これで飲食のプロになれる!飲食店の業界用語をまとめて紹介します

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おしゃれなレストラン

どの業界でも、その業界でしか通用しない業界用語というものがあります。それは隠語だったり、あるいは本当にその業界でしか存在しない物や概念のため、業界用語に結果的になっているものまでさまざまです。いずれにしても、その業界で働いたり、その業界を理解しようとするためには、業界用語を知っておいて損はありません。

そこでここでは、これだけ知っておけば飲食のプロになれる飲食店の業界用語を、使う場面ごとに分けてご紹介します。

飲食店の業界用語を覚えておく理由とは

厨房

まず冒頭で若干触れましたが、なぜ、飲食店の業界用語を覚えておかなければいけないのでしょうか。一般に使われている日本語を使ってもよいような気がしますが、実は覚えたほうがより良い理由が4つあるのです。

短い言葉で時間短縮

1つめは、主に営業中の話ですが、この時間帯は速く席を準備して、速く注文を取って、速く料理を作って、速くテーブルに持って行って、とまさに時間との戦いです。その時に、まどろっこしい長い一般用語で指示を出したり確認したりしていると、それだけで時間を取ってしまいます。そういう時間を短縮するために、短い言葉として省略しているのが業界用語なので、そこで働く以上は理解しておいた方が良いのです。

お客様にわからないように

お客様に聞こえてしまうような場所で、聞かれたくないことを従業員同士で話す必要が出てくる場合があります。たとえばゴキブリが出たとか、トイレに行ってきます、などです。あるいは、そのようなネガティブな話ではなくても、忙しい現場でお客様に敬意を払った言葉遣いが常にできるわけではありません。

たとえば、「3番テーブルのお客様の召し上がり終わった食器を下げて来て」などと言っていられません。そういう時には、つい即物的で敬意のない言い方になってしまうこともあり、それもお客様には聞かれたくない言葉です。そういうお客様に聞かれたくない言葉を、隠語的な業界用語に置き換えているので、飲食店で働く上では理解しておくほうがよいのです。

用語=仕事の仕組みの理解

また、その業界特有の用語を理解するということは、その業界の仕事の仕組みを理解することにつながります。たとえばFLコストなどは、ほかの業界では使いませんが、飲食店の経営に携わる時には絶対に知っておかなければならない用語であり「概念」です。ですので、これらの言葉も理解しておく必要があるのです。

仲間意識

また、副次的な話ですが、業界用語をお互いに使いあうと、従業員同士の仲間意識が生まれます。特に、新人などで飲食店の仕事に憧れて入ってきた場合は、その業界特有の用語を使うことで、その仕事に就けた実感がありワクワクするでしょう。

逆に、部外者がその業界に入り込んで、内部の人と親しくなろうと思ったら、業界用語をさりげなく挟んで親和感を感じさせることも有効です。そのような効果もあるので、業界用語は使うメリットがありますし、また覚える必要があるのです。 このような理由から、飲食店の業界用語を理解する必要があるわけです。以下に、飲食店で使う業界用語を場面別にご紹介します。

飲食店の業界用語〜ホール編

レストランホール

ホール

そもそもホールとは客席のある空間のことです。フロアと呼ぶ飲食店もあります。

トレンチ

料理や飲み物を運ぶ際に載せるトレイを指します。特に銀やステンレス製の丸盆のみ指す飲食店もあります。

ダスター

いわゆる台拭きです。テーブルの汚れやチリ(つまりダスト)を拭き取るふきんです。

シルバー

ナイフ、フォーク、スプーンなどです。かつてはこれが銀製だったことに由来しています。

カスター

テーブルの隅に置いてある、塩、胡椒などの調味料や爪楊枝などをセットしておくお盆状の容器です。カスターセットと呼ぶ飲食店もあります。

キャッシャー

レジが置かれた会計テーブルスペースです。あるいは会計を担当するスタッフのことも指します。

ハンディ

キッチンの小さなプリンターと連動した、お客様の注文を入力する小型の機械です。ハンディターミナルの略称です。

ベルスター

テーブルの上に置いてある、お客様が注文などのためにスタッフを呼ぶベルボタンです。押されたテーブル番号が電光表示されるので、どこに行けばよいのかわかります。ピンポーンとか鳥の声で鳴ることが多いです。

マドラー

カクテルなどのドリンクをかき混ぜる棒のことです。

トング

サラダなどを大皿から銘々皿に分ける時に使うハサミのようなものです。焼肉を挟んでひっくり返すものもこういいます。

サーバー

生ビール、ドリンク用の充填機です。

ウェイティング

客席がいっぱいで、お客様に待っていただいていることです。

バッシング

テーブルから食べ終わった食器を下げることです。特に、お客様の食事中に行うことを「中間バッシング」と言います。

アイドル

仕事をしていない時間のことです。ランチとディナーの間の店の休憩時間をアイドルタイムと言ったり、スタッフ自身が担当する仕事がない状態の時にアイドル状態とも言ったりします。偶像や人気者の「idol」ではなく、暇という意味の「idle」が語源です。

ラウンド

手が空いた時にテーブルを巡回し、少なくなった水を追加したり、バッシングを行ったりする行動のことです。

セット

テーブルにお客様を案内できるように、食器やシルバーを準備することです。

ドリンカー

ドリンクを作る仕事の係です。店によってはデザートも作ります。

キャリー

客席に料理や飲み物を運ぶ仕事です。

アピアランス

ホール担当だけのことではありませんが、スタッフの身だしなみのことです。「身だしなみを清潔に整えること」そのものを指す場合もあります。

1way3job

ここまでは仕事やモノの用語でしたが、これは「働き方」の用語です。1wayとは1回テーブルまで行くこと、3jobとは仕事を3種類することです。つまり、バッシングに行ったら(1job)、バッシングをするだけではなく、水を追加したり(2job)、パントリーに戻る時にほかのテーブルでオーダーをとる(3job)、などのことで、効率的に仕事をする、という意味です

同時同卓

同じテーブルについたお客様が同時に注文した料理は、それぞれ違うメニューであっても同時に提供する、という提供上のルールです。なぜこのルールがあるのかというと、提供のタイミングが大きくずれて、料理の来た人と来ないでずっと待っている人が1つのテーブルにできてしまうと、お客様同士で気を使うことになるからです。

太郎さん、花子さん

ゴキブリのことです。まさに「お客様に聞かれたくないための隠語」で「3番テーブル、太郎さん出ました」などと使います。

飲食店の業界用語〜キッチン編

パンをつくるキッチン

チャンバー

大型の冷蔵庫です。

リーチイン

ビールなどのジョッキを入れて冷やしておくガラス扉の冷蔵庫です。

ショット

カクテルを作る時の計量器です。メジャーカップともいいます。

れんげ

鍋用のスプーンです。

レードル

スープやタレをすくうお玉のことです。

ストーブ

家庭ではコンロなどと呼ぶオーブン台のことです。

ストッカー

冷凍庫全般を指します。

フライヤー

常に油が熱い状態で張ってある、ポテトフライなどを揚げる揚げ物器です。

ブッチャー

肉叩きのことですが、肉切り担当をこう呼ぶ場合もあります。

ポーション

1皿に盛る料理の量です。レシピよりも多ければ「オーバーポーション」で原価が悪化します。少なければ「アンダーポーション」でお客様が不満に思います。

掃除

食材を調理できる状態まで処理することです。たとえば、玉葱の皮を剥く、レタスの葉をはがし水洗いをするなどです。

グリストラップ

キッチンを清掃する時には大量に水を流すこともあり、床には排水溝が設置されています。その際に水と一緒に油分も流れてしまうので、それが配管に詰まったり、水質汚染などの問題を起こさないように、排水口の直前に設置する油を集める機器のことです。

先入先出(さきいれさきだし)

先に仕入れた食材から順番に調理に使用していくことで、キッチンで行う在庫管理の鉄則です。これを確実にしないと、古い食材がいつまでも冷蔵庫に保管されていて賞味期限が切れたり腐ったりしてロスになるばかりか、それが調理に使われてしまうと食中毒などの原因になります。

ヤマ

食材の品切れのことです。ショートとも言います。

飲食店の業界用語〜パントリー編

パントリーイメージ

パントリー

そもそもパントリーとは、ホールスタッフが水を用意したり、配膳の準備をする場所です。この次に説明するデシャップがあることから、デシャップと呼ばれることもあります。

デシャップ

キッチンで作った料理をホールに出す提供口のことです。

せきまえ(急き前)

お客様から「注文したのにまだ来ていない」と言われた注文のことです。「これせきまえだからいそしてキャリーして」などと使います。

チップ

グラスや食器の欠けている部分のことです。

3番

これは全スタッフの共通用語ですが、トイレのことです。店によっては「2番」など番号はさまざまです。「3番行ってきます」などと使います。

3番チェック

トイレの清掃状態を定期的にチェックする仕事のことです。当然、汚れていたら清掃し、備品が切れていたら補充します。

飲食店の業界用語~経営編

経営イメージ

以降はオペレーションではなく、飲食店の経営上の用語です。

QSC

「Quality(クオリティ/品質)」「Service(サービス/品質)」「Cleanliness(クレンリネス/清掃状態)」の頭文字を取った用語です。この3つは飲食店にとって、商売を繁盛させるうえでの基本事項です。もう少し具体的書くと、以下となります。

Quality:料理の味はおいしいか、盛り付けは美しいか、量目は適切かつレシピ通りか。
Service:笑顔での挨拶や接客、お客様のニーズを先取りしたサービス、気持ちよく食事をしてもらえるサービス全般ができているか。
Cleanliness:キッチン、ホール、トイレは清潔か、衛生管理ができているか。

FLコスト

FとはFood(食品)のことで料理や飲み物の原価のことです。LはLavor(労働者)で人件費総額のことです。この2つを合計したコストをFLコストとして管理します。飲食店での利益の最も大きい要素がこのFLコストですので、ここをいかに削減するかが利益をあげるポイントです。

固定費

家賃や減価償却費など、売上と関係なく一定額で発生する費用です。

減価償却費

10万円以上の什器、備品を購入したときに、1度に経費として計上すると、損益が月度や年度で変化しすぎるため、購入金額を一定の月数で割って、その定額を順次経費化していく会計処理です。

36協定(さぶろくきょうてい)

労働基準法36条によれば、どのような規模の会社(個人経営の飲食店も含む)でも、従業員には1日8時間、1週間に40時間以上働かせてはならない。また、月に4日以上の休日を与えなければならない、とされています。

ただし、経営者と従業員との間で時間外労働や休日労働に関する協定を締結すれば、それ以上の労働をさせることが可能になります。この協定を、労働基準法の条文の番号を取って「36協定」と呼んでいます。

POSレジ(ポスレジ)

POSシステム(ポスシステム)とは、販売したり売上が上がった時点でその売上を管理するシステムです。ハンディーターミナルメニューと品数を打ち込むと、POSシステムにデータが記憶され、キッチンに設置されているプリンターからオーダー内容が出力され、それを見てキッチンスタッフは調理します。

そして蓄積されたデータは、時間帯別売上や商品別の売上、売れ筋と原価率の分析(ABC分析)など、さまざまな経営上の判断材料として使用されます。特に複数店舗を運営、管理する場合は、いちいち店舗から売上報告を受けなくても本部で一元管理できて効率的ですので、導入は必須項目です。

居抜き(いぬき)

居抜きとは、飲食店だった閉店店舗の内外装、カウンターや棚などの「造作」、キッチンの設備、グラスや食器などの備品などが残ったまま賃貸に出されている物件のことです。この居抜き物件を借りる場合は、前の借主に造作譲渡費を払って造作や設備を買い取る場合と、無償で引き継ぐ場合があります。

什器(じゅうき)

飲食店の什器(じゅうき)とは、冷蔵庫、ガス台、カウンター、テーブル、椅子、小型の調理機器などを指します。

スケルトン

スケルトンとは、店舗の内装が全く施されていないコンクリートむき出しの店舗物件のことです。間取りも設備も自由に設計できますが、場合によっては空調なども含めて0から内装設備を工事するので、開業までに時間も費用もかかります。

動線(どうせん)

動線とは、その名の通り人の動く線のことです。ホールの動線とは、お客様が玄関から入り、客席に座り、トイレに行き、会計をして帰るという一連の流れの中で通るところをつないだ線のことで、「客動線」とも言います。これに対し、店側がお客様のオーダーをとる、キャリーをする、バッシングする、といったパントリーからホールに出てまたパントリーに戻る、という一連の動きの線を「サービス動線」と言います。

動力(どうりょく)

動力とは、三相200Vという、業務用のエアコンや冷蔵庫などに使用される出力の大きな電気のことです。一部の機器はこの電気でなければ動きません。一般的には基本料金が高めで、使用料金が安い料金設定なので、冷蔵庫など電気をつけっぱなしの機器は電気代が割安になります。導入には申請が必要です。

深夜酒類提供飲食店営業

深夜0時から午前6時にかけて、飲食店で酒類を提供する営業形態です。風営法(「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律」)よって、公安委員会への届出が定められています。

食品衛生責任者

飲食店ごとにこの資格を持っている人間の配置が義務づけられています。1日の講習で取得できます。

まとめ

レストランとシャンパン

いかがでしょうか。

これがすべてではありませんが、これだけ理解しておけば、今日いきなり飲食店の現場に放り出されても大丈夫、という観点で業界用語をピックアップしました。

ただし、地方によっても、その飲食店によっても、トイレを「3番」と言わずに「1番」、食事休憩を「2番」というなどのローカルルールもたくさんあります。いずれにしても、これらを理解すれば飲食店のプロと胸を張ってもいいでしょう。