お店を開くには開業届の申請が必要。手続きの方法からスケジュールまで、これを見れば完璧!

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紙を指差す人

独立して自分のお店を持ちたいと思っても、すぐにできるものではありません。お店を持つまでにはさまざまな手続きと書類の申請が必要となります。

今回は、実際に開業するときに必要となる開業届を全体のスケジュール感と一緒に解説します。

開業届とは

「開業届」は、正式名称を「個人事業主の開業・廃業等届出書」といいます。 新しく事業を始める、または廃止するときに国税庁宛への提出が義務付けられており、これを提出しなければ公式に開業したと認めてもらえません。

ただし、この書類はあくまでも個人事業主向けのもので、会社を設立して法人化することとは異なりますのでご注意ください。

この書類を提出して個人事業主になると、毎年3月に訪れる確定申告時に青色申告制度が使えるようになります。 この青色申告制度を使うと65万円の特別控除を受けることができるようになるだけでなく、赤字になった場合でも、赤字を繰り越すことができる「損失申告」という制度が利用できるようになります。 つまり年間の赤字を次年度に繰り越して当年度の納税を繰り越す節税効果が期待できるようになるのです。

ところで、事業収入に関した税金は個人、個人事業主、法人の順で節税できるように設定されています。法人の税務申告に関しては別の機会にご紹介します。 個人事業主の確定申告については「個人事業主向け。確定申告の必要書類から手続きまで」をご覧ください。

開業届申請までの手続き

開業届を申請する場合は、まず国税庁の「個人事業の開業届出・廃業届出等手続」で配布されているPDFファイルをダウンロードしてください。

PDFのソフトによりますが、一旦プリントアウトして手書きで記入するか、PDFファイルに直接記入してからプリントアウトをして、現住所のある所轄の税務署に持参して申請します。提出時には捺印が必要なので必ずプリントアウトをしてください。

注意点


  • 国税庁のPDFファイルは提出用書類1ページと書き方1ページで構成されています。書き方ページを参考にして間違いがないように記入してください。
  • 現住所の税務署に提出しますが、納税地は現住所以外にも出店予定地の住所も選べます。
  • 税務申告用のため代表者のマイナンバーの記載が必要です。
  • この書類で開業・廃業以外に新規営業所(2軒目以降)の出店や個人事業主が法人格を取得する場合(法人なり)の手続きも行います。
  • 公認会計士や税理士が決まっている場合は、その方の署名も必要です。

開業届以外に必要な書類

事業を起こし開業する場合、開業届以外にも業種によってそれぞれの所轄の行政機関に提出しなければならない書類がいくつか存在します。

飲食店を例にすると、下記すべてが「営業許可」の証明になるものです。以下を参考にして提出するようにしてください。

保健所への届出(店舗内装・食品衛生責任者)

食品衛生法に関する届出を保健所に対して行わなければなりません。

飲食店として食品衛生上必要な設備が整っていなければ保健所からの営業許可が出ないため、工事着工前に内装等の設計図を保健所へ持参し、相談してください。

概略を紹介すると、流し(シンク)の数、厨房内の手洗い場の位置、客席やトイレ内に設置したお客様用の手洗い場、風除室の有無などの提出が義務付けられているのです。 これらの基準は、自治体毎に違っているため、必ず開業店舗の所在地の保健所で相談しましょう。

保健所の人は、店舗完成後に実際の設備を確認しに来訪します。 万一、許可が出なかった場合は営業できないので、指示に従って修正し再度確認を受けます。

事前に店舗内部の設計図面を持参して保健所に相談しに行くと、注意点など説明してくれます。そうすることで工事(設計計画)の見直しも比較的簡単に済むでしょう。 しかし、工事が完了し開業直前になってからの手直しが必要となれば、開業日の延期にもつながるうえに工事自体も困難になることが予想されます。

また、店舗の内装以外にも「常駐する食品衛生責任者」の登録が必要です。 調理師や栄養管理士の資格を持つ人がいれば登録の必要はありませんが、いない場合は必ず登録してください。 なお、この登録には責任者になる予定の人が講習を受ける必要があり、期間は1日、費用は1万円前後となります。

消防署への届出(防火管理者選任届)

30人以上収容できる店舗の場合は「防火管理者」が必要となります。 30人以下の場合は、届け出は不要ですが、開業後に消防署が防火設備や内装の防炎性などを確認するために訪れる場合があります。 なお、防火責任者資格は所轄の消防署で講習を受ければ取得できます。講習期間は1~2日、費用は5,000~6,000円です。

警察署への届出(深夜酒類提供飲食営業開始届)

深夜に営業する場合は、(午前0時~日の出までの酒類提供)を警察へ出す必要があります。

女性の接待を受けられる店舗などに関しては「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律」に基づいた許可が必要です。 一般的に風営法と呼ばれているものに対するものですが、保健所や消防署に提出する届出とは違い「許可申請」のため警察からの厳密な審査が行われます。違反した場合も行政指導ではなく、法律違反として罰せられます。

なお、保健所や消防署で行なっている講習会は日時が限定されています。余裕をもって事前に保健所や消防署へ問い合わせてください。

飲食店の開業には資格・許可が必要!開業に必要な資格・許可の内容から取得方法まで」で、更に詳しく開業届以外の必要な資格・許可の説明をしておりますので、是非ご覧ください。

開業届はいつ出す?

開業届は事業が開始された日から1か月以内に提出することになっています。つまり、必ずしも開業前に出す必要はないということです。もし遅れたとしても大きな罰則はありませんが、事業開始直前に提出しておくと事業に対する意気込みも違ってくるはずです。 なによりも、これから事業主として経営に携わることになるのですから期限を守る姿勢を示すためにも遅れないように提出してください。

開業までのスケジュール

最後に、開業するまでのスケジュール感を表したガントチャートを紹介します。

開業スケジュール

これらはあくまでも目安ですが、開業の6~8ヵ月前までには「事業計画書」「創業計画書」を完成させ、日本政策金融公庫などからの融資が決定していることが望ましいでしょう。

計画書とコンセプト、メニュー開発についてはそれぞれ以下の記事で紹介しています。

その後はチャートの項目と期間に沿って準備をします。それぞれ下記を参考してください。

注意していただきたいのは、開業までは半年(場合によっては1年)以上あるため、ついつい準備しておく期限を先延ばししてしまう点です。

そのため、「今月はこれを必ずやる」というマイルストーンを設定して1個ずつやるべきことを終わらせていくことが大事になります。適切なスケジュール感を持ってぜひ実行に移してください。