無駄な光熱費を払っていませんか?飲食店でできる光熱費の節約方法

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電卓と家と電球

飲食店の光熱費は、財務諸表の損益計算書を構成する科目の1種で、販売費及び一般管理費の中の1つの科目です。水道光熱費は経費の中で、人件費・家賃に次いで3番目で、売上高に占める比率はわずか7%くらいですが、この中には隠れた利益が眠っていると言われています。

売上高を上げることは大変なことですが、水道光熱費の絶対額を下げることは、さほど難しくありません。経営者や店長、従業員が意識して行動を起こせばできることが多くあります。

そこで今回は、飲食店でできる光熱費の節約方法についてご紹介します。

飲食店でかかる光熱費(水道光熱費)とは

皿を洗う人

飲食店では一般的に販売費及び一般管理費の科目は、

  • 人件費(参考値 30%以内)
  • 家賃(10%以内)
  • 水道光熱費(7%以内)
  • その他(電話代、郵便代、通信費、交際接待費、食器代、消耗品費、広告宣伝費、雑費など)(10%以内)

などで構成されており、一般的に経費と呼ばれています。括弧内の数値は売上高に占める各科目の参考値です。かなり大雑把な数字ですから参考値として見てください。

利益は、利益 = 売上高 −(材料費・食材費+経費)で計算されますから、材料費・食材費と並んで重要な科目です。経費の中で、人件費は、ほぼ固定費に近いですし、家賃は、売上高に関係なく定額必要ですから固定費です。水道光熱費は売上高の多い少ないの変化で変動しますから変動費です。水道光熱費は、売上高の変動によって数値が変わりますが、店主や従業員の創意工夫や節電などのモチベーションによっても大きく変わる性格を持っています。

飲食店でかかる水道光熱費とは、傾向としてお店の形態(ラーメン屋、麺類のお店、中華、和食店、居酒屋、イタリアン、フレンチなど)によって、消費量が異なります。麺類や魚介類を扱うお店は水道代が他業種より多いです。オーブンをよく使うイタリアンやフレンチではガス代が多いでしょう。

また、お店の形態として、居酒屋などは1人当たりのお店での滞在時間が長く、食器類がたくさん要ります。従って食器の洗浄に要する水道代がかさみます。同じ飲み屋でも、角打ちと呼ばれる酒屋の一角で、スタンド形式で行っている簡易型の飲み屋(立ち飲み)では、多少の電気代がかかるだけで、水道光熱費は格段に少ないでしょう。

では、どんな機器が水道光熱費に関係するでしょうか。主なものを上げてみます。

  • 冷凍・冷蔵庫(全体の40%位を占める)
  • 厨房、バックヤードの動力関係及び照明機器:ガスコンロ、フライヤー、シンク、ラーメン釜、串焼器、オーブン、コーヒーメーカー、食器洗浄機他
  • 空調機器
  • お店(ホール)の天井照明機器
  • タオルウオーマー
  • ショーケースの冷凍、照明

店舗規模別の光熱費平均について知ろう

電球とコンセントと電卓

通商産業省の一般飲食店における省エネルギー実施要領のデータによると、エネルギー消費量で見ると、厨房機器などが42%で最も多く、次いで照明の30%、空調機器が23%、換気扇5%となっています。

また、エネルギー源で見ると電気が圧倒的に多く81%、ガス17%、水道2%(ex居酒屋)となっています。これはあくまで平均ですから、職種によってその内訳が大きく異なります。ラーメン店などダシをとる釜がガスの場合は和食店よりガスの使用量が多くなります。

店舗の業種別の光熱費(平均)については、大雑把なデータですが、

  • ラーメン店で売上高対比5~7%
  • 居酒屋で売上高対比5~6%
  • 焼肉店で売上高対比4.7~5%

という参考値があります。

規模別にみても、チェーン店の水道光熱費は平均で5~7%という数値になっていますから、規模の大小にかかわらず、大体飲食店の売上高に対する水道光熱費の割合はおおむね5~7%ということが言えます。

ただこれは平均値ですから、大手チェーン店ほど、節電、省エネルギー対策が徹底している関係で中には5%前後に抑えられているところもあるようです。

すぐできる光熱費節約方法とは

節約イメージ

飲食店の第二の利益は水道光熱費にある、言われるぐらい、お店にとっては重要管理科目です。

エネルギー節約には、何よりも店主と従業員の意識が大事です。これがなければ何も進みませんし、隠れた利益の確保はできません。節約方法は多岐にわたり、どちらかと言うと細かいことの積み上げとなります。日頃からの習慣にするようにしないと効果が上がりません。

また、節約方法を具体的に知らなければなりません。できれば節約の目標数字を明確にして行動計画を立てることなどがかなり有効です。

〇エネルギー消費の見える化

お客さんから見えない位置に消費量管理ボードをかけて、店主、従業員全員で共有する。毎月、電気量やガス、水道の計算書が届きます。それを見て、管理ボードに毎月、使用量及び料金を記入しましょう。電気は使用量(KWh)、料金、1KWh当りの単価、ガス、水道は㎥で書きます。グラフ化して前年度との比較、毎月の変化、目標値との差などが分かるようにします。

〇お店のピークタイムをつかもう

どの時間帯に最も多くのお客さんが来るか、逆にお客さんが少ない時間帯はどの時間、を正確に知ることにより節電対策が可能です。1日中、お客の出入りに関係なく全ての照明がついていたり、空調の温度管理もされていないお店が多いです。お店全体で電源SW1つではなく、例えば、厨房とホールと個室があれば、それぞれにSWを設けて、お客さんがいない時間帯は、ホールと個室の電気はOFFにすれば節電可能です。

〇厨房、作業場の節約方法

  • 冷蔵庫に物を詰め過ぎない、整理整頓、先入れ先出しが可能なように。
  • 電子レンジは省エネタイプにする。
  • 厨房の照明は明るくし過ぎない。
  • ティーディスペンサーの温度を下げる。
  • 冷蔵庫の温度管理と結露防止用全面枠ヒーター温度を下げる。
  • 冷蔵庫の上部にドライアイスを置く。
  • 厨房とバックヤード(作業場)の照明や冷暖房の温度調節を管理責任者を設けて管理する。
  • 古いエアコンを節電タイプに入れ替える。
  • エアコン内部の部品の交換。
  • 水道の蛇口に節水コマをつける。
  • 換気扇や空調、フィルターなどをこまめに清掃する。
  • LED照明に替える。
  • 電子ブレーカーを設置して電気の基本料金を下げる。
  • 冷蔵庫のドアパッキンが劣化していたら交換する。

〇その他の節約方法

  • 空調室外機の日よけ、風通しをよくする。
  • お客の少ない時間帯のお店、及びバックヤードの空調は1℃下げる。1℃下げるだけで、その空調機の電気量は10%下がります。
  • お店のブラインドやカーテンの設置も検討する。
  • コンプレッサー、エネデュースの交換、メンテナンス。
  • エアコンクリーニング(定期的に)。

など、節約には色々な方法があります。上記の方法も参考にしてください。この他にも多くの方法があります。

無駄な光熱費を節約して利益を上げよう

利益イメージ

経済産業省より参考となるデータが発表されていますので、それをご紹介します。

例えば、水道光熱費が売上の5%を占めているお店の場合、1日の売上を25万円(750万円/月)、年間売上9,000万円とした時、年間水道光熱費5%で450万円となります。年間水道光熱費の10%を削減する計画を立てた時、削減効果は450万円×10%で45万円となります。

つまり、45万円の年間利益を確保したことになります。 つまり、お店の利益率が3%ならば、1年間当たりの売上を1,500万円向上させたと同じ効果があることになります。水道光熱費を1万円削減すれば35万円の売上と同等というわけです。

※経済産業省「一般飲食店における省エネルギー実施要領」より抜粋

まとめ

顔がついた電球

いかがでしょうか?

光熱費の節約は、下げた分だけ直接的に利益に貢献できる科目です。第二の利益源と言われる所以です。この隠れた利益の掘り起こしは、細かい節約方法の積み重ねが必要です。従って、現状を正確に把握(見える化)して対策を立て、目標数字を明確にし、管理責任者を選任しましょう。

その後行動し、月ごとに確認、また次月に進むという流れが構築されないと、なかなか効果が出ません。コスト管理と並行して、光熱費の管理も合わせて、日常業務にしていきましょう。