お通しの本来の目的は?アイディアお通しで集客アップを目指そう

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豊富なお通し

この記事をお読みの飲食店経営者の皆様のお店では、お通しを出していますか?最近では、お通し自体が無理やり出される料理ということで否定的な意見もあることから、お店側としてもお通しを提供すべきかどうかについて悩まれていらっしゃるかもしれません。お通しに対して否定的な意見が生まれた背景には、お通しが毎回同じ料理であったり粗末に見えてしまう料理であったために、お通しを通じてお客様へ満足感を与えられていないことが大きな要因の1つとされています。

しかし、お通しの種類を増やし、一つひとつを工夫してお客様を飽きさせないものをお出しすることで、お通しを目当てに通う常連さんも出てくるほどの重要な料理と様変わりします。

そこで今回は、店舗の魅力になるようなお通しづくりのポイントや具体例についてご紹介します。

お通しを提供する意味合いは?

美しいお通し二品

そもそもなぜ、お通しを提供するのかについてご説明します。お通しをお客様に提供する本来の意味としては、店舗にとってもお客様にとってもメリットがあるものなのです。

基本はおもてなし

お通しの定義とは、お客様が着席後、注文した料理が提供されるまでのつなぎに食べてもらえる、お酒のアテに適した少量の料理のことです。その名前の由来には諸説ありますが、お客様の注文をキッチンに「通した」ということから、本来は店側の符丁として使われていたというのが有力とされています。

つまり、お通しとは本来、注文した料理を待っているお客様が何の肴もなくお酒を飲まないで済むようにするという意味で提供されていたのです。お通しとはこの意味において、ホスピタリティに根差した「おもてなし」のためのものなのです。お客様をおもてなししたいという気持ちなくしてお通しを出すことが、結果的には店のことしか考えていない「押しつけ」のお通しとなり、お客様の不満につながっているといえるでしょう。

新規客には料理の質のアピール

おもてなしの考え方に沿ってお通しを作れば、味的にもバリエーション的にもクオリティの高いものができるはずです。それができれば、新規のお客様の場合には、料理の質が高いことをアピールする格好のツールのひとつとなるでしょう。お通しを通じて満足感や感動をお客様に与えられれば、料理に対する期待感が一気に高まり、リピートにもつながります。

常連客には毎回違うメニューを提供

冒頭でも少し触れましたが、常連さんには毎回違った、それもおいしいお通しを出すことで、通う楽しみを提供することにつながります。そのことは、常連さんの店舗に対するロイヤリティのアップや、来店頻度の増加をもたらします。

毎日違ったお通しを考え出すことが大変なら、お通しを1週間単位で3種類ほど考えておくのもよい方法です。数種類のお通しをお客様に選んでもらえば自分の好みのものを食べてもらえますし、「選べる楽しさ」まで提供することができます。

つまり、新規客にしても常連さんにしても、お通しに魅力があるということは、集客やリピート率のアップができるということなのです。

経営的には単価アップの意味合いも

お通しを提供するということは、席代やチャージ料をいただくということです。そもそもお通し文化が定着した経緯には、単価の安い居酒屋がお酒1杯だけで席を独占されてしまうことによる経営への圧迫を防ぐことがありました。仮にそのようなことが起こらなくても、お通し代で200円でも300円でもいただければ、それだけで客単価のアップにつながり、経営的にも助かるという面があることは否定できません。

ただし、おもてなしを一番に考えず経営面を第1の目的とすると、お客様の満足度はおそらく下がるでしょう。ですから、お通し代は「損をしなければいい」という程度の薄利で提供することが重要です。しかし、量の多いお通しをお客様に提供すると料理の注文が減ってしまう恐れもあるため、原則は量でなく質で満足感を高めましょう。

集客アップにつながるお通しアイディア

新鮮な白子

具体的に、どのようなお通しがお客様のリピートに繋がる条件に合致するのでしょうか。リピートに繋がるかもしれないお通しのアイデアを、いくつかご紹介します。

ビールに合うお通し

割合は減ってきたとはいえ、居酒屋業態でもレストラン業態でも、1杯目にビールを注文するお客様はやはり多いです。ですから、ビールに合うお通しという観点でアイディアを考えるのは有効でしょう。その代表格は枝豆ですが、それではあまりにも定番で陳腐です。そこで、以下のような料理をお通しにしてみてはいかがでしょうか。

ピリ辛万能ネギ

材料

  • 万能ネギ 1/2束
  • 塩 少々
  • コショウ 少々
  • ゴマ油 少々
  • ラー油 少々
  • 豆板醤 適宜

作り方

  1. 3センチ程に切った万能ネギをボールに入れ、塩コショウをして少し和える
  2. ゴマ油をかけ、ラー油を数滴垂らしてよく和える
  3. 器に盛って豆板醤を添える

冷めてもおいしく作り置きできるお通し

お通しはどうしても事前に作り置きをしておくことが多い料理です。そのため、冷めても美味しいということが重要となります。その代表格が煮物や塩辛、そしてポテトサラダなどのマヨネーズ系の料理でしょう。これらの料理はお酒が進む最高の肴ですので、売上げアップにつながるかもしれません。これらのお通し料理の他に、以下のような料理も加えてみましょう。

クリームチーズののり佃煮かけ

材料

  • クリームチーズ 適宜
  • のりの佃煮 適宜

作り方

  1. クリームチーズを7mm角程度に切って器に盛る
  2. 上からのりの佃煮をかける

刺身系で豪華さを演出できるお通し

刺身などの魚系のお通しは、豪華さがあってお客様に非常に喜ばれます。お通し次第では、実際にかかった以上の手間をお客様に感じさせることができ、満足度も高まります。具体的には、以下のようなものが挙げられるでしょう。

鮭白子のねぎポン酢和え

材料(量は作り置きを想定)

  • 白子 400g
  • ポン酢 適宜
  • ★日本酒 50cc
  • ★みりん 50cc
  • ★薄口醤油 50cc
  • ★水 500cc
  • ★和風だし(顆粒でも可) 適宜
  • 青ネギ小口切り 適宜

作り方

  1. 沸騰したお湯に白子を入れます。お湯を再沸騰させた後、中火にして1~2分茹でてざるにあげる
  2. ★の調味料を混ぜ合わせて沸騰させたのち、1を入れて中火で3~4分煮たら火を止め、あら熱をとる
  3. 取り出し、1~1.5cmの斜め削ぎ切りにしたら器に盛り、ネギとポン酢をかける

火を通すだけでも満足度アップ

ここまでにご紹介した料理はすべて冷めているものです。冷めたお通しでも十分満足感は与えられますが、冷めた料理にちょっと火を加えるだけで暖かいお通しを作ることもできます。

たとえば作り置きしたトマトソースのラタトゥイユを器に移し、チーズを振ってバーナーで焼くかレンジアップをするだけでも非常にクオリティの高いお通しになります。極論ですが、出来合いの冷えた枝豆をそのまま出すのではなく、バーナーで皮ごとあぶった枝豆を提供するだけでも立派なお通しになります。

洋食系飲食店でもお通しに工夫を

以上のお通しは、どちらかというと和食系のお店向けのお通しをご紹介しました。もちろん、洋食系の飲食店でも十分にお通しを出す価値はあります。飲食店の中には、お通しとしては少々高額な500円程の料金をいただいて、1プレートに前菜を盛り合わせた料理などを提供しているお店もあります。そのようなお通しは珍しくて満足度も高いと評判を呼んでいるケースもあります。つまり、工夫次第では価値の高いお通しをいくらでも提供することは可能なのです。

常連さんにお通しを評価してもらおう

常連さんに料理を配膳する店主

熟慮に熟慮を重ねて考えた試作段階のお通しを常連さんに提供することで、味や見た目などの評価をしてもらうのがよいでしょう。常連さんにお通しを評価してもらうことには以下のようなメリットがあります。

お客様目線で満足度が評価できる

最大のメリットは、お客様目線で料理の満足度や味の具合を確かめることができるという点です。ただし、お通しの味に関しては人それぞれ好みがありますから、何人かに聞いて総合的に判断しましょう。

試食に参加させることでロイヤリティのアップ

お通しの試食という形で店の経営に参加してもらうことは、常連さんがお店に対して抱くロイヤリティのアップにつながり、より絆の強いファンになってくれることが期待できます。それだけでなく、試食したお通しを自慢したくて、ほかの人にも口コミで紹介してくれるかもしれません。

ランキング化でイベント性を持たせる

「選べるお通し」にした場合、試食会で常連さんに選ばれたお通しをランキング化してPOPにしましょう。ランキングをお通し選びの参考にしてもらうとそれ自体も楽しくなってイベント性が増し、よりお通しに対する価値も高まるでしょう。

まとめ

魚介系のお通し

いかがでしょうか?

とりあえず来店したら提供しておけばよいと思っていたお通しでも、多少の工夫をするだけで十分店舗の集客や満足度をアップさせるための武器になりえます。工夫を凝らしたお通しを提供すれば、「注文してないのに出された」という不満は生まれないばかりか、「それが楽しみで通う」というお客様も増えて来て、繁盛店にまた1歩近づけます。お通しにまでしっかりとこだわって、何度もお店に来店していただけるリピーターをたくさん作ることで集客に役立てましょう