう。

全く通常営業と同じように行う

プレオープンを試運転、宣伝活動のどちらの目的で行う場合でも、店のオペレーションは通常営業と全く同じように行います。

必ずアンケートを取る

来店された方には、紙媒体でのアンケートをお願いしましょう。細かい内容は来店された方の負担になりますから、接客で気づいた点、料理で気づいた点、店内のことで気づいた点程度の項目を書いてもらいます。単に「いかがですか?」と店長が聞くだけでは、相手も厳しいことを言いにくい場合があります。プレオープンのフィードバックをしっかり受けるためにも、必ず紙として形に残し反省会を行いましょう。

SNSにアップしてもらう

今やFacebook、Instagram(インスタグラム)などのSNSは、飲食店を含めたあらゆるビジネスの大きな宣伝ツールとなっています。招待した人には料理や店内の写真を撮ってもらい、SNSでの投稿をお願いしてみましょう。

レセプションにするかどうかはプレオープンの性格次第

店舗によっては、プレオープンの最初に店長や経営者が招いた人たちに対してレセプション(披露宴)を行うケースもあります。レセプションに関しては、経営者の考え次第で実施するかしないかを検討すればよいでしょう。ただし、企業が経営し、取引先の企業関係者が招待されている場合などでなければ、レセプションは行わない場合がほとんどです。

一般客相手のプレオープンは行わない

プレオープンの一種として、販促も兼ねた一般客対象の「半額キャンペーン」を行う店舗があります。しかし、このような販促目的のプレオープンは基本的におすすめしません。なぜなら、一般のお客様を大勢集めたばっかりに対応に不備があった、不満の残る接客だった、料理の提供遅れが発生した、料理の質に問題があったなどの問題点が生じれば、それは完全に「逆」の販促となってしまうからです。

ただし、オープン時の半額キャンペーン自体は100%悪いことではありません。半額キャンペーンを行えば多くの集客が望めるでしょう。ですので、オープン後の状態を見て、オペレーションが問題なく回ると言うことが確認できた後に行いましょう。

まとめ

お客様をおもてなしする男性ウェイター

いかがでしょうか?

プレオープンにはさまざまなメリットがあるので、ぜひ実施することをおすすめします。ただし、上記のポイントを押さえず、ただの「イベント」として行うのであれば、それは経営者の自己満足に過ぎません。ポイントを押さえないプレオープンの実施は、店舗にとってマイナスとなってしまいかねません。プレオープンを実施するからには、問題が起こりそうな項目の洗い出しと、経営者や店長がプレオープン時のお店の状況をしっかり確認できる体制で望みましょう。

プレオープンで課題を見つけ、本格オープンを成功させましょう。そして、長期に愛される人気店舗を目指していってください。

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