日本酒に合うおつまみとは?美味しいつまみで客単価をアップしよう

飲食店

日本酒とカレイ

世代を問わず、日本酒の魅力に取り憑かれたという人は多いのではないでしょうか?そんな不思議な魅力を持つ日本酒ですが、需要は減少の一途をたどっていて、どこの蔵元も業績が伸び悩んでいます。それでも各蔵元は、日本酒の研究、開発のための努力に並々ならぬ力を注いでいます。

なぜなら、日本酒の酒質には伝統的な甘口や辛口、濃厚に淡麗、純米と吟醸、生酒と熟成などがあり、酒質によって風味も味も変わるため、常に研究に研究を重ねて、蔵元独自の日本酒を作らなければならないからです。実はこの酒質によって、合う料理合わない料理が異なります。

今回は、日本酒の酒質を大雑把に分けて、それぞれの酒質に合うおつまみ、料理をいくつかご紹介します。

日本酒に合うおつまみの特徴とは

日本酒のおつまみ

日本酒に合うおつまみ・料理の特徴を、日本酒の種類ごとに見ていきましょう。

〇純米酒(純米、純米大吟醸、純米吟醸、特別純米など)

お酒にコクがあり、ふくよかな香りがします。このお酒に合うおつまみ・料理の特徴は、しっかりした味付けのものに合うという点です。例えば、煮物、肉料理、野菜炒め、魚の煮付けなどがあげられます。また、炊いたごはんに合う料理なら、大体このお酒に合うという人もいます。

〇吟醸酒(吟醸、大吟醸、など)

お酒に強い香りがあり、食前食後酒として最適です。このお酒に合うおつまみの特徴は淡白な味のものとなり、肉などの脂が濃い料理には向きません。例えば、白身魚の刺し身、魚の塩焼き、カルパッチョ、山菜のてんぷら、八宝菜などです。

〇生酒(冬から春の一時期に出回る)

白ワインのようなフレッシュな味わいが多く、柔らかな口当たりが口の中を包みます。このお酒に合うおつまみは、白ワインに合うおつまみと同じ料理となります。例えば、牡蠣、ムニエル、甘エビ、チーズなどです。

〇熟成酒(1年以上熟成させたお酒、古酒。2,3年ものから30,40年ものまであります)

深い酸味、甘味、洗練された香りが楽しめる、紹興酒のような日本酒です。このお酒に合うおつまみ・料理は、意外性のあるものとなります。例えば、うなぎの蒲焼、麻婆豆腐、ビーフシュチュー、北京ダックなどが合うでしょう。

〇本醸造酒・一般酒

日本酒の70%はこれに当たります。控えめの香りと淡麗辛口の味わいは、万人向けと言われています。このお酒に合うおつまみ、料理の特徴は、とにかくシンプルで軽いという点です。例えば、冷奴、塩辛、漬物、かまぼこ、酢の物などがこれにあたります。

日本酒に合うおつまみは辛口か甘口かで決まる!?

2つの日本酒

日本酒の甘口や辛口という表現は、食べ物の甘口・辛口の基準とは異なります。

基本的に日本酒は甘いと感じることが多いお酒ですが、中には甘くない日本酒があり、それを辛口と言います。辛口と言っても、唐辛子のように辛い味の日本酒ではありません。日本酒の辛口とは、甘さが控えめで甘みをほとんどない感じを言います。

この甘口・辛口を表す曖昧な基準を数値に置き換えることにより、醸造所は目標とする酒質に管理できます。甘口・辛口を数値化することにより、一つの標準値として生産管理ができるわけです。この数値化は、甘口・辛口を管理するためにある基準値と考えてもいいかと思います。

お酒のラベルの下の方に日本酒度と酸度が表示してあります。この数字こそが甘口・辛口を管理する数値であり、この数字を見ることによりこのお酒が甘口なのか、辛口なのかが一目で分かります。もちろん、人が感じる甘口・辛口には個人差がありますので、あくまでも甘口・辛口の参考にしていただければと思います。以下に、日本酒度と酸度の見方について軽くご紹介します。

〇日本酒度

日本酒には糖が多く含まれています。多く含まれていれば甘口で、少なければ辛口です。これを数値に表したものが日本酒度です。糖が少ない(アルコール分が多い)ほど、数値が大きくなります。

日本酒度5と日本酒度0では、日本酒度0の方が甘く感じます。

6.0以上 大辛

3.5 ~ 5.9 辛口

1.5 ~ 3.4 やや辛い

-1.4 ~ 1.4 普通

-1.5 ~ -3.4 やや甘い

-3.5 ~ -5.9 甘い

-6.0以上 大甘

〇酸度

もう1つの基準は酸度です。お酒の中にすっぱい成分(酸)が多く入っていると辛口で、少なければ甘口です。この酸とは、日本酒に含まれる乳酸、コハク酸、クエン酸、リンゴ酸などの事です。

この日本酒度と酸度を組み合わせて相関図が作られており、お酒の瓶の裏側のラベルの数値を相関図で照らし合わせて見ると、すぐにこのお酒が辛口か甘口なのかが分かるようになっています。

日本酒に合うおつまみはこれ!

日本酒とおつまみ色々

辛口の日本酒に合うおつまみ

塩味のもの、塩辛や明太子、人参のミソキンピラ、鶏レバーの甘酢あんかけ、厚揚げサイコロステーキ、タコのキムチ和え、ほうれん草の昆布巻き、アジの煮おろし、肉ジャガ、牛肉和風ステーキ、カニカマの玉子とじ、つくね、焼鳥、牡蠣鍋、鴨鍋、かす汁など。

辛口の日本酒に塩辛いつまみがよく合う理由は諸説あるとされています。1つの説としては、人の舌の表面には味蕾(みらい)という味を感じる器官があります。味蕾は、アルコール分の入った飲み物を摂取すると働きが鈍くなります。塩辛いつまみは、この鈍くなった器官をリフレッシュする作用があると言われています。そのため、塩辛いおつまみで辛いアルコール分の多い日本酒を飲むと、日本酒がおいしく感じるためとされています。

甘口の日本酒に合うおつまみ

甘口の日本酒には、砂糖やみりんを使った甘い味つけのおつまみがよく合うとされています。それは、甘い料理と甘口の日本酒を合わせることで相乗効果が発揮され、さらに日本酒がおいしくなるからです。

具体的なおつまみは、上記「1,日本酒に合うおつまみの特徴とは」の「純米酒に合うおつまみ」で記述してあるものが当てはまりますので、参考にしてください。

日本酒に合うおつまみレシピ5選

日本酒をもっと美味しくするために欠かせないのがおつまみの存在です。日本酒に適したおつまみを用意することで、夜のひと時がもっと楽しくなることでしょう。ここでは、簡単に作ることができて、尚且つ日本酒との相性が抜群のおつまみレシピを紹介していきます。

手軽!大根とツナの胡麻和え

【材料】

・大根:少量

・ツナ缶:小さじ1

・すりごま:小さじ2

・マヨネーズ:大さじ1

・しょうゆ:小さじ1/2

・砂糖:小さじ1/2

・ごま油:小さじ1

【作り方】

まずは、大根を細切りして水抜きをしていきます。

その後、ツナの汁を切って大根と混ぜ合わせていきましょう。

あとは、調味料を入れて、しっかりと混ざれば完成です。

最後は適量のごまを乗せれば風味も見た目も抜群!

準備と調理を合わせて10分もかかりません。

尚、美味しく作るためのポイントとしては、大根の水をしっかりと切っておくことです。大根に水気が残っていると、味が薄くなってしまい、少し物足りなくなるので気を付けて下さい。

刺身のゴマ漬け

【材料】

・お刺身用魚:350g

・たまり醤油:大さじ3

・酒:大さじ1

・みりん:大さじ1

・白ごま:大さじ2

・一味唐辛子:適量

・大葉

【作り方】

まずは、みりんとお酒をレンジにかけて、アルコールを飛ばします。

この後は、みりんとお酒を冷凍庫にいれて、冷ましていきましょう。

その間に、刺身を用意するのですが、自分の食べやすいサイズに切ると良いです。尚、ハマチあたりの魚がベストですが、タイなど他の魚でも美味しく食べることができます。

材料が冷めたらしょうゆなど他の材料も入れて、その中に刺身を入れて10~15分ほど漬けていきます。最後は、大葉など好きな薬味を入れて完成となります。

薬味は大葉の他にはネギや細く切ったたまねぎなどがお勧めとなっています。

冷やす時間があるので、作り置きすると良いでしょう。濃い味のおつまみが欲しい時にはかなりお勧めです。

日本酒との相性抜群!ツナわさびサラダ

【材料】

・切り干し大根:2袋

・ツナ缶:1缶

・すりごま:大さじ2~3

・マヨネーズ:大さじ3~4

・万能ネギ:適量

・めんつゆ:大さじ1

・ワサビ:お好みで

【作り方】

切り干し大根を水でもどして、そこにツナ缶を全ていれてしまいます。

汁は抜かなくても大丈夫です。

次に、めんつゆにわさびを入れて、しっかりと溶かしていきます。

この時、しっかりと溶かしておかないと、味が均等にならないだけでなく、わさびの固まった部分を食べると思わず涙が出るのでご注意ください。

わさびが見えなくなったら、マヨネーズを入れて、これもまた同様に混ぜていきます。

最後は他の材料を入れて、更に混ぜて完成となります。

尚、めんつゆの代わりにしょうゆを使ってもOKです。めんつゆだと少し味がマイルドになり、しょうゆだと、しっかりとした味になるので、日本酒に合わせて変えていくのが良いでしょう。

切り干し大根とツナ缶だけをストックしておけば、直ぐに作れるので、お勧めです。

ちょっと贅沢、かなり満足!山芋明太子

【材料】

・山芋:お好みで

・明太子:お好みで

・バター:山盛大さじ1

・オリーブオイル:少々

【作り方】

まずは、山芋を1cm位の厚さで切っていきます。

なんと、準備はこれだけでOKです。

あとは、フライパンの上に山芋を両面こんがりと焼いていきます。

焼いている間に、ソースを準備していきましょう。

オリーブオイルの中に、適量の明太子とバターを入れてしっかりと混ぜ合わせていきます。明太子が好きな方は、量を多くするのが良いでしょう。

これでソースは完成。

山芋が両面こんがりと焼けたら、器に取り出して下さい。

食べ方は、山芋をソースに付けるか、最初に山芋の上にソースを乗せても良いです。お好みの食べ方でどうぞ。

また、アレンジとしては、フライパンで焼いている最中にソースを上からかけて、ソースごと加熱する方法があります。

こうすると、風味が強くなって、香りも味も際立ってきます。

乗せるだけで完成!柚子こしょうチーズ

【材料】

・カマンベールチーズ

・柚子こしょう:小さじ1/4

・ナッツ(くるみ、アーモンドなど):適量

【作り方】

こちらの作り方はとっても簡単です。

一口サイズに用意されたチーズの上に少量の柚子こしょうを乗せて、ナッツ類をトッピングするだけで完成です。

とっても簡単なおつまみとはなっていますが、日本酒との相性はかなり良いです。一つ一つのチーズに柚子こしょうなどを乗せるのが面倒であれば、食べる時に、少し柚子こしょうをつけて、ナッツを落とすだけという方法でも良いでしょう。

日本酒に合うおつまみを用意して客単価をあげよう

日本酒をそそぐ

居酒屋のFD比率、つまりフード(料理)とドリンク(お酒)の一般的な比率は、FD比率5.5対4.5と言われています。これは、客単価の内訳が料理・おつまみとお酒がほぼ同じくらいということです。

居酒屋の中には全国の地酒を集め、棚いっぱいに並べるほど日本酒をウリにしているお店があります。しかし、場合によっては在庫が過剰となり、利益を大きく圧迫する結果となります。ABC分析などで、本当に必要な銘柄は何なのかを明確にチェックして、仕入の参考にしたいものです。

以上のようなFD比率は、おつまみが客単価に大きく影響していることをも示しています。お酒のみならずおつまみにも力をいれるようにしましょう。旨いお酒と旨いおつまみが出され、お客様を満足させることができれば、もう一品追加の注文を促すことができるでしょう。これが客単価を上げるコツです。手間を惜しまず、こだわった料理はお店のウリとしてどんどんアピールすることも必要です。

まとめ

あさりの酒蒸し

日本酒に合うおつまみ・料理の組合せは、日本酒の種類によって異なります。

日本酒の特徴を考慮に入れながら、日本の伝統的な珍味にはどんなお酒が合うのかを一度、チェックしてみてください。そして、お店で提供する日本酒に合うおつまみをお客様にお出しし、客単価をUPさせていきましょう。

【関連記事】

日本酒グラスってどれをそろ揃えればいいの?おすすめグラスを紹介


【店舗経営においてはPOSレジが欠かせない】

店舗を経営するにあたって、今やなくてはならないのが「POSレジ」です。POSレジ一つで日々の業務効率化だけでなく、売上管理・分析等を行うことが出来ます。

現在はiPadなどを用いた「タブレット型POSレジ」が主流になっており価格も月々数千円~で利用出来るようになっています。機能性も十分に高く、レジ機能はもちろん、会計データの自動集計により売上分析なども出来るため店舗ビジネスをトータルで効率化させることが出来ます。

「機能を使いこなせるか不安」という方には、操作性が高い「ユビレジ」がおすすめです。業種を問わず累計3万店舗以上で導入されているタブレットPOSシステムで、月々6,900円(税別)からご利用いただけます。

実際の操作方法などが気になる方には無料のオンラインデモも対応可能!まずはお気軽にご相談ください。

▶︎無料オンラインデモで操作性を確かめてみる