豊洲と築地、移転後はどっちで仕入れる?

開業・経営

築地にあった市場が豊洲に移転したのは記憶に新しいと思います。ただ、意外と多くの方は全ての市場が移転したと思い込んでいるのですが、移転したのは場内市場だけで、場外市場に関しては、今なお、築地に存在しています。

つまり、市場が築地と豊洲と2ヶ所に存在しているわけで「どっちで仕入れを行えば良いのか」という問題があります。果たして、どちらで仕入れを行うのが正解なのでしょうか。また、築地と豊洲の違いはどこにあるのでしょうか。

この記事では、それぞれの市場の特徴などについて紹介していきます。

築地場外市場とは?

冒頭でも触れた通り、移転したのは、場内と呼ばれる都が開設していた中央卸市場であり、場外に関しては、築地に残っています。場外では、精肉や加工食品が販売されているために、これからも、一部の食材に関しては築地で購入することになるでしょう。

また、移転前から築地市場は観光スポットとして人気がありました。途中で業者を仲介しない為に安く買い物ができるということ、さらには取り扱っている商品が多いこと、そして、新鮮な食材が手に入るので、年間を通じて多くの観光客が足を運んでおり、お馴染みの「観光スポット」となっていました。

築地市場では400店舗以上が存在しているので、確かに、観光スポットとして話題になるのも納得です。大きなデパートなどでもこれだけの数のお店の入っているところは珍しいでしょう。

しかし、もともと築地市場は観光スポットではなく「市場」という場所であり、観光客が多く訪れるようになってからも、その特徴は残っていました。

場外市場での仕入れはどう変わるのか?

場内市場が豊洲に移転したことで、東京都には2つの市場が存在することになったのですが、この変化によって仕入れはどのように変わっていくのでしょうか。今まで、場内も場外も同じ築地にあったので、仕入れ側はとても便利でした。

しかし、場内が豊洲に移転したので、水産物や青果に関してはわざわざ豊洲に足を運ぶ必要がでてきました。距離が近ければ不便ではありませんが、築地と豊洲は離れているので、かなり不便になったと言えるでしょう。

そうは言っても、その問題への解決策は既に用意されています。

今回、豊洲に場内市場が移転しましたが、築地には新しく「築地魚河岸」が設置されました。

築地魚河岸は、小田原橋棟、海幸橋棟の2棟で構成され、約60店舗で成り立っている生鮮市場となっています。最初は、一般の買い物客向けにオープンされていたのですが、場内が豊洲に移転してからは、徐々に業務用の仕入れを行えるように体制を整える店舗を増えてきており、これによって、築地では今まで通り、水産物、青果、精肉など全ての食材を仕入れることができるようになっています。

しかし、ここで気になるのが、仕入れ価格です。いくら、築地の食材を仕入れられるとは言え、豊洲に比べると金額が高くなるのではと不安に感じた方も多いでしょう。しかし、母体は仲卸になっているために、価格に違いはありません。

当然、扱っているモノが一緒ですから、品質にも差がなく、今まで通りに仕入れを行うことができます。ただし、取り扱っている種類に関しては、豊洲に劣ってしまうので、珍しい食材を仕入れたい時は、やはり豊洲に足を運ぶ方が賢明といえるでしょう。

このように、築地魚河岸が作られたことで、場内が豊洲に移転した後も、今までとあまり変わらない環境で仕入れができるようになっているので、特に問題はないように思えるのですが…

ここで一つ、重要な問題がでています。それは、駐車場についてです。市場の移転に伴って市場内にある駐車場が使えなくなり、現在はこの対応が協議されています。「今まで通り、車で仕入れにきていた方が、同じように車で来れること」を前提として協議されているので、この問題は時間が解決してくるでしょう。

結論からいうと、場内が豊洲に移転したからといって、特に目立った変化はないように思えます。実際、現在の築地でも一般的な飲食店であれば、店舗に必要な食材は全て揃えられるだけの種類が取り扱われています。

しかし、品揃えに関しては豊洲のほうが豊富です。今後は、仕入れの目的によって豊洲と築地にどちらに足を運ぶのか、利用の仕方が変わってくると思います。

豊洲市場の安全への取り組み

豊洲への移転は色々な問題があり、移転時期が大きくズレてしまいました。これによって「豊洲の安全性は問題ないのか?」と安全面に対する不安の声が多かったですが、これに関してはしっかり取り組みが行われているので問題はないでしょう。

むしろ、築地の頃よりも安全面は強化されているように思えます。

築地に場内と場外市場があった頃ですが、設計自体が屋根と柱を中心としていたために、内と外の区別がつきづらくなっていました。

実際、内も外も同じような空間でしたから、人によっては「衛生的に大丈夫なのか?」と不安を感じていたことでしょう。しかし、豊洲市場は壁でしっかりと内と外の区切りをつけた閉鎖型の空間となっています。

これによって、品質・衛生管理は格段に上昇しました。また、雨や風、さらには鳥や小動物の侵入も防げるようになっているので、安心して買い物することができます。

また、それだけでなく、専用の搬出入口から搬出入を行うために、外からのほこりや排気ガスの流入も最小限に抑えられる構造となっています。室内も温度管理が徹底されているために、食品が傷みにくい環境ができあがっています。

このように、豊洲市場は建物の構造を工夫することで、国内でもトップクラスの安全性の確保、品質管理を行える市場となっています。しかし、移転問題について詳しい人は「あの問題は解決されたのか?」と思われるでしょう。

豊洲への移転が遅れた理由の一つに、飲み水から基準値の130倍にもなるベンゼンが検出された問題があります。つまり、安全な水を確保できなかったということです。

この問題が発覚した後、設備を作り、排水用ポンプや換気設備を建物の地下に設置するといった対策が施され、環境基準値を超えるベンゼンなどは検出されなくなり、無事飲み水問題は解決されたのです。

しかし、仕入れ業者からは不満の声があがっているのも事実です。それはターレの走行ルートへの意見です。実際のところ、築地の頃よりも敷地面積は広くなっており、ミラーなどが要所に設置されているので、走りやすくなっているはずなのですが、今まで慣れ親しんできた築地と違うせいか、安全に走行できるのかといった不安が残っている状況です。

事実、豊洲市場がオープンしてから、ターレによる事故が数件発生しており、業者の不安は的中した形となっています。せっかく素晴らしい設備でオープンした以上、今後は食の安全だけでなく、豊洲市場で働く人や活動する人の安全を考えた環境を作り上げて欲しいと思います。

まとめ

以上が、豊洲と築地の比較となります。

場内市場が豊洲に移転して、今までに比べると100%の満足を得られなくなったかとは思いますが、未だに築地では水産物などの買い物をすることができるので、特に大きなデメリットはないでしょう。

仕入れをどちらで行うかについて悩む方もいると思いますが、この記事でも述べたように、交通アクセスの良い方をメインとして、あとはその時に仕入れる食材によって使い分けていけば、今まで通りの仕入れが可能になるのではないでしょうか。

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