ポタージュは冬メニューの強い味方?心も体も温まるスープを提供しよう

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鍋いっぱいのクラムチャウダー

洋食系の飲食店でも、ポタージュスープをメニューに加えているところは意外に少ないとされています。

しかし、限定メニューとしてでも、冬場にはポタージュスープをメニューに加えることでメニューの付加価値も高まるとともに、原価率の低減も図れます。そこで今回は、ポタージュメニューの導入を検討すべき理由についてご紹介いたします。

ポタージュとは?

濃厚なコーンポタージュ

冬になるとインスタントのポタージュスープのテレビCMが頻繁に放送されることもあり、よく目にする方もいらっしゃるのではないでしょうか?しかし、ポタージュとは実際のところどういうものを指すのかについて、正確にご存知の方は少ないのではないでしょうか。そこで、まずはポタージュについてご紹介いたします。

フレンチではスープ全般のこと

ポタージュとは、フランス語でスープ全般を指す言葉です。よって、とろみのあるスープも澄んだスープもすべてポタージュです。このうち、「とろみのあるスープ」のことをポタージュ・リエと呼びます。

しかし、日本では「とろみのついたスープ」だけがポタージュと呼ばれ、澄んだものはコンソメと呼ばれるのが通例です。なぜ日本ではそうなってしまったのかについての、詳しい理由はわかっていません。

とろみのあるポタージュスープの種類は?

この記事は日本における飲食店を想定しているので、日本の定義に則して、とろみのある「ポタージュ」を対象に話を続けましょう。

フレンチでは、ポタージュにおけるとろみのつけ方によって5つに分類されています。とろみのつけ方の違いはメニュー開発の参考になりますから、以下でご紹介しておきます。

  • ピュレ
    ピュレとは、カボチャやジャガイモやトウモロコシなど、デンプン質を多く含む野菜をブイヨンで煮込み、裏漉しするかミキサーでピューレ状にしたうえで、生クリームや牛乳で味を濃厚にしたスープのことです。日本でポタージュと呼ばれているものは、ほとんどがピュレに該当します。
  • クレーム
    デンプン質の少ない野菜をミキサーにかけ、そこに小麦粉をバターで炒めたルウを使ってとろみをつけ、仕上げに生クリームで味を濃厚にしたスープです。
  • ヴルーテ
    卵黄や生クリームでとろみをつけたスープのことです。
  • ビスク
    エビやカニなどの甲殻類から出汁をとり、これをベースに生クリームなどでとろみをつけたスープのことです。
  • スープ
    狭義での「スープ」のことを指します。もともとは、肉や野菜をごった煮した鍋の中にいれたパンを指しましたが、現在では田舎風の素朴なスープのことを言います。

ポタージュメニューを提供する理由

ポタージュを堪能する女性

ポタージュメニューの導入をなぜおすすめするかというと、以下のような理由があるからです。

ポタージュは人気のスープ

niftyが行った「好きな汁物料理は」という調査の結果、以下のようなことがわかりました。

1位 「豚汁」 70.2%
2位 「コーンスープ」 61.3%
3位 「ポタージュスープ」 54.8%
4位 「味噌汁」 52.7%
5位 「オニオングラタンスープ」 34.3%
6位 「玉子スープ」 31.4%
7位 「クラムチャウダー」 30.7%
8位 「コンソメスープ」 30.6%
9位 「わかめスープ」 27.4%
10位 「ミネストローネ」 25.1%

10位までのランキングに、ポタージュスープはコーンスープ、ポタージュスープ、クラムチャウダーと3種類入っています。中でも、コーンスープは第2位です。ポタージュはこの調査結果の通り人気があるので、メニューに入れればそれだけで注文率が高くなることが期待できます。ポタージュはほかの料理のカテゴリーと重複しませんから、純粋にプラス1品になるはずです。

味のバリエーションが作りやすい

ポタージュは野菜をミキサーでピューレ状にして作りますので、極論を言ってしまえばどのような野菜でも作れます。つまり、店舗のオリジナルメニューが開発しやすいのです。

旬の食材が使える

どのような野菜でも可能ということは、「旬の野菜」を使って作れるということです。旬の野菜を使うことで栄養価の高い料理が提供できると同時に、安い食材でメニューを作ることができます。つまり、旬の野菜を使ってポタージュを作れば、栄養価も高いスープが作れるだけでなく、原価も下げることができます。

身体が温まる

出汁に片栗粉でとろみをつけるとスープが冷めにくくなり、温かい料理を熱々で提供できます。温かいスープを食べることで、お客様は身体と胃を温められます。体が温まるということはお客様の健康上よいことですから、冬場の免疫力低下を抑える魅力的なメニューとなるでしょう。また、胃を温めると食欲が増進しますから、もう一品料理の追加を期待できる可能性も高まります。

ポタージュメニューをつくる上でのコツは?

ポタージュを作るための準備

店舗オリジナルのポタージュスープを作るうえで、どのような点に注意すれば美味しいものができあがるのでしょうか。美味しいポタージュを作るコツを、以下でご紹介します。

玉ねぎをしっかり炒めて甘みを出す

カレーのうま味は、玉ねぎをよく炒めることで出るということはよく知られています。しかし、ポタージュスープの甘みも、天然の甘味料である玉ねぎを使って出せるということはあまり知られていません。

具体的な方法としては、玉ねぎをバターやオリーブオイルでしっかりとあめ色になるまで炒めることです。ただし、焦げると味に雑味が出るので、弱火で炒めましょう。これによって、味に甘みと豊かなコクが生まれます。反対に、甘くせずにシャープな味にしたい場合は、カレー粉を少量加えても香ばしく仕上がります。思い描く最終的な味をイメージして、調整しましょう。

素材に合わせてとろみを調整

ポタージュスープのポイントは、「濃いとろみ」です。しかし、野菜の特性によっては、とろみの出やすいものと出にくいものがありますから、食材の特性に合わせてレシピ化することもポイントです。

たとえば、でんぷん質の多いじゃがいもやカボチャは素材自体がとろみになりますから、ホワイトソースは少なめの方がよいでしょう。反対に、でんぷん質が少ないコーンやにんじんなどの野菜の場合は、ホワイトソースを多めにしましょう。カブやほうれん草、小松菜、ごぼうのようにえぐみがある野菜の場合は、上で挙げた玉ねぎを多めに使いましょう。

敢えて素材感を出す方法も

ポタージュスープというと滑らかな味わいが良いという印象もありますが、一概に滑らかさが最も良いとは言い切れません。大切なことは、メニューの意図によってコントロールすることです。ミキサーなどでしっかり裏漉しすれば滑らかなポタージュになりますので、それはそれで魅力的でしょう。反対に、ジャガイモの固形が口に入ることでほろりと崩れるような食感も、おいしさを演出します。それを狙う場合はミキサーではなく、あえて木べらやマッシャーを使用して、ざっくりとつぶすだけにしておくと実現できます。


いずれにしても、ポタージュは素材の選び方においても食感や味わいに関しても、非常に自由度が高い料理です。ポタージュのこうした特徴を活かして、店舗独自の特徴を出しましょう。店舗独自の特徴を出せたら、「口の中でほろりと崩れるジャガイモのポタージュスープ」などのように、料理名にポタージュスープの特徴を入れることも忘れないでください。

まとめ

朝食はクラムチャウダー

いかがでしょうか?

ポタージュとひとくちに言っても、食材を変えるだけでいろいろなバリエーションのポタージュが作れます。ポタージュを冬のメニューに加えることは、お客様が料理の美味しさを感じるとともに、店舗の原価低減と売上アップを図るためにもなるのです。

ぜひともお店オリジナルのポタージュメニューを考え、お客様から注文されるようなポタージュを投入してみましょう。