飲食店が人材紹介を利用するメリットや利用すべきサービスとは

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人材を選ぶイメージ

「企業は人なり」という言葉がありますが、サービス業の1つである飲食業においては、特にそこで働くキッチンスタッフ、ホールスタッフ、店長、あるいはSVの質が店舗の質に直結します。繁盛店を作ろうと思ったら、メニュー検討に力を入れるのと同じくらい、人材開発に力を入れる必要があります。しかし、現在の就職市場は「売り手市場」で、募集をしてもなかなかよい人材が集まらないのも事実です。そのような時に、利用を考えたいのが「人材紹介」という手法です。

ここでは人材紹介という人材募集の方法のメリットやその内容と特徴、および利用する場合におすすめできるサービスをご紹介します。

人材紹介とは

人材紹介イメージ

まず最初に「公募求人」と「人材紹介」とはどのように違うのか定義的に触れてみます。

人材紹介とは、厚生労働大臣の認可を受けた「職業紹介事業者」、すなわち人材紹介サービス業をしている会社が、人材採用ニーズのある企業から依頼され、そのニーズに合った人材を紹介するサービスのことです。

企業は、人材紹介会社に募集ポジションと待遇、および採用条件を伝えます。人材紹介会社は自社のデータベースの中の転職活動中の人材からその条件に合致する人材に声をかけ、応募の同意が得られたら、その企業にその人材を紹介します。いわばスカウトです。

つまり、求人広告を見て自分で応募してくる人を採用する方法とは全く異なる方法となります。

人材紹介を利用するメリット・デメリット  

人材紹介成功のイメージ

人材紹介を利用するうえでのメリットとデメリットは何でしょうか。

メリット

メリットは以下の5つです。

  • 紹介される人材の質が高い
    人材紹介会社は企業へ紹介する前に、その人材が条件にふさわしいかどうか、もっといえば採用の可能性があるのかということを検討し、合格した人材だけを紹介してくれます。ですから、基本的に質の高い人材が紹介されます。
  • 自社の求人ニーズに合った人材を紹介してくれる
    上で挙げたように、基本は採用される可能性のある人材を紹介してくれるため、ニーズに合っている人材であることがほとんどです。人材紹介会社はそのために、かなり細かく企業側のニーズや求める人物像とスキルなどをヒアリングします。
  • 自社では気づかなかった必要分野、必要職種の紹介をしてくれる
    優れたコンサルタントのいる人材紹介会社の場合は、企業から依頼を受けて人材を紹介する「御用聞き」型の活動だけにとどまりません。その企業の事業戦略や人員構成を見たうえで、客観的に事業戦略上に必要だと思われる人材を逆提案してくれます。つまり、企業側が気づいていない、本当に業績を向上させ、企業力をアップさせる人材をプッシュ型で紹介してくれるわけです。
  • 場合によってはスカウト活動もしてくれる
    仮に人材紹介会社に登録している人材の中に、求人案件の条件に合致する人が見当たらない場合は、現在転職意思のない人でもその条件に合致すると思えばアプローチし、転職の意思を持つように説得して、紹介してくれます。
  • 多くの人材紹介会社が成功報酬型で動いている
    人材紹介を依頼しただけで費用が発生するということはほとんどありません。料金は紹介された人材を採用した段階で発生する成果報酬型のことが多いでしょう。また人材紹介会社によっては、その人材がすぐに辞めてしまうという企業側のリスクを補てんするために、採用後3ヶ月以内に辞めた場合、紹介料を一部返還するという保証をつけている場合もあります。

デメリット

これに対してデメリットも5つあります。

  • 紹介料が非常に高い
    紹介料の一般的な計算方法は、採用した人材の年収に対するパーセンテージです。平均的には30%から高い場合は50%という場合もあります。つまり年収500万円の店長クラスを紹介されて採用した場合、パーセンテージが30%なら150万円を支払うということです。つまり1人あたりの採用コストは150万円と高額になります。ただ、一方で求人広告を出して募集をかけても、求人広告の規模によっては一般的に数十万円かかります。それで採用できた人材が1人もいなければその何十万円は全く無駄な投資になってしまいます。そのあたりをよく天秤にかけて、紹介依頼を行うかどうかを検討することが必要です。
  • 採用する人材の年収も高くなる傾向がある
    当然企業側は優秀な人材が欲しいでしょうが、そのような人材は他社からも声がかかります。つまり紹介とは言え、水面下では他社との採用競争が公募求人と同様にあるのです。そこで勝ち残るためには、年収を高めに出す必要があるでしょう。
  • 人材紹介会社の推薦内容は水増しされているケースが多い
    先ほどから書いているように、人材紹介は成功報酬ですから、採用されなければ、人材紹介のそれまでの活動は全くのタダ働きになります。そうならないように、人材紹介会社は紹介時に添付する推薦文なども多少下駄を履かせたり、企業側が最終的に採用するかどうか迷った時には採用するようにプッシュする場合があります。つまり、人材紹介会社の提案内容やアドバイスを100%信じることは危険ともいえます。
  • 紹介される求人数が少ない
    これは判断の問題ですが、公募求人の場合は質の高い人からそうでない人まで多数の応募があります。それに対して人材紹介は、質の高い人材が通常は1つの人材紹介会社につき1名の紹介です。したがって、多くの候補から適した人材を探したいというスタンスの場合は、紹介制度は適しません。
  • 担当の営業マン、コンサルタントの力量による
    優秀なコンサルタントであれば、企業側の提示した条件の本質的な意味をとらえて本当に役に立つ人材を紹介してくれたり、企業側が気づいていなかった必要人材まで提案してくれます。しかしそうではない営業マンの場合は、まさに御用聞き営業で、企業側の提示した条件の表面だけを充たした人材を紹介してくるので、どうしても人材の質は下がる可能性があるのです。

飲食店向けの人材紹介サービス  

飲食店へ人材を紹介

人材紹介サービスを利用することになった場合は、どのような業種も紹介してくれる総合人材紹介会社と、飲食店の人材に特化している人材紹介会社どちらを選ぶかという問題が出てきます。もちろん成功報酬ですから、それらの両方に声をかけても全く問題はありません。しかし、総合人材紹介会社だけに声をかけるのは避けたほうがよいでしょう。やはり、飲食ビジネスに必要な人材の条件がわかっていて、それに適した人材のストックも多数持ってるのは、飲食業界を専門的に扱っている人材紹介会社といえるからです。

ここではその中から代表的な人材紹介会社をご紹介します。

ワンアンドオンリーキャスティング

グループ会社に飲食チェーンを持つ人材紹介会社で、コンサルタントも飲食業界に精通していることが多いです。ただし紹介してくれる人材は、ホールスタッフ、調理スタッフ、など一般社員が中心で、店長クラス、SVクラスは手薄です。

クックビズ

創業10年の飲食業界専門の人材紹介会社です。ここの営業は、紹介希望会社の現状と人材ニーズを把握するリクルーティングアドバイザーと、自社のデータベース内にある人材に精通したキャリアアドバイザーの2人がセットで行います。ですからマッチングの成功率は高いです。

カシオ ハンジョータウン

電卓で有名なカシオが別事業として展開している飲食店サポートビジネスの一部です。ここは一般スタッフだけではなく、店長、料理長、本部スタッフ、SVクラスまで照会が可能です。さらに採用時の報酬もSVで年収の30%ですから、業界平均から言うと安い方でしょう。

人材紹介サービスを利用するときのポイント

人材を見極める人事担当

メリットとデメリットのところでも書きましたが、人材紹介サービスはよい点だけでなく、注意しないと高額の紹介料をただ取られただけになってしまう危険性もあります。利用する場合には以下の点に注意しましょう。

採用コストの投資効率を十分に考える

現在大手の求人サイトに、特集的に求人広告を載せると100万円近く費用がかかります。それで1人採用できれば1人あたりの採用コストは100万円です。しかし1回出稿しても望む人材が獲得できず、2回目の出稿で採用できた場合、1人あたりの採用コストは結局200万円です。それを人材紹介で確実に1人採用できた場合、年収500万円の30%なら150万円で、これが1人あたりの採用コストになります。

この2つの求人方法のうち投資効率はどちらがよいのか、どちらがリスクが少ないのかという点は、募集職種、企業規模と内容、年収などによって違ってきます。その点をしっかり考えて実施するかどうかを考えましょう。

基幹人材、幹部人材に絞る

人材紹介会社の活用方法は、自社の将来を担う基幹人材、高いポジションの幹部人材に絞ることです。

一般社員であれば、多少給料を高めに設定すれば、1回10万円の求人広告で2~3人の採用も可能です。2人の採用なら1人あたりの採用コストは5万円で済みます。これを人材紹介にしてしまうと、給料20万円の30%を2人分ですから、採用コストは12万円で1人あたりのコストは6万円です。ですから公募でも十分に人が集まりそうなポジションの求人は、そちらを優先したほうがおそらくはコスト効率がよいでしょう。

これに対して基幹人材、幹部人材の場合は、先ほど書いたように公募では全く採用できず、コストばかりが積み重なっていくケースも多く見られます。そのような人材はどちらかと言えば人材紹介に向いています。

欲しい人材のイメージを詳細に伝える

人材紹介会社の営業マンあるいはコンサルタントには、自社の望む人材の条件を詳細に伝えましょう。人材の条件だけではなく、事業戦略や方向性などの背景を踏まえて、必要な人材を伝えることがポイントです。そうしておけば、ミスマッチが起こる可能性を最小限に抑えられます。

人材紹介会社の営業マンが優秀なところを選ぶ

上のことを一生懸命発信しても、受信側の営業マン、コンサルタントの感度が悪ければ、アウトプットはよくなりません。自社の問題点の本質をしっかりとらえることができ、さらには人材戦略の逆提案までできるような、優秀な営業マン、コンサルタントが在籍している人材紹介会社と付き合うことが重要です。もしも現在担当の営業マンがそのレベルに達していないと判断した時には、その上司に担当を替えるように要求してみましょう。

複数の会社と付き合う

人材紹介料は成功報酬です。仮に100社に声をかけても1人の採用なら1人分の紹介料しか発生しません。100社はあくまで例ですが、複数の人材紹介会社に依頼することは必要です。なぜなら、いくら優秀な人材紹介会社でも、人材の確保状況は、転職活動している人がその人材紹介会社に登録しているかどうかによるからです。つまり、1社だけに依頼するよりは、複数社に依頼したほうが、転職市場で活動している優秀人材を確実に獲得できるのです。

まとめ

パズルが合った瞬間

いかがでしょうか?

人材紹介サービスは上手く使えば、会社の将来を担えるような優秀な人材を獲得することも可能です。当たり外れの多い求人広告よりも、見方によっては投資効率もよいでしょう。そのメリットとデメリット、自社のニーズに合っているかどうかをよく考えて取り組みましょう。