客単価アップが売上をあげる近道。客単価をあげる理由や方法とは?

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客単価アップイメージ

飲食店経営者の大多数の方は、「客単価が重要」と感じているかと思います。その客単価をあげる戦略としてまず思い浮かぶのが「値上げ」ではないでしょうか。しかし、客単価のアップにはさまざまな手法があるのです。

そこでここでは、なぜ客単価を上げる必要があるのかという復習と、その方法についてご紹介します。

客単価とは?売上との関係は?

客単価は重要イメージ

売上とは

飲食店の売上は、以下の式によって算出することができます。

売上 = 来店客数 X 客単価

つまり、売上をアップするには来店客数を増やすか、客単価を上げる必要があるのです。

来店客数とは

来店客数を算出する方法は、以下の通りです。

来店客数 = (既存客 + 新規客 - 脱落客) × 来店頻度

したがって、来店客数を上げるには

  • 新規客を増やす
  • 脱落客を減らす
  • 来店頻度を上げる

のどれか、またはいずれか複数を目指す必要があります。

客単価とは

客単価は、以下の式によって算出することができます。

客単価=オーダー回数 × 1回あたりのオーダー数 × 1料理あたりの単価

したがって、客単価を上げるには

  • オーダー注文回数を増やす
  • 1回あたりのオーダー数を増やす
  • 1料理の単価を上げる

のどれか、またはいずれか複数を実行する必要があります。

売上を上げるには、以上6つの方法を組み合わせて実行していくということが原則中の原則です。

客単価をあげる具体的な方法①オーダー品数を増やす

オーダー数が増えたイメージ

今回の記事では来店客数を増やす方法について割愛し、客単価をいかに上げるかという点に絞ってご説明していきます。まずは客単価を上げる方法「5オーダー数を増やす方策」についてご紹介します。

■クロスセルを行う

クロスセルという手法は、もともとアメリカのスーパーなどで考案されたマーケティング用語です。それを定義的にいうと、「クロスセルとは、購入した商品やサービスと関連するものを一緒に購入してもらう購入推奨活動のこと」です。1番有名な成功事例としては、アメリカのスーパーで実施されたクロスセルが挙げられます。そのスーパーでは、果物売り場のイチゴの隣に、今までは調味料売り場に並べていたコンデンスミルクを陳列したところ、イチゴもコンデンスミルクも売上が倍増したといいいます。

皆さんがよくご存知の飲食店でもクロスセルは行われています。それは、ファーストフードの代名詞であるハンバーガーショップです。ハンバーガーを買うと、「ハンバーガーと一緒にポテトもいかがですか?」「ドリンクとポテトがついたセットの方が50円お得ですがいかがですか」などとおすすめされた経験はないでしょうか。実はこれもクロスセルなのです。

ハンバーガーショップにてポテトだけをすすめられるのは、単純な「押し売り」のクロスセルです。しかし、セットの話になると、来店客にとっては単品を買うよりも50円安くなるというメリットがあります。店側としても、セット価格はセット商品を1品単位の単価で計算をすると安くなりますが、単品での注文よりも1来店客の客単価は上がるというメリットがあります。つまり「Win-Win」が成り立っていますから、来店客の不満にもならず成約率も高くなります。

では、クロスセルでオーダー数を増やすために追加で何をおすすめしたらよいのか、あるいは新たにどんなメニューを開発すればいいのかについて検討しなければなりません。最もクロスセルしやすい料理は、「すでに一部の来店客が一緒に注文している」ものです。こうしたメニューは、店側が気づかないうちにお客様が「一緒に食べるとおいしい」と証明しているものですので、すすめられて食べた人も満足してくれる確率は高いでしょう。

注文数や組み合わせの商品分析を行い、そこからクロスセルを行うメニューを見つけます。POSデータを活用すると分析が簡単にできるのでぜひ活用しましょう。

もう1つのクロスセルの手法は「セット販売」です。「ハンバーガーセット」のように、一緒に注文しそうな料理を店側で2つ選んでセットを作り、価格は単品の合計よりも少し安く設定をする方法です。よくあるものとしては、「ラーメン+チャーハンセット」などです。

ランチメニューなどのコース化も幅広い意味ではクロスセルとなります。また、ママ友同士のランチ客などが多ければ、ランチタイムの後をティータイムにして、デザートとコーヒーのセットを出すという方法もクロスセルの1つでしょう。クロスセルには料理開発の専門的な知識がほとんど必要なくアイデア勝負です。従業員やアルバイトスタッフを巻き込んだコンテストなどで提案してもらいましょう。

■ポーション変更

セットメニューの価格を単品価格の合計よりも安くした場合、注文数の増大で「原価率」が上がりますが「粗利額」も増えます。経営的にはそれでいいはずですが、原価率も維持したい場合はポーションを変更しましょう。つまり、セットに含まれるそれぞれの料理を、単品時よりもポーションを減らすということです。

たとえば、ラーメンと餃子のセットにおける餃子の数を単品では8個、セットだと6個といったように変える方法です。

客単価をあげる具体的な方法②料理の価格を上げる

価格をあげるイメージ

客単価を上げるためのもう1つの方法に、「料理の価格を上げる」が挙げられます。ただし、単純に値上げするということだけではありません。

■アップセルを行う

アップセルとは、「購入した商品やサービスを、よりグレードや価格の高いものに変更して購入してもらうように推奨する活動」のことを言います。

例えば「あと50円でLサイズにできますがいかがですか?」という単純なアップセルから、「ミックスピザのMサイズ」を注文した場合に、「4名様ならLサイズの方がお得ですよ」とおすすめすることもアップセルとなります。特に後者は、お客様にも店側にとってもメリットがある「Win-Win」になっていることがポイントです。

アップセルの1番シンプルな方法は「松竹梅メニュー」です。これは、3段階の価格の料理を用意すると必ず高いメニューを注文する人が出ることを狙った、トータルでの客単価を上げる方法です。メニューの書き方を工夫するだけでもアップセルを促すことができます。たとえば、レストランで3つのコースを用意したとします。それぞれのネーミングを、

「Aコース シェフが厳選した素材を使った一日限定10食の特別コース 3500円」
「Bコース 人気のオススメコース 2500円」
「Cコース 当店の定番メニュー 1500円」

として言葉で付加価値を与え、高額なメニューに誘導することが可能です。

■少額の値上げをする

値上げによって来店客数が減るという心配によって、値上げに抵抗を感じている場合があるのではないでしょうか。しかし、値上げ自体は思うほど「悪い手法」ではありません。

なぜなら、ランチ売上のボリュームが大きいお店や牛丼チェーンのように品目数が少ないお店、頻繁にリピート客が来店されるお店でない限り、お客様が単品の値段を覚えているということは少ないでしょう。よって、鶏唐揚げを450円から480円に上げても大きな印象にはならないのです。

客単価をあげる具体的な方法③新メニューを販売する

飲食店の売上UPの方法は色々とありますが、その中に「新メニューの開発」があります。お客さんに気に入られる新メニューを開発することができれば、お店の客単価はあがり、売上も比例してアップしていくことでしょう。

しかし、新メニューを開発すれば無条件で客単価が上がるほど単純な話ではなく、色々と試行錯誤が必要になるのですが、何をどう考えれば良いのでしょうか。

最初に考えたいのが、誰を対象にするかといったことです。新規のお客さんを呼ぶための新メニューなのか、それとも、既存客向けにするのか。これは、絶対に後者となっています。

その理由は以下の2つ。

既存客を飽きさせない

お店の看板メニューは売上を安定させるために必要なもので、多くのリピーターを生むことでしょう。しかし、毎回同じものを食べていると、いつかは飽きてしまいます。

いくら、お気に入りのメニューがあっても、たまには違うものを食べたいですよね。また、常連客になってくると、大体のメニューは一通り注文しているものです。その状態で、いつまでも新しいメニューがなければ、飽きてしまい、他のお気に入りのお店を探そうとするでしょう。

しかし、定期的に新メニューが登場したらどうでしょうか。「なんか、新しい物が食べたいな」と思っている時に、新メニューがでれば、注文したくなるのが人の性です。注文して、気に入ってもらえれば、また一つお店に来る理由が増えるので、店舗側は長期に渡ってリピーターを確保することが可能になるというわけです。

新メニューのオーダー率を見込める

新メニューの開発の狙いは、売上アップ、そして、お客様の飽きさせないこと。最後に「新しい客層」をGETすることなのですが、そもそも、新しいメニューを出した時、注文してくれやすいのは誰でしょうか。

初見のお客さんの場合だと、例え新メニューがあったところで、お店にくること自体が初めてなので、言ってしまえば全てが新メニューです。だから、お店の新メニューにそれほど興味は抱かないでしょう。

このように考えると、新メニューのターゲットを設定していないと、せっかくのメニューの注文率が下がってしまいます、仮にそのメニューが素晴らしい出来だったとしても、話題になることはないでしょう。

だから、既存客向けに新メニューの開発・提供を行うのが良いです。そうすると、既存客が目新しさに注文してくれて、口に合えば次回からも注文してくれるので、一定のオーダーは確保できるでしょう。

客単価をあげる具体的な方法④優良顧客に特別なメニューやサービスを用意する

客単価をあげるための最も基本であり、当たり前の方法。それは優良顧客に特別なメニューやサービスを提供することです。しかし、言葉で言うのは実に簡単ですが、具体的にはどうしたらいいのでしょうか。

そして、なぜこれが客単価の向上に繋がっていくのでしょうか。

その説明をする前に「なぜ、人はお金を払うのか」ということについて考えてみましょう。

お金を払う理由。それは、お店のサービスやメニューに気に入ったからです。つまり、お金を払う価値があると判断したからです。極論とはなりますが、クレーマーはお金を何かと文句を付けてお金を払わないですよね。

悪質なクレーマーを除いた話となりますが、つまりこれは「お金を払う価値がない」と判断したからです。「クレーマーこそ優良顧客になりやすい」という話を聞いたことがあるかもしれませんが、彼らはお金を払う価値があると思えば、どんどんお金をつぎ込んでくれる特徴を持っています。

ちょっと極端な例ではありますが、ここから「特別」を提供することが客単価のアップに繋がると言えるでしょう。

しかし、誰に対しても特別なサービスを行っていては「特別」にはなりませんので、常連客だったり、来るたびに高いメニューを注文してくれるお客様など、店側で条件を設定しておき、これを満たすお客様には積極的にサービスを提供していきましょう。

ここで気を付けたいのが「サービスをシステム化しないこと」となります。

例えば「3000円以上注文して下さった方にはフルーツ無料提供」というサービス。

確かに、ある程度のお金を払ってくれる方向けの特別なサービスかもしれません。しかし、条件を公開していると、客側は「3000円払っているのだからフルーツが無料で当たり前」という感覚になるのです。

つまり、せっかくサービスをしても、そこには感謝はなく「当たり前のこと」で済まされてしまう可能性が高いです。サービスのシステム化はお店を選んでもらう「理由」にはなりますが「感謝」にはならないために、常連客・優良客の確保には繋がらなかったりします。

また、お店側の「感謝の気持ち」として特別なサービスやメニューを提供する上で気を付けたいのが「過剰なサービス」は行わないこと、そして「新規顧客へのサービスを怠らないこと」の2点です。

優良顧客・常連客だけにサービスを特化してしまうと、他のお客様の不満を誘発する原因となってしまいます。また、新規顧客に満足なサービスを提供できなければ、常連にはなってくれません。

基本は「全てのお客様の平等なサービスを提供する」ということを忘れずに、お客様の来店頻度などに応じて、バランス良く接客を行っていきましょう。

客単価アップには推奨が重要

料理をおすすめする店員

客単価をあげるための戦略は、店側が何かしらのアクションを起こさなければ発生しません。お客様・お店の双方が「Win-Win」のものであれば、間違いなくお客様に受け入れられるでしょう。大切なのは、単価アップの検討時にどのように知ってもらうか、どのように推奨するかを併せて考えることです。その方法には以下のようなものがあります。

1 推奨のための販促物

どの方法を取ったとしても、メニューブックに載せておくだけでは訴求力は弱いままでしょう。また、あれもこれも訴求するのではなく、インパクトのあるものや推したいものを決めて、テーブルPOPなどでお客様に訴求しましょう。ポスターなどで店内掲示することもよい方法です。

2 ホールスタッフによる推奨

ホールスタッフがオーダーをとるときに、しっかりおすすめすることが重要です。料理の注文に対して、組み合わせのよい料理をあわせて提案していきましょう。見本は、これは、ハンバーガー注文時のお客様に対して、「セットメニューがおすすめですよ」とテーブルでその都度行うようなものです。

ただしスタッフ個人に推奨方法を任せると、その能力で成功率が変わってしまいます。なぜなら、すべてのスタッフが全員優秀な営業力があるわけではないからです。能力には個人差がありますので、お店として簡単な「推奨トーク」を作り、推奨のタイミングの説明とあわせてロールプレイングなども行い、スムーズに「推奨トーク」が出せるようにしておくことがポイントです。

また、スタッフのやる気を高めるために、成功に応じて何かしらの報奨を付けるなどをしてもよいでしょう。

まとめ

料理を楽しむお客様

いかがでしょうか。

売上を構成する客単価は、単純な値上げではなくてもアップさせることができるということがお分かりいただけたでしょうか。大切なのは、あくまでも「Win-Win」である点です。

アップセルやクロスセルに対してお客様が不満を感じてしまったら、本当に来店数が減ってしまい逆効果となってしまいます。今回ご紹介した方法については、本当に「Win-Win」になっているかをしっかり見極めたうえで実行し、店舗の総売上を増やしましょう。