飲食店の開業資金はいくら必要?費用の内訳と資金を調達する方法

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飲食店をオープンする際は、まとまった開業資金が必要です。店舗を借りるための費用や改装費用、経営が軌道に乗るまでの運転資金、プロモーション費用などを準備しておきましょう。自己資金のみで難しい場合は、融資や助成金などを活用する方法もあります。廃業リスクを避け、健全な店舗経営を行えるよう、しっかりと準備しておきましょう。今回は、飲食店の開店資金の目安や内訳、資金調達の方法などをご紹介します。

飲食店の開業資金の目安

開業に必要な金額は店舗によって異なります。事業計画を立て、開業資金をいくら用意すべきかを求めましょう。こちらでは、開業資金の相場や、資金を確保しておくべき理由を解説します。

必要な開業資金は700万円~1500万円程度

飲食店の開業時にはまとまったお金が必要です。規模や立地などの要素によって必要な開業資金は変動するものの、700万円~1500万円が一般的とされています。

また、日本政策金融公庫国民生活事業による調査では、開業費用の平均が989万円という結果が出ています。調査対象は2019年4月~9月に融資したなかで、融資時点で開業後1年以内の企業5,176社です。飲食店以外のサービスも含んでいる数値ですが、ひとつの目安として覚えておくと良いでしょう。

【出典】日本政策金融公庫総合研究所「2020年度新規開業実態調査」

https://www.jfc.go.jp/n/findings/pdf/topics_201119_1.pdf

余裕ある資金の確保が必要な理由

飲食店を出す場合、開業にかかる費用以外にも資金を確保しておくことが大切です。飲食店の売上が黒字になるまで半年程度はかかるとされていますが、経営が軌道に乗るまでにも家賃や光熱費などの支払いは必要です。売上が黒字になるまで飲食店を経営できる資金を準備しておかなければ、すぐに立ち行かなくなるでしょう。事業計画書を作成し、綿密な予算計画を立てることが重要です。

飲食店の開業資金の内訳

飲食店開業時は、物件取得費用や店舗投資費用などの初期投資が発生します。経営が順調にいくまでの運転資金や、店の広告宣伝費なども計算しておきましょう。

物件取得費用

物件取得費とは、店舗として使用する物件を用意するための費用です。敷金や礼金、仲介手数料などの合計が物件取得費となります。

店舗用物件を借りる際は、居住用の不動産を借りるときとは異なる決まりがあるため注意が必要です。特に気をつけておきたいのは保証金です。契約時に賃料の6カ月から12カ月分を支払うケースが多く見られます。

前店舗の設備や内装が残った居抜き物件の場合は、造作譲渡料がかかります。造作譲渡費は、前まで店舗を使っていた経営者へ支払う設備費用のことです。金額についてはケース・バイ・ケースとなります。

また、審査のために物件のオーナーへ必要書類の提出も行います。賃金を支払い続ける能力があるかどうかを判断するため、具体的な事業計画書や収入状況のわかる書類などを求められることも。条件の良い物件を見つけた際、スムーズに手続きを進められるよう、あらかじめ書類を準備しておきましょう。

店舗投資費用

店舗投資費用とは、物件を自分好みの店舗に改装するための費用です。外装工事や内装工事、設備の購入などにかかる費用が含まれます。

・店舗の外装や内装に関わる費用
開業する店のコンセプトに合った外装にするため、看板の取り付けや外壁の改修を行うことがあります。電気、水道、ガスなどのインフラ整備が不十分な場合は、配管更新や配線工事なども必要です。また、壁紙の張り替えや、椅子、テーブルの購入など、インテリアに関する部分も費用がかかります。

・店舗の設備に関わる費用
店内で調理した料理を提供する場合、調理台やシンク、冷蔵庫、製氷機などの厨房機器が必要となります。包丁や鍋などの調理器具、皿やフォーク、ナイフなどの食器といった小物も買い揃えなければいけません。また、代金の精算や売上を管理するレジも用意します。厨房設備は特に高額になりやすいため、設備に応じた資金を用意できるか確認しておきましょう。

運転資金

運転資金は、店舗の売上を軌道に乗せるまでに必要な費用です。材料費や人件費、水道光熱費、通信費、家賃などが該当します。特に大きな割合を占めるのは日々の食材費や、雇用している従業員への給料などです。

運転資金が不足すると資金繰りができなくなる可能性もあるため注意が必要です。安心して経営を始めるために、およそ6カ月分の資金を確保しておくと良いでしょう。

広告宣伝費

広告宣伝費は、飲食店を知ってもらうために必要な費用です。公式ホームページの運営費、チラシの印刷費、グルメサイトへの登録費などが含まれます。一切宣伝をせずに顧客を増やすのは難しいため、広告宣伝に力を入れることもポイントです。必要な経費を想定して準備しましょう。

飲食店の開業資金を得る方法

飲食店の開業資金は、自己資金だけでなく、金融機関による融資やクラウドファンディングによる資金調達などで得ることもできます。それぞれのメリット・デメリットを把握し、最適な資金調達方法を選びましょう。

複数人で共同経営を行う

飲食店をオープンしたい人が複数人集まって資金を持ち寄る方法があります。1人あたりの資金負担が少なくなり、開業のハードルを下げやすい点がメリットです。

ただし、経営者同士で意見や主張の食い違いが起こる可能性があります。数年先まで見据えた計画を練り、よく意見をすり合わせた上で共同経営を開始しましょう。

金融機関を利用する

飲食店を開業する多くの人が利用している方法が、金融機関からの融資を受けることです。公的金融機関と民間金融機関があるため、双方の特徴を押さえておきましょう。

・公的金融機関
公的金融機関とは、政府が出資する金融機関のことです。特に、日本政策金融公庫は飲食店をはじめ店舗を開業する多くの人に利用されています。経営実績がなくても融資を受けられることがあるため、飲食店経営が初めての場合も申請しやすいのが魅力です。民間の金融機関と比べて金利を抑えやすいメリットもあります。

・民間金融機関
開業資金の調達方法として、民間の金融機関を利用するという選択肢もあります。地方銀行や信用金庫、信用組合は開業者に対して資金を融資するケースもあります。ただし、大手銀行は実績がないと断られる可能性が高い点に留意しましょう。

自治体の制度を利用する

各都道府県や市区町村が開業資金の融資制度を用意していることがあります。場合によっては、補助金や助成金などの制度を利用できることもあります。例えば、中小企業庁が運営する創業補助金がこれに当たります。創業補助金は開業にかかる経費に対して最大200万円(補助率上限2/3)の補助を受けられる制度です。利用できる補助金、助成金は自治体によって異なるため、詳細は役所に問い合わせましょう。

クラウドファンディングで支援を募る

クラウドファンディングとは不特定多数の人からインターネット経由で資金の提供や協力を募ることです。飲食店に特化したクラウドファンディングサイトもあるため、選択肢のひとつとして検討してみてはいかがでしょうか。

クラウドファンディングでは、協力してくれた人へ対して何らかのリターンを行うことが基本です。店舗側は資金提供のお礼として飲食クーポンなどの特別なサービスを提供することが多く見られます。魅力的な特典を考え、支援者を募りましょう。

飲食店の開業資金は余裕を持って準備することがおすすめ

飲食店の開店までには多くの費用が発生します。店舗取得に関わる費用や備品購入費用、経営に関する費用など、どういったものにお金がかかるのかをシミュレーションしておくことがおすすめです。複数人で共同経営する場合は1人あたりの出費を抑えられますが、円滑な運営が難しい場合は、融資やクラウドファンディングなどを利用するのもひとつの手です。開業後のランニングコストも加味しながら、余裕を持った資金調達を行いましょう。