居酒屋を開業しよう!開業資金や準備、成功の秘訣を紹介します

開業・経営

ビールを配膳する居酒屋スタッフ

飲食店を開業したいと思う時に、いわゆるノンジャンルの料理とお酒を提供する居酒屋を選ぶ人が多いようです。選ぶ人が多いということは、ノンジャンルの居酒屋にはメリットがあるからでしょう。

そこで今回は、居酒屋開業のメリットと、開業するために資金はどの程度必要か、そしてどのような準備をすればよいのかという点をご紹介します。

居酒屋を開業するメリットは?

商店街の赤ちょうちん

飲食店開業をする際、なぜ居酒屋という業態を選ぶ方が多いのでしょうか。それには、以下のようなメリットがあるからです。

比較的簡単

居酒屋にする最大の理由は、簡単に始められるからです。仮に魚をおろせなくても、魚屋に行けばおろした状態で販売してくれます。もちろん、本格料理でお客様を呼ぼうと思えば大変なことですが、簡易的なおつまみなどを提供するだけならば、簡単に始めることができます。しかし、簡単に始められるということは、それだけ競争が激しいということでもあります。

差別化しやすい

少し料理に詳しい人なら、比較的簡単に「自分が考えたオリジナル商品が開発できる」という点もメリットです。フレンチや本格的な懐石料理であれば、目指す味は繊細ですからかなりの研究が必要ですが、居酒屋であれば自分のアイデアを簡単にメニューとして開発することができます。また、大きな声では言えませんが、世の中にはレシピを載せているサイトが大量にありますから、それを参考に多少アレンジすればオリジナルの料理が簡単に開発できます。

ひとり飲みのニーズが拾える

居酒屋はほかの飲食店とは違って、「ひとり飲み」ニーズを拾えることがメリットです。たとえば、ひとり飲みを毎晩しているような単身の男性なら、お店を選ぶ条件に以下のものを挙げています。

  • 個人経営の店
  • 騒がしくない店
  • カウンターがある店

上記のお店の特徴は、こじんまりとした個人営業の居酒屋そのものでしょう。最近では女性のひとり飲みも増えてきているので、単価は低くとも頻繁に来店してくれる確率が高いので、ターゲットとしては実に魅力的なのです。

初期費用が少なくスタートできる

居酒屋は小さなスペースでも開業できます。たとえば、カウンター8席だけの小さなお店でも十分に営業することができます。家賃の坪単価が1万5,000円だとした場合、50坪の大きい店舗なら初月の賃料が75万円、保証金が10か月分で750万円ほどかかります。これに対して、5坪の店なら初期費用としてかかる金額は80万円ほどとなるでしょう。店舗が小さければ、調理器具や内装費用も低く抑えられます。

粗利率が高い

一般的な洋食店などに比べて、居酒屋は原価が安いことも特徴です。ラーメン店の原価率は50%を超えるのが当たり前で、凝っている店では70%にもなります。しかし、居酒屋なら料理の原価率はせいぜい25%ほどです。1番原価率が高い生ビールを450円に設定しても35%です。100mlの日本酒を500円に設定すれば、15%ほどになります。

原価率が低いということは粗利率が高いということなので、居酒屋は大繁盛しなくても利益が出やすいのです。原価率の低さも、居酒屋を開業するメリットです。

居酒屋を開業する際の資金はどのくらいかかる?

通帳と現金とノート

居酒屋を開業する場合、資金はどの程度必要なのでしょうか。

居酒屋業界には「抑えて200万円、平均600万円、こだわって1,000万円」という言葉がありますが、実際のところはケースバイケースです。

必要経費には、大きく分けて物件費、運転資金、人件費、広告費、雑費があります。このうち物件費は、一般的には立地が良くなればなるほど高くなります。しかし、立地の良さと売上は比例するとされていますから、ある程度の繁華街に出したいところです。当然ながら、良い立地なら費用はかさみます。

人件費は、スタッフを採用する上で必要です。提供する料理の調理を自分がするにしても、お客様に満足してもらえる接客のためには教育も重要です。教育のための研修期間中も「ただ働き」では受けさせられませんから、時給が発生します。売上がない中で人件費だけ発生するわけですから、かなりの負担です。

また、お店を出店するだけで口コミが広がると思っていても、実際は新規客が来店し、お店に満足して初めて発生するものです。つまり、最初の新規客獲得のためには、宣伝をせざるを得ません。近隣の競合店や、繁盛している店に行って実際に食べてみる試食もメニュー選定のためには重要ですので、調査費用もかかります。細かく言えばキリがありませんが、まずは以上の費用について考えておく必要があるでしょう。

ぐるなびの飲食店向けサイトである「ぐるなびPRO」が行ったアンケートでは、居酒屋の開業資金の平均は以下のようなものでした。

  • 初期費用(運転資金を除く):1,063万9,000円
  • 物件取得・改装:667万4,000円
  • 当座の運転資金:556万円
※引用元:ぐるなびPRO

以上のデータを参考に平均を全額加算すると、初期費用の総額は1,620万円でした。規模にもよるので何とも言えませんが、居酒屋開業は簡単だからといっても、1,000万円近くは用意しておく必要があるということです。初期費用を抑えるため安い物件にしても、仕入れや毎月の家賃、仕入れ、人件費、宣伝費などの流動的な費用は必要ですから、運転資金で毎月必要な現金の6ヶ月分は用意しておく方が安全です。

居酒屋開業のための資格とは?

穏やかな休日

居酒屋を開業するために、資格は必要なのでしょうか?最低でも下記2つは確認しておきましょう。

食品衛生責任者

食品衛生責任者は、すべての飲食店に最低でも1人、絶対に取得している人が必要な資格です。役割は、食品衛生上の管理運営を行うことです。ただし、経営者や店長が持っていなくても、常勤の従業員が持っていればよいとされます。

新たに取得する場合には、店舗のある都道府県主催の講習会を受講する必要があります。試験もなく、丸1日かかる講習を1万円程度の受講料を払って受ければ簡単に取得できます。また、調理師免許や栄養士などの資格を持っている場合は、資格の中に包含されているので講習を受けなくても自動的に取得できます。

防火管理者

防火管理者は、施設の収容人員が30人以上の場合、1つの建物につき最低1名は必要な資格です。役割は火災予防の必要な措置をとることです。収容人数が30人未満であれば不要です。

資格の取得には、管轄の消防署が主催する講習会を受講すればOKです。卒業試験などはありませんが、受講料が3,000円~5,000円かかります。

居酒屋開業を成功させるには?

成功のための鍵

以上がそろえば居酒屋を開業できますが、商売として儲けたい、生計を立てようというのであれば、成功させる必要があるでしょう。そのためには、以下のポイントに留意しましょう。

立地は妥協しない

立地は非常に重要です。居酒屋成功の4割程度は、立地が決めるといっても過言ではないでしょう。遠い、不便、わかりにくい、入りにくいといった立地はおすすめしません。もちろん、立地の悪さを上回るだけの魅力を、料理と接客で提供できるなら別です。しかし、開業予定のお店に絶対的な自身を持っていないのなら、立地にはある程度こだわりましょう。

下記の点を、立地選びの最低条件としてみてください。

  • 住宅街やビジネス街など、ある程度の商圏の中にある
  • 表通り、または表通りから1本入ったところにある
  • 1階店舗である
  • 公共交通機関の駅やバス停から徒歩5分以内

料理、接客の差別化にこだわる

世の中に居酒屋は星の数ほどあります。言ってみれば、居酒屋すべてが競合です。個人経営の居酒屋にとって、自分と同じ個人店の居酒屋だけが競合ではありません。実際は、大手チェーンの居酒屋やチェーンの牛丼屋も競合なのです。

あらゆるお店がある中で自分のお店に来てもらうためには、それだけの「理由」がなければなりません。選ばれるお店には、他店と違う圧倒的な差別化が図られていることが常です。居酒屋にとって差別化しなければならない重要な部分は、料理と接客です。他店では出していない、かつ美味しい料理で印象に残る接客、これらをどう実現させるのかを必死に考えましょう。

人脈を活用する

集客のためには、チラシ配り、ミニコミ誌、近隣への営業など販売促進も当然する必要がありますが、それだけではなかなか人は集まりません。

そういう時に助かるのが人脈です。自分が居酒屋を開業したら、どんどん知人に声をかけてみましょう。知人の来店確率はほかの宣伝方法に比べればかなり高いので、来店客が少ない初期の段階では非常に助かります。また、ほとんど最初は「お付き合い」で来てくれても、中には本当のリピート客や口コミが発生する可能性もあります。

自分と従業員を大切にする

個人事業主になって何とか成功させたいと思うと、無理をして働いてしまいがちです。利益のために人員を減らし、その分自分が頑張るかもしれませんし、年中無休にするかもしれません。血の滲むような努力は、一時的な売上や利益につながります。しかし、長期的に見たら身体を壊す可能性も否定できません。結果として休業にでもなったら、その間は売上0です。ですから、まずは自分の健康を最優先に考えましょう。

同じことは従業員にも言えます。従業員が自分の期待した通りの働きをしてくれないと、時として強く当たってしまう可能性があります。厳しさが原因で辞められてしまっては、店の対応力がガクンと落ちます。毎日8席埋められた客数が、あえて4席でやらなければならなくなることもあり得ます。客席を半分にするということは、売上も半減します。席を減らさず無理矢理営業しても、人手不足から対応が追いつかず、却って不満客が増えるかもしれません。仮に辞めなくとも、モチベーションが下がった状態の従業員の仕事は、ますますレベルが下がります。ですから、従業員の精神状態にも配慮しながら接することが、円滑な店舗経営のためには非常に重要なのです。

運転資金をしっかり準備する

最後にモノをいうのはお金です。お金はお金でも、売上ではなく「資金繰り」です。飲食店は日銭商売だから運転資金は少なくていいという人がいますが、それは店に固定客がついて順調に回り始めてからの話です。実際のところ、半年間から1年程度は赤字を覚悟したほうがよいでしょう。

赤字の間に家賃や仕入れや人件費を払えるだけの余裕のお金がないと、結局軌道に乗る前に店はつぶれてしまいます。飲食店の50%以上が開店1年以内で閉店している理由は、こうした事情があるのです。

そこで、開業時には融資を受けてでも、現金を最低6ヶ月分用意してスタートしましょう。重うようなことは、資金繰りで苦労しないようにすることです。

まとめ

カウンターに置かれた料理とお茶

いかがでしょうか?

居酒屋の開業は簡単ですが、安易に手を出せば簡単に失敗してしまうということでもあります。この記事ををしっかりと読んで、居酒屋開業を成功させてください。


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