飲食店の開業には資格・許可が必要!開業に必要な資格・許可の内容から取得方法まで

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許可証のイメージ

実は、飲食店を開業するには、資格・許可を取らなければ、開業できません。安全な「食品」と「場所」を提供する義務があります。そのため、飲食店の開業のために特定の資格・許可を取得する必要があります。飲食店舗の無許可営業は、食品衛生法違反となり2年以下の懲役もしくは200万円以下の罰金(または情状により、その併科)が科されます。また、取得するのを忘れてしまったり、遅れてしまった場合、開業時期が遅れて余計な費用が発生してしまいます。必ず、開業日までの間で計画的に取得しましょう。

今回は、「飲食店の独立・開業・経営のための13の準備」で簡潔に説明した飲食店の開業に必要な資格・許可について詳しく解説します。

飲食店の開業に必要な資格・許可の一覧

2つの資格

  • 食品衛生責任者
  • 防火管理者(店舗または建物全体の収容人数が30人以上の場合)

5つの許可

  • 食品営業許可
  • 個人事業の開廃業等届出書
  • 防火管理者選任届
  • 深夜における酒類提供飲食営業開始届出書(午前0時~日の出までに酒類を提供する場合)
  • 労災、雇用、社会保険の加入手続き

それでは、順番に詳しく説明をしていきます。

2つの資格内容と取得方法

食品衛生責任者

食品衛生責任者という資格は、食品衛生責任者養成講習会を受講する必要があります。受講料は1万円程度、期間は1日です。おもな内容は、「なぜ食品衛生責任者が必要なのか」を踏まえた、衛生法規・公衆衛生・食品衛生学を学び、最後に学んだ内容を元にした選択式のテストがあります。

この資格は経営者本人ではなくとも、スタッフが取得しても問題ありませんが、基本的にはお店に常駐する人が取得します。そのため、複数の店舗では必ずお店の数と同じ人数の資格保有者が必要です。もし、調理師免許や栄養士の資格をすでに保有済みの場合、講習を受ける必要はなく、申請するだけで取得できます。講習場所と日時は各地域の食品衛生協会のホームページから探すことができます。「食品衛生協会 〇〇(県名)」と検索してください。調理の専門学校卒業者は既に取得していることが多いので、履歴書で確認しましょう。

防火管理者

防火管理者という資格は、店舗の大きさにより取得しなければならない資格の分類が変わります。店舗の延床面積が300平米以上であれば「甲種防火管理者」の2日間の講習を、300平米未満は「乙種防火管理者」として1日の講習を受講します。受講料は5,000〜6,000円程度です。主な内容は、防火管理の重要性や制度などです。講習場所と日時は一般財団法人日本防火・防災協会のホームページから確認することができます。

なお、食品衛生責任者が防火管理者の資格を保有して兼務することも可能です。

5つの許可内容と取得方法

食品営業許可

食品営業許可は保健所から取得します。まずは内装工事の着工前に設計図を持参して保健所に行きます。そこで間仕切りやどの書類の提出が必要なのかについて確認をしましょう。あらかじめ相談することで内容やスケジュールの理解ができます。

次に店舗が完成したら保健所からスタッフが派遣され、お店の検査をします。保健所の検査は、図面だけでなく実物にも検査が入ります。施設が申請のとおりか、施設基準に合致しているかを確認します。検査の際は営業者が立ち会います。施設基準に適合しない場合は許可になりません。不適事項については改善し、改めて検査日を決めて再検査を受けることになります。再検査を受けるための改修には大きな金額がかかることもあるため、図面の段階で業者との打ち合わせも細かく行っておく必要があります。古い物件で、物件自体が何度も改修されている場合、元の図面が実際と違い、工事を進めていくうえで急な変更が現場レベルで入ることもあるので気を付けましょう。

個人事業の開廃業等届出書

個人で開業した場合は、個人事業の開廃業等届出書の提出が必要となります。開業してから1ヶ月以内に納税地を所轄する税務署へ届け出る必要があります。税法上の義務となっていますので、必ず提出するようにしましょう。

防火管理責任者選任届

防火管理責任者選任届は、店舗または建物の収容人数が30人を超える場合に必要となります。飲食店舗の開業前までに出店する地域の消防署に届け出ます。なお、火を使用する設備の設置届も提出する必要があります。責任者に関しては、店長に該当する人物が適任ですが、余裕があるのであれば副店長クラスまで選任するといいでしょう。

深夜における酒類提供飲食営業開始届出書

深夜における酒類提供飲食営業開始届出書は、深夜(午前0時~日の出)に酒類を提供する場合に、出店する地域の警察署に飲食店舗の開業10日前までに届け出を出します。オープン後に客層が深夜に偏りそうな場合は気を付けましょう。お客様あっての商売のため、自身の判断だけでは営業時間を変更することはできない認識は持っておきましょう。

労災、雇用、社会保険の加入手続き

労災、雇用、社会保険の加入手続きは、従業員を雇用する場合、雇用開始後10日以内に労災保険と雇用保険に加入する届け出が必要です。社会保険は法人の場合は必ず加入しますが、個人事業の場合は任意です。届け出は雇用からできるだけ速やかにする必要があります。

あらかじめ余裕をもった準備・スケジュールを

飲食店の開業に関する資格・許可は実際開業を進めていく中で知るケースも少なくありません。ついメニューや立地といったわかりやすい面に気を取られがちです。資格・許可は、自治体によって細かな取り決めがあるエリアもありますので、物件探しと同時に確認しておくと良いでしょう。資格取得のための講習も日程が限定されるので、飲食店の開業までのスケジュールを管理しましょう。