在庫管理の方法やポイント、便利にするシステムとは?

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シェフと食材

飲食店で重要な業務の中に、在庫管理があります。在庫管理は、おいしい料理を作りお客様に提供することと同じように大事な業務です。

近年、飲食店の食中毒トラブルが増加しています。お店で一度でも食中毒が発生するとお店の閉鎖、営業停止となり、最悪お客さ様から多額な賠償金を請求される場合があります。過去10年間の食中毒発生状況は、食中毒件数が13,400軒、食中毒患者数が275,890人です。この内80%が飲食店や食堂で発生しています。これは少なくない数字です。

食中毒が発生する原因はいくつかありますが、飲食店を発生源とする場合の1つは、食材の在庫管理の不徹底と厨房内の衛生管理の不徹底です。在庫管理においては、肉や魚介類などの加熱用食材と、野菜などの生食用食材は触れさせないような管理が必要です。また、食品等を在庫する場所で菌の繁殖に適した温度帯の中に放置しない、食材や製品の消費期限、賞味期限を過ぎたものは確実に廃棄する、そして在庫場所の衛生管理の徹底などの対応は常に行っていかねばならないことです。その他にも、在庫管理にはお店の運営にとって重要な管理ポイントがあります。

そこで今回は、飲食店での在庫管理のポイントや便利な在庫管理システムをご紹介します。

在庫管理とは

タブレットを見るマネージャー

在庫管理とは、保管、管理している在庫物(食材、製品、半製品)に対して、品質の低下、機能の低下及びこれによる価格の低下を最小限の費用で防止し、要求された時に必要な量が適切に供給されることです。また、常に変動する需要に対応できるよう入庫数量を確保することです。

在庫管理は過剰な食材の発注をしない、食材をムダにしない、そして、食品事故、食中毒を防ぐことを目的として行う経営上の手法です。在庫を管理するということは、在庫を保有することによる品切れを防ぎ、販売の機会損失を防ぎます。また、適切な食材発注量を決めることであり、毎月の利益を棚卸という手段で確定させることでもあります。在庫管理は正確な原価率の算定にも必要な手法です。

飲食店の在庫管理ポイント

大量のネギ

在庫管理は手間のかかる仕事です。食材の品質管理、残数管理、衛生管理、仕訳、帳簿付けなど、毎日管理しなければならないポイントもたくさんあります。飲食店の規模の大小にかかわらず、在庫は丁寧に管理しなければなりませんから大変です。

在庫管理ポイント

食中毒を防ぐための在庫管理のポイントは、食材、半製品、製品を区分けして保管することです。ノロウイルスは主に食肉から感染します。食肉は他の食品と容器を完全に分けて在庫管理しなければなりません。なぜなら、食中毒は接触による感染が最も多い原因だからです。

食材には全て日付を記入しましょう。食材を入れたビニール袋、バット、フタ付き容器など分かり易い部分に、納入日、解凍日、開封日、賞味期間、消費期限を書いたシールを張っておくことをおすすめします。消費期限を経過したものは、品質の変質やおいしさの低下を招くことになります。そのため、品質保持可能期限の目安として、帳簿に基づいて期限の過ぎたものは速やかに廃棄します。

在庫は先出し先入れ方を徹底しましょう。保管場所の管理方法として先に入荷したものから使用し、新しく入荷したものは奥に保管します。

棚卸のポイント

在庫管理という業務の中に棚卸という重要な仕事があります。棚卸しは週末、月末などいつも決まった日に行います。食材や半製品、製品の在庫量を確認して、その品質に問題があるものがないか、それが正しく保管されているかどうか、衛生状態が良好に保たれているかどうかなどを確認します。特に、食品の劣化に対しては厳しく目視で確認することが大事です。

また、お店の経営上最も大事な月次の利益を算出するためには、棚卸によって在庫実数を確認しなければなりません。メニューの原価率も在庫管理の実数確認により算出できます。食材は日によって、あるいは週、月によって変動します。何が変動しているかを在庫管理で知ることにより、メニューの売値決定の参考になります。

棚卸しとは、在庫の実数を計算算出することです。棚卸しによってお店の経営状態を把握し、経営の指針を練り直すことができます。棚卸しによって、売上に対する商品原価を把握することができます。飲食店は食材を長く保管することが難しい業種です。過剰な在庫となると、廃棄する量も大きくなりコストに大きく影響します。何が人気メニューか、何が不人気なのかを掴んで、食材をムダにしないような工夫が必要です

在庫管理表を作成しよう

赤い電卓と表

在庫管理票を作成する際の方法について、簡単にご紹介します。

在庫管理表を作成するには市販のガイド本の説明に従ってエクセルで在庫管理表を作る、あるいは、インターネットでエクセルによるフォーマットをダウンロードして使う、在庫管理ソフトを購入するなどの方法があります。在庫管理表を作成する際には、インターネットからフォーマットをダウンロードして使用するのが簡単で良いでしょう。ただし、エクセルが使えるスキルが必要となります。

  • 在庫管理
    項目は食材の入出庫の日付、食材名、数量、入庫数量、出庫数量です。食材別の入出庫管理表から在庫管理表に転記してもよいです。
    適正在庫管理は、出庫個数を経過日数で割って、1日当たりの出庫個数を算出すれば、その数字が適正在庫の管理数字となります。
  • 棚卸表
    当月の売上高、在庫、仕入、前月の在庫を入力すれば、お店全体の原価率、料理、飲料別の原価率、当月の在庫食材の合計と先月の比べた在庫の変動が分かります。
    項目として、 食材名、単位、仕入単価、歩留り、単価、保管場所、仕入先、前月残、当月仕入、当月残となります。お店の当月売上高、料理売上高、飲料売上高を集計して入力すれば、原価合計、料理原価、飲料原価、店舗原価率、料理原価率、飲料原価率などが算出されます。

在庫管理表、棚卸表作成のポイントとして、作った本人しか分からないような在庫管理表はNGです。入力間違いがあった場合に、どこを間違えたか分からない管理表もNGです。また、本人でさえ分からなくなるような在庫管理表も当然NGとなります。お店の在庫管理担当者以外の人でも分かるような在庫管理表でないと、担当者が欠勤、又は不在の時はお店が混乱してしまうこともあるので注意が必要です。

飲食店でおすすめの在庫管理システム

iPadとデータマネジメント

外食企業、飲食店におすすめの在庫管理システムはたくさんあります。システムを使うことで効率化を図ることができますので、活用していくことをおすすめします。今回はその中からいくつかご紹介します。

フーディングジャーナル

ASP型ツールにより、インターネット経由で業務用アプリケーションソフトを供給する事業者です。フーディングジャーナルの在庫管理アプリケーションソフトは飲食業に特化したソフトで、パソコン操作が不慣れの人でも簡単に操作ができるようになっています。フーディングジャーナルには在庫管理や棚卸しなどの各種機能も持っています。

ネット de ざいこ

クラウド上でタイムリーな在庫の把握、店舗間移動、廃棄、棚卸などができます。在庫管理に個別原価(先入先出)を軸にした月次原価計算も可能です。

MAIDO SYSTEM

インターネットを介してPC上で在庫管理を行うサービスです。iPadなどのタブレット端末にも対応していますから、タブレット端末を持って冷蔵庫の前で入力しながらの棚卸が可能です。

まとめ

適切に管理された食材

いかがでしょうか?

飲食店の在庫管理は決して難しい業務ではありませんが、多少手間がかかります。エクセルでのフォーマットをダウンロードして使用している方が多いとされますが、お店で必要な最小限のデータ収集のみに絞って在庫管理表を作成しないと、毎日の在庫管理業務が大変です。

在庫管理システムやフォーマットによる在庫管理表の作成は、お店の必要とするデータが何であるかを自分で明確にしてから導入するようにしましょう。