飲食店でトイレ掃除が重要な理由とは?キレイなトイレはおもてなしの一環!

飲食店

トイレを磨く女性

「トイレはその家の心」といわれるように、お店で働くスタッフの意識・心構えをトイレから見て取ることができます。いちばん汚れる場所の掃除が行き届いていれば、厨房で働く人も清潔で食器などもピカピカに違いないと思わせます。

顧客満足度を上げるためには、清潔で快適なトイレをキープすることが絶対条件です。ここでは、基本的な掃除の仕方と時間をかけずにササッとできるコツを紹介しますので、日々の衛生管理に役立ててください。

飲食店でのトイレ重要度

きれいなトイレ

繁盛する店には、その店を印象づける強み(個性)があるものです。それは看板メニューであったり、名物店主であったりさまざまですが、「きれいなトイレ」が強みという店もあります。

「あの店のトイレに入りたい」と思われることは「あの店の〇〇料理が食べたい」といわれることと同等の価値があるのです。

とりわけ競合の激しい飲食業界においては、他店にはないサービスや快適性といった付加価値を提供することが重要で、ただ料理の味にこだわるだけでは時代に取り残されてしまいます。

お客さまに「また来たい」と思っていただくためには、衛生管理のルールを作り、きれいなトイレを維持することが大切です。

食中毒の汚染拡大を防ぐためにも衛生管理が大切

掃除をはじめる女性

近年の食中毒の発生状況を見ると、飲食店が発生源の事例が多いという報告があります。食中毒を引き起こす要因としては、食材の温度管理が不完全、厨房の調理器具の洗浄不足、手指からの二次汚染が大半を占めています。

温度管理や調理器具の洗浄は厨房のスタッフの仕事ですが、手指からの二次汚染を防ぐためには、トイレの掃除を怠るわけにはいきません。

例えば、厨房のスタッフが食材を介してウイルスに汚染されたとします。汚染されても症状はすぐには現れず、ノロウイルスの場合は1~2日、O‐157は4~8日の潜伏期間があります。

その間にお客さまと同じトイレを使用したとすると、手指についていたウイルスがドアノブや便座、水栓レバー、トイレットペーパーなどに付着し、ほかのお客さまが汚染される恐れがあります。あるいはお客さまがウイルスをもっていてスタッフが汚染されるというパターンもあり得ます。

そうした二次汚染を防ぐためには、不特定多数の人が触れる部分はきれいにふき取ることが大切です。食中毒の発生源となると営業停止処分を受けることになってしまい、損害の大きさは計り知れないものがありますから、衛生管理には細心の注意が必要です。

きちんと掃除できてる? トイレの掃除の仕方

トイレ掃除の女性

飲食店では、開店前と閉店後だけでなく、営業中も数回トイレ掃除をするのが一般的です。

とくに、酒類を扱うお店では、酔ったお客さまが嘔吐をしてしまうことがありますから、たびたび見回って、汚れていたらすぐ綺麗にしなければなりません。

ただし、掃除に時間をかけるとトイレを利用したいほかのお客さまの迷惑になりますから、手早くすませることが大切です。そのためにも、当番制にして掃除の手順も決めておくようにします。

では、開店前・閉店後に行う基本的な掃除のしかたと、定期的に行う掃除のポイントについて見ていきましょう。なお、掃除をするときは、必ずゴム手袋を着用します。

●開店前に行う掃除の手順

【用意するもの】

流せるタイプのトイレシート・スプレー式泡タイプの洗剤・トイレブラシ

  1. まず、鏡に水滴や水垢がついていたら、手ふき用のぺーパータオルでふき取ります。
  2. 手洗いボール部分に髪の毛などが落ちていれば取り除き、ペーパータオルで水滴をふき取ります。蛇口部分もペーパータオルでピカピカに磨きます。
  3. 便器のふたを上げ、ふたの裏側に洗剤の泡をたっぷりかけます。
  4. トイレットペーパーを3~4回折り畳み、洗剤の泡をふき取ります。
  5. トイレシートでふたのを裏側をもう一度ふきます。ふたの付け根の部分もていねいにふきます。ここで使ったシートはこの後も使いますから捨てないでください。
  6. 次に便座を上げ、ブラシで便器の内側を磨きます。
  7. 便座の裏側を、5で使ったシートでふきます。
  8. 同じシートで便器のふちをふきます。
  9. さらに同じシートで便器の外側と根元部分を拭きます。
  10. 新しいシートでドアノブ、トイレットペーパーホルダー、水栓レバー,便器のふたの表面を拭きます。
  11. 同じシートで床面をきれいにふきます。

最後に、トイレットペーパーとペーパータオル、ハンドソープを補充します。

※トイレットペーパーをホルダーに取り付けたとき、たいていのお店では「掃除が終了しました」という意味でペーパーの先を三角に折りますが、これはとくにマナーというわけではありません。

お客さまによっては、だれかが触ったペーパーには雑菌がついているのではないかと気にする人もいますから、三角折りにするかしないかはお店で判断するといいでしょう。

●閉店後に行う掃除の仕方

お店が終わった後のそうじは、ひどい汚れがない限り3分程度の簡単掃除でかまいません。

  1. 便器のふたを上げ、便座と便座の裏側、便器の外側全体をトイレシートでふきます。
  2. 新しいシートで床面を拭きます。
  3. ゴミ箱やエチケットボックス(汚物入れ)のゴミを捨てます。

温水洗浄機付き便器なら、忘れずにコンセントを抜いて帰ります。

●定期的に行う掃除のポイント

トイレ掃除は便器や床だけでなく、壁やトイレタンクなどの汚れも落とさなければなりません。まずは、便器に沈着した頑固な汚れの落とし方から説明します。

<便器の黄ばみ黒ずみの落とし方>

黄ばみや黒ずみの原因は尿石です。飛散した尿の中に溶けているカルシウムイオンと空気中の二酸化炭素が結合してできたアルカリ性の化合物です。

これが便器に付着すると急速に増えていき、ほかの雑菌の増殖も促すため、悪臭や詰まりが起こりやすくなります。

沈着した汚れはブラシでこすった程度では落ちないため、酸性のトイレクリーナーを使って中和させることがポイントです。

  1. 便器内の水を、使わなくなったコップなどでできるだけ汲み出し、水位を低くします。
  2. 便器の内側にトイレットペーパーを敷き、上からクリーナーを振りかけ、シートマスク(パック)の要領で1時間ほど放置します。
  3. 水を流し、トイレブラシで軽くこすり洗いをします。

頑固な汚れを落とすには時間がかかりますから、月1回というように定期的に行うようにするといいでしょう。

<壁の掃除の仕方>

男性用トイレは、便器の周囲だけでなく、壁や床にも尿ハネがたくさん飛び散っています。放置すると壁が黄ばんで落ちにくくなります。

とくに飛散しやすいのは床から腰の高さあたりまでの範囲です。そのあたりを重点的にトイレシートでふき取るようにします。

<トイレタンクの手入れの仕方>

タンク内は部品が複雑に組み合わされているので、専門業者に依頼するほうが賢明です。

ここでは、重曹を使って簡単にできる方法を紹介しましょう。

  1. タンクのふたをはずします。ふたが重い場合は注意しながら横に少しずらします。
  2. タンク内に重曹1カップ(約200㏄)を入れます。
  3. そのまま一晩おき、翌朝水を流します。

これを1か月に1回行うだけで、汚れがつきにくくなります。

忙しいときはここだけチェック!トイレをきれいに保つコツ

きれいな洗面所

次に、営業中に行うトイレチェックについて見ていきましょう。

忙しい時間帯に行うことですから、要領よくすませることが大切です。次のようなチェックリストを作成しておくとスピーディーにすませることができます。

【トイレ掃除チェックリスト(例)】

点検日時




点検項目
1 鏡・洗面台は汚れていないか        
2 便器は汚れていないか        
3 壁は汚れていないか        
4 床は汚れていないか        
5 トイレットペーパーは足りているか        
6 ペーパータオルは足りているか        
7 ゴミ箱はいっぱいになっていないか        
点検担当者サイン        
責任者サイン        

汚れているところを見つけたら、きちんと手袋をしてから掃除をするようにします。けっして素手で掃除をしているところをお客さまに見られるようなことがあってはいけません。

お店にいる間はどんなときもお客さまに見られているということを意識し、気を抜かずに行動しましょう。

まとめ

トイレ掃除する少女

掃除は新人の仕事という風潮がありますが、お店のリーダーや先輩スタッフが率先して掃除をして、それを見習わせることが重要です。 また、掃除用具置き場も確保し、きれいに整理整頓しておきます。

洗剤やクリーナーがなくなりかけていたらすぐに補充し、スムーズに掃除に取りかかれるようにしておきましょう。面倒だなと思う仕事こそ、必要なものをそろえておくことが大切です。

トイレを清潔に保ち、お客様をおもてなししていきましょう。

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