オーガニックコーヒーって普通のコーヒーと何が違うの?

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オーガニックコーヒーと生豆

健康志向・美容意識が世間で高まりをみせる中、そうした世間の流れに呼応するかのように、オーガニック食品が人気を集めています。オーガニックコーヒー生豆もその1つであるとされ、それに伴いオーガニックコーヒーを専門に扱うカフェも増えています。

オーガニックとは有機栽培のこととなんとなくわかってはいるものの、それがどのような栽培法で、もっと言うと健康や美容にどのような効果があるのかまで理解できている方は少ないのではないでしょうか。

そこで今回は、オーガニックコーヒーと普通のコーヒーの違いや、オーガニックと認定されるまでの流れなどについてご紹介いたします。

オーガニックコーヒーとは

コーヒー農園とオーガニックコーヒー

オーガニックとは日本語で、「有機の」という意味があります。そして、農薬や化学肥料を使わずに、土中の微生物や落ち葉などの腐植物、農作物の廃棄物、家畜の糞などを活用する農法のことを「オーガニック農法」「有機栽培」といいます。オーガニックコーヒーは、オーガニック農法によって生産されたコーヒーの生豆を使用したコーヒーのことを指します。

自然の恵みを活かしたオーガニック農法は、殺虫剤や除草剤などを使う農法に比べると手間ひまがかかり、生産量も低下します。また、出荷から販売に至るまでの行程においても余計なコストがかかります。そのため、市場に出回るオーガニック食品の多くは、販売価格が一般の食材より割高になります。しかし、世の中に食の安全と健康志向の人が増えるにつれて、オーガニック食品の需要が伸びています。

では、オーガニックコーヒーは一般のコーヒーよりも味や香りが優れているのかというと、そうとは言い切れません。なぜなら、オーガニックとは「残留農薬の心配がない、土壌への悪影響が少ない」ことを意味するものであって、コーヒーの味や香りのよさを保証するものではないからです。栄養価にしても、オーガニックのほうが豊富に含まれているとは断定できません。とはいえ、コーヒー本来の味を楽しめることは間違いありません。

オーガニックコーヒーの認定方法

大量のオーガニックコーヒー豆

日本で販売されているコーヒー豆のほとんどは、外国からの輸入によって賄われています。最も輸入量の多い国はブラジルで、ベトナム、コロンビアがそれに続きます。日本では一時期、コーヒー豆に残留農薬が多く含まれているということが発覚し、輸入禁止になったこともありました。しかし、現在では日本に輸入できるコーヒー豆に厳格な規定が設けられ、人体に影響のない範囲内のコーヒー豆だけ輸入されるようになっています。

オーガニックコーヒーの場合は、OCIA(国際的認証機関)やUSDA(オーガニック認定全米統一基準)などの機関のほか、多くの認定機関が各国に設立され、きびしい品質チェックが行われています。

認定基準の内容は、

  • 過去3年間以上、殺虫剤や除草剤、化学肥料などを使用していない土地で栽培したものであること
  • コーヒー豆の焙煎をはじめ、加工段階においても添加物、加工補助剤などを使用していないこと

などとされています。

これらを満たしたものには、「オーガニックコーヒー」であることを証明するラベルを貼付することが許可されます。

海外の原産地で認証を受けても、日本で販売されるまでにはいろいろな段階があり、その間に有機性が損なわれることも考えらます。そのため、日本国内での認証も必要です。現在では、農林水産省が制定した「JAS規格」に適合するか検査を受け、合格した有機農産物、および有機加工食品に「有機JASマーク」をつけることが認められています。コーヒー豆も焙煎やブレンドをして加工しますので、この検査を受けなければなりません。

JASマークを貼付することは、国から認められたという「格付け」になります。そのため、検査に合格しない食品に「有機」や「オーガニック」と表示したり、紛らわしい表示をしたりすることは法律で禁じられています。さらに、生豆を焙煎・販売するためには、「有機加工食品の製造業者」の認定を受けることも必要です。

オーガニックコーヒーってなにがいいの?

注がれるオーガニックコーヒー

コーヒーにはカフェインが多く含まれ、飲みすぎると胃が荒れたり、血圧が上がったり、糖尿病の原因にもなるといわれてきました。確かに、1日10杯以上もコーヒーを飲むのはよくはないでしょうが、適量であれば、コーヒーによって健康・美容効果が得られることがわかってきています。

コーヒーの中でも特にオーガニックコーヒーには、特有の香りや苦み、色のもとになるポリフェノール(クロロゲン酸)が多く、フラノボイド、ビタミン、ミネラルなども自然配合されているため、次のような効果をもたらすという研究結果が発表されています。

  • コーヒーの刺激によって、成長因子の1つである脳由来神経栄養因子(BDNF)が放出され、加齢とともに低下しがちな脳や筋肉を若々しく保つことが可能
  • 肝臓がん、子宮がん、大腸がん、糖尿病、心臓病の発症リスクが軽減される

そのほか、コーヒーにはシミ予防効果についてもよく知られています。シミとは、紫外線を浴びたとき肌を守るために生成されたメラニン色素が、皮膚の奥に沈着することが原因で生じるものです。クロロゲン酸には、そうして生まれるメラ二ンの過剰生成を抑えて、シミを防ぐ働きがあります。

妊娠中の女性はカフェインの摂取を控えなければなりませんが、そうでなければ、通常1日3~5杯が健康のためにも適量とされています。

オーガニックコーヒーのおすすめは?

オーガニックコーヒー生豆

オーガニックコーヒーには、「スペシャルティーコーヒー」と呼ばれるグレードの高い豆があります。スペシャリティーコーヒーとは品種のことではなく、生産地、生産農園、収穫後の処理、買付けから流通、焙煎、カッピング(テイスティングに同じ)までの一連のプロセスにおいて、適正な品質管理がなされている生豆のことです。

このプロセスのことを、「トレードサビリティ―(生産履歴)」と言います。スペシャリティーコーヒーを管理する人たちは、その道のプロフェッショナルであることも条件になっています。

スペシャルティーコーヒーは、焙煎度(ロースト度)が味の決め手となります。焙煎時間によって8段階に分けられ、時間が長くなるにつれて色や酸味、甘み、苦みが次のように変化していきます。

  1. ライトロースト
    焙煎の初期段階で、強い酸味と青臭いにおいがして、飲用には適しません。
  2. シナモンロースト
    この段階もまだ青臭さが残っていて、飲用には適しません。
  3. ミディアムロースト
    酸味が強く、苦みはほとんどありません。アメリカンコーヒー向きです。
  4. ハイロースト
    青臭さが消えて酸味も弱まるとともに甘みが少し出てきて、さわやかなコーヒーの味になります。
  5. シティロースト
    ほのかに酸味が残り、酸味、甘み、苦みの3つのバランスがとれた落ち着いた味になります。
  6. フルシティロースト
    酸味が弱まり、苦みが強くなり、香ばしさが出てきます。
  7. フレンチロースト
    香ばしさと苦みが強まり、酸味はほとんどなくなります。エスプレッソやアイスコーヒーに向いています。
  8. イタリアンロースト
    酸味はなく、苦みが濃厚になり、香ばしさが際立ってきます。色も黒に近づき、アイスコーヒーにも適します。

スペシャルティコーヒーは鮮度が命です。「焙煎7日、挽いて3日」といわれるように、焙煎したものは7日以内に、挽いた豆は3日以内に使い切るようにします。それ以上時間がたつと酸化してクロロゲン酸が消費され、酸味が強くなって香りも抜けてしまいます。

またオーガニックコーヒーは、砂糖やミルクを入れずに飲むことで最もコーヒー本来の味を楽しめます。しかし、どうしても砂糖やミルクを入れたいというお客様のために、砂糖もミルクもオーガニックのものを用意しておきましょう。精製された砂糖やポーションタイプのミルクには、いろいろな化学物質が添加されているため、それらを使ったのではせっかくの有機性が損なわれてしまいます。

まとめ

白いカップにオーガニックコーヒー

いかがでしょうか?

輸入品のオーガニック食品は、生産国で厳しいチェックを受けているからと言って、すべて安心とは言い切れません。なぜなら、チェックされている項目は、残留農薬の数値などに限られているからです。その点、スペシャルティコーヒーはトレーサビリティがはっきりしていますから、より安全性が保証されているといえます。オーガニックコーヒーをメニューに取り入れるときは、単に「オーガニック」という表示にとらわれないで、さらにその上のスペシャルティコーヒーを選ぶほうがよいでしょう。