人件費削減を実現させるシフトの組み方とは?シフト作成のコツを紹介

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シフトを作るオーナー

飲食店を任されている店長の方は、毎日の従業員のシフトをどのように組んでいますか。何となく平日は3人で週末は5人、などのようにしていませんでしょうか?

シフトを入れるということは、お分かりのように「人件費を使う」ということです。したがって、不適切なシフトを組んでしまうと無駄な人件費が発生してしまい、店の利益を圧迫します。とはいえ、どのようにシフトを組めば最適なものになるのかわからない、ということで悩む方も多いでしょう。

そこでここでは、最適なシフトの組み方とそれによる人件費コントロール、削減について順序だててご紹介します。

人件費削減のためには適切なシフト管理が必須

シフトを管理するオーナー

■利益を上げるためにはFLコストのコントロールが必須

まず大前提の原理原則の話です。飲食店で利益を上げていくためには、メニュー、接客、店舗環境のレベルを上げる、つまりQSCをしっかり行って集客力を上げることが「攻め」としての大前提ですが、同時に「守り」の方策も大切です。それは「コストコントロール」です。

あえてここで「コスト削減」ではなく「コストコントロール」と表現したのは、「削減」することだけが目的になってはいけないからです。お客様が多いのに人件費を削減しようとした場合、それは接客レベルの低下や料理の提供遅れをもたらし、顧客満足度・売上が下がります。大切なのはお客様が満足し、店として無駄が出ないように適切にコストを「コントロール」することなのです。

そのコストの中でもコントロールしやすく、割合も高いFLコスト、つまり原価と人件費です。そして今回はFLコストのうち、L、つまり人件費のコントロールの方法について触れていきます。

■人件費コントロールとは労働時間数のコントロール

では、どのように人件費をコントロールしていけばよいのでしょうか。その大原則は、「人数をコントロールするのではなく、労働時間数をコントロールする」という考え方です。

たとえばもっと人件費を減らしたいと考えると、すぐに「じゃあ週末1人減らすか」と「人数単位」に目が行ってしまいますが、その考え方では適切な削減はできません。

シビアに人件費をコントロールするためには「労働時間数をいかに減らすか」、何人のスタッフをそれぞれ何時から何時までの何時間働いてもらうか、ということが重要なのです。つまり、シフト組みです。今まで仮にアバウトにシフト組みをしていたならば、もっとちみつに考えて組むように改めましょう。

シフトの組み方の基本とは

シフト作成の基本

シフト組みの基本について説明していきます。まずは、シフトの2つの基本的な決め方です。

■基本的なシフト組みを固定する

店側とスタッフの間で、あらかじめ毎週働きたい曜日と時間帯を相談し決定します。たとえば「火曜日は17時から22時までAさん」というようにシフトを固定する決め方です。基本的に、毎週決まったシフトで働くことになります。

このように最初にしっかりと時間別の人数を決めておけば、毎回悩む必要はありません。

ただし問題は、アルバイトの場合、フリーターでなければ学生だったり、ほかに本業を持っていたり、あるいはアルバイトを掛け持ちしていたりするわけですから、そちらの都合によって、毎回シフト通りに入れるとは限らない、という点です。そういった場合には、店長に対して口頭ではなく専用の用紙に変更希望内容を書いて提出させましょう。口頭だと聞き間違いや、言った言わないなどのトラブルが発生しやすいのでやめましょう。

■自己申告制で決める

週単位、あるいは月単位のカレンダーに各自に出勤可能な曜日と時間帯を記入してもらう方法です。店長はそれを参考に、毎回新たにシフトを組んでいくことになります。結構な手間ですし、ある時間帯や曜日に希望が重複することもありますから、誰かの贔屓にならないように、かつ適切な「店舗力」を維持できるようにバランスをとることも、大変です。

しかしこの方が働いている側の希望は反映しやすく、あとでの変更も少ないというメリットもあります。

シフトを組むうえでの注意点

次に、上の2つの基本の決め方のどちらの場合でも注意する点についてご紹介します。

■実力のバランスをとりつつ、人間関係にも配慮する

スタッフ力=店舗力ですので、その時間内のスタッフの実力の総和があるときだけ非常に下がることがないように気をつけましょう。もしもその時間帯に新人スタッフしか働いていない場合、店舗力は皆無に等しくなります。そこまではいかなくても、スタッフの経験値や実力などによって、店舗力が上下しますので、最低限お客様に迷惑をかけないようなレベルを常に維持することが非常に重要です。そのためにもスタッフ1人1人の実力を店長はしっかり把握しておきましょう。

そのうえでできれば配慮したほうがよいのが、スタッフ同士の人間関係です。異常に仲の悪いスタッフ同士を一緒の時間のシフトにしてしまうと、トラブルが起こってその収拾のため店長には余計な手間がかかります。またチームワークがうまく働きません。逆に仲が良すぎるスタッフ同士で組んでしまうのも善し悪しです。仕事であるにもかかわらず、必要な注意や指示ができなかったりする場合があるからです。

別の目的で組ませた方がよいスタッフ同士もいます。たとえば、あるスタッフの接客の良さをもう1人のスタッフに見せて、それを教育の一環にしたい場合や、新人の時に指導役だったスタッフと一緒にすることで、成長を促したり成長の度合いを確認できたりもします。

いずれにしてもシフト組みは人間同士を組み合わせることですから、さまざまな観点での検討が必要です。

■提出期限をできるだけ早めにする

これはシフトを申告制にしている場合ですが、その時には提出期限はできるだけ早いタイミングの設定にしましょう。その際に、きちんと期限を守って提出したスタッフの希望を優先して組むことを決め、その方針をスタッフ全員に宣言すれば、自然に提出は早くなっていきます。

■丸投げにしない

店舗によっては、公開の場でスタッフにシフト記入をさせている場合がありますが、できれば止めた方がよいでしょう。なぜなら、先に書いたように仲の良い人間同士が示し合わせて記入したり、能力のあるスタッフと同じ日に入れて楽をしようとしたり、希望する人間が多い日には自分は入れる必要はないだろうと勝手に判断してしまうからです。

シフト組みを決める1番の基準は「店舗力を高いレベルで維持する」ことですから、それは店長が全体を見て判断していったほうがよいでしょう。したがって、希望日の提出は、個別の紙に書かせて行いましょう。

このような方法でシフトは決めて行きますが、その根幹には店長とスタッフの間に信頼関係がなければなりません。シフトが足りない日に誰かに依頼したり、あと1時間長く入ってもらうよう頼んだりする場合もあるでしょう。そのためには、普段から店長はスタッフとコミュニケーションをしっかりとって信頼関係を構築していくことと、その中で、プライベートの各スタッフの直近の状況を把握しておくことが大切です。

売上データを利用したシフト作成のコツ

売上データからシフトをつくる

具体的にシフトをどのように組めば1番適正になるか、つまり人件費がコントロールできるか、という点についてご説明します。

■過去の売上データをベースに売上予測を立てる

適切なシフト組みの前提は、できるだけ精度の高い売上予測を立てることです。そこから曜日別、時間別に必要なスタッフ数が割り出せるからです。

そのためには、まず過去の売上データを基本にしましょう。できれば同じ月の同じ曜日を過去3年間は把握して、それを基準に1ヶ月または2週間単位で売上予測を立てます。そしてそこに、もしも販売促進をかけているのであればその効果の見通しを、天気予報の反映、近隣で行われるイベントなどがあればそれも加味して、最終的な予測にします。

■売上予測に対する時間数を出す

次に、売上予測に対しての適正な労働時間数を算出します。

この労働時間数は「人時売上高」、つまり「売上÷総労働時間」が、店舗の目標数字になるようにして計算します。だいたい顧客単価が2,500円程度の飲食店における人時売上高の目標は5,000円です。

この人時売上高の意味合いは、お客様が満足かつコストも適切にコントロールされている、という指標です。これが低い場合は人数が多すぎ、高すぎればお客様に迷惑や不満を抱かせている可能性があるということです。高ければ高いほどいい、ということではありません。

計算とシフトへの落とし込みの方法は、まず「売上予測÷目標人時売上」でその1ヶ月または2週間で使える総労働時間を出します。それを1週間に分割し、さらに各日、各時間へと分割していき、最終的には1時間単位の労働時間の目安を計算します。もっとも、1時間単位ではシフトが組めない可能性もありますので、ランチタイム、17時~19時、19時~21時などのように、2~3時間単位程度でも大丈夫です。

ここまで計算すると、時間単位で何人のスタッフが投入できるかが決まりますから、そこに申告されたスタッフを、上で書いたように実力や関係性を考慮しながら当てはめていけばいいということになります。

まとめ

飲食店スタッフがシフトを見るシーン

いかがでしょうか。

時間単位でシフトを組むことは、慣れてくると2週間分を1時間程度で作れるようになります。FLコストのうちの人件費を適切にコントロールし、必要であれば削減できるベストの方法ですから、しっかり実行してください。

ビジネスをする以上、利益を出さなければそれを続けることはできません。QSCのレベルアップと同時に、適切にシフトを組んで人件費をコントロールすることは大切な仕事だと思って取り組みましょう。