内装工事ってなにをするの?スケジュールや費用感を知っておこう

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飲食店の内装工事にかかる費用は、開業資金全体の50%を占めるといわれます。しかし、初めて開業する場合は、どんな工事が必要で期間はどれくらいかかり、料金はいくらが適正かを判断するのは難しいもの。

そこで今回は、そうした疑問を解くために、工事内容や予算の立て方などについて具体的に説明していきます。完成してから後悔することのないよう、基本的なことをしっかり押さえておきましょう。

内装工事とは

スケルトンの物件

内装工事とは、建物内の設備・装飾を施すことを意味します。飲食店の場合は、一般的に次のような工事を指します。

  • 電気……コンセントと照明器具の配線、エアコン、給排気ファン、大型冷蔵庫の配線など。
  • ガス……すでにガスが引かれていれば配管のみ。
  • 水道……保健所から指導される二層シンクやグリストラップ(油や野菜くずが下水道に流出するのを防ぐ装置)の取り付けなど。
  • 給排気……厨房のフード、店内の換気扇、トイレの換気扇など。
  • 空調……エアコンの設置。
  • 内装……天井、床、壁、入り口(ファサード)など。
  • インテリア……照明器具、家具(テーブルと椅子、ショーケースなど)の設置。
  • 厨房設備……飲食店では厨房機器や調理器具の設置も含まれる。

これらの工事は、電気は電気店に、ガスはガス会社にと個別に頼むのではなく、内装工事専門の施工会社に依頼することになります。

内装工事の費用はどのくらいかかるの?

設計図と電卓

飲食店向けのテナントには、スケルトン(設備も内装も一切ない状態)と、居抜き(前の借主が施した設備・内装が残っている状態)の2つの形態があります。

スケルトンか居抜きかによって、また、業態やコンセプトによって工事費用は大きく変わってきますが、15坪程度のスケルトン物件の場合で、おおよそ1坪当たり30~50万円というのが相場とされています。飲食店の場合は厨房設備がかかるため、坪45~60万円が一応の目安と考えていいでしょう。

坪単価は一律ではなく、規模が大きくなるほど単価は低額になります。これをスケールメリットといいます。具体的には、15坪より50坪のほうが坪単価は安くなり、反対に15坪より5坪のほうが高くなるといったことです。

居抜き物件であれば、電気やガスなどの設備工事は不要ですから、大幅に費用を削減できます。しかし、居抜き物件でも業種が違うと電気の熱量が足りない、ガスの火力が弱すぎる、排気・排煙用のダクトがないなどの不具合が生じて、追加工事が必要になることがあります。

特に建物が密集している地域では、壁面に換気扇を設置することができず屋上までダクトを引き上げることになり、その分のコストがかかります。この場合、換気扇を店内や厨房、トイレなどに取りつける通常のダクト工事が80~100万円であるのに対し、屋上設置となると120~150万円というように大きく異なってきます。

居抜き物件でも、そのまま使うことができなければ新たな工事が必要となり、結局高くついてしまうことがあります。そのため、熱量や火力などの設備容量は、物件のオーナーか不動産屋に聞いて事前に確認しておくことが重要です。

内装工事のスケジュールやフローは?

内装の説明

物件が見つかったら、施工会社の候補を2~3社選んで依頼します。施工業者の選び方については後述しますが、打ち合わせから完成までの流れとポイントをご紹介いたします。

1. 内装業者との打ち合わせ(コンセプト提示)

どんなお店を造りたいのか、業者が理解するためのヒアリングから始まります。依頼する側は、店舗の場所、設備器具の仕様・状態、客席数や想定する回転数、提供するメニュー、イメージする店内の雰囲気などをはっきり伝えます。予算を提示し、融資を受ける場合はその旨も伝えます。

仮に開業資金の予算が500万円の場合、そのうちの300万円は内装費に充てたいというように、具体的に示します。このとき、費用をできるだけ抑えたいからと低めの予算を提示するのは避けるべきです。なぜなら、相場からかけ離れた金額だったりすると、業者に「これできちんと支払ってもらえるだろうか?」と不信感をもたれかねないからです。業者に無用な不安を抱かせないためにも、事前に内装費の相場を調べて、どのくらい必要なのかを知っておくことが大切です。業者のほうも依頼者を信頼できるお客(施主)かどうかを見ているわけですから、真剣な態度で臨みましょう。

コンセプトと内装のイメージを把握してもらうためには、言葉だけでなく、インテリア雑誌やwebサイトの画像などを示して、よりわかりやすく伝えるようにします。

2. パースや見積りを提示してもらう

提示したコンセプトやイメージに応じて、パース(建物の外観や店内を立体的に描いたイメージ図)や店内のレイアウトなどを制作してもらいます。同時に概算見積りを出してもらい、数社を比較検討します。ここでの見積りは無料で作成してくれるところが多いようです。

見積りを検討する際に大事なのは、追加工事の必要がないことを確認することです。なぜなら、業者によっては敢えて見積りを低くしておいて、工事に入ってから「あれがないと完成できない。これも必要」と追加工事を次々と要求してきて、トラブルに発展することがあるからです。

3. 業者を決定・契約

十分に検討した結果、施工会社を決定したら契約を締結します。この時点で費用の半金を支払い、残りの半金は完成後に支払うのが一般的です。

4. 着工

契約が締結したら、デザイナーと施工担当者、依頼主の3者で打ち合わせを行い、着工という運びになります。工事期間中は、できるだけ現場に足を運んで進行状況を確認することが大切です。もし変更したい箇所がある場合、早い段階であればやり直しがききますが、完成間近になってからでは対応してもらえないことがあるからです。

5. 完成・引き渡し

工事が完成したら、施工会社立会いのもとで点検を行います。塗装がはがれていたり、壁のクロスが浮いていたり、汚れやキズがついているときはその場で修整してもらいます。その後引き渡しとなり、費用の残りを支払います。

6. 保健所・消防署の検査

保健所の検査は、業態や場所などによってチェック項目が異なります。ただし、「衛生的で安全に食品を提供できる施設」であるかどうかを調べるのは基本です。消防署の検査は、消火設備・警報設備・避難設備・消防活動用設備が中心になります。保健所と消防署の手続きは、施工会社に代行してもらうことができます。

以上の検査に合格すれば、いよいよオープンということになります。業者との打ち合わせからオープンまでは、店舗の規模にもよりますが、おおよそ20坪程度の規模で2~3か月かかるのが一般的です。

内装工事はどういう会社にお願いしたらいいの?

内装の設計

内装工事については、デザインと施工を別々の会社に依頼する方法と、同じ会社に一括して依頼する方法があります。

デザイン性に重きを置きたい場合は、デザイン専門会社に依頼するといいでしょう。デザイナーは工事がデザイン通りに進行しているかを監理する立場にあるため、より完成度の高い仕上がりが期待できます。

ただし、デザインが決定してから施行会社を選んで着工することになるため、余計な時間がかかってしまいます。また、デザイン料も別払いなので、割高になるのがデメリットです。

一方、施工業者にデザインも依頼する場合は、打ち合わせから工事完了までスムーズに進めることができます。ただし、デザイナーも施工担当者も同じ会社であることから、監理が甘くなりやすいというデメリットがあります。デザイン料は工事費用に含まれるため、コストを抑えることができます。

どちらを選ぶにしても、大事なのは飲食店専門の業者であることです。デザインも工事も、業者によって得意分野があります。住宅専門の業者に依頼したりすると、厨房機器や換気扇の設置のしかたがわからず、工事が滞ってしまうことがあります。実際にそうしたケースが少なくありませんので、最初にしっかり見極めることが大切です。

まとめ

内装の確認をする女性

いかがでしょうか?

開業資金の融資を受ける場合も、内装工事の概算見積りが必要になることがあります。内装工事費には厨房機器、家具備品などの費用も含めますので、融資を受ける際はとても大切な要素になります。初めての開業でどのような業者を選べばよいかわからないという場合は、インターネットの「マッチングサービス」を利用する方法もあります。

「マッチングサービス」を利用すれば、店舗専門の内装業者から無料でデザイン提案、見積りを取ってもらうことができます。全国どの地域でも対応可能となっています。個人情報保護法に基づき、依頼する業者が決定するまでは匿名でサービスや情報を受けることもできます。必要に応じて利用し、内装工事を進めていきましょう。

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