飲食店の「無断キャンセル客」は損害賠償請求できる?

飲食店

賠償請求の書類

最近、ニュースで「30名の一斉キャンセル」といった報道がされることが多いような気がします。内容としては、学生がサークルの打ち上げで数十人規模の予約をいれていたにも関わらず…

「忘れていた」

「他の店に予約した」

といった無責任な理由でキャンセルをするといったものです。正直、お店にとっては迷惑以外の何者でもありません。

さて、ここで気になるのが、こういった無断キャンセルがあった場合、お店側は予約者に対して損害賠償請求することが可能なのでしょうか。ここでは無断キャンセルの内容や経産省の見解などを見ていこうと思います。

飲食店の無断キャンセルとは?

予約キャンセル

最近、世間をにぎわせている飲食店の無断キャンセルですが、内容的にはどのようなものなのかを具体的にみていこうと思います。内容としては…

「飲食店に予約をした→無断でキャンセル」

という形です。

これが2人など少人数であれば世間が騒ぎ立てるほど問題はないのでしょうが、騒ぎになっているのは数十人規模のキャンセルでありお店にとっては大問題です。しかも、この手の無断キャンセルのタチが悪いのが

「予約者に連絡がつかない」

ということです。

飲食店では予約時に連絡先の番号を聞くのですが、予約時間になっても相手が来ず、電話をしてみても繋がらない。こういったケースが実に目立ちます。

また、予約者と連絡がついたとしても

「他の店舗で予約をしたから結構です」

「忘れていたからやっぱり行きません」

という常識はずれの返答をしてくる方もいるようで、お店にとっては迷惑な人間極まりないわけです。

経産省の「No show(飲食店における無断キャンセル)」対策レポートについて

無断キャンセルですが、経産省のデータによると年間を通じての被害額は2000億円に上ると言われています。つまり、ニュースで報道されている無断キャンセルは氷山の一角だったというわけですね。

店にとってみれば大赤字であることに間違いはありません。また、食材の生産者にとってみても不快な案件となっています。そして、国自体も無断キャンセルの防止には積極的に動いている理由としては、お店への損害を防ぐだけでなく…

  • 無駄な損失を防ぐことで機材のグレードアップ
  • 無駄な損失を防ぐことで顧客へのサービス向上
  • 無駄な損失を防ぐことで従業員への待遇アップ

といったメリットがあるからです。

キャンセルする側としては「ほんの軽い気持ち」だったのかもしれませんが、飲食店にしてみれば、大赤字です。それによって、こういったメリットが打ち消されている現状を消費者は知っていく必要があるのではないでしょうか。

無断キャンセル客に対して損害賠償はできる?

無断キャンセルを許さない

この無断キャンセルの被害にあった時、お店としてはキャンセル料を請求することは可能なのでしょうか。もしくは、損害賠償は可能なのでしょうか。ここは飲食店側の損失を防ぐために絶対に知っておくべきポイントであると言えるでしょう。

結論から言うと、キャンセル料を請求することは可能となっています。

この場合ポイントなのが「予約方法を問わない」ということです。予約さえ確定していれば、契約は成立しているわけで、それを無断で解約したとなれば、消費者は飲食店側に損害を与えていると認識することが出来ます。そして、気になるキャンセル料ですが、全額請求することが可能となっています。名目上は「損害賠償」として扱われるので、損害賠償は可能というのが答えとなります。

ただ、ここで気になるのが「コースなどの予約料金以外の金額を請求できるのか」ということ。例えば、大勢の予約が入っていたから、シフトを1人増やしていることもあるでしょう。そうなってくると、食材の費用だけでなく、人件費も損失の対象となります。

こちらについても十分に可能と考えられます。損害賠償を請求するとなった時は担当の弁護士に人件費の問題だったり、もし無断キャンセルで精神的苦痛を強いられたのであれば、そういった部分の損害賠償も相談してみると良いでしょう。

ただ、損害賠償を請求してからとって100%お金を取れるわけではありません。それは、お店側に不備があった場合です。例えば、キャンセルポリシーを事前に消費者に対して説明していたかどうかは大きなポイントとなります。

消費者に対して無断キャンセル時のリスクなどを説明しておらず「キャンセルしたから損害賠償します」となると相手側は「そんな説明は受けていなかった」「お金を払わないのだったら無断キャンセルはしなかった」という言い訳をすることも十分に考えられます。

理不尽な無断キャンセルをなくすために店舗側はキャンセル料の設定理由を明確にすると同時に、お店のホームページなどに「キャンセルポリシー」を記載しておくことをお勧めします。

無断キャンセルの防止のため、飲食店ができること

損害賠償ができるとはいえ、やはり無断キャンセルは心地良いものではありません。19時に予約が入っていればシェフも腕をふるって準備することでしょう。でも、お客さんが来ずにその料理が無駄になったとなれば、モチベーションも下がります。こういった無断キャンセルによる二次被害を減らすためにも、無断キャンセルの防止には力を入れていきましょう。では、どういった方法を取れば無断キャンセルを減らすことが出来るのでしょうか。

1. 前日に予約確認の電話を入れる

少し手間はかかりますが、予約日の前日にお客さんに対して確認の電話を入れる方法があります。本来、あってはならないことではありますが「忘れていた」という理由での無断キャンセルが一番多いです。それが1本の電話で防げると思えば、やらない手はないでしょう。また、予約確認の電話をいれることで「忘れていると思われていたのかな?」といった変な疑惑を与えないために「明日の来店お待ちしております」と一言つければ、お客さんに不快な思いをさせることもないでしょう。

2. キャンセルポリシーを説明する

無断キャンセルを招いている理由としては「キャンセル時にリスクがないと思っている」ことが挙げられます。ですので、予約時にキャンセルをした場合、前日だと80%の料金は支払ってもらうなど、キャンセルポリシーを消費者に対してしっかりと伝えることを行っていきましょう。そうすることによって、お客さんにも「来店する責任意志」が出てくるので、当日の無断キャンセルを大きく減らすことが可能となってきます。

3. SNSツールを使う

最近はLINE@など無料で使えるツールが複数あります。こういったツールを使って予約を取り、予約日前日にお客さんに予約確認のメッセージを送ったりすることによっても、無断キャンセルを防ぐこともできます。

まとめ

いかがでしょうか?

以上が、飲食店の無断キャンセルの実態と防止策となります。

本当に忘れていた場合や悪意のある無断キャンセルなど、その内容は様々ではありますが、いずれにせよお店にとって大きな損失となることは間違いありません。予約したお客さんも責任をもって来店すべきではありますが、なかなかお客さんの意志任せでは防ぐことが出来ない現状がありますので、お店側も出来る限りのことを行って無断キャンセルを減らして欲しいと思います。

やるべきことを全てやって、それでも無断キャンセルになった場合は、弁護士を立てるなど損害賠償を視野にいれてみても良いかもしれません。

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