居抜き物件とスケルトン物件で得なのはどっち?飲食店物件の探し方!

最終更新日: 2016/08/23
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図面を見て話し合う人たち

「居抜き物件」がいいのか「スケルトン物件」が良いのか、店舗を選ぶうえで悩むポイントです。なぜなら、飲食店の開業のために必要な初期投資の中でも大きな割合を占めるのが、キッチンの設備と客席の内装だからです。せっかく新しいお店を始めるのですから、自分が思い描いたものをゼロから作るのが理想かもしれませんが、資金には限りがあります。そこで、初期投資を抑えるための有力な方法として、居抜き物件を活用する方法があるのです。

初期費用を抑えるのであれば居抜き物件が良いとされ、内装やキッチンの配置にこだわりがあるのであればスケルトン物件が良いと言われていますが、実際はどうなのでしょうか。確認しておくべきポイントをこれからご紹介します。

居抜き物件とは

居抜き物件とは、前テナントが使用していたキッチンや冷蔵庫などの什器、店内の内装が残っている物件のことです。もし似たコンセプトの飲食業をやろうと考えているのであれば、改装費や設備費など金銭面では大幅な節約になります。前テナントも解体費用や解体期間の賃料を低く抑えられるので、両社にとってメリットがあります。また、市場に多く出回っているのは居抜き物件のほうです。

なお、居抜き物件が比較的新しい場合は前テナントから内装や設備といった造作を買い取ってほしいと提案されることもあります。これを「造作譲渡」と呼びます。その場合、提示される希望譲渡金額についても契約時に交渉が必要となります。造作譲渡の費用は新品を購入するよりは安くなりますが、それなりのリスクもあります。飲食店は形態が違えば必要となる設備・機器も変わってきます。同じ飲食業とはいっても、お好み焼き屋のあとにワインバーを開店するような場合、造作譲渡が有利になるかどうか疑問です。こうした根本的なところを間違えてしまうと、むしろデメリットになります。また、買い受けた冷蔵庫、製氷機、ガス器具などが正常に稼働するかどうかも事前にチェックするべきです。いざ使おうとしたら動かない!という例もあるからです。

また、居抜き物件自体のデメリットとして「前テナントが閉店した」という事実があります。閉店の理由が前オーナーの家庭の事情などであれば問題ありませんが、立地が飲食店にふさわしくない、人の流れがないといった、営業的に不利なケースもあるので注意が必要です。

居抜き物件は、造作や設備・機器をそのまま使えるという『メリット』が、裏返せば対応力がないことにつながり『デメリット』となります。よく確認して契約しましょう。

スケルトン物件とは

一方、スケルトン物件とは内装設備がなく、自分で設備を調達して内装をデザインする必要があります(似た意味に原状回復状態がありますが、こちらは「借りたときの状態に戻す」ことなので造作がないスケルトンとは厳密には異なります)。スケルトンは、コストはかかりますが自由度が大きく、その店のコンセプトに合わせて店内をデザインできます。自分のお店としてオリジナリティーを出せることが最大のメリットです。

スケルトン物件にはコスト以外のデメリットもあります。まず店舗の内装がゼロベースなので内装工事に時間が掛かります。賃貸契約をしてから、実際にお店をオープンするまでにタイムラグがあることが課題になります。また、お店を撤退する際に原状復帰が必要な契約になっている場合、それも潜在的なデメリットになります。

居抜き物件がおすすめのケース

飲食店の物件を探すうえで、居抜き別件がおすすめなケースをご紹介します。

初期投資額や予算が少ない場合

飲食店の開店に向けた工事の相場は、業態にもよりますが坪単価40万円前後といわれています。特にキッチン周りは、配管やダクトなど大規模な工事が必要になり、初期費用として重くのしかかってきます。居抜き物件の場合、前テナントの設備が活用できると、初期費用節約の大きなポイントとなります。

オープンまでの期間が短い場合

居抜き、スケルトンに関係なく物件を借りたところから賃料が発生します。つまり、売上がない工事期間中でも賃料がかかります。

物件を決めてから1ヶ月以内には工事を終え、2ヶ月目にはオープンできることを目指しましょう。居抜き物件であれば、キッチンの設備は既に出来上がっているので大規模な工事や備品の搬入も少なく、2週間程度で完成することもあります。2週間で工事が終われば4週目にはオープンすることができるので、素早く売り上げを上げ、さらに初期費用を抑えることができます。

居抜き物件のメリットである前テナントから残っている設備ですが、内見の際には必ず稼働確認をしましょう。「設備が使えることを見込んで物件を選んだものの、劣化が激しくて実は使えない」などとなると、新たな設備のために費用と時間がとられます。店舗のオープン前後に計画にはない費用が発生することは珍しいことではないですが、キッチンの設備などは高額な出費になりますので注意しましょう。

スケルトン物件がおすすめのケース

次に、どのような場合にスケルトン物件がおすすめかを紹介します。

お店の空間・雰囲気を重視したい

スケルトン物件は白紙の上に絵をかくようなものです。したがってオーナーやデザイナーが考えているイメージを、そのまま自由にカタチにすることが可能です。スタイルはさまざまですが、コンセプトがしっかり立っている店舗は魅力的で集客力があります。そのお店で食べるという行為にもっともふさわしい空間と雰囲気を実現できます。

初空間の活用で初期投資を抑えたい

飲食店はキッチンや接客スペースに設備が多いため、アパレルの店舗などと比べると出店にあたっての初期投資が大きいといわれています。そこで料理より空間をメインに集客していくというコンセプトを立てれば、キッチンにかける初期投資を抑えることができます。接客スペースのオリジナリティーを大切にするのであれば、スケルトンの方がイメージに近いものが出来上がります。

居抜き・スケルトンに関わらずチェックしておくべきポイントは?

新築でない限り、自身が出店する前にどんな店舗がそこにテナントとして入っていたのかを確認することは居抜き・スケルトンに関わらず必要です。周辺の住人やその界隈で頻繁に飲食する人は、以前の店舗イメージを持っていることがあります。前テナントと同じ業態で出店する際は、オープン前に『オーナーが違うこと』や『核となるコンセプトが違うこと』などをアピールすることが必要です。オープンまでの宣伝戦略に大きく関係してくるので気を付けましょう。

コンセプトを理解してそれに合った店づくりを

資金の話を多く出してきましたが、そこに目を向けすぎてコンセプトがブレてしまうことがオープン後の失敗につながります。居抜き・スケルトンそれぞれメリットとデメリットがありますが、まずは先入観なくコンセプトをしっかり固めましょう。詳しくは「飲食店・店舗のコンセプトの考え方。成功するコンセプトの条件」で解説していますので、ご覧ください。自身のお店を持つという熱い想いと、「どのようなお店にして、来店してくださるお客様に満足していただくのか」という戦略を、オーナーとしてしっかり持ちましょう。

また、物件選びと同様に大事なのが立地です。接客関係の事業を始める場合、物件やメニューだけではなく、その場所へ訪れる人の属性や店へのアクセス方法なども考える必要があります。

飲食店の立地条件の調査方法 駅前・郊外・人口……押さえるべきポイントは?」では店舗物件選びと並んで重要な、立地条件の調査に焦点を当て説明しています。ぜひこちらも参考にしてください。