飲食店の開業・経営・独立のための15の準備

最終更新日: 2017/12/20
居酒屋

飲食店の店内イメージ

飲食店で開業、独立を志す方は非常に多いです。しかし、周りのお店を見てもわかるように、新しい飲食店が次々と開業していく一方で廃業する飲食店もたくさんあります。それだけ飲食店の経営は難しいのです。

この記事では、飲食店の開業、独立で失敗しないために必ず準備しておくべきポイントを詳しく解説します。

1. どうして飲食店を開業するのか?

オープン札を持つ女性

「こんなお店を作りたい」「あんなメニューを提供できたらお客様に喜ばれるだろうな」自分の理想のお店を頭に思い浮かべるとき、いろいろなアイデアが湧き出てきていることと思います。

しかし、理想のお店はアイデアだけでは実現できません。お店の改装や、厨房機器の購入費用、家賃など、お店を開くには予想以上にお金もかかりますし、準備のために膨大な時間を費やすことになります。オーナーが有名人であってもあっという間につぶれてしまう時代です。甘い気持ちで飲食店を始めると、すぐにお店は倒産してしまいます。飲食店は成功すればやりがいはありますが、リスクも大きい商売なのです。

どうして飲食店を開業するのか、本当に飲食店で成功できるのかという視点から、もう一度お店を出したいのかどうかを考えてみましょう。

2. 開業資金はいくら必要?

ピンクの豚の貯金箱

開業資金としては、いったいいくらぐらいを準備すれば良いのでしょうか?多ければ多いほど良いというのが一つの回答ですが、目安として見込み年商の50%は準備しておきたいところです。年商2,000万円の見込みなら1,000万円の資金が必要です。

開業資金の使い道ですが、次のようになることが多いでしょう。

合計 1,000万円
物件取得費 450万円
内外装工事費 220万円
厨房設備 100万円
テーブル・椅子・食器など 80万円
運転資金 150万円

物件取得費には、店舗の家賃や保証金が含まれます。保証金は敷金と同じ意味ですが、店舗物件の場合は家賃の10ヶ月分が相場なので、金額が想定よりも大きくなりがちです。「保証金のうち30%が償却」といった条件がついている場合もありますので、注意が必要です(この場合、30%は返還されません)。

内外装工事費や厨房設備については、居抜きの物件を選ぶなどして安く抑えることができます。テーブル・椅子・食器などについても、中古のものを購入することもできます。

運転資金として、仕入れ・人件費・光熱費などの店舗の運営に関する経費を3ヶ月分は準備してください。

資金の調達

開業資金を調達するには、主に次の3つの方法があります。 

  1. 自己資金
  2. 親族や知人から借りる
  3. 日本政策金融公庫から借りる

民間の金融機関からの融資は、担保や保証人を準備したとしても、実績がないと難しいかもしれません。そこで公共の金融機関である、日本政策金融公庫からの借り入れを検討しましょう。その場合でも、開業資金の1/3程度は自己資金でまかないたいものです。

飲食店の開業資金を徹底シミュレーション 融資・助成金はどう調達する?

また創業や新規雇用で、要件を満たしており申請が通れば、厚生労働省から助成金を受け取ることができます。開業時に受けられる補助金としては、以下の方法があります。

1.創業・事業承継補助金

新規開業や事業を承継する際に事業規模などの条件に応じて補助金を受給することができます。開業後では申請できず、必ず開業前に申請する必要があるので注意しましょう。

支給額は100万円、200万円、500万円の3通りあり、銀行の融資などによる開業資金の外部調達がない場合支給額は100万円です。

2.小規模事業者持続化補助金

サービス業、製造業、小売業などの小規模事業者を対象に、広告費やホームページの作成費、店舗のバリアフリー化に伴う工事費などを目的として補助金を受給できます。

この際の補助上限額は50万円です。

さらに、飲食店開業に使える助成金は3種類あります。

1. 特定求職者雇用開発助成金

高齢者、障害者、母子家庭、父子家庭の母または父等の就職困難者を雇用する事業主をサポート制度です。週の所定労働時間が30時間以上の場合、高年齢者または母子、父子家庭の母もしくは父を雇用するなら一人あたり60万円の助成金を受け取ることができます。

また、身体、知的障害者を雇用する場合は一人あたり120万円の助成金を受け取れます。

2. キャリアアップ助成金

非正規雇用労働者のキャリアアップ促進を目的とした助成金です。パートから正社員へ、もしくは有期雇用パートから無期雇用パートへなど、正社員化・処遇改善に取り組んだ事業主に対し、助成金の支給があります。

例えば、有期雇用パートから無期雇用パートになった場合、一人あたり28.5万円の助成金を受け取ることができます。

3. トライアル雇用奨励金

職業経験の不足などから就職することが難しい求職者を3か月試用雇用し、その後の常用雇用への移行や雇用のきっかけとするための助成金です。紹介日の前日から過去2年以内に、2回以上離職や転職を繰り返している人、出産や育児などの理由で一年以上定職に就いていない人、紹介日時点で、ニートやフリーター等で45歳未満の人などが対象になります。

支給額は1人あたり、月額最大4万円(最長3か月)で12万円の受給ができます。

3. 繁盛店や競合の調査

ミーティングをするビジネスマン達

人気店には必ず理由があります。何の工夫もせずに人が集まってくるようなことはありません。繁盛店や競合店を実際に訪れてリサーチしてください。

店内の雰囲気

人気店は、お客様を惹きつける雰囲気の店内を作っています。魅力のある、他にはないオリジナリティーのある雰囲気は、リピーターが増えるポイントの一つとなっているはずです。どんな点が魅力になっているのかをしっかり分析することが大切です。

従業員の接客態度

接客はお客様にとって特に印象に残りやすい部分です。接客の際にはよく気を配り、常にサービス向上を心がける必要があります。競合店がどのようなサービスを提供しているのかを観察できます。サービスを受けているお客様の様子や接客に対するコメントを聞くことで、自分のお店に生かすことができます。

メニューの種類・豊富さ・金額

飲食業界は日々変化しています。流行や時代の流れで、その時々にあったお客様のニーズも変わってきます。そのためメニューの種類や豊富さ、価格設定については常に改善を続けるようにしましょう。他店の価格設定や品数に常に注意しておくことで、時代の流れに取り残されないようにできます。

注文してから料理が出てくるまでの時間

お店のコンセプトにもよりますが、オフィス街やカフェなどの飲食店では注文してから料理が提供されるまでの時間がとても大事です。待ち時間が分単位で変わるだけで、お客様の印象も変わるものです。どのくらいの時間が1番客喜ばれるのか、満足感が高いのか、人気店の時間を実際に計ってみることもできます。

料理の味

言うまでもなく、料理の味もとても重要なリサーチポイントです。競合のどの料理、どの味が、その店の客層に受けているのかを知ることも大切です。また、季節や提供する材料によっても味付けは常に微妙に調整する必要があるはずです。人気店の味付けを知ることで、自分のお店の味をどのように改善していけばいいのかが分かるでしょう。

お客さんがどのように過ごしているのか、自分の目で確かめることが大切です。時間を作ってこまめにリサーチに行きましょう。ただし、同じ飲食店でもターゲットとする層が異なる場合は、競合相手にはなりません。まずは他店のターゲット層を把握しましょう。

詳しくは下記ページにて説明しています。

競合店の調査方法 | 評価すべき項目は何?【飲食店分析チェックシート付き】

 

4. お店のコンセプト

コンセプトのテキスト

飲食店の場合、以下の7項目についてコンセプトを明確にしておくべきです。

どこで?(出店エリア)

まずは出店エリアを考えましょう。閑静な住宅街か、駅近くの繁華なエリアか、もしくはオフィス街かなど具体的にエリアを決めましょう。

何を?(業態)

ケータリングがいいのか、店舗を構えるのか、もしくはゴーストレストランのように間借りして始めるのかなど、まずは具体的な方向性を考える必要があります。

誰に?(ターゲット客層)

対象となるターゲット層を決めましょう。学生、会社員、ファミリーやカップル、女性、シニアなどどんな人たちを主な対象にしているのかが決まると、コンセプトも決めやすくなります。

いつ?(営業時間・定休日)

ターゲットにしている客層が、主に食べに来る時間帯はいつでしょうか。例えば、会社勤めのお客様を対象に料理を提供したい場合、ランチや仕事の後の時間をメインに考え、営業時間や営業日を工夫しましょう。

何のために?(利用動機)

このお店に来ればオリジナルメニューが楽しめる、ゆっくり自分の時間を過ごせるなどのターゲット層の人達のニーズを満たせるかどうかを分析しましょう。ただ、安くて美味しいだけではない、来店動機があれば、リピーターも増え集客につながります。

どのように?(売り方やスタイル)

テイクアウトを中心にするのか、ランチセットなどセットメニューを増やすのかなどを考慮できます。

いくらで?(価格帯)

最後に値段設定を行います。どのくらいの価格ならリピートしてくれるのか、付加価値があるのかもポイントです。もちろん、利益だけでなく、お客様にとって満足感を得やすい価格なのかも検討できます。

もし、これらのコンセプトが決まっていなければなかなか集客数が伸びず、結果的に赤字が続き、コストばかりかさんでしまいます。そのため、まずは開業前からコンセプトを明確にし、それに沿って計画していくことが重要です。

これらのコンセプトは物件探しやメニューにも関わってくるので、具体的に設定していきましょう。お店のコンセプトについて、詳しくは下記ページにて説明しています。

飲食店・店舗のコンセプトの作り方・考え方【コンセプトシート付き】

5. 店舗物件の調査

お店の外観

独立開業を志す者にとって、お店は自分の城。「お店を出すからにはお気に入りの場所で」という気持ちは強いことでしょう。

しかし残念ながら、好立地であればあるほど賃料は高くなります。店舗面積が広ければそれに比例して賃料は高くなり、1階と他の階を比べると2倍に近い賃料となってしまう場合も少なくありません。

ここで大事なことは、家賃を長く支払い続けていくことが負担にならないかどうかということです。家賃は毎月必ず発生する大きな固定費です。お店の業績が悪くなっても家賃が下がることはありません。

立地はお店の収益にも関係するため、時間をかけてじっくり探しましょう。いくらいい店舗を見つけても、人の行き来が見られない立地なら集客数は望めないでしょう。

まずは店舗を決める前に、必ずどの時間帯にどんな年齢層の人たち行き来が最も多いのかを事前に把握しておきましょう。また、物件を見る目を養うには、実際に見るしかありません。10件以上を目安に、いろんな物件にあたってみましょう。

店舗物件の調査方法について、詳しくは下記ページで説明しています。

飲食店の立地条件の調査方法 | 立地マーケティングで抑えるべきポイント

6. 料理メニュー開発

メニュー開発をする人達

ここまでで、料理メニューについてはある程度構想が練られているはずです。看板メニューとその他の商品を整理しましょう。

看板メニューとはその名の通り、お店の看板となる主力メニューです。「そのメニューを食べたいからお店にやってくる」「お店に来るとつい頼みたくなるメニュー」という商品を必ず準備しましょう。まだ決まっていない場合、「自分が好きなもの」「自分が作りたいもの」「自分が一番自信のあるもの」を看板メニューとして設定します。看板メニューを軸にして、その他のメニュー構成を考えていきましょう。

メニュー開発の際には、原価を必ず把握するようにしましょう。料理1品あたりに使う食材の分量をg、cc、mlといった単位で求め、原価を仕入れ価格から計算します。原価が販売価格の30%程度になるように価格を設定します。同時に、売上から原価を引いた粗利がいくらになるのかも押さえておきましょう。

忘れてはいけないのが、「食材廃棄率」いわゆる食材のロスについてです。注文した食材が余って無駄になってしまうことは良くあることですし、料理を提供する際にこぼしてしまう、キッチンスタッフによって使用する量が違ってしまうということも起こります。廃棄される食材がどのくらいになるかはこの時点ではわかりませんが、ひとまず全体の2%程度と考えておきましょう。お店の運営が軌道に乗れば、ロスは徐々に減っていきます。

またオリジナリティーあふれるメニューがあればそれ目当てに来客する人たちも増えそうです。しかし、毎年流行の料理などはあるものの、どれも数年経てば人気が薄れてしまいます。できれば、流行に左右されない安定した人気メニューを開発したいですね。

料理メニュー開発について、詳しくは下記ページをご覧ください。

飲食店ならやっぱり欲しい!看板メニューの作り方5つのポイント

7. 事業計画の立案

ビジネスプラン書とメガネ

コンセプトが明確になって物件に目処がついたところで、開業に必要な資金も具体的になってきます。全て自己資金で調達できる場合は別ですが、融資を受ける場合には事業計画の提出が必要です。

事業計画書には、起業の動機や目的から開業後の売上予測までいろいろな項目を記入しますが、中でも重要なのが売上の予測です。ただ思いついた数字ではなく、根拠がある数字を提出しましょう。

売上の予測には次の式を使います。

売上 = 席数 × 満席率 × 回転率 × 客単価

ランチタイム、アイドルタイム、ディナータイムと、時間帯に分けて計算していきましょう。

融資を受けないという場合でも開業の段階で、必ず事業計画書は作っておきましょう。各項目の詳細な予測は、今後の経営に大きく役立つからです。

自分の収入はいくらくらいになるのか

これは普段の生活費をそのまま月給とします。月給をあまり少ない金額にしてしまうと、融資を受ける際に「どうやって生活をしていくのか」と疑問を持たれてしまいます。また、法人役員の報酬額は一度決めてしまうと容易に変更できません。税理士に相談しながら決めていきましょう。事業計画の立案、事業計画書の書き方に関して、詳しくは下記ページで解説しています。

事業計画書の書き方とは?フォーマットを参考に事業計画書を作ろう!

8. 物件契約から内装・外装の施工 厨房の設計は特に重要

建築イメージ

ここまで何件も見てきた候補の中から、一つを選んで契約を結びます。「早くお店の場所を決めたい」とついつい急いでしまいがちですが、焦らずにじっくり検討しましょう。物件の判断を誤ると、後々まで苦労することになります。物件の契約と同時に、手付金、保証金および前家賃を支払うことになります。契約前にも申込金が必要という場合があるので注意しましょう。

物件が決まれば店舗レイアウトを考えて、内装業者・外装業者に相談します。特に厨房の設計は重要です。使いやすい導線であることはもちろん、スタッフが快適に作業できる環境を確保できるよう、できるだけのことをしましょう。

通路や作業スペースが十分にあるか、食材の搬入から調理済料理の搬出まで無理なくできるか、など注意深く検討しましょう。例えば、エアコンの位置は大丈夫ですか?夏場の厨房で調理を行うスタッフが快適に過ごせるか考えてみてください。できれば知り合いの飲食店に厨房を見学させてもらうなどして、具体例を集めておくと良いでしょう。

また、開業時は自分好みのコンセプトに合わせ、内装にもこだわりたいと思うかもしれません。しかし、内装、外装費用が大きく膨らみすぎると、いざ開業してもすぐに客数が見込めず赤字続きとなり、結果的にお店を手放さなければならない事態も起こり得ます。

さらに、借りていた店舗を返す場合、原状復帰を求められ、費用も借り手側の負担になります。借店舗の場合はオーナーとどこまでの内装変更が可能なのかをよく話し合うようにしましょう。

店舗設計について、詳しくは下記ページで説明しています。

店舗や厨房のデザイン設計の進め方・業者の選び方

9. 人材採用 優秀な料理人やスタッフはどうやって確保する?

採用面接

飲食店のスタッフはキッチンとホールに大別できます。キッチンとホールにそれぞれ何人必要なのかをまず明確にします。そのうえで人件費にいくら充てられるのかを具体的に計算します。計算の際は、時給や交通費だけではなく、雇用保険料の負担についても確認しましょう。個人事業主としてスタートするならば社会保険への加入は任意ですが、お店として社会保険に加入するのかどうかも決めなければなりません。社会保険完備の場合には、キッチン・ホール共に優秀な人材がより集まりやすくなります。

正社員の場合はお店のオープン3ヶ月前くらいから募集を開始し、目安となる勤務開始日を求人広告に掲載できます。アルバイト募集の場合は、オープン日の1ヶ月ほど前から募集を開始するのが一般的です。

求人は、チラシや冊子などの有料媒体に広告を掲載して募集を行います。ハローワークなどで無料で募集することもできますが、より詳細な条件で募集を行える有料媒体の方が適していることも多いでしょう。採用と同じく重要なのが、採用した人材の教育です。スタッフの能力を最大限に引き出せるよう、いろいろな場面でどのように動けば良いのか、具体的なマニュアルを作成しておきましょう。人材採用について、詳しくは下記ページで説明しています。

飲食店のアルバイト、スタッフ、料理人の具体的な集め方!適切な人数や人員配置についても解説

10. 仕入れ先の選定 食材の確保

食材仕入れ業者

飲食店において、仕入れ先の選定は「食材そのものの選定」であり、お店の命とも言えます。毎日安定した材料を供給してくれて、仕入価格や支払方法に無理がない業者を探しましょう。お互いが気持ち良く取引できることが重要です。

食材を安定して供給してもらえるよう、メインで使いたい仕入先を選びつつ、複数の業者と取引をするようにしておくと安心です。仕入先が一つだけの場合、トラブルが生じたときに食材を供給してもらえなくなります。また顔なじみになればフレキシブルに対応してもらえたり、交渉がしやすくなることもあるので、普段から良い関係を築いておく努力も大事でしょう。

仕入先の選定について、詳しくは下記ページで説明しています。

「業者選びはお店の命」

11. 各種届け出や資格など

開業の手続き

飲食店の開業にあたっては、保健所や消防署をはじめとする各種機関への届け出が必要です。

保健所
飲食店の営業許可を取得するためには、保健所に届け出をしなければなりません。まずは管轄の保健所に、お店の図面や提供メニューなどの資料を持って相談に行ってください。開業の前には保健所によって検査が行われますが、事前に相談に行っておくとスムーズに進みます。
<保健所でチェックされる項目>

チェックリスト

内容

店舗スペース

店舗は営業専用のものとし、住居や営業に関係のない場所と仕切りなどで完全に区画すること

調理スペース

コンクリートまたはタイルなどの耐水性材料を用いて、排水がよく、かつ清掃しやすい構造であること

内壁

明色なものとし、床面から1メートル以上の高さまでは耐水性材料を用いる

明るさ

自然光を十分に取り入れることのできる構造とし、100ルクス以上の明るさとする

換気

換気が十分行われる構造とし、必要に応じ強制換気装置を設けることが義務づけられている

害虫などの対策

網戸や換気扇のシャッター、排水口の金網などの設置を行う

従業員専用の更衣室、ロッカー

衛生的な観点から、更衣室と調理場が同じ場所にあるのは飲食店には適していないため、別に場所を確保する必要がある

トイレ

施設の衛生上影響のない位置に、従業員数に応じた数のトイレを設けること。またトイレの中には、ねずみや害虫などの侵入を防止する設備や、消毒剤を備えた流水式の手洗い設備を設けることが義務づけられている

調理場

従業員が清潔に手洗いをし、消毒する設備が必要。また、シンクは2槽あること(1槽シンクの場合、食器洗浄機を備えてあること)、お湯が出ることが条件

食器や食材の保管方法

グラスや食器はきちんと食器棚にしまうことが食品衛生法で定められている

ゴミ箱

ふたがついているゴミ箱が必要

消防署
防火管理者選任届や防火対象設備使用開始届などいくつかの届け出が必要です。保健所と同じように、予め相談に行っておくとスムーズに進みます。

飲食店の開業に調理師免許は不要

意外に思われるかもしれませんが、調理師免許は必須ではありません。飲食店開業のために必要な資格は食品衛生責任者と防火管理者です(防火管理者は30人以上を収容する場合のみ)。いずれも各都道府県で開催される講習を受ければ取得できますが、忘れないようにしましょう。

居抜き物件は注意が必要

注意しておきたいのは居抜き物件の場合です。営業内容や収容人数など、お店の状態によって規定や基準が変わるため、「前のお店が営業していたからうちも大丈夫だろう」と決めつけてはいけません。必ず確認をしましょう。

各種届け出や資格について、下記ページで説明しています。

飲食店の開業に必要な資格・申請の一覧と取得方法

個人事業の開業届出書の提出

さらに税務署に提出する届け出があります。

新たに事業を始めた時には税務署に「個人事業の開業届出書」を提出します。開業届は開業してから1ヶ月以内に出す必要があります。開業届を出さないと、所得税の青色申告の申請書を出せないので気をつけましょう。

食品衛生責任者

東京都の条例で、営業者は許可施設ごとに自ら食品衛生に関する責任者となるか、当該施設において従事者のうちから食品衛生 責任者1名を定めて置かなければならないと定められています。お店の衛生に十分に気を配る必要があります。

防火管理者

お店の客数+従業員数が30名を超える店舗であれば、消防署へ防火・防災管理者選任届出書が必要です。この資格を取るには1、2日の講習を受ける必要があります。

12. 販促ツール 看板・広告・チラシ……

看板を出すカフェ店員

看板の設置についても、早いうちからよく検討をしておくべきです。看板はお店の入り口だけで良いのか、それとも近くに袖看板を設置するのか。看板を電飾タイプにして夜も目立たせるようにするか……予算に応じて決定します。

看板にはどうしてもお金がかかってしまうので、その他の販促ツールはなるべくお金がかからない方法を探したいものです。手描きのチラシやSNSなど、お金をかけない販促方法はいくらでもあります。コツコツお店の情報を発信して、受け手に「お店のファンになってもらう」ことを目指していきましょう。

一般的にはインターネット広告が低コストで高い効果が得られます。また、FacebookやTwitterを活用することで、無料で多くの利用者に情報を提供することができます。

飲食店の売上アップと集客を増やす方法!明日から実践して成果が上がる具体策について

13. 本番オペレーション

ホールオペレーション

開店の前には、本番オペレーションの確認を必ずしておきましょう。お店の開店から閉店まで、仮想のお客様を迎えながら、オペレーションの流れを練習します。これはロールプレイングと言って、飲食店の開店準備ではよく行われる手法です。

頭の中ではスムーズに進むオペレーションも、実際にやってみると必ず問題点が見つかります。お客様に気持ちよく過ごしていただくためにはどうすれば良いか、ロールプレイングで一つ一つ改善していきましょう。

スタッフが揃った開店1週間前くらいから始めることがおススメです。スタッフの中には初めて飲食店で働く人がいる場合もあります。あらかじめ、新人教育のためのマニュアルを作成しておくことで、開店後のオペレーションに備えることもできます。

飲食店でオペレーションが重要な理由とオペレーションのポイントとは

14. 失敗しないための心構えを

失敗イメージ

これまでに、飲食店の独立・開業・経営のための13の準備をご紹介しました。以上13の準備は、実際に飲食店を開業するまでの準備でした。飲食店を開業するうえでは、開業までの13の準備と並行して、開業後に失敗しないための心構えも持つ必要があるでしょう。

飲食事業は比較的参入障壁の低いビジネスであるため、業種・業態を問わず数多くの飲食店が開業しています。しかし、開業から一年以内で三割、二年以内で二割のお店が閉店するとされています。つまり、開業から二年以内で半分の飲食店が閉店の憂き目をみていることになります。

こうした飲食業の置かれている実態を見て見ぬふりをしてしまえば、開業後に閉店してしまうことにも繋がりかねません。そこで、開業後に店舗経営を失敗しないためにも、多くの飲食店はなぜ失敗してしまうのかを把握しておかなければならないでしょう。

また同業者で成功している人たちの生の声を聞くことも大切です。どうすれば成功するのか、どうすれば良い経営状態を維持できるのか具体的に聞いて参考にするようにしましょう。

飲食店の経営を失敗から学ぶ。閉店しないための「当たり前のこと」とは?

15. 居酒屋、カフェなど業態ごとの開業準備についても確認を

コーヒーを注ぐカフェスタッフ

飲食店を開業する際には、業態を問わず共通して必要となる届け出の他に、業態ごとで異なる営業許可を求める届け出が必要になる場合があります。

例えば「飲食店営業許可」の届け出は、業態を問わず飲食店を開業する場合に必須となります。しかし、「飲食店営業許可」では食品衛生法により「飲食店営業」と「喫茶店営業」の2つに飲食店を分類しています。そのため、飲食店の業態によって分類される種別が変わることになります。さらに、「飲食店営業」と「喫茶店営業」では、「飲食店営業許可」の届け出の際に必要となる申請書類や申請手数料も異なります。出店を予定している場所を管轄している役所に問合せてみるとスムーズでしょう。

また、居酒屋等を開業する場合、午前0時以降もお店を営業したいと考えている方もいらっしゃるのではないでしょうか?この場合、午前0時を超えて酒類をお客様に提供するためには、「深夜における酒類提供飲食店営業営業開始届出書」を提出する必要があります。

さらに、カフェ等でケーキやパンをテイクアウトで販売する場合は、「菓子製造業」の許可が必要になります。 このように、飲食店の業態によって開業するまでの届け出等の準備は異なります。開店直前になって必要な届けを出していなかったと焦らないよう、しっかりと準備をしていきましょう。

居酒屋を開業しよう!開業資金や準備、成功の秘訣を紹介します

最後に

グッドラックのプラカード

開業まではいろいろとやることが山積みで、大変なことも多いでしょう。しかし、この苦労は独立開業をした者だけの醍醐味といえます。飲食店経営成功のために、それぞれの過程を楽しみながら頑張っていきましょう!