モチベーションが仕事に影響する理由とモチベーションを維持する方法とは?

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チームワーク

日々の売上目標を達成するためには、スタッフのモチベーションを維持することが大切です。しかし、自分の意志でモチベーションを高めようと思って高められる人もなかなかいないかのではないでしょうか。

モチベーションを高める一つとして、職場環境が大きくかかわってきます。飲食店の経営者や店長のいちばんの仕事は「モチベーション管理」ともいわれています。ここでは社員やパート・アルバイトのモチベーションを上げて、それを維持させる方法をご紹介します。

モチベーションとは?

ガッツポーズをする男性

私たちが行動を起こし、それを持続させるためには、心を動かされる何らかの理由が必要です。モチベーションとはそうした心理的な理由のことで、一般的には「動機づけ」「目的意識」「意欲」などの意味で使われています。少し専門的になりますが、心理学ではモチベーションは次の2つの要因で成り立つと考えられています。

  • 動因(内的動機づけ)
    その人の内面から行動を引き起こすもので、「もっと成長したい」「昇進したい」「金銭的に豊かになりたい」など、何かを欲する能動的な気持ちのことです。
  • 誘因(外的動機づけ)
    その人の外部から行動を引き起こさせるもので、成果に対する報酬や評価、楽しみなど、欲しいという気持ちを満たしてくれるものをいいます。

動因と誘因は一致することが重要で、どちらか一方が強いだけではモチベーションを喚起することはできません。よく説明に用いられるのが「馬を水飲み場まで連れて行くことはできるが水を飲ませることはできない」ということわざで、水飲み場に連れて行くことが「誘因」、水を飲みたいという気持ちが「動因」にあたります。

人は他人にチャンスを与えることはできても、本人がそれを望まなければチャンスはつかめないという意味で、言い換えれば、スタッフのモチベーションを喚起するためには、本人がそれを望んでいるかどうかを上司が理解する必要があるということです。

飲食店での仕事にモチベーションが必要な理由とは?

カフェスタッフ男女

モチベーションの基本的な考え方について、だいたいおわかりいただけたかと思います。では、そもそもモチベーションはなぜ必要なのか、それについて見ていきましょう。

「いつか経営者になりたい」という強い意志を持って働いている人は別として、この仕事に夢を抱いて働いているというより、生活費や学費を補うのが目的という人や、なかには辛いのを我慢して勤務している人もいるでしょう。人間の脳は、やりたくないことや面倒なこと(嫌悪刺激)に取り組むと、「この仕事は辛い」と感じ、集中力や注意力が途切れてしまいます。そうなると仕事をするのがイヤになり、態度にも現れるようになります。

このようなスタッフがいるとほかのスタッフに影響して、お店全体が活気のない暗い雰囲気になってしまいます。お客さまにも「スタッフ教育ができていないお店」という印象をもたれ、当然売り上げにも響いてきます。どんなに料理がおいしくても、顧客満足度を上げることはできません。逆に、お店のルールを守り、いつもイキイキと仕事をこなしている人は魅力的で、ほかのスタッフも見習おうとします。職場に尊敬できる人がいると仕事のやりがいも感じられるようになり、モチベーションを高めることにつながります。スタッフ同士が信頼し合い、なおかつ全員が意欲的に動き回る店は顧客満足度を高め、必然的に売り上げが伸びていきます。

このように、スタッフの働きぶりが顧客満足度を左右し、それがそのまま売り上げに直結するため、モチベーション管理は経営者や店長にとって最も重要な業務とされているのです。モチベーション管理というのは、モチベーションを上げるだけでなく、それを維持させ、結果を出してもらうことです。次にその具体的な方法を紹介しますので参考にしてください。

仕事のモチベーションが下がってしまう原因とは?

モチベーションが下がる男性

モチベーションの高さがスタッフの働きぶりに好影響を与え、売上に直結することが分かりました。しかし、人間は非常に繊細な生き物です。ひょんなことからモチベーションが上がることもあれば下がることもあります。では、スタッフのモチベーションはなぜ下がってしまうのか、その原因について見ていきましょう。スタッフのモチベーションはあらゆる事柄から下がっていきます。その具体的な原因は、下記に挙げるものからです。

1、 努力しても失敗を繰り返す

私たち人間は機械ではありませんので、失敗を犯します。しかし、できれば失敗はしたくないものです。そこで、失敗をしないよう努力をしますが、それでも失敗をしてしまうことがあります。同じ失敗を繰り返してしまうことで仕事に対する自信を失い、モチベーションの低下に繋がります。

2、 睡眠不足による心身の疲労

日々の生活で慢性的な睡眠不足が続くと、仕事の生産性が落ちてしまいます。睡眠不足は、人間のやる気や心身の安定を促す脳内神経伝達物質であるセロトニンを減少させていきます。セロトニンが減少すると、心身に不調をきたし仕事へのやる気もなくなり、モチベーションの低下に繋がります。

3、 報酬の低さ

どんなに仕事を頑張っても、頑張りが報酬に反映されなければモチベーションは上がらないものです。頑張っても報われないと考えるスタッフが現れ、仕事に真剣に向き合わなくなると、お店全体に悪影響を与えることになります。

4、単純作業

仕事に慣れてくると、仕事自体が単なる作業になってしまうことがあります。そうなると、自らの仕事に刺激がなくなり、モチベーションが低下してしまいます。モチベーションの低下は集中力を低下させ、重大なミスにも繋がります。

5、 目標が不明瞭

仕事に対する目標がなければ、モチベーションは低下してしまいます。自分は仕事を通じて何を成し遂げたいのか明確にしなければ、仕事にやりがいは見いだせません。

モチベーションを低下させる原因は様々ですが、スタッフの働きぶりが顧客満足度を左右し、それがそのまま売り上げに直結するため、スタッフのモチベーションの低下を防ぐことが重要となります。そこで、モチベーションを上げるだけでなく、モチベーションを維持させ、結果を出してもらうモチベーション管理が、経営者や店長の重要な業務となります。

モチベーションを維持するポイント3つを紹介

階段を駆け上がる男性のイラスト

モチベーションを維持するにはどのようなことに気をつければ良いのでしょうか?モチベーションを維持するためのポイントと、具体的な方法を紹介しますので、是非参考にしてください。

モチベーションを維持する方法1:「個人に合った目標設定をする」

人間はだれしも、人に認めてもらいたい、尊敬されたいという「承認欲求」をもっています。モチベーションを維持する要因となるのは金銭的報酬と思いがちですが、それは固定観念であって、最大の要因はこの承認欲求といわれています。パートやアルバイトにしても同じことで、どれだけ時給をアップしても、一時的にモチベーションを上げることはできても維持させることは難しいでしょう。

そこで大事なのが、本人の得意なこと・好きなことを把握し、それに合わせて目標を設定し、達成できたときに評価してあげることです。目標は、本人が楽しみながら取り組めることで、必ず成果を上げられるレベルのものでなければなりません。ハードルが高く、「これは無理かもしれないな」と思ったとたん、モチベーションは一気に下がってしまうからです。たとえば、得意なことが「人を笑わせること」で、好きなことが「仲間との会話」という人であれば、「フロアスタッフとしてリピーターを〇人増やす」のように目標を設定します。そして、定期的にミーティングを開き、結果をみんなで評価するようにします。達成できなくても努力を認めてあげ、達成できた場合はプチ表彰式を行うなどしておおいに褒めたたえるようにします。ミーティングを設けるのが時間的に難しい場合は、日報を活用して評価し合うようにすると良いでしょう。

このようにして個々の目標と結果をスタッフ全員で共有することがモチベーション管理のポイントです。

モチベーションを維持する方法2:「明確な理由を伝える」

スタッフの中には、一生懸命やっているのですが「いらっしゃいませ」や「ありがとうございます」を大きな声で言えない人もいます。そういうスタッフに対して「もっと大きな声を出せ!」と叱るだけでは効果がありません。本人は自分を否定されたような気がしていたたまれない気持ちになるばかりです。

この場合、大きな声を出すのは、活気のある店だという印象を与えるためだけでなく、ほかのスタッフに「お客さまがお見えになった」「お帰りになる」ということを知らせ、次の行動を促すためにも必要なのだと理由を説明し、本人を納得させることが大切です。それとともに、「〇〇くんはよく頑張ってくれるから助かっているよ」といった褒めことばも忘れないようにしましょう。

モチベーションを維持する方法3:「信頼関係を築こう」

スタッフを指導するときは、何をどうやるべきかを説明し、相手に理解してもらわなければなりません。命令や強制するような厳しい口調では反発心をあおるだけで、モチベーションどころではなくなるのが普通です。場合によっては「パワハラ」とか「ブラック」などと思われかねません。

しかし、二人の間に信頼関係ができていれば、同じ命令口調でも「店長の言うことだから」と素直に受け入れてくれるものです。どんな職場にも言えることですが、とくに飲食店においては仕事上のコミュニケーションが大切で、その基本となるのが信頼関係です。

次のような点を心がけて、信頼関係をより確かなものにしていきましょう。

  1. 相手の成長を認めてあげる
    どんなスタッフもプライドを持って仕事に臨んでいます。当人の変化や成長、成果が少しでも認められたらことばにして伝えるようにします。
  2. 人前で叱責しない
    失敗したときは人前で叱ったりせず、個室か閉店後二人だけになってから。その際は説教ではなく、相手を納得させることが大事です。
  3. えこひいきをしない
    仕事ができる人間を特別扱いしたりすると、ほかのスタッフとの信頼関係を築くことができなくなります。どのスタッフも店を支える一員であることを忘れず、公平に接するようにしましょう。

まとめ

ガッツポーズの女性

同じ店で働く者同士であっても、接客が向いている人だけではなく、裏方的な仕事が好きな人もいます。それぞれが持てる力を発揮できるように環境を整えてあげればモチベーションが上がり、間違いなく定着率も上がります。まずは一人ひとりの個性を把握することから始めましょう。