飲み放題の時間設定はターゲット・時間帯によって変えよう

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飲み放題時間設定イメージ

この記事をお読みの飲食店の店長、経営者の方のお店では「飲み放題」を導入していますか?していた場合、その時間設定は何時間にしていますか?おそらく多くの店が2時間の時間制限で、そしてこれもおそらくですがその2時間には明確な根拠はないのではないでしょうか?

しかし飲み放題も重要な集客戦略の1つであり、その戦略の1つが時間制限を何時間に設定するか、ということです。なぜそれがそれほどの戦略になるのか興味をお持ちになったら、ぜひ今回の記事を参考にしてみてください。

飲み放題の時間がお店選びに影響!?

時間に注意イメージ

まず、飲み放題の時間がなぜ重要なのか、という点についてご紹介します。

■飲み放題の有無が店選びのポイント

なぜ飲み放題が「重要な戦略」なのかというと、ズバリそれが集客の決め手になるからです。ある調査によれば、宴会でのお店選びのポイントの第2位が「飲み放題があること」で45.1%の回答がこの条件を挙げていました。つまり宴会をする場合2組に1組は飲み放題ありを選んでいるということです。

ちなみに1位は「会社から近い」で51.3%とほぼ2位と僅差です。つまり実質的には宴会でのお店選びは「飲み放題があるかないか」ということなのだと言ってもよいでしょう。

■幹事も飲み放題があったほうが安心

なぜ宴会の時に飲み放題ニーズが高いかというと、それはお店選びをする幹事にとってその方が安心だからです。

幹事にとって1番困るのは、宴会費用の総合計が事前に集めた回避の合計よりも上回ってしまう、つまり「予算オーバー」になってしまうことです。そうなると、宴会の最後に盛り上がっている時に追加で会費を集めることになりますし、また必ず「自分はウーロン茶しか飲んでいないのに、なぜ追加で集められるのか?」という不満が出ます。

これに対して飲み放題にして、料理も宴会コースであれば絶対に予算オーバーはありません。ですから幹事は飲み放題のある飲食店を選ぶわけです。

■約2割の飲食店で飲み放題を実施

ではその飲み放題を実施している飲食店の割合はというと、正確な調査ではありませんが、インターネットで「居酒屋」の検索結果は約13700万件、これに対して「居酒屋 飲み放題」は約2730万件でした。ここから推定すると、約2割の居酒屋で、飲み放題を実施していると言えます。実際には2割以上ではないでしょうか。

逆に言えば、この程度の判断は多くの飲食店の店長や経営者はしているはずですので、飲み放題を導入しているというだけでは競合店と自店舗の差別化がすでにできない状態になっている、とも言えるのではないでしょうか。

差別化するためには「時間設定」が重要

時間設定のイメージ

差別化をするために考えられるのは、3つです。料金、メニュー、そして時間設定です。競合店に比べて安いか、メニューが豊富で競合店にはないプレミアムドリンクも飲めるか、あるいは時間設定が自分たちの宴会内容にフィットしているかということです。そこで、今回はこのうち差別化の戦略として「時間設定」を取り上げています。

それほど時間設定が差別化ポイントになるのかというと、たとえば「ぐるなび」掲載店で、大阪府内の飲み放題導入店は7548軒です。その中で「時間設定を3時間にしている」店は534軒です。つまりたった7%。3時間以上の時間設定を設けている店舗もあるでしょうが、おそらく9割以上の飲食店では2時間設定にしていると推測されます。

これでは、少なくとも時間設定の面では「2時間」では全く差別化できません。この「飲み放題2時間制」に対して実際に宴会に参加する人は満足しているのでしょうか?これも正式な調査はありませんので、ネット上の口コミを拾ってみると、このような意見がかなり多く見られました。

まず「宴会をする上で、時間は何時間に設定したらよいでしょうか?」という相談に対する意見です

「回答者: organic33

みなさん同じ年代の方々でしょうか? それなら、2時間でも長い気がします。 今の連中は1時間半くらいでスッといなくなります。 2時間を超えても居座るのは爺世代です。」

「回答者: suuzy

仲がよくておしゃべりが弾む人たちだったら150分とかだと助かるけど 3時間はそれでもちょっと長いかも。。」

引用元;教えてGoo

https://oshiete.goo.ne.jp/qa/7426930.html

「maki347700さん 2009/7/1200:35:04

友人同士の飲み会なら2時間で適当。 職場の飲み会なら90分にして欲しいなーと思うんですけどね。」

引用元:Yahoo知恵袋

https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1128196921

あるいはこのようばブログもあります。

「大きな飲み会だと、大抵は飲放題コースだ。飲み放題は多くの店において2時間で設定されている。

2時間というのは、非常に貴重な時間である。1日のうち起きている時間が18時間だとすれば、約11%を占める。休日ならまだしも、職場の飲み会というのは、大体において平日に開催される。そうすると、仕事終わりの2時間というのは、1日のうちで自由になるかなりの時間を割くわけである。

それじゃあ、どれくらいなら適当なのか。私の感覚では、相当な大人数でない限り30分~1時間くらいで十分だと思っている。」

引用元:さようなら、憂鬱な木曜日

http://www.goodbyebluethursday.com/entry/drinking_party

ここから読み取れることは、必ずしも2時間の宴会が参加者のニーズにはマッチしていないということです。では長ければよい、短ければよい、という単純なことではありません。会社の宴会なら短く、親しい同僚なら長く、年配者なら長く、友人同士なら長く、などのように、参加者のメンバー構成や宴会の目的によって、多様なニーズがあるということなのです。

つまり「飲み放題=2時間」という考え方は、お客様のニーズを考えていない「固定観念」になっている可能性があるのです。であればなおさら、時間制限を競合店と変えることで差別化もでき、お客様のニーズにフィットすれば集客力も高まるということが容易に言えるでしょう。

ターゲットで飲み放題の時間設定を変えてみよう

時間を変えるイメージ

では時間設定をどのように変えていけばよいのでしょうか。上では「会社の宴会は短く」と書きましたが、これはあくまで例であって、明確なデータで立証したものではありません。

したがって、それは各店長、各経営者の方が、自店舗の来店客のボリュームゾーン、あるいはターゲット、そして立地などを踏まえ仮説を立て、実行しながら検証するという方法しかないのです。ここでは参考として「こういう考え方で時間設定をしましょう」という仮説の立て方のご紹介をします。

・ママ会が多い店は時間帯と制限時間で設定

「ママ会」がターゲットの場合、都合の良い時間帯が2つあります。1つは、子供を幼稚園や学校に送り出してから帰ってくるまでの「9時から11時の3時間」、そしてもう1つは子供を迎えてからご主人が帰宅するまでの「13時から19時までの間の中で3時間」です。後者はご主人の帰宅時間によって、終了時間が変わるでしょう。

朝9時からのママ会は、朝食ビュッフェのある飲食店や、ちょっとリッチな朝食がとれるホテルなどでの「朝ママ会」の提案が増えています。こちらはアルコールは基本的にありません。あってもフリードリンクサービスです。

13時からの時間帯は、飲み放題のアルコールと夕食という組み合わせも多いです。いずれにしても時間設定は、ゆっくりおしゃべりをしたいので「3時間」がよいでしょう。

・女子会は3時間が基本

また女子会も時間設定に関しては、ママ会と同じく、仲のよい友達同士での尽きないおしゃべりを中心にした宴会ですから3時間が基本でしょう。ぐるなびでも最近は「飲み放題3時間」が飲食店検索の選択項目に入っていますし、またその設定の飲食店を特集しています。

・ターゲットの心理を読んで決めよう

以上はいずれも例であって、大切なのは「ターゲットの心理を想像して」「そのニーズに合った時間設定をする」ということです。たとえば、ビジネスマンの平日の宴会は「翌日仕事があるので早く帰りたい」「おこづかいの制限があるので安く済ませたい」というニーズに対応した「1時間半設定980円」が選んでもらえる可能性は高まります。金曜日は飲食店にとって稼ぎ時となるでしょうから、ニーズと売上を踏まえて考えるようにしましょう。

先に挙げたママ会、女子会は「ゆっくり話したい」ということがニーズの中心ですから3時間制です。大学生であれば「とにかく安く」なので、1時間半と時間を短くして、その分料金を安めに設定することでニーズがつかめるはずです。

また、若いサラリーマンが多数参加する結婚式の2次会などは、もう十分に飲んでいるので、それほど飲みたくないし、あまり長くもいたくない、というニーズを考えることがポイントです。いずれにしても心理とニーズを考えて時間設定を決めることが大切です。

時間帯と曜日で飲み放題の時間設定を変えてみよう

曜日をチェック

ターゲットや来店客のボリュームゾーンのニーズではなく、1日のうちの時間帯別にも時間設定を変える、あるいは曜日別に変える、という方法も有効です。具体的には以下のように考えましょう。

■時間帯別の来店客の特徴

時間帯別では、

  • ピーク帯:2次会に行けるように短い時間設定。ただし料金も安くする。
  • 22時以降:終電に間に合うように、1時間~1時間半程度にして料金を安くする。
  • 17時~19時:サラリーマンはまだ来店しないので、長めの時間設定をしてのんびり飲みたいママ客や、学生、フリーの仕事をしている人を狙う。

といった具合です。

■曜日別の来店客の特徴

曜日別には、

  • 平日でなおかつターゲットがサラリーマン:「早く帰りたい」「会社の宴会は好きではない」と思っている人が多いので、1時間半程度に短く。
  • 土日:「ゆっくり飲みたい」ニーズが高いので、3時間前後などが考えられます。

■仮説検証型が大切

ただし、上でも書きましたがこれらはあくまで仮説です。ターゲット、立地、時間帯や曜日で来店客のニーズは変化します。ニーズに当てはまるような時間設定をまず考えて実行し、それによって集客が増えたのかという効果測定をしましょう。思ったような効果がなければまた時間設定を変えてみて、最適なものを探り出すという「仮説検証」型で進めることが最も大切です。

1番いけないのは、「やりっぱなし」と「1度やって失敗したから元に戻してもう変えない」です。

まとめ

時間が重要イメージ

いかがでしょうか。

飲食店を利用する人は、宴会メンバー、時間帯、曜日などによってその都度ニーズが変わります。したがってできるだけ選択肢を広げて、いろいろな飲み放題の時間設定を行うことで、それらのニーズに対応することができます。そしてその対応力が高ければ高いほど、多くのニーズを拾えるため、集客力が増すのです。

これは時間設定だけの問題ではありませんが、いずれにしても「うちはこれ1本でやる」ではなく、柔軟にターゲットのニーズを想像しながら、自店舗の運営方針を変えていける店長や経営者のお店が、繁盛店になることは間違いありません。ぜひ「仮説検証」をしながら、柔軟な店舗運営をしていきましょう。