人手不足を解消!負のスパイラルから抜け出す方策あれこれとは?

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人と人の繋がり

この記事をお読みの皆様の店舗では、スタッフの数は十分に足りていますか?現在の日本における労働市場は明らかな売り手優位となっております。そのため、正社員、アルバイトの求職者はできるだけ単価がよく、かつ楽ができるものを選り好んで仕事を決めています。どの企業もそうした状況に対応するため、時給のアップや労働環境の改善を競争で行っています。

残念ながら、飲食業界はそうした動きの中で負けている傾向が強く、慢性的な人手不足に陥っている飲食店も少なくありません。そのような状況は、本文でも詳しく説明しますが「負のスパイラル」を生み、どんどん店舗の状態は悪化していきます。経営者、店長としては何としてもその負のスパイラルから抜け出す方策を考える必要があります。

そこで今回は、人手不足の解消にはどのような方策があるのかを紹介し、負のスパイラル脱出へのヒントをご提供します。

人手不足で起こる負のスパイラルとは?

仕事に疲れた女性

人手不足は、単に店が回らなくなるという目の前の問題点だけではなく、店舗全体のクオリティや集客力を落とし、それがまた人員不足を招くという負のスパイラルを起こします。万が一、負のスパイラルに迷い込んでしまうと、最終的には飲食店として成り立たなくなってしまう危険性をも秘めています。店舗を閉店に追い込む負のスパイラルについて、以下で詳しくご説明します。

お客様の不満による負のスパイラル

人手不足が起こると、ホールでの接客レベルが落ちます。それだけではなく、キッチンでも人手不足から料理を作る時間が長くなってしまい、お客様への料理提供が遅くなります。反対に、人手不足をスピードで補おうとすれば、それだけ調理が雑になってしまい料理の質が落ちます。この2つが重なるとほとんどの確率でお客様の満足度は下がります。その結果、店舗への客足が遠のき、売上が減少します。すると、お店の利益が徐々に圧迫されていき、人件費を削る必要が出て来ます。人件費を削るということは、従業員の人数や勤務時間を減らすことになります。つまり、少ない従業員数でオペレーションを回さなければならなくなります。それによって、またお客様満足度が下がり、売上が減少し、ますます人件費を削らざるを得なくなり、人手不足になって……というのが負のスパイラルです。

従業員の不満による負のスパイラル

人手不足は少ない人員でオペレーションを回すことですから、ホールにしろキッチンにしろ、1人で何役もこなさなければならなくなります。こうした状況は過重労働、長時間労働を招き、労働環境は悪化の一途を辿ります。労働環境の悪さに嫌気がさしたスタッフはどんどんお店から離れていくため、退職者の増加につながります。退職者が増えればますます人手不足は深刻化し、さらなる労働環境の悪化を招くでしょう。このような負のスパイラルに入ってしまったお店に仮に新人が入ったとしても、先輩スタッフはあまりの忙しさから新人教育に時間を割けないでしょう。満足のいく教育がされないことに新人も不満を持ち、すぐに辞めてしまうという負のスパイラルも生じるかもしれません。

このように、人手不足は業績面、人員面の両方で負のスパイラルを招くのです。こうなってしまうと、抜け出すのは簡単ではありません。

なぜ人手不足に陥るのか?

辞表を出す女性

なぜ人手不足は生じてしまうのでしょうか。

募集しても応募がない

正社員、アルバイトともに採用市場の競争が激化しているため、求人広告を出しても応募がほとんどない、応募があっても採用レベルに達しない人ばかりが来るという現象が起こりやすくなります。

すぐに退職してしまう

採用しても、飲食店特有の労働環境の厳しさや、労働環境が負のスパイラルによってさらに悪化している場合、すぐに辞めていってしまうということがあります。退職しても、昨今の採用市場の状況によってほかの仕事がすぐに見つかりますし、昔のように「頑張って1人前になる」というような意識を持った人も社会全体で少なくなっているため、辞める際の障壁が非常に低いのです。

従業員のスキルが低い

従業員1人1人のスキルが低いということもあります。従業員の人数は十分なのに、1人あたりの仕事量が0.8人分しかなければ、現実的には人手不足であるとい言えます。そうなってしまう理由は、採用した人間を教育によって1人前にしなければなりませんが、先輩や上司が忙しくてその時間が取れなかったために、スキルが上がらなかったということに尽きるでしょう。

シフトの組み方が悪い

シフトの組み方が悪いということもありえます。一番忙しい時間帯にしっかりスタッフの人数を入れず、比較的余裕のある時間帯に多くのスタッフが働いているという組み方をしていると、営業をするうえで十分な人員が確保できていないという意味での人手不足が発生するでしょう。

人件費に限界がある

人件費に限界があるということもありえるでしょう。スタッフを増やしたいけれど売上が下がっていている、食材が高騰して粗利が減ってきている、家賃相場の上昇で固定費が上がっている、光熱費の値上げが続いているなどの理由で、人件費を削らざるを得ない状況になっているということです。経費の中に、無駄な出費が多い場合もあるでしょう。


以上のような理由が複合的に絡み合って、人手不足が生じているのです。では、そのような現象をどのように解消したらよいのでしょうか。その方策を以下にご紹介します。

人手不足解消法1:労働効率のアップ

効率アップ

非常に悲観的に言えば、今後飲食店でスタッフの「人数」を増やすことは、ますます厳しくなっていくことが予想されます。そのような状況下で人手不足を解消するには、1人1人の仕事の効率を上げて、優秀な「人財」を増やすことが最も現実的となります。

一人ひとりが業務時間を延ばすのではなく、効率的に働くことで1.2人分、1.5人分になれば、人手不足は解消するでしょう。つまり、労働効率のアップを促すのです。1.5人分働いているスタッフに1.5倍の時給を支払えば、それだけモチベーションも上がって定着につながるかもしれません。それだけではなく、頑張った分だけ給料が多くなるという仕組みができれば、採用市場でもアピールポイントとして勝てる要素が出てきます。そのためには、以下のことを行いましょう。

研修時間を最優先にとって仕事のクオリティを上げる

研修による1人1人の仕事のスキルアップ、それによるクオリティアップを図りましょう。忙しい業務の中、従業員研修はどうしても後回しになりがちです。しかし、優秀な人財を育成して仕事のクオリティを上げるためにも、店長は最優先で研修時間を確保するようにしましょう。アルバイトに対して研修を行う際は、研修時間も時給を発生させる必要があります。研修を行う際の費用は将来の投資となります。将来的に1.2人分働けるようになれば、れっきとした投資となるでしょう。

スタッフのマルチタスク化

マルチタスクとは、2つ以上の役割を担えるという意味です。その最たるものは、キッチンとホールの兼任ができるスタッフを作ることです。これができるスタッフが多ければ、ホールに3人、キッチンに3人、合計6人と固定的にシフトしなくても、ホールに2人、キッチンに2人、マルチタスクが1人、合計5人という形で繁忙時間も乗り切れるようになり、人手不足が解消するでしょう。マルチタスクを担える従業員を育成するのにも、当然のことながら教育の時間と手間がかかります。しかし、マルチタスクを担える従業員の育成に成功すれば、いくらでも元が取れます。

シフトの見直し

時間帯別の人員状況を見直し、最適なシフトになっているか確認しましょう。その大前提は、売上予測がどこまで正確にできるかということです。適切なシフトが組めていないとしたら、売上予測から見直す必要があります。適切な売上予測をしたら、スタッフ各人の能力レベルを考慮しながらシフトを組むようにしましょう。

人手不足解消法2:人員の確保

カフェで働く男女のスタッフ

厳しい競争の中でも諦めてはいけないのが、スタッフの人数を確保していくということです。そのためには、以下のことを実行しましょう。

スタッフ定着率のアップ

1つは「採用したスタッフを辞めさせない」、つまり定着率のアップです。そのためには下記のことを行いましょう。

  • 店長による頻繁な面接によるモチベーションのアップ
  • 特に入社初期の研修時間を優先してとる
  • 先輩後輩の人間関係の構築を促進する
  • 時給や手当と連動した、細かいステップでの昇格制度を作り、確実に運用する

求人応募数のアップ

求人広告に対する反応を上げていく努力も必要です。そのためには、下記の方法などが効果的です。

  • 可能な限り時給を見直す。あるいは研修時給、本採用時給を設けて、求人広告では競争力のある方をメインに表示する
  • 求人広告を、直近で採用した新人従業員に見てもらい、印象を聞いてみる。新人従業員から聞いた印象をもとに、採用を希望するターゲットの心に刺さる表現に変えていく
  • 求人広告の反応は、掲載媒体、掲載内容別に管理する。反応がなければどんどん見直し、反応があればそれを続ける
  • 「お店の制服を着たいから応募する」というような制服デザインに見直す

コスト見直しによる人件費の確保

食材の仕入れ先を変える、値下げ交渉をする、電力会社を安いところに変える、電灯をLEDにする、レシピやポーションを見直して原価を下げる、無駄な消耗品の購入を止めるなどを行って、人件費を確保することも重要です。

人手不足解消法3:積極的な外国人採用

外国人労働者

外国人の採用を積極的に行っていくことが、今後の採用市場では重要になっていきます。採用方法は、求人広告に「留学生歓迎」「多くの外国人の方が働いている職場です」という文言をいれればそれなりに反応があるはずですが、以下の点には注意が必要です。

法的に問題ない外国人を採用する

外国人と言っても日本への入国ビザによって、採用しても問題がない場合、問題がある場合、職種に制限がある場合があります。採用ルールを守らなければ、不法就労を助長したとして重い罰則が科せられる危険性もあります。また、不法就労が露見した場合は、ほぼ確実に新聞などで報道されますから、店舗へのダメージは非常に大きいと言えます。必ず以下のルールを守って採用しましょう。

採用しても問題がない場合

  • 適正に就労ビザを取得している。この場合はシェフとして働ける
  • 日本人や永住者と結婚しており、配偶者ビザや定住ビザを取得している
  • 帰化して日本国籍を取得している

採用してはいけない場合

  • 観光ビザしか持っていない
  • 就労ビザで日本に来たが、仕事を辞めてしまいビザの期限が切れている

採用上の注意が必要な場合

  • 「留学」や「家族滞在」のビザで日本に滞在している場合は、「資格外活動」の許可取得が必要
  • その際の労働時間は週28時間まで

外国人が働きやすい環境を作る

以上のような条件に合致して外国人を採用した場合でも、すぐに辞められたのでは人手不足の現実は変わりません。ですから、日本人の時と同様に、場合によってはそれ以上に働きやすい環境を作ることが重要です。具体的には以下のような点に気をつけましょう。

  • 研修をしっかり行う
  • 店長も相手の国の言葉を単語程度で覚える
  • 日本の食文化について丁寧に説明する
  • ほかの日本人スタッフが外国人差別の言動をしないように厳命し、破った場合は解雇を含めた重い処分を行う

まとめ

順調な採用活動

いかがでしょうか?

人手不足は店舗にとって営業の存続にかかわるような大きなリスクとなります。人手不足が問題なのは、人手不足が起こると負のスパイラルに入ってしまいどんどん店舗経営が悪化するという点です。

この記事でご紹介した方策を、飲食店経営をされる経営者や店長は最優先で実行し、何としても人手不足を解消させましょう。