モバイルオーダーとは?飲食店向けのシステムのメリットや注意点

最終更新日: 2024/02/01
飲食店

飲食業界で導入が進む「モバイルオーダー」は、お客様のスマホからメニューの注文・決済が行えるシステムです。新型コロナの影響で非接触型の接客が必要になったこともあり、その利便性が注目されるようになりました。現在では飲食店の売上アップや業務効率化を図る上で、欠かせない手段となっています。

本記事では、飲食店向けのモバイルオーダーの種類、導入メリット、注意点などを解説します。また、モバイルオーダーシステムを選ぶ際の基準もご紹介するので、導入を検討している方はぜひご確認ください。

モバイルオーダーの種類

モバイルオーダーには、大きく店外型と店内型の2つのタイプがあります。それぞれの概要を確認していきましょう。

店外モバイルオーダーとは

店外モバイルオーダーはお店の外でスマートフォンから注文するサービスのことを言います。基本的な流れは、自宅や外出先からスマートフォンを使って対象の店を選び注文、決済までを終わらせていきます。

あとは、お店に足を運んで注文していた商品を受け取るだけです。事前に自分の好きなタイミングで注文することができるために、お店に到着してから待つことはほとんどありません。

2018年の8月に大手企業のマクドナルドでモバイルオーダーが開始しており、大きな話題を呼んだのでご存じの方も多いのではないでしょうか。

店内モバイルオーダーとは

店内モバイルオーダーはお店の中でスマホを操作して注文するというスタイルです。

通常、お店で食事をする時は、メニューをみて、店員を呼んでオーダーして、会計はレジでという流れですが、店内モバイルオーダーの場合だと、案内された席にてスマホの専用ページから商品を注文して、決済まで終えることができます。

店外、店内に言えることですが、モバイルオーダーを使えばお客様は混雑時でもレジに並ぶ必要もなければ、長時間商品の提供を待つことも少なくなります。店側もレジの業務が少なくなるので、店員の負担を軽くすることができるでしょう。

このように、飲食店側とお客様、どちらにもメリットがあるので今後普及していくこと間違いなしと言われています。

なお、店外型・店内型以外には「多用途型」と呼ばれるタイプもあります。カスタマイズ性に優れる多用途型は、飲食店以外にも幅広い分野や業態に対応できるのが特徴です。具体的な利用シーンとしては、以下が挙げられます。

  • イベント会場での物販
  • キッチンカー、フードトラック
  • お取り寄せ通販
  • 旅館、宿泊施設
  • リテール業

多用途型を導入すれば、事前注文やテイクアウトといった通常のモバイルオーダーの機能に加え、より自社のニーズにマッチした使い方ができます。例えば、イベント開催におけるチケットの転売を防止したい場合に、チケット購入をモバイルオーダー上で行うことで、一人当たりの購入数を制限することができます。

大手飲食チェーン店の導入事例

大手の飲食チェーンでも続々と導入されています。

マクドナルド:マクドナルドモバイルオーダー

スターバックス:Mobile Order & Pay

吉野家:お弁当のテイクアウト予約

モスバーガー:モスのネット注文

飲食店にモバイルオーダーを導入するメリット

飲食店にモバイルオーダーを導入することで、さまざまメリットが期待できます。以下では「店外型・店内型で共通するメリット」、「店外型のメリット」、「店内型のメリット」の3つを順番にご紹介します。

店外、店内両方のモバイルオーダーで共通するメリット

【店舗側のメリット】

レジ業務の負担を削減できる

店外、店内、どちらのモバイルオーダーにも共通するメリットですが、モバイルオーダーを導入することで、店舗側の最大のメリットはレジ打ちが楽になることです。注文から決済まで全てお客様自身でやってもらえるので、レジ業務の負担が減ります。その分、人件費削減にもつながります。

売上がアップする

店外、店内、どちらのモバイルオーダーにも共通するメリットの2つ目です。モバイルオーダーを使いアプリを使ってクーポンを発行することもできますし、新商品の案内をすることができることです。さらにチラシを配布する必要もないので、SNSを使わなくても宣伝効果は高いです。また、使い勝手が良いので売上アップはもちろん、「また、ここで注文しよう!」とリピーターもゲットできます。

【お客様側のメリット】

お金を持ち歩かなくて良い

店外、店内、どちらのモバイルオーダーにも共通するメリットですが、モバイルオーダーはアプリを使って注文し、決済まで完了させることができます。それによりお店に現金やカードを持って行かなくても食事ができるようになり、会計の手間がなくなります。スマートフォンさえ持っていれば、いつでも買い物ができるのでとても便利と言えるでしょう。感染症の予防対策としても現金を使わずキャッシュレスを希望する人が増えているため、そういった方には非常に喜ばれるサービスです。しかし、スマートフォンをどこかに忘れてしまったり落としてしまった時は何もできなくなるので、注意が必要です。

店外モバイルオーダーのメリット

【お客様側のメリット】

お店で並ぶ必要がない

店外モバイルオーダーはアプリからの注文・事前決済が可能なので、お店に着いたらすぐに商品を受け取ることができ、店内で食べる場合は待たずに席を案内してもらえます。商品を注文するためにいちいちレジに並ばずに済みますし、席を探す必要もありません。待ち時間が減るのでお客様のストレスが減ることも間違いないでしょう。

メニューを好きな場所でゆっくりと見て選ぶことができる

例えば食事をする前日にゆっくりメニューを見ながら、何を食べたいか検討して注文し、次の日のランチタイムにチェックインして食べることが可能となります。特にランチタイムは仕事をしていると時間が限られています。そのような方にも店外モバイルオーダーは便利ですし、今まではご飯を食べるだけで終わっていた休み時間をより有意義に過ごすことができるでしょう。

店内モバイルオーダーのメリット

【店舗側のメリット】

人手不足の解消

週末やランチタイムなど、混雑時にテーブルへオーダーを取りに行くには人手が足らないことがありますよね。オーダーを待っているお客様を待たせるわけにもいかず、出てきた料理を急いで配膳しなければならないなど、従業員が混乱してしまうこともあるでしょう。そんなときに店内モバイルオーダーがあれば、お客様のタイミングでスムーズに注文を受けることができるので、お客様に待ち時間を与えないのと同時に、従業員の混乱を防ぐこともできます。お客様としても自分のペースで気軽に注文できるので、客単価アップにもつながります。

低コストで導入可能

お客様の端末(スマートフォン)で注文するため、従来のセルフオーダーシステムのような卓上の端末をテーブルごとに置く必要がなく、低コストで導入が可能です。機器のメンテナンスコストや修理・買い替えコストも削減できるため経費削減にも繋がります。

【お客様側のメリット】

注文をするタイミングが自由

お店でメニューを見て商品を選ぶ時、ゆっくりとメニューを選んだり、一緒に食事をする人と相談したいですよね。また、混雑時に店員さんがなかなかオーダーを取りに来ないこともあります。店内モバイルオーダーは、自分の好きなタイミングで気軽に注文をすることができるため、店員さんのタイミングに合わせなくて済みます。

衛生的

自身の端末(スマートフォン)からオーダーできるため、「誰が触ったかわからないものを使うのはちょっと抵抗がある…」という方も安心して利用することができます。

飲食店でモバイルオーダーを導入する際の注意点

モバイルオーダーにはデメリットも存在します。飲食店に導入する際は、以下の5点に留意してください。

運用コストが必要になる

モバイルオーダーシステムを導入する際は、主に2種類のコストがかかります。

1つ目はシステム導入の初期費用です。無線ルーター、プリンターなどの機器の導入費用に加え、既存システムとの連携にもコストがかかります。10〜20万円が相場と言われますが、機能性やサポート内容を追求すると100万円を超えることもあります。

2つ目は毎月のシステム利用料です。相場は1〜3万円程度ですが継続的に必要な支出なので、サービス内容に無駄がないか十分に検討してください。

スタッフへの研修が必要になる

モバイルオーダーシステムの導入により、注文受付やサービス提供のプロセスが従来の手順から大きく変わる可能性があります。そのため、スタッフはシステムの使い方を十分に理解し、効果的に運用しなければなりません。実際に導入する前に、スタッフへの研修を十分に行いましょう。

お客様との接触機会が減りやすい

モバイルオーダーシステムでは、お客様がご自身のスマホから注文を行うため、お客様とのコミュニケーションのタイミングが減る可能性があります。一部のお客様は従来の対話的な接客を好む場合があるので、店舗の接客スタイルに合わせて導入するシステムを検討すると良いでしょう。

利用できるお客様が限られる場合がある

モバイルオーダーシステムを導入する際には、お客様のニーズや店舗の顧客層を考慮する必要があります。キャッシュレス決済が一般的になってきたとはいえ、スマートフォン・タブレットの操作が苦手な方や、現金払いを好むお客様はいるからです。お客様に使いづらさを感じさせてしまうと、モバイルオーダーシステムの導入効果は薄れてしまうでしょう。

これらの利用者に対応するためには、現金での支払いを可能にし、注文方法を分かりやすく案内するポップなども用意する必要があります。

モバイルオーダーシステムを比較する際のポイント

モバイルオーダーシステムを選ぶ際は、以下の9項目を比較することをおすすめします。既存システムとの相性なども考慮し、自店舗のニーズに合った製品を選びましょう。

価格

モバイルオーダーシステムを導入する際は、費用対効果を検討することが重要です。提供される機能やサービスに対して、初期費用と運用コストが妥当かどうかを判断しましょう。運用した場合のコストと運用しない場合の人件費も比較することをおすすめします。

通常、システムの機能やサポートが充実するほど費用もかさんでくるため、必要以上に高額なシステムを選ばないことが大切です。

システムの操作性

一般的に、モバイルオーダーはお客様にも店舗にもメリットのあるシステムだと言われています。しかし、メニューブックや決済画面が見づらいものならば、期待したような導入効果は出ないでしょう。売上アップを実現するためには、画面の見やすさは欠かせません。

また、利用するお客様にとって優れた操作性になっているかも重要です。例えば、お客様がシステムを利用するのに会員登録が必須である場合、注文するまでに手間がかかってしまいます。操作性が損なわれないようにするためには、会員登録なしでも利用可能にするなどの工夫が必要となります。

その他、店舗スタッフにとっての操作性も大切です。無料のオンラインデモを提供している企業もあるので、事前にシステムの使い心地を体験することをおすすめします。

無料期間の有無

システムの中には、数ヶ月間の無料期間を設けているものもあります。購入前に使用感をチェックしたいなら、無料期間が設定されているかを確認してください。システムの販売企業によりますが、無料期間中の解約なら支払いが発生しない場合も多いので、気軽に始めることができます。

また、システムの一部の機能を制限した状態で、長期にわたって無料プランを提供している企業もあります。まずは無料プランを運用し、必要に応じて有料プランに切り替えるのが良いでしょう。

POSレジ機能の有無

ご注文から会計処理までの工程をすべて自動化したい場合、POSレジ機能が搭載されたモバイルオーダーシステムを選ぶのが良いでしょう。お客様のスマホでオーダー・決済が完結するので、顧客満足度の向上が期待できます。飲食店側としてもホール業務の効率化を進めつつ、さまざまなデータを収集できるようになります。商品の売れ行きはリアルタイムで把握されるようになり、マーケティング活動にも利用可能です。

なお、既に別途POSレジを導入している場合は、連携が可能なシステムを選ぶことをおすすめします。

集客機能の有無

モバイルオーダーシステムの中には、スマホの特性を活かした集客機能を有するものがあります。集客機能の具体例としては、以下が挙げられます。

  • 注文画面にLINE公式アカウントを設置
  • キャンペーン情報を配信
  • クーポンを発行する
  • Googleマップと連携する

特にLINEとの連携に関しては、ワンタップで会員登録(友達追加)ができるため、新規顧客の獲得に大きく貢献します。例えば、注文画面に「友達追加で〇〇が1品無料」などと表示させて、会員登録を促すのです。

なお、お客様の属性に合わせた情報を配信することも可能なので、リピーター獲得にも効果的です。

多店舗管理

多店舗展開に取り組む飲食店の場合は、モバイルオーダーシステムに多店舗管理の機能が搭載されているかを確認しましょう。多店舗の経営を効率的に行うためには、一元管理できたほうが便利であるためです。例えば、多店舗管理機能は以下のような場面で活用されます。

  • 全店舗のメニュー内容や価格を一括更新する
  • 店舗ごとに限定メニューを設定する
  • 各店舗の売上管理や注文管理を行う
  • 全店舗の注文情報を分析し、売れ筋メニューを把握する

複数店舗の運用で発生しやすいトラブルが「登録ミス」です。登録ミスとは新メニューや価格をシステムに登録することですが、本部から一括管理することでそのリスクを軽減できます。

導入後のサポート

導入後のサポートが手厚いかどうかは、システム選びの重要なポイントです。従業員がシステムの操作および新しいオペレーションに慣れるまでは、さまざまなトラブルが発生するためです。トラブルの内容によっては店舗の運営に重大な影響を及ぼすため、提供企業のサポート内容や充実度は確認しておきましょう。具体的には、マニュアルの有無、サポート対応が可能な時間帯、休日対応の可否などをチェックしてみてください。

また、トラブル対応以外にもマーケティングをサポートする企業もあります。売上アップに向けて店舗の課題分析や効果測定などを代行してもらえるので、必要に応じて利用するのが良いでしょう。

多言語対応

海外のお客様が多い場合は、多言語に対応したシステムを選ぶことが大切です。インバウンド対策を実施することは、顧客満足度や集客力に影響するだけでなく、ライバル店との差別化にもつながるからです。多言語対応のシステムを導入すれば、従業員の接客に対する不安は解消され、お客様側も気軽に注文できるようになるでしょう。

ただし、システムによって対応可能な言語は異なります。ほとんどの場合、英語や中国語などの主要言語には対応していますが、その他の言語を母国語とするお客様が多い場合は注意してください。

決済方法の種類

自店舗で使いたい決済方法があるかを確認してください。システムによっては「クレジットカードのみ」といったように、決済方法の種類が限られているものもあるからです。支払いが原因で機会損失につながるケースもあるので、決済方法の豊富さは重要であると言えます。

また、近年は感染症対策などの影響もあり、業界を問わずキャッシュレス決済のニーズが高まっています。現金でのやりとりに衛生面の不安を感じる方もいるので、現金以外の決済方法を充実させるメリットは大きいです。業態や顧客層にもよりますが、クレジットカード決済に加えて、キャリア決済やQR決済なども検討したほうが良いでしょう。

おすすめのモバイルオーダーシステム

続いて、飲食店におすすめのモバイルオーダーシステムをご紹介します。いずれも実績のある製品ですので、ご興味があればリンクから詳細をご覧ください。

店外モバイルオーダー

O:der

飲食店のスマホ注文に特化したモバイルオーダーで、国内で唯一特許を保有しています。O:derのアプリを使えば、お店にスタンプカードやポイントカードを持って行かなくても、商品を受け取るだけで勝手にデジタルスタンプカードにスタンプが押されていきます。財布の中がスタンプカードでいっぱいな人や、スタンプカードを持ち歩くのが面倒くさい人におすすめです。

Okage

Okageでは、レジ、ハンディ、セルフオーダー、モバイルオーダーを全て連動させることができます。全て連動させることができるので、在庫管理や売り上げ分析など飲食店経営に便利な機能がギュっと詰まっています。今から飲食店を展開するという人におすすめです。

店内モバイルオーダー

ユビレジ QRオーダー&決済

お客様のスマホでQRコードを読み取り、注文を行うことが出来る対人非接触型のモバイルオーダーシステムです。注文が直接厨房のプリンタに伝票出力されることから注文を聞くスタッフの時間を削減でき、その分だけサービス向上に時間が掛けられるようになります。専用端末は必要ないため、初期費用が抑えられ、手軽に導入が始められます。さらに会計(クレジット決済)まで行えるため、お客様は注文と会計を好きなタイミングで行うことができ、店舗スタッフはオーダー受けや会計業務の頻度を削減でき「お客様の満足度向上」「店舗業務の効率化」を実現できます。

導入事例をぜひ確認してみてください。

モバイルオーダーの今後

ここまで、店内、店外のモバイルオーダーについてお話してきました。店外モバイルオーダーでは、お客様の時間の節約、店内モバイルオーダーでは、ゆっくりメニューを選べて決済も簡単であること、さらにコロナウイルスの感染対策としても注目されています。また、モバイルオーダー機能を使えばクーポンの配布なども行えるので、お店側の業務効率UPだけでなく、多くのオーナーが抱える集客の悩みも解決することができるでしょう。

飲食店の売上アップにはモバイルオーダーがおすすめ

モバイルオーダーは、飲食店側とお客様の双方にメリットをもたらすシステムです。飲食店では人手不足や業務負担が軽減され、売上アップが期待できます。お客様にとっても、注文時の待ち時間やストレスが減り、顧客満足度が向上します。

一方で、導入コストや業務プロセスの変化などのデメリットも考慮すべきです。また、店舗によっては顧客との接触機会の減少が弊害になることもあるでしょう。そのため、自店舗の経営方針や顧客層を考慮しつつ、計画的に導入することが重要です。


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