顧客情報を活用してリピーターを増やす方法とは

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リピーターを増やす

以前は、飲食店の売上を左右するのは、味、価格、場所の3要素とされていました。今は店舗が飽和状態にあり、それに加えてコンビニなどで弁当や惣菜を買って家で食べる「中食」を好む人も増えていることから、安定した収益を維持していくには1人でも多くのリピーターを確保する「集客力」が重要になってきています。

2~3回のリピートではなく、店を信頼して継続的に来店する固定客(常連客)になってもらうためにはどんなことをすべきか、今の時代だからこそ求められる集客のスキルについてご紹介します。

リピーターを増やすメリット

ソーシャルイメージ

経営を軌道に乗せるためには、新規客をできるだけ多くリピーターにすることが基本といわれます。その理由として主に次の2点があげられます。

◆顧客獲得コストを抑えられる

お店を開業したときは、まずは顧客獲得を目指さなければなりません。最初は新規客を呼び込むことになりますが、それには店の存在を知ってもらうための宣伝費用(顧客獲得コスト)が必要です。

宣伝が功を奏して新規客がどんどん来店してくれたとしても、1回限りであれば売上もその場限りのもので、再び宣伝活動をしなければなりません。その状態を繰り返していたのでは利益を上げることはまず不可能です。

それに対して、お店を気に入ってリピーターになってくれた人が多ければコストを大幅に削減することができます。

一般的に、新規の顧客獲得コストを10とすると、リピーターを維持するためのコストはその2分の1から3分の1ですむといわれています。それに、リピーターになる人は、お店の雰囲気や料理の味、サービスなどに満足してくれていることですから、友人や同僚、家族などを連れて来店してくれることも見込まれます。このように1人のリピーターがもたらしてくれる効果は極めて大きいのです。

◆SNSでの口コミが期待できる

口コミは、本来は口で情報を伝える小規模のコミュニケーションという意味です。インターネットが普及した今はSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)などを通して個人が情報を発信するようになり、テレビや雑誌、チラシなどの広告媒体をしのぐ影響力をもつマーケティング手法となっています。

それは、実際に食べたり使ったりした人の評価であるため、モデルを起用するなどして制作された広告とは信用度、親近感が格段に違うからです。

とくに飲食店では、信用度の高い情報がお店を選ぶ際の判断材料になりますので、リピーターの存在はいっそう重要になってきています。

まずは顧客情報管理をしよう

カスタマーとかく手

飲食業界では顧客がその店から離れることを離反または流出という言い方をしますが、初回離反率はおよそ50%、3回離反率は80%に及ぶといわれています。

新規客が10人いたとしたら3回来店してくれるのはそのうちの2人ということになります。そうした厳しい現実のなか、リピーターとして定着してもらうためには、こちらから声かけ(アプローチ)する必要があります。それには顧客情報管理が欠かせません。

顧客情報は、住所や電話番号、メールアドレスなどの連絡先だけでなく、誕生日、食べ物や飲み物の好み、アレルギーの有無、趣味や好みの話題など、細かいものほど役に立ちます。

住所などの個人情報を収集するには、名刺交換がいちばんですが、会話を通して聞き出したり、ポイントカードを渡して住所と名前を記入してもらうなどの方法もあります。

サイトを構築してウェブ上で情報を集める方法もありますが、その場合は、上記のような細かいことまで触れるのは不信感を抱かせることになりかねないので、十分配慮する必要があります。また、登録フォームに入力してくれた人にはプレゼントを用意するなどの工夫も必要です。

情報は管理ノートに書き留めるか、顧客データに保存し、来店してくれるたびに、日付と人数、金額などを忘れずに記入します。この顧客情報は、スタッフ全員の共有情報としていつでも活用できる状態にしておくことが重要です。

リピーターを定着させるための顧客情報活用法

ダイレクトメールイメージ

日々顧客情報を管理していると、どのようなアプローチが効果的かが見えてきます。

たとえば、「誕生日が近い人たち」とか「2か月以上来店していない人たち」というようにいくつかのグループに分類すると、誕生日グループには祝いのメッセージを添えたDM(ダイレクトメール)を送るなどの方法があります。

ご無沙汰グループであれば、特典を用意して案内のメールを送るという具合に、その人たちに合わせたアプローチができます。この場合は、お客さま全体に対してではなく、来店の可能性の高い人にターゲットを絞ることがポイントです。

DMやメールを受け取ったほうも、それが戦略だとわかっていても、「特別扱いをされている」「大事な客だと思われている」といった一種の優越感を覚え、再び足を運ぶ気になってくれるでしょう。

新規客を呼ぶことに比べたら、こうした方法は労力も費用もかなり少なくてすみます。また、リピーターから予約の電話が入ったときには、好みの飲み物や食べ物がわかっていれば、それに添ったコース料理を提案したりすることもできます。こうした細やかな接客態度がさらに集客率を高めるという好循環を招くことは言うまでもありません。

利益を上げるためには、リピーターを増やすことが一番の近道

売上をあげる

ビジネス界でよく使われるマーケティング用語の1つに「2:8(にはち)の法則」があります。これは、「総売上のうち、8割は2割の優良顧客によって生み出される」というものです。

もともとイタリアの経済学者であるヴィルフレド・パレートの経験則によるもので、「パレートの法則」とも呼ばれています。たとえば、総売上を100万円とすると、80万円は20人のリピーターが生み出してくれるという理論です。

ところで、飲食店の売上を構成する要素は、①客数 ②客単価です。 ①の客数は新規客とリピーターを合わせた延べ人数のことで、②の客単価は、「売上÷客数」で求めた1人当たりの平均利用金額のことです。

売上高は「客数×客単位」で求めるのが従来の計算式でしたが、これではリピーターがどの程度を占めているかがわからないという欠点があります。

パレートの法則による2割のリピーターの概念を表わすには、「売上高=客数×客単価×来店回数」と細分化するのが適当とされ、今はこの計算式が主流になっています。 この式を用いて単純に計算してみると次のようになります。

客数 × 客単価 × 来店回数 = 売上高
10 × 100 × 10 = 10,000

この売上を1.2倍伸ばしたいという場合、客単価、客数、来店回数のすべてを上げられれば目標は楽に達成できますが、新規客を増やすにはコストがかかりますし、値上げをして客単価を引き上げるような安易な手段は用いるべきではありません。

となるともっとも確実性の高いのは来店回数を増やすことです。 かりに来店回数を2回増やしたとすると以下のようになります。

客数 × 客単価 × 来店回数 = 売上高
10 × 100 × 12 = 12,000

来店回数はリピーターを示します。前月よりリピーターを2人(延べ人数)増やすことことで、売上を1.2倍伸ばすことが見込めるというわけです。

このように、利益を上げるためにはリピーターを増やすことが一番の近道ということができるのです。

まとめ

リスト

飲食店に限らず、経営者にとって最大の資産は顧客リストだと昔から言われています。顧客管理をするのは、「お客さまを大切にする」ということでもあり、これを軽視する店や会社は経営維持が難しくなります。

最近は顧客管理システム用のツールが登場していますから、それらを活用してリピーター獲得に努めるようにしましょう。