食べ残しはどこへ行くか知っている?食品リサイクルの現状

飲食店

飲食店における問題のひとつに食品ロスがあります。この問題とどう向き合っていくかによって、店舗の利益率は大きく変わってくることでしょう。飲食業界を問わず「利益率」は重要な問題です。

売上はあるのに、手元に残らない企業はとても多いのはご存じのはず。しかし、多くの企業がその解決策に悩んでいる現実があります。ただ、飲食業界の場合、その解決策の一つとして「食品ロス」をいかになくしていくかと明確になっているので着手しやすいと言えるのではないでしょうか。

この記事では、食品廃棄物についてお話をしていきます。

食品ロスを含む食品廃棄物とは

食品ロスとは、食べられる状態にあるにも関わらず廃棄される食品のことを意味しています。売れ残りや期限切れで廃棄されるという形です。「食べられる状態なのに、なぜ廃棄を?」と思われるかもしれませんので、飲食店を例に説明します。

例えば、腐ってもいないキャベツがあったとしましょう。

ただ、仕入れから日数が経っており、食べても問題はないけれども、傷みは明確なので、これをお客様に提供するのはできないということは多々あると思います。

その時、このキャベツはどうなるのか。

当然、お客様に提供はできませんし、スタッフのまかないに充てることもできないですよね。結果廃棄の一択となってしまいます。

また、食品ロスを含めた食品廃棄物は店舗のみで起こるものではなく、流通の際の売れ残りも含まれてしまいます。食品廃棄物の場合、調理後の屑や食べ残しも含まれるので、これらを合わせると日本では年間に約1900万トン排出されると言われています。

食品リサイクル法について

年間に約1900万トン。

普段見ることのない単位ですから、想像がつかないでしょう。ただ「想像もつかないくらいに膨大な量」というのはイメージできると思います。正直、勿体ない話ですし、地球環境にも優しくありません。

そこで国が準備したのが食品リサイクル法となっています。

食品リサイクル法は農林水産省によって以下のように定められています。

【趣旨】

食品の売れ残りや食べ残しにより、又は食品の製造過程において大量に発生している食品廃棄物について、発生抑制と減量化により最終的に処分される量を減少させるとともに、飼料や肥料等の原材料として再生利用するため、食品関連事業者(製造、流通、外食等)による食品循環資源の再生利用等を促進する。

リサイクルは再利用という意味合いを持っていますが、食品リサイクル法では、発生抑制も項目に入っています。つまり、仕入れる側が過剰な量を仕入れないようにという意味合いと言えるでしょう。

また、食品リサイクル方は、食品関連事業者に原則として定められており、報告の義務もあります。では、何をどのように報告しなければならないのでしょうか。ここには一定のルールがあります。

まず、報告すべき項目は食品廃棄物の発生量や再生利用への取り組みとなっています。これは、毎年度ごととなっているのですが、「店舗でのムダをなくすため」ということが主な目的となっています。

再生利用などが基準に満たしていない店舗は国側から指導を受けることがあります。指導だけで済めば良いですが、あまりにもその量が基準を上回るような時は、勧告をうけることもあります。

食品廃棄物のリサイクルの課題と対応方法

無駄な食品ロスをなくしていくのは、飲食業界にとって大きなテーマというのは冒頭でもお話した通りです。「食材を無駄にしてはならない」というのは、当然誰もが思っていることでしょう。

そして、それを意識して仕入れなども行っているに違いありません。しかし、どうして年間で膨大な食品廃棄物が出てしまうのでしょうか。ここには、飲食店の抱える大きな課題が関係しています。

「消費量が一定ではない」という課題

仮に、以下2つのラーメン店があったとします。

A 1日20食しか提供しないラーメン店
B 1日の提供数を決めていないラーメン店

さて、どちらの店舗の方が、食品廃棄物が多く出るでしょうか。当然、Bとなります。Aの場合であれば、1日に20食しか提供しないスタイルとなっているので、仕入れは20食分となります。

しかし、Bのラーメン店になってくると、1日にどれくらいのお客様がくるのか分からないので、普段の客足から予測を立てて仕入れる必要があります。

また、Aであれば20食以上は絶対に提供しないので「余裕を持たせた仕入れ」は必要ありません。しかしながら、Bにおいては「どれだけ来るか分からない」という状態ですので、普段の予測より若干多めに仕入れる必要があります。

多めに仕入れをして、その期待通りにお客様が来てくれれば、食品を廃棄する必要はありませんが、予想していたよりもお客様の数が少なければ、それだけ多くの廃棄物が出てしまいます。

こういった事態をなくすためには、何をしたらいいのでしょうか。単純な話、仕入れの量を少なくすれば良いだけなのですが、ここに大きな問題が生じます。

お客様の数が多かった日はどうなるでしょうか。せっかく来てくれたお客様に対して料理を提供することができないだけでなく、お店でも売上を逃すことになります。だから、飲食業界では若干多めに仕入れるのが基本となっているのです。

しかし、こんなことを言っていては、いつまで経っても食品廃棄物の量は少なくなりません。そこで、今すぐできる取り組みとして以下の方法が考えられます。

システムを使って仕入れを安定化

今の時代、システムを使うことによって、仕入れを機械に任せることができるようになりました。これによって、発注ミスを防ぐと同時に、仕入れ量を安定させて、店舗にとって一番理想の数字を導き出しやすくなります。

食材の使い方を工夫

食品廃棄物を減らすために、レシピの工夫もひとつの手段です。例えばキャベツを使うにしても、このキャベツを使ったメニューが2種類より3種類あることで、廃棄物の量を減らすことができます。

また、廃棄物をなくすために「食材を使い切る」という意識でメニューを作るのも良いでしょう。そうすれば、廃棄物の量は減りますし、店舗にとっても、少ない仕入れで多くの料理を提供できる為に、利益率も伸びます。無駄な仕入れもなくなってくることでしょう。

肥料として再利用

食材によっては難しいですが、一部の食材は肥料として使うこともできます。飲食店ではなかなか難しいかもしれませんが、例えば、自家農園を行ってその肥料に廃棄物を使うなどすれば、廃棄される量を減らすことも難しくありません。

まとめ

以上が、食品ロス、食材廃棄物の現状とこれらを減らすための対応方法です。ゴミ問題は地球が抱える大きなテーマのひとつとなっています。ゴミをなくし、食品の無駄を省くことは、店舗の売上だけでなく、私たちが住む地球にも関わってくることですので、上手に廃棄物を減らす取り組みを行って頂ければと思います。

また、食品ロスを減らす取り組みを積極的に行っていることを店舗で発信していけば「地球にやさしいお店」としてお客様に認識してもらうこともできるので、ここを上手く行えば、店舗のブランディングも行うことができるでしょう。

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