会計処理の基本を知ろう!飲食店でよく使われる勘定科目はこれだ!

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仕訳をする経理担当

お店を開店した途端に、日々の取引を1つ1つ現金出納帳に記入していく必要があります。材料費・食材費は分かるが、調味料や調理器具は何と言う勘定科目か分からないといったように、たちまち記帳が前に進んでいかなくて難渋することになります。

その先にある仕訳作業や、仕訳帳・総勘定元帳の作成となってくると、さらに頭の中が大混乱となります。

しかし、勘定科目も仕訳も総勘定元帳も、実はそんなに難しいことではありません。簡単な作成ルールがあり、それさえ覚えればいいのです。 飲食店には1部に飲食店特有の会計処理がありますが、これも特別難しい処理はありません。

今回は、会計の中で必須の勘定科目や仕訳帳、総勘定元帳について、説明をしていきます。

勘定科目とは

事務作業

勘定とは簿記の用語で、一定のルールに従って帳簿を作成し、取引の事実を記録、管理する技法のことです。簿記には単式簿記と複式簿記があり、小規模商店や飲食店の場合は、単式簿記(簡易簿記)を使用している所が多くみられます。

商売のすべての取引を勘定という技法で記録・管理しますが、それらの勘定の構成単位を勘定科目と言います。

一口に勘定科目といっても非常にたくさんあります。勘定科目は、大きく「資産」「負債」「純資産」「収益」「費用」に分けられます。「資産」「負債」「純資産」の3つは貸借対照表に関連し、「収益」「費用」の2つは損益計算書に関連します。それぞれ、事業所や会社の財務状態、年度の儲けの状態を表す重要事項です。

代表的な勘定科目

  • 資産に属する勘定科目:現金、普通預金、商品、建物、貸付金、売掛金など
  • 負債に属する勘定科目:借入金、未払金、前受金、買掛金など
  • 純資産に属する勘定科目:資本金、資本準備金、利益準備金など
  • 収益に属する勘定科目:売上、受取利息、雑収入など
  • 費用に属する勘定科目:売上原価、販売費及び一般管理費など

費用に属する勘定科目は、売上原価と販売費及び一般管理費とあり、売上原価には、仕入れ高、期首製品棚卸高、期末商品棚卸高があります。

販売費及び一般管理費は非常に多くの科目があります。旅費交通費、消耗品費、事務用品費、地代家賃、賃借料、水道光熱費、通信費、広告宣伝費、租税公課、新聞図書費、修繕費、外注費、支払い利息、車両運搬具、給料、などがあります。

仕訳帳とは

計算する男性

仕訳とは、全ての取引を勘定科目を使って借方と貸方に分けていく作業のことです。仕訳帳は、仕訳を発生した順に借方と貸方に分けて記入する帳面のことです。 一般的に会計処理の最初の作業となり、次の工程として仕訳帳から総勘定元帳が作成できます。

借方・貸方とは、複式簿記の約束ごとで、借方が左で貸方が右に記載することになっています。借方と貸方の金額は常に同じでなければなりません。参考までに開店したラーメン屋さんの仕訳帳の例をあげてみます。

  • 1月1日:現金100万円を元に○○ラーメン店を開業
  • 1月2日:お店用にパソコンを20万円で購入。代金を5万円現金で払い、残りの15万円は翌月から3回払いとした
  • 1月3日:ラーメンの麺を○○製麺から1.4kg(39,200円)を仕入れ
  • 1月5日:ラーメンが30杯売れた。売上18,000円が現金で入金
  • 1月7日:ラーメンが50杯売れた。売上30,000円が現金で入金
  • 1月8日:麺だけ欲しい人に10食分送付。現金で4,000円入金、送料が500円かかった

以上を仕訳帳に記帳すると次のようになります。

仕訳帳イメージ

総勘定元帳とは

決算書類イメージ

総勘定元帳とは、仕入帳と同様主要な帳簿類の1つで、すべての取引を勘定科目ごとに記録した帳簿のことです。 仕訳帳はすべての取引を日付順に記録した帳簿ですが、総勘定元帳はすべての取引を勘定科目ごとに記録してあります。

仕訳帳から記録を転記したものとなり、この総勘定元帳から期末の財務諸表の貸借対照表、損益計算書が作成されます。 総勘定元帳の作成の目的は、単に取引の記録をするだけでなく、会社の財務状況を把握することです。勘定科目ごとに記帳されていますから、預金や借入金の勘定科目から残高を見ればすぐに状況を把握することができます。

飲食店でよく使われる勘定科目や経営指標

指標資料

飲食店では主に、売上、仕入、現金からはじまり、販売費及び一般管理費の中では旅費交通費、消耗品費、事務用品費、地代家賃、賃借料、水道光熱費、通信費、広告宣伝費、租税公課、新聞図書費、修繕費、外注費、支払い利息、車両運搬具、給料などがよく使われます。

また、飲食店の経営には管理すべき重要な指標があります。店主が最も気になる原価率やFL率、そして効率的な利益管理に必要なFD率などは常に見ていなくてはならない指標でしょう。そして飲食店は他の業界と異なり水道光熱費が際立って多く、重要な管理科目となります。

原価率で使う勘定科目は、売上と仕入です。仕入は原価を構成する重要科目で、材料費・食材費などが充当します。

原価率(%) = 原価 ÷ 売上高 × 100
原価 = 売上高 − 原価(食材費、原材料費)

飲食店の原価率は概ね30%と言われています。しかし飲食店の形態によっては、原価率50%を超えても利益を出しているところがあります。

営業利益率も重要です。営業利益率で使う勘定科目は、仕入、給与、販売費及び一般管理費です。

営業利益率 = 仕入れ(食材費、材料費) + 給与(人件費) + 地代家賃、水道光熱費、減価償却費、消耗品費など販売費及び一般管理費 ÷ 売上高 × 100

で計算でき、飲食店が目指す管理値は10%ほどです。

また、一般的によく知られている管理指標にFL比率があります。使用する勘定科目は、売上高と仕入れ高及び給与(人件費)です。

FL比率 = FLコスト ÷ 売上高 × 100
FLコスト = Food(食材) + Labor(人件費)

FL比率の平均は一般的には55~65%と言われており、超優良店は50%代がキープされています。60%以上になると注意が必要となります。

もう1つ関心度の高いFD比率があります。FD比率とは、売上高に占めるFood(料理)とDrink(ドリンク)の比率です。使用する勘定科目は、売上高と仕入れ高ですが、仕入れの中身を分解して、料理関係の費用とビールやお酒、ソフトドリンクなどのドリンクの費用に分けます。

これはドリンクが料理よりも利益率が高いため、この比率を見ることにより、原価率、利益率を考察できる利点があります。つまり、ドリンクの比率が高ければお店全体の利益率が高いということになります。

まとめ

電卓をさわる手

いかがでしょうか。

会計処理の基本となる勘定科目や仕訳帳、総勘定元帳について触れました。飲食店でよく使う、または知っておいたほうがいい勘定科目について、ぜひ覚えていってください。