飲食店で予約管理が重要な理由とは

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予約テーブル

あなたのお店では、予約を受けた時にどのように応対し、記録し、管理するのかということは決まっていますか?応対内容は電話を受けた人間まかせ、そしてそのお客様の名前、人数、時間をただカレンダーに書いているだけだったとしたら、大きなチャンスロスをし、そしていつか起こるトラブルの原因を見過ごしているのかもしれません。実はそれほど予約管理は重要なのですが、多くの方はそこまで理解が至っていないのが現状です。

そこでここでは、その予約管理がなぜ重要なのかという理由とその方法、そして活用についてご紹介していきます。

飲食店で予約管理が重要な理由

カフェにいる女性

最初に定義をしておきましょう。ここで扱う「予約管理」とは、単純に予約内容を間違いなく記録する、ということだけではなく、予約のとり方から始まって、記録、当日の活用、そして後日の活用まで含めた一連の流れ、と広い意味でとらえていきます。

ではまずその予約管理はなぜ必要なのでしょうか。それには大きく言って以下の6点があります。

1:仕込み、仕入れ計画のため

まず予約状況を管理することで、その日の来店数がおおむね把握できます。また、予約時にコース内容や注文メニューなどが確認できれば、食材の必要量もわかります。それによって、当然ですが適切な仕込みと適量の仕入れができますので、欠品もロスもしなくて済みます。つまり、お客様にも品切れの不満を与えず、かつチャンスロスも、逆に無駄な出費も防げるのです。

2:シフト管理のため

食材の問題だけではなく、当日のスタッフのシフトでも同じことが言えます。来店客数が分かるということは、ホールとキッチンの必要人員数が判断できることになりますので、適切なシフトが組めます。それによって、これもまた提供遅れやサービスの不足などによる顧客不満足も、逆にスタッフが余ってしまい、人件費が無駄になることも避けられます。

3:お客様を歓迎するため

コスト面、あるいは接客と料理提供という基本的なサービス面での効果だけではありません。きちんと予約管理をして何時に誰が来店するということが把握できていれば、そのお客様が入店した時点で、そのお客様の名前で呼びかけることができ、「お待ちしておりました」と声をかけられます。これによって、店として歓迎しているというメッセージを伝えられますので、お客様の満足感につながります。

4:付加価値サービスを提供するため

予約時に、そのお客様にとって今回の外食の意味を聞ければ、それに沿った付加価値のサービスを考え提供できます。たとえば誕生日の記念の外食だと分かっていれば、お店からのサービスとしてデザートを出せるかもしれませんし、そのようにコストをかけなくても、テーブルにバースデーカードを置いたり、あるいは入店時に「誕生日おめでとうございます」と声をかけるだけでも、お店に対する好感度は一気にアップするでしょう。それは必ずリピートにつながります。

5:販売促進、集客に活用するため

1~4は来店時のことですが、そのあとにも今度は予約内容を管理しておくことで、業績アップに活用できます。シンプルなところでは、予約客の住所まで聞くことができていればですが、その人たちに販売促進のダイレクトメールを送って集客につなげることが可能です。

あるいは、だいたいの商圏範囲が印象ではなくデータで分かりますから、新聞の折り込みチラシやポスティングなどを入れる際に、より効果のある地域を選ぶことが可能になります。

6:より正確な売上予測ができるようになる

さらに、毎日の予約数と実際の総来店数を記録しておけば、その相関が統計的に分かってきます。たとえば予約数が10件あれば、総来店数は30件になる、というようにです。それによって、売上予測が従来よりもかなり正確になりますから、1や2もより正確に準備できますし、逆に売上が少ないと予測できれば急遽、FacebookやLINEなどの集客ツールを使ってキャンペーンを打ち、集客を強化するということも可能になります。


以上のように、予約管理をしっかり行うことで、適切なヒトとモノの手配ができ、かつお客様の満足度を上げ、最終的には来店数と売上のアップにつなげることができるのです。

飲食店での予約管理の仕方のポイント

カレンダー

では、そのように「活用できる」予約管理はどのように行えばよいのでしょうか。そのポイントをいくつかご紹介します。

電話での応対をマニュアル化

まず予約電話などの応対をマニュアル化してレベルアップしましょう。

1つは電話で聞く内容を決めることが必要です。付加価値のサービスをするのであれば当然「何か記念日などでのご来店でしょうか」ということも聞かなければなりません。

また、予約応対の話法を決めることも必要です。たとえば「お気を付けてお越し下さい」「当店への道順はお分かりになりますか」などを付け加えることは、お客様の満足度と期待度がアップでき競合店との差別化ポイントになりますが、それらはスタッフまかせにしては出てこないフレーズです。

そのような内容を盛り込んだ予約電話の応対話法マニュアルを作り、POPなどにして電話の近くに貼っておくことが重要です。

さらには、予約電話を取る可能性のあるスタッフにはその話法のロールプレイングも、簡単でいいので行いましょう。スムーズに応対できるかだけではなく、話すスピードは適切か、声は電話口で聞いて気持ちのよい高さか、などを確認し、指導できます。予約電話はお客様との「ファーストコンタクト」であり、お店の「第1印象」ですから、思っている以上に重要です。そのタイミングを大事に扱いましょう。

ノートに管理し記録として残す

また予約内容は必ずノートなど記録として残るものでとってください。メモ帳やカレンダーなど廃棄してしまうもの、まとめて管理できないものはNGです。そしてノートには、予約ですから当然日時順に書くことにはなりますが、できればお客様の名前の索引もつけましょう。

あわせて住所が聞けていればダイレクトメールにも使えますし、それがなくても、同じお客様からまた予約電話をいただいた時に、前回の予約内容を確認して「いつもありがとうございます」「苦手な食材は前回と同じでよろしいでしょうか」という応対ができれば、満足度は非常にアップします。

直前には確認の連絡

そのような顧客満足度アップのためだけではなく、予約の何日前というルールに基づいて、事前の予約内容の確認電話を入れましょう。無断キャンセルやうっかり忘れたということの回避ができますので、食材ロス、人件費ロスが防げ、なおかつ空席ができることによるチャンスロスをなくすことができます。

予約時に取得する顧客情報とは

顧客情報イメージ

これらのことを行うために、予約時にはどのような顧客情報を取ればよいのでしょうか。それには必須の情報と、とることで店舗力がアップする情報があります。

・必ず取る情報

必ず取る情報はすでにこれをお読みの方の飲食店では実行しているでしょう。予約日時、お客様の名前、人数、連絡先などです。

・できれば取ったほうがいい情報

さらに、当日のコースなどの注文料理、苦手食材、席の希望なども聞くと、仕込みと仕入れが正確にでき、かつ適切なサービスを行ことができます。

・付加価値サービスが提供できる情報

そしてできれば取りたいのが、その予約した外食の意味です。宴会であれば何の宴会なのか、ファミリー客なら何かの記念日なのか、ということを聞いておけば、上で挙げたような付加価値サービスが提供でき、ぐっと満足度がアップします。

・販売促進に使える情報

さらに電話口では難しい面もありますが、住所まできければベストです。その情報は販売促進に活用でき、集客アップにつながります。


以上の情報を、電話をしてきた人が面倒くさく思わないようにてきぱきと取得できるように、マニュアル化も含めて準備をしましょう。

主流になりつつあるネット予約

ネット予約イメージ

以上でご説明してきた予約方法は基本的に電話で受けるというものでしたが、最近それ以上に流入経路として増えているのが「ネット予約」で、飲食業界全体ではそれが主流になりつつあります。その概要をご紹介します。

ネット予約とは

インターネットを使った予約という意味では、店舗のホームページやFaebookページを見た人が、そこからフォームやメールで連絡してくる、というものもありますが、ここでいう、「主流となりつつあるネット予約」とは、グルメサイトを閲覧したユーザーがそのサイトから予約を直接入れて来るという方法です。

スマホやパソコンでグルメサイトの店舗ページを開くと、メニューや口コミのほかに、画面の目立つ場所に空席状況のカレンダーが表示されているのを見たことがありませんか。その空いている日付をクリックまたはタップすると、予約内容が入力でき、そのままその情報が店舗に送られてくる、というのがこの方式です。

このメリットは、まずお客様にとっては24時間予約が可能であり、かつ店舗情報を見て気に入ったら即予約に移れるという利便性です。

一方、店舗側にとってはもちろん無人で24時間対応ということも大きいですが、一般的にユーザーが店舗情報を見て、そのあと別の店舗のページを見て、さらに電話画面を開いて、というステップを予約までに踏むと、そのステップごとに目移りしたり面倒くさくなったりして徐々に「脱落」していきます。しかしこの方法であれば、店舗情報ページからすぐに予約に移れるために、その脱落が最少限に食い止められ、見込み客を確実に予約に引き込めるのです。これがネット予約の最大のメリットです。

ネット予約サービスを行っている主なグルメサイト

この予約システムはいわゆる3大グルメサイトのぐるなび、食べログ、ホットペッパーの全てで導入されており、有料契約をすれば利用できます。ただ、導入時期がそれぞれ違うので、浸透度には以下のようにまだ差があります。

1番浸透しているのは、リクルートライフスタイルの「ホットペッパーグルメ」です。2015年度のネット予約は約3700万人で前年比150%増と急成長しています。

これに対してもう一方の「雄」であるぐるなびは270万件とホットペッパーの1/10です。食べログは1番導入が遅かったこともあり、さらにその1/3の96万件です。ただし、グルメサイトとして現在1番利用者数が伸び、飲食店選択時に最も利用されているのは食べログですので、この差は急速に縮まっていくことが予想されます。

ネット予約の問題点

このネット予約のネックは、飲食店の予約管理には複雑な判断が必要ですが、杓子定規なコンピューターシステムではそこまで対応できない、ということです。

たとえば、

  • 滞在時間は宴会であれば2時間と決まっていても個人客の場合は明確に決められない。
  • 予約人数が電話なら「約10人」と言われて当日15人となっても、人間が受けた場合はそれを想定して余裕をもって席取りがきてもシステムにはできない。
  • あと15分開始時間を遅らせてくれれば予約を入れられる場合、人間が受ければ逆提案できてもシステムにはできない。
  • そもそも来店客の1組当たりの人数がバラバラなのを固定している座席にパズルのように当てはめていくのが複雑すぎる。

などです。このような複雑な判断は、人間であればできても、現在の簡易なコンピュータシステムではできないのです。

そのためにネット予約では、個人客の平均滞在時間が2時間でもシステム上は2時間半にするなど、全体に余裕を持たせた仕組みにならざるを得ず、システム上は満席なので予約をあきらめても実は席は用意できた、というような見えないチャンスロスが発生してしまうのです。

また、個人経営の店舗の場合、その予約データをパソコン上で管理しなければなりませんが、そもそもパソコンを置くスペースがなかったり、店長や経営者がパソコンが苦手といったケースもあるでしょう。

予約管理台帳システムとの連動も

こうした状況をどのグルメサイトも問題視しており、その対策として取り組み始めているのが、紙の予約管理台帳の電子化です。

この予約管理台帳システムは、本来の使い方は電話で受けた予約を人間がパソコンに入力しその中で管理するというもので、かなり複雑な判断をコンピューターが行えるようになっています。そこで、このシステムとネット予約をつなげ、正確で効率的な空席状況(予約可能時間)の表示と、人数情報や座席状況なども考慮した自動予約が取れるようにする、ということが考えられているのです。

具体的には、リクルートは台帳アプリ「レストランボード」を投入し、食べログを運営するカカクコムも同様のサービス「ヨヤクノート」を展開し始めています。ぐるなびも近々スタートできるように準備を進めているということです。

今後ネット予約の導入を考えている飲食店経営者の方は、この予約管理台帳システムも併せて導入するかどうか、という判断もしていくことが必要になります。基本的に有料システムですので、費用は掛かりますが、その分チャンスロスが減ることは確実ですから、そのプラスマイナスをよく考えましょう。

まとめ

手帳など

いかがでしょうか。

飲食店にとって「予約」というものは売上安定のために必須の要素です。しかし、それを「オペレーション」だけで行うのではなく、顧客満足につながる「サービス」的な要素、集客アップにつながる「販売促進」的な要素と位置づけ、管理と活用をしていくことはさらに重要です。ぜひ以上を参考に、「攻め」の予約管理ができるようにしてください。