飲食店の定休日は必要?定休日導入のメリットや最適な曜日を紹介

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定休日の飲食店

飲食店を経営していると、店を休んでいることが大きな機会損失になっているのではないか、来店しようと思ったお客様がほかの店に行ってもう2度と来てくれないのではないか、という不安を抱き、つい「年中無休」にしたくなるものです。確かにその要素はないとは言えませんが、しかし休みの日、つまり定休日を作らないデメリットも、作ることによるメリットもあるのです。経営者の皆さんは、いつも定休日の導入で得るものと失うものを天秤にかけて、悩んでいるのではないでしょうか。

そこでここでは飲食店導入のメリットとデメリット、そして導入する場合はどのようにしたらよいのか、という点についてご紹介します。

飲食店における定休日のセオリー

定休日イメージ

すでにご存じのこともあるでしょうが、飲食店で定休日を導入する時の基本的なセオリーを確認しましょう。

原則は曜日で決める

ほとんどの飲食店は原則的には曜日で定休日を決めています。中には「5のつく日」という決め方をする店もありますが、重要なのはお客さんに覚えてもらいやすいことです。

覚えていないと、せっかく店の前まで来て定休日だったというがっかり感を味合わせ、そして最悪の場合は結局覚えてもらえないので「あの店はいつ行っても休みだから別の店にしておこう」と思われ、それこそ機会損失になってしまいます。まずは覚えやすいこと、それが1番です。

毎週である必要はない

ただ毎週である必要はありません。第2火曜日などにしても問題はありません。ただし、その場合は後で説明する、労働基準法との兼ね合いをクリアしにくくなって、定休日を設けるメリットが少し減ってしまうことがあり得ます。

季節に応じて長い休みをとるのも可

また、極端な例で言えば、かき氷店のように季節変動が非常に大きい業態の場合は、あらかじめお客さんには十分に告知したうえで、閑散期に1週間などの比較的長い休みをとってもよいでしょう。

超閑散日が分かっていたら、毎年定期的に休みにする

また業態によっては、特定の日に超閑散状態になる場合があります。たとえば、クリスマス、恵方巻の日、丑の日などはその食材やそのイベント利用がない店の場合、ほとんどノーゲストになる可能性もあります。

あるいは近所で大きな花火大会があるときなども閑散状態になったりします。そういう特異日もあらかじめ分かっているのであれば、毎年休みにする、つまり特別な定休日にする、という方法もあります。

定休日導入のメリット・デメリットとは?

メリットデメリット

では上のようなセオリーで定休日を導入したとして、そのメリットとデメリットには何が考えられるでしょうか。

定休日導入のメリット

まず第1に挙げられることは、当然ですが休みの日には人件費と光熱費がかかりませんので、それらのコストが削減できることです。特に閑散日は、売上がなくてもこれらのコストはかかっていますので、返って店を開けているために赤字になることもあり得ます。定休日の導入はその赤字幅をできるだけ少なくできるメリットがあります。

2つめは従業員の福利厚生の向上です。ただでさえ飲食業はブラックというウワサが流れるほど、労働時間が長く休みの取れない仕事です。定休日を設けることで、少なくとも定期的に従業員に休みを与えられますので、福利厚生面での待遇が向上し、従業員のモラルも上がり、定着率のアップも期待できます。

3つめは労働基準法が順守できることです。意外に飲食店の経営者でも知らない人は多いのですが、労働基準法では週に労働時間は最大40時間まで、かつ月に4日以上の休みを取らせること、という義務が企業の規模と関係なく定められていて、これを守らないと最悪毛家者の逮捕もあり得ます。従業員と協定を結ぶことで、残業や休日出勤をさせることは可能ですがそれにも上限があります。したがって、無理に調整してでも従業員を休ませなければなりません。

しかし年中無休の場合はそれは非常にしにくいのが実態でしょう。その点、定休日を導入すれば月4日は自動的に休みになり、また週の労働時間も抑えられますので、法令の順守をすることができます。

4つめは、同時にそれはシフトが組みやすくなるという点です。労働基準法を守りながら、かつ店がきちんと回るように、そして人件費は抑えながら、という複雑な条件の中で毎月シフトを組まなければならないわけですが、その時に定休日があるとないとでは組みやすさがかなり違います。

5つめは店長の勉強時間と休憩がとれるという点です。飲食店で働くスタッフの中では店長は1番の激務です。労働時間の長さと休みのなさで、身体や精神を壊す例はたくさんあります。また、店長が経営者であったり、あるいは本部の企画の仕事も兼ねている場合は、流行の飲食店や競合店に行って試食をするなどの勉強が必要ですが、それもままなりません。その点、定休日ができれば、休憩をとることも、その上で自分の勉強時間を作ることも可能になります。

定休日導入のデメリット

一方で定休日を導入するデメリットもあります。

1つは、店を休みにしても、減価償却費や家賃などの固定費はかかっているということです。店を営業して少しでも来店があれば、それが吸収できる可能性もありますが、定休日を作ってしまった場合は、そのコストをほかの営業日で回収しなければならなくなります。

2つめは冒頭でも書きましたが、自店舗が休んでいる間、近隣の競合店は営業しています。するとその日に外食をしたいお客さんは競合店に行き、自店舗は潜在顧客を逃すことになるかもしれません。またレアケースではありますが、常連客がその定休日に設定した日しか来られないような仕事をしていた場合、それをきっかけに自店舗から競合店の常連に鞍替えしてしまう可能性もあります。

定休日の導入には以上のようなメリット、デメリットがあります。総じていえば、それでも比較をすると定休日は設けたほうがメリットが大きいと思えますが、いずれにしても上のような観点でしっかり損得計算をしましょう。

居酒屋、カフェ、レストランでは定休日は何曜日がいいのか

カレンダーとボールペン

さて、それらを検討したうえで、やはり定休日を導入しようと決定した場合、何曜日にしたらよいのでしょうか。その決め方は以下のようなプロセスが一般的です。

定休日の決め方の原則

定休日は基本的に閑散日にする、というのが原則です。すでに長らく営業している店は、売上日報があるでしょうから、それを夏休みなどの特別な時期ではない月の、最低2か月分を曜日ごとに集計して、売上の悪い曜日を定休日にするのが一般的です。

新規オープンの場合も、オープン2ヶ月ぐらいは店を休まずに営業し、曜日ごとの傾向を把握したうえで決定しましょう。

一般的な店の特徴別の定休日

ただセオリーとして、店の業態、立地などの特徴によって、定休日にする傾向の高い曜日はあります。それは例えば以下のような内容です。 まず、居酒屋の場合は火曜日、日曜日です。これはなぜかというと、以下のような傾向があるからです。

  • 月曜日は、休みの日に家で飲めなくて、飲みたい願望が高まっているお客さんが来店します。
  • 水曜日は、多くの企業がノー残業デーなので、早く仕事の終わったサラリーマンが連れ立って来店します。
  • 木曜日は、金曜日に飲み行けないお客さんが来店します。
  • 金曜日は、土曜日が休みのサラリーマンが来店します。
  • 土曜日は、オフィス街は閑散としていますが、日曜日の前日なので、意外に飲みに行きたいと思う人は多いです。

ここから消去法で行くと、火曜日と日曜日が休みやすい、ということになります。またレストランや、カフェは火曜日です。これは以下のような傾向からです

  • 月曜日は、日曜日の家事から解放された主婦が来店します。
  • 水曜日は、同じくノー残業デーなので、OLなどが来店します。
  • 木曜日、金曜日も居酒屋と同様です。
  • 土曜日、日曜日は女性客や、住宅地が近ければファミリー客が来店します。

ここから消去法で行くと、火曜日が来店サイクルの中間にあたるため、1番客足が少ない可能性が高いのです。ただし、もう1つ定休日の決め方として大事なことが食材の問題です。それは定休日を連休で設けると、食材が傷む可能性が高くなりロスが増えてしまうということです。

だからと言って逆に、ロスを減らすために在庫を絞ると、定休日の前日に品切れが起き、チャンスロスが発生してしまいます。この点も考慮すると、連続した定休日は得策ではない、とも言えます。

定休日は休憩だけにあてず活用する

休日活用イメージ

せっかくの定休日だから、1週間の疲れを取りたい、という気持ちはもっともですが、しかし休んでいただけではもったいないということもあります。疲れを取りつつもできれば有効に定休日を活用しましょう。たとえば以下のようなことです。

1つは定休日に掃除代行の専門業者に依頼して店舗の清掃を頼むことです。特にキッチンのグリルストラップなど油が溜まりやすく掃除しにくいところを徹底してきれいにしてもらいましょう。

また少し書きましたが、近隣か、あるいは少し遠い所へでも旅行に行き、旅行先で繁盛している飲食店で試食をし、取り入れるべき点があれば取り入れる、あるいは旅先で食べた料理を期間限定メニューで導入する、などもよい活用法でしょう。もちろん、家族がいる店長や、経営者兼店長であれば、ぜひ家族との時間を取りましょう。家族の協力と応援がなければ、特に個人飲食店は経営できません。ですので、定休日には家族と過ごして絆を深め、普段できない家族サービスをしてねぎらいましょう。

定休日を導入したら告知も忘れずに

黒板に書かれたニュース

定休日導入の時に、意外に忘れがちになったり後手に回るのが、お客さんに対する告知です。告知を忘れると、常連客ほど無駄足を踏んだ時に、無駄足を踏んだことよりも「自分に事前に言ってくれなかった」という失望感で、自店舗に対するロイヤリティが下がり、離れていく遠因になります。告知方法は以下の点を押さえればほぼ大丈夫です。

  • 店内にポスターを貼る(最低3か月前から)
  • ホームーページがあれば、同じタイミングで告知する
  • 定期的にLINEメッセージや、メルマガを配信している場合は、文面の最後にその案内を入れておく(これも3か月前から)
  • 導入1か月前からは、会計時に口頭で定休日の導入を伝える

まとめ

乾杯シーン

いかがでしょうか。

今まで年中無休で働き詰めに働いていた経営者や店長の皆さんにとって、定休日の導入には勇気が必要でしょう。しかし、導入してしまえば、意外に売上のマイナスもほかの曜日でカバーでき、利益も下がらず、加えて従業員のモラルと健康状態も改善し、そしてなおかつ自分自身もさらに充実して仕事ができるようになる、といいことづくめとなる可能性さえあります。

これを機に、1度定休日の導入については真剣に考えてみてもよいのではないでしょうか。