飲食店の店舗物件の探し方教えます!居抜き物件とスケルトン物件の特徴と比較

最終更新日: 2018/12/02
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図面を見て話し合う人たち

「居抜き物件」がいいのか「スケルトン物件」が良いのか、店舗を選ぶうえで悩むポイントです。なぜなら、飲食店の開業のために必要な初期投資の中でも大きな割合を占めるのが、キッチンの設備と客席の内装だからです。せっかく新しいお店を始めるのですから、自分が思い描いたものをゼロから作るのが理想かもしれませんが、資金には限りがあります。そこで、初期投資を抑えるための有力な方法として、居抜き物件を活用する方法があるのです。

初期費用を抑えるのであれば居抜き物件が良いとされ、内装やキッチンの配置にこだわりがあるのであればスケルトン物件が良いと言われていますが、実際はどうなのでしょうか。そこで今回は、飲食店の探し方のコツやポイントだけでなく、居抜き物件とスケルトン物件の比較を行っていきます。

居抜き物件とは

居抜き物件とは、前のテナントが使用していた設備(キッチンや冷蔵庫など)や店内の内装が残っている物件のことです。つまり、予め形が完成されています。似たような方向性でお店を開業しようと思っているのであれば、居抜き物件でも問題はないでしょう。

居抜き物件であれば、設備がある程度は整っているので、回送費や設備費用を大幅に削減することができるので、開業時の資金を抑えることができます。また、前のテナントも解体費用や解体期間の賃料を低く抑えられるので、両社にとってメリットがあります。なお、市場に多く出回っているのは居抜き物件のほうです。

このように、資金的なメリットを得られる居抜き物件ですが、少し例外があります。それは、居抜き物件が新しい場合です。物件が新しいということは、当然ながら内装や設備も劣化がありません。

その為、賃貸ではなく「買い取って欲しい」という提案をされることもあります。これを業界では「造作譲渡」と呼んでいます。この場合は、提示された金額で買うかどうかを検討すると同時に、先方との金銭面の交渉が必要となってくるでしょう。

造作譲渡だと、一時的にでる金額は多くなりますが、似たような形態での開業を考えているのであれば、将来的には特になってきます。ただ、この時は「似たような形態かどうか」ということを確認するようにしましょう。

例えば、前テナントが鉄板焼きで今回開業を考えているのがワインバーだった場合、設備が全く異なってしまいます。それなのに、お得だからと言って造作譲渡を選んでも、使える設備が限られており、新規購入のケースが増える為に、出費も大きくなります。また、買い受けた冷蔵庫、製氷機、ガス器具などが正常に稼働するかどうかも事前にチェックするべきです。いざ使おうとしたら動かない!という例もあるからです。

また、居抜き物件自体のデメリットとして「前テナントが閉店した」という事実があります。閉店の理由が前オーナーの家庭の事情などであれば問題ありませんが、立地が飲食店にふさわしくない、人の流れがないといった、営業的に不利なケースもあるので注意が必要です。

居抜き物件は、造作や設備・機器をそのまま使えるという『メリット』が、裏返せば対応力がないことにつながり『デメリット』となります。よく確認して契約しましょう。

スケルトン物件とは

一方、スケルトン物件とは内装設備がなく、自分で設備を調達して内装をデザインする必要があります(似た意味に原状回復状態がありますが、こちらは「借りたときの状態に戻す」ことなので造作がないスケルトンとは厳密には異なります)。

しかし、コストはかかりますが自由度が高く、その店のコンセプトに合わせて店内をデザインできます。アイデアひとつでは他の店にないオンリーワンの強みを開業時から作ることも不可能ではありません。

スケルトン物件にはコスト以外のデメリットもあります。まず店舗の内装がゼロベースなので内装工事に時間が掛かります。賃貸契約をしてから、実際にお店をオープンするまでにタイムラグがあることが課題になります。また、お店を撤退する際に原状復帰が必要な契約になっている場合、それも潜在的なデメリットになります。

居抜き物件がおすすめのケース

飲食店の物件を探すうえで、居抜き別件がおすすめなケースをご紹介します。

初期投資額や予算が少ない場合

飲食店の開店に向けた工事の相場は、業態にもよりますが坪単価40万円前後といわれています。特にキッチン周りは、配管やダクトなど大規模な工事が必要になり、初期費用として重くのしかかってきます。居抜き物件の場合、前テナントの設備が活用できると、初期費用節約の大きなポイントとなります。

オープンまでの期間が短い場合

居抜き、スケルトンに関係なく物件を借りたところから賃料が発生します。つまり、売上がない工事期間中でも賃料がかかります。

物件を決めてから1ヶ月以内には工事を終え、2ヶ月目にはオープンできることを目指しましょう。居抜き物件であれば、キッチンの設備は既に出来上がっているので大規模な工事や備品の搬入も少なく、2週間程度で完成することもあります。2週間で工事が終われば4週目にはオープンすることができるので、素早く売り上げを上げ、さらに初期費用を抑えることができます。

居抜き物件のメリットである前テナントから残っている設備ですが、内見の際には必ず稼働確認をしましょう。「設備が使えることを見込んで物件を選んだものの、劣化が激しくて実は使えない」などとなると、新たな設備のために費用と時間がとられます。店舗のオープン前後に計画にはない費用が発生することは珍しいことではないですが、キッチンの設備などは高額な出費になりますので注意しましょう。

スケルトン物件がおすすめのケース

次に、どのような場合にスケルトン物件がおすすめかを紹介します。

お店の空間・雰囲気を重視したい

スケルトン物件は白紙の上に絵をかくようなものです。したがってオーナーやデザイナーが考えているイメージを、そのまま自由にカタチにすることが可能です。スタイルはさまざまですが、コンセプトがしっかり立っている店舗は魅力的で集客力があります。そのお店で食べるという行為にもっともふさわしい空間と雰囲気を実現できます。

初空間の活用で初期投資を抑えたい

飲食店はキッチンや接客スペースに設備が多いため、アパレルの店舗などと比べると出店にあたっての初期投資が大きいといわれています。そこで料理より空間をメインに集客していくというコンセプトを立てれば、キッチンにかける初期投資を抑えることができます。接客スペースのオリジナリティーを大切にするのであれば、スケルトンの方がイメージに近いものが出来上がります。

居抜き・スケルトンに関わらずチェックしておくべきポイントは?

新築でない限り、自身が出店する前にどんな店舗がそこにテナントとして入っていたのかを確認することは居抜き・スケルトンに関わらず必要です。周辺の住人やその界隈で頻繁に飲食する人は、以前の店舗イメージを持っていることがあります。前テナントと同じ業態で出店する際は、オープン前に『オーナーが違うこと』や『核となるコンセプトが違うこと』などをアピールすることが必要です。オープンまでの宣伝戦略に大きく関係してくるので気を付けましょう。

飲食店の物件と探し方とチェックポイントとは?

居抜き物件とスケルトン物件の特徴が分かれば、あとは自身の開業コンセプトと照らし合わせて、物件を探すだけです。しかし、両方ともメリット・デメリットがあるので、そう簡単には選べないのが本音でしょう。

探し方のコツやポイントを紹介していきます。

【探し方のポイント】

低コストで開業したい場合は居抜き物件がオススメ!

居抜き物件の魅力は初期投資が少額で済むことです。飲食店を開業して、経営が軌道にのれば良いですが、その保証はどこにもありません。だからこそ、誰もが少ない資金で開業したいと思うのですが、そんな時は初期投資を大きくカットできる居抜き物件をメインに探していきましょう。

スピード重視!早く開業したいなら居抜き物件がオススメ!

スケルトン物件は、賃貸契約をしてから内装工事に入るので、オープンまでに時間がかかってしまいます。しかし、最初からある程度の設備が整っている居抜き物件であれば、賃貸契約から早ければ2週間程度でお店を開業することも可能となっています。

こだわりを反映したお店を作りたいならスケルトン物件一択!

スケルトン物件は、真っ白が画用紙の上に絵を描くようなものです。つまり、オーナーの意図を全て反映できるのが特徴となっており、これは居抜き物件にはないメリットとなっています。

開業にあたって、自身の意向を全て反映させたいのであれば、少々時間とコストがかかってもスケルトン物件で探していくようにしましょう。

【契約前のチェックポイント】

前テナントの閉店理由は?

前テナントが経営不振を理由に閉店をしたのであれば、そこの立地が飲食に向いていない可能性もあります。もしくは、近くに大手ライバル店があるかもしれません。その辺りの細かいデータをチェックするようにしましょう。

ビルや建物の築年数は?

もし仮に、激安で借りれる物件があったとしても、築年数が古くては商売になりません。飲食店の場合、清潔感が大切となり建物が古いと客足に関係してしまいます。必ず建物の築年数はチェックして下さい。

知っておきたい!居抜き物件とスケルトン物件のメリット・デメリット

さて、ここまで物件選びのポイントを紹介してきたので、どのような方法で選んでいけば良いかはある程度わかっていただけたでしょう。そこで最後に、復習の意味合いも込めて、居抜き物件とスケルトン物件のメリット・デメリットをまとめていきます。

居抜き物件のメリット

初期コストを抑えられる

居抜き物件は、最初からある程度の設備が整っている上に、内装もできあがっています。その為、開業までにかかる費用をかなり抑えることができます。ただ、内装が好みではなかったり、別のデザインを希望する場合は内装費がかかることはお忘れなく!

オープンまでの時間が短い

居抜き物件であれば、賃貸契約をしてから、2週間もあればお店をオープンすることができます。仮に、内装に時間がかかり、遅くなったとしても3週間もあれば十分でしょう。

造作譲渡を使って更にお得に!

この記事でもお話した、造作譲渡で開業する場合は、ほぼ新品の設備と新しいデザインという好条件でお店を開くこともできます。ただ、造作譲渡だと一時的にでるお金は増えてしまうので、その点だけは覚えておきましょう。

居抜き物件のデメリット

自由度が0に等しい

居抜き物件は、予め用意されている環境での開業となるので、自身の意図を反映させることができなくなってしまいます。

形態が違うとメリットが潰れる

今回、オープンするお店が前テナントと同じ形態であれば、居抜きによって設備費用を抑えることができますが、異なる形態だと使えずに、居抜きなのに、ほとんど新調しなければならないケースもあります。

スケルトン物件のメリット

選択の幅が広くオリジナルの店を作れる

スケルトン物件は、0の状態からお店を作っていくので、例えばキッチンの場所やカウンターテーブルの位置など、事細かに内部をデザインすることが可能です。さらには、お店の入り口だったり壁のデザインも自身の好きなものにすることが出来ます。

アイデザ一つでオンリーワンの店舗ができる!

スケルトン物件は自由度が高いので、何をしてもOKです。仮に飲食店の競合が激しい立地であっても、他店舗にはない素敵な内装にして強みを出すことも不可能ではありません。アイデアを出すのは決して簡単ではありませんが、ここさえクリアできれば、オープンでスタートダッシュを決めることもできるでしょう。

スケルトン物件のデメリット

初期費用がかかる

スケルトン物件は、居抜き物件のように設備がありませんので、全て自分で用意する必要があります。おまけに内装も全てしなければなりませんから、本当にお金がかかる為に、資金に余裕のない方にはお勧めできません。

開業までに時間がかかる

スケルトン物件だと、0から作り上げていくので、賃貸契約をしてから開業までに1ヶ月以上の時間を要することがほとんどです。こだわりが強ければ強い程に、この期間は長くなるので、大体2ヶ月は考えておきましょう。

以上が、飲食店の店舗物件の探し方と居抜き物件、スケルトン物件の比較となっています。どちらも魅力的ですがデメリットもあります。まずは、あなたがどういったコンセプトのお店を持ちたいと考えているのかを最初に明確にして、そこを基準に考えていくと良いでしょう。

コンセプトを理解してそれに合った店づくりを

資金の話を多く出してきましたが、そこに目を向けすぎてコンセプトがブレてしまうことがオープン後の失敗につながります。居抜き・スケルトンそれぞれメリットとデメリットがありますが、まずは先入観なくコンセプトをしっかり固めましょう。詳しくは「飲食店・店舗のコンセプトの考え方。成功するコンセプトの条件」で解説していますので、ご覧ください。自身のお店を持つという熱い想いと、「どのようなお店にして、来店してくださるお客様に満足していただくのか」という戦略を、オーナーとしてしっかり持ちましょう。

また、物件選びと同様に大事なのが立地です。接客関係の事業を始める場合、物件やメニューだけではなく、その場所へ訪れる人の属性や店へのアクセス方法なども考える必要があります。

飲食店の立地条件の調査方法 駅前・郊外・人口……押さえるべきポイントは?」では店舗物件選びと並んで重要な、立地条件の調査に焦点を当て説明しています。ぜひこちらも参考にしてください。