飲食店・店舗のコンセプトの考え方。成功するコンセプトの条件とは?

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

たくさんの付箋

「コンセプト」という言葉はいろいろな意味で使われていますが、ここでは「あなたのお店にお客様が訪れる理由」です。コンセプトはお店の魅力そのものであり、事業のの成功に大きな影響を及ぼします。残念ながら、必ず成功するコンセプトの決め方はありません。しかし、なるべく失敗しないように注意することはできます。

飲食店の独立・開業・経営のための13の準備」でも簡単に説明しましたが、この記事ではコンセプトをどうやって決めれば良いのかより深く解説していきます。

コンセプト決めの作業は次のように進みます。

  1. アイディアを見つけて、コンセプトを考える
  2. コンセプトの整合性を確かめる
  3. 満足のゆくコンセプトにたどり着くまで繰り返す

何度も繰り返して最高のコンセプトを作り上げましょう。それでは各ステップについて説明します。

1. アイディアを見つける

あなたの中には、新しく始める自分のお店をどういうお店にしたいかすでにアイディアがあると思います。そのアイディアを元にコンセプトを考えても良いですが、せっかくなので他にも有望なアイディアがないかもう一度確認してみましょう。

アイディアのためのヒントはいろいろなところにあります。

  • あなたが欲しいもの
  • 雑誌やテレビ番組、インターネットなどから得られるトレンドの観察
  • 取引先からの情報
  • 競合店の動向

などで、有望そうなアイディアのヒントがなかったか、考えてみましょう。

アイディアは多ければ多いほど良いと言ってよいでしょう。たくさんの候補から一番有望そうなものを選ぶこともできますし、既にあるアイディアをより発展させるものが見つかるかもしれません。特にコンセプトに悩んでいる段階であれば、やり直しにはなんの苦労もありません。探し続けましょう。

アイディアとコンセプトを区別する

「伝統的な赤酢を使った江戸前寿司を提供しよう」「ハワイに精通したスタッフを集めた店舗を作ろう」こういったアイディアは、コンセプトを決める上で重要な材料となりますが、コンセプト自体とは区別して考える必要があります。

ここでいうアイディアとは「あなたのお店が提供することができる商品・サービス」です。コンセプトは、そこから一歩踏み込んで「お客様が実際にお店に訪れたくなる理由」です。もしかしたら、あなたがすでに考えているアイディアはコンセプトに近いものかもしれませんが、一度アイディアとコンセプトと区別して考えてみましょう。

アイディアはなんですか?コンセプトはなんですか?

2. コンセプトの整合性を確かめる

コンセプトはそれ自体には意味がありません。実際にお店がオープンして、現実のサービス・商品がお客様に届いて、そのとき初めて価値が生まれます。

コンセプトを実現するために考えないといけないことはたくさんありますが、中でも特に重要な項目を5つあげます。それぞれあなたが考えているコンセプトのもとでどうなるのか、考えてみてください。

ターゲット

ターゲットとは「誰を顧客とするか」ということです。「誰からも愛される」というのは一つの理想ですが、現実的には実際にお店を訪れる顧客は限定されるものです。どんな人があなたのお店に訪れるのか、漠然とイメージがあるかもしれませんが、きちんと整理してみましょう。

ターゲット設定は様々な切り口がありますが、まずは次のような項目について考えてみましょう。

  • 年齢、性別
  • 収入
  • 職業
  • 家族構成
  • 来店する時間

高級料亭と定食屋を比べると、主にターゲットの収入が違ってきます。牛丼屋を考えてみても、個人客に集中するのかファミリー層も重視するのかという選択肢があります。あなたのコンセプトに上手くマッチするのはどのようなターゲットでしょうか?

ポジショニング

ポジショニングとは、あなたのお店がお客様にとってどういう位置づけなのかということです。お客様がなんのために来店するのか、利用シーンを考えてみると、わかりやすいかもしれません。

毎日の食事をする日常使いの定食屋なのか、接待に使う非日常の料亭なのか、一体どちらでしょう?デートで訪れるお店でしょうか?友人と楽しく酒を飲むために訪れるお店でしょうか?あなたのお店ではプレゼントを購入しますか?それとも普段使いのものを購入しますか?

位置づけは他のお店と比較することでも明らかになるものです。お客様にとってあなたの店舗は他の店舗とどう違うのか、考えてみましょう。

価格・支払い方法の設定

販売する商品の価格は、商品の原価や人件費・家賃などの影響を受けますが、オーナーであるあなたが設定することができます。とは言っても、買ってくれる人がいないと困ってしまいますので、料理や商品、サービスの品質に見合った価格でなくてはいけません。価格が安ければ安いなりの品質で許されても、価格が高い場合には高い品質が求められます。

支払い方法は、お客様の利便性に影響を与えます。現金だけを受け付けることもできますが、クレジットカードや各種電子マネーなどを利用しての支払いができると、より便利になることがあります。お客様がカードや電子マネーで代金を支払うことが多そうかどうか考えてみましょう。

場所・時間の制約

お客様の立場で考えてみると、基本的にはいつも通勤や通学などで移動する範囲の中から、目的を満たすお店を探すはずです。あなたのお店の前を通る人はどんな人でしょうか?通勤する会社員が多いのであれば、朝食の需要があるかもしれません。

一般的には駅の近くなど、交通量が多いアクセスが良い場所が有利ですが、こういった条件の良い場所にお店を出せるとは限りません。隠れ家的なお店であれば、逆にある程度アクセスが悪い方が感じが出るかもしれません。

プロモーション

良いお店で会ったとしても、その存在を知らない人が訪れることはありません。プロモーションによって、そこにあなたおお店があって訪れるべき理由があることを知ってもらわないといけません。

雑誌などの紙媒体への広告掲載、割引クーポンの配付、インターネット、あるいは看板……プロモーションにはいろいろな方法がありますが、お店のターゲットにどのくらい効果があるかを考えて方法を選びましょう。

3. 満足のゆくコンセプトにたどり着くまで繰り返す

思い描いたコンセプト通りのお店が実現できればすばらしいことですが、常にそう上手くいくとは限りません。「理想的な物件を見つけたがすでに入居するテナントが決まっていた」「目玉となるこだわり食材が予想よりも高コストだった」など、コンセプト通りに進められないことは珍しくありません。もしかしたら、コンセプトよりも先に店舗の場所が決まっているかもしれません。

あんまりころころ変えるのも良くありませんが、現実にコンセプトを合わせる必要があるなら、考え直しましょう。

このときに大切なのは、もう一度最初から考え直すことです。もちろん変える必要のないものはそのままでかまいませんが、変更によって何かのバランスが崩れていないか、ここで説明したことを改めて確認しましょう。もしも出店するエリアを変更することになったのであれば、それだけ決め直して他をそのままにするのではなく、ターゲットからプロモーションまで全部を見直します。もしかしたらアイディアそのものにも変更が必要かもしれません。

最後に

コンセプトとはお店の魅力そのものであり、お客様が訪れる理由です。明快で整合性のとれたコンセプトを作り上げることでお店の魅力はよりはっきりと伝わり、長く愛されることに繋がっていきます。

最高のコンセプトを作りだし、最高のお店を実現しましょう。