飲食店のABC分析のやり方 メニュー改定と在庫管理に活かす方法

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飲食店の経営では何十種類もの商品(メニュー)があるのが当たり前です。ひとつの商品だけで商売をしているお店は少ないでしょう。そのメニューの中でも、売れている商品・売れていない商品があるはずです。売れ筋の商品の数種類だけで売上全体の何割かを稼いでいるはずです。一方、何割かの商品は合計しても売上全体の数%程度の場合もあります。

売れ筋商品や死に筋商品を把握することで仕入れやメニュー改善にも活かせます。では、どのようにして人気・不人気の商品を分類すればいいのでしょうか?このようなときに役立つのがABC分析と呼ばれる手法です。今回は、ABC分析を活用したメニュー改定方法と在庫管理を紹介します。

ABC分析とは?

ABC分析はパレート分析とも呼ばれ、商品をA、B、Cのカテゴリに分ける在庫管理の手法です。重要度別に分類することで、メニューの変更や価格設定、原材料仕入れの見直しなどに活用することができます。2つの分析手法の違いは、ABC分析は所要金額で、パレート分析は頻度(個数)で重要度別に分類することです。この記事ではABC分析について説明します。

では、やり方を見ていきましょう。料理とドリンクを分けて分析する方がいいので、ここでは料理にフォーカスしてABC分析を行います。

お店のメニューには8種類の料理があり、月の営業最終日の商品売上構成を高い順から並べると以下のようになったとします(単純化のため数字は計算しやすいようにしています)。エクセルの場合は、一度全商品に対して数字を記入した後、売上額にフィルタをかけて降順にしてください。

商品名 価格 販売個数 売上額 売上構成比 累計売上構成比
a 500 900 450,000 45% 45%
b 1000 250 250,000 25% 70%
c 400 250 100,000 10% 80%
d 400 200 80,000 8% 88%
e 300 200 60,000 6% 94%
f 800 50 40,000 4% 98%
g 500 40 20,000 2% 100%
合計 1,000,000 100%

次に、商品をABCに分類します。どのように分類するか明確な基準はありませんが、一般的な分析ではAを累計売上構成比0~70%、Bを71~90%、Cを91~100%とします。この例では以下のように分類されます。

カテゴリA:商品a、b
カテゴリB:商品c、d、e
カテゴリC:商品f、g

ここで注目してほしいのは、売上全体の7割を2商品で占めていることです。それぞれの商品が均等に売上を出すことはまれで、数種類の商品に偏っていることが普通です。これはお店の看板メニューや、メニュー表での露出方法に影響を受けます。また、メニュー数が多くなれば、メニューの半分で売上全体10~15%しか稼げないこともあります。

分類が終わったところで、それをどう経営に活かしていくかを見ていきましょう。

メニュー改定への活用法

売れると思ってつくったメニューが案外カテゴリBに入っていたり、カテゴリAに入っているメニューでも原価率が高くオペレーションも手間がかかっていたり、といったことがあります。

カテゴリAのもので、生産能力に余力があり、かつ原価率もそれなりにこなれている場合は、積極的にPRして販売数を増やしましょう。

カテゴリBでもちょっとした工夫で単価を上げることができるものはメニュー名そのものを少し変えて提供してみましょう。また、質を落とさずに量を少なめにして単価を下げ、販売数を上げることができるメニューもあるかもしれません。

カテゴリCのもので粗利額が少ないものは早めにメニューから下げましょう。ただし、メニュー全体に偏りが出てしまい、お客様に与える選択肢の幅が狭くなってしまわないよう気をつけてください。

メニューは季節ごと、3ヶ月に1回くらいは部分的に変えていくことで、旬なメニューを演出するようにしてください。

在庫管理への活用法

売れ筋のカテゴリAに属するメニューは、販売数が多いことから原材料の仕入れ数量や金額が全体に与える影響が大きくなります。定期的に発注して、仕入れの取引先との連携を密にしておく必要があります。回転も早いので在庫状態で滞ることは少ないのですが、販売数が伸びた場合に発注を増やすことができるようにしておきます。

カテゴリBは売れ行きが安定しているメニューが多いので、仕入れ数量も一定にすることで対処できます。カテゴリCのものは売れ残ってしまうことも考えられ、賞味期限のある材料は在庫ロスとなります。カテゴリBやCについてはロス率も念頭に入れてメニュー改定に反映させてください。

原材料の仕入れでは、長期契約など契約に縛りが存在することもあるので、むやみに取引先を増やさず、代替商品に置き換えてもらうなどの交渉ができるように、常日頃の関係をつくっておくことが肝心です。

売上管理にはPOSレジを使用しよう

このようにABC分析は経営改善に大きく寄与します。しかし、それぞれのデータをエクセルに入力していく手間は相当なものです。

そのときに便利なのがPOSレジです。日々のデータをエクセル方式に抽出またはダウンロードできるものがほとんどです。ABC分析は単月で見るだけではなく、前月比、前年同月比、数ヶ月、数年の推移でみるとより傾向がつかめるようになります。そういった場合は特にエクセルでの展開が必須となるでしょう。最近では、アプリをインストールすることでiPadを高機能なPOSレジにできるサービスも存在します。会計データはクラウドに保存され、リアルタイムの売上集計も可能ですし、ABC分析の元になるデータをどこからでも簡単に確認・取得ができるのも魅力です。詳しくは「iPadがレジになる!? 高機能で使いやすいタブレットPOSレジの紹介」でも説明しています。