ホールスタッフ、キッチンスタッフの適した人材の見分け方について

飲食店

カフェホールスタッフ

これをお読みの飲食店の経営者、店長の方のお店にはいい人材が育っていますか?今の社会状況では採用でさえ大変ですが、しかし誰でもいいと言って採用すると、結局戦力にならなかったり、すぐに退職して求人費もかけた手間も無駄になったりするかと思います。

人がいくらほしくても、自分の店舗やその仕事に合った人材を見極めて採用することが大切です。飲食店における「仕事」とはご存知のようにホール業務とキッチン業務が主となります。両方できれば、店は少人数で回せて人件費的にもオペレーション的にも効率が良いのですが、なかなか最初からそができる人材はいません。

まずは、ホールスタッフに向いているか、キッチンスタッフに向いているか、という2択で採用し、育成することになります。ところが面接においても、採用後の初期の段階でも、その人材がホールスタッフに適しているのか、キッチンスタッフに適しているのか、ということを見分けることは難しいのが現実です。

そこでここでは、どういう人材がホールスタッフあるいはキッチンスタッフに適しているのか、そしてそれはどう見分けるたらよいのかという点についてご紹介します。

まずは自分の店舗に合うかを見極める

おしゃれなカフェ内装

冒頭に書いた通り、誰でもいいという採用をすると、結局あらゆることが無駄になるだけではありません。店の規模によっては、その人材のために接客や料理のクオリティが下がり、その影響で来店客数が減り、店の業績そのものが落ちてしまう危険性さえあります。

そのため、経営者や店長は「人の穴埋め」を探すのではなく、「自分の分身を探すつもり」で採用することが必要です。そのためには、ホールスタッフに向いているかキッチンスタッフに向いているかという以前に、自分の店にその人材が合っているかということを見極めなくてはなりません。

それを見極める3つのポイントを紹介します。

経営者、店長の店舗運営の価値観、方針に合っているか

経営者、店長であれば誰でも自分の店の経営方針があると思います。それが「お客様に笑顔で帰ってもらう」でも「効率重視。スピード提供、スピードバッシング」でもかまいません。いずれにしても、その経営方針に合致した価値観を持っているか、あるいはそれが実践できる潜在能力を持っているか、という基準で人材を採用することが重要です。まずはここを採用時の最初の判断ポイントにしましょう。

チームワークで仕事ができるか

どのような経営方針の店であれ、複数の人間でホールやキッチンを回しているのであれば、ホールでもキッチンでもチームワークで仕事ができることが絶対条件です。とはいえこれは「みんなと仲良くできる」ということではありません。ポジションがきっちり決まっている場合は別ですが、キッチンなら焼き場が回っていないと見えたらフォローに入る、ホールならバッシングが間に合っていなければすぐ手伝う、などのまさに「チーム」で仕事ができるかどうかという点が重要です。われ関せずといった態度や自分の仕事さえしていればいい、という人材は採用しても後々問題になることが多いでしょう。

あいさつ、服装、清潔さは兼ね備えている

ちゃんとあいさつができる、服装が乱れていない、不潔な感じがない(爪が伸びていたり髪の毛がぼさぼさなど)という3つは必ず押さえましょう。これは学生アルバイトであっても社会で働きお金をもらうという時の最低要件です。これをクリアしていない人材は、仮にどんなに技量が高くても、採用してしまうと必ずトラブルのもとになります。

ホールスタッフの要件と適しているかの見分け方

テーブルを拭くホールスタッフ

それでは以上の要件をクリアした上で、その人材がホールスタッフに適しているか、キッチンスタッフに適しているか、ということ判断するためのそれぞれの仕事の要件とその適性の見分け方についてご説明します。

ホールスタッフに最低必要な要件は以下の4つです。これさえクリアしてくれていれば、ホールで仕事をしてもらってもお客様へ不快な思いはさせません。また、OJT(オンザジョブトレーニング)と潜在能力によってはそれ以上の人材に育成することも可能です。

1:笑顔

まず大切なのが笑顔です。ホールスタッフはお客様とコミュニケーションをとるのが半分以上の仕事ですので、お客様を不快にさせないことが第1条件となります。

お客様から上がってくる接客面の不満の中で圧倒的に多いのは、「店員が不愛想だった」といったホールスタッフの態度についてです。面接時に「不愛想かどうか」を確認するために、雑談なども交えて、普通に話していても笑顔が出るかをまず見極めましょう。

2:ハキハキしている、人の話を理解できる

ホールスタッフに必要なコミュニケーションの最低能力は、ハキハキと話せるか、そして何よりお客様の要望や質問、あるいはクレームをきちんと理解できるか、ということです。

この2つがないと、料理の説明ができない、オーダーの復唱ができない、質問されても的外れな答えをしてしまう、とお客様の不満の原因となる可能性があります。また、お客様の要望がきちんと店長やキッチンに伝わらず、店のオペレーションそのものに支障をきたしてしまうこともあります。

3:気が付く、気が回る

お客様の目に触れるのは、料理とホールの状態です。たとえば、ホールの通路にゴミが落ちている、テーブルの隅に汚れが残っている、などといった状態です。それらをすべてマニュアル化しても、気づかないスタッフは言われるまで気づきませんし、気が付く・気が回る人材は何も言われなくてもさっと拾うことができます。

また、お客様がフォークで不自由そうに食べていたら「お箸をお持ちしましょうか」というような声掛けができるかも、気が付く・気が回るという性格だからです。そういう積み重ねが、店の接客のクオリティに影響するので、この要件も必須項目にすることをおすすめします。

4:人の役に立ちたいと思っている

これはマインドの問題になりますが、ホールスタッフは人の役に立ちたいという性格の持ち主を選ぶことをおすすめします。

たとえば、お客様の連れている赤ちゃんが泣きだしてしまった時に「あ~うるさいな」ではなく、「困っているだろうから、何とか泣き止むように助けてあげよう」と思うかどうかです。こういうマインドを持っているかどうかが接客の面で現れます。「うるさいな」「面倒くさいな」と思うと必ずそれは顔に出ますし、出なくてもお客様から言われて初めて動くようなことでは、店の接客に対する顧客満足度は上がりません。

ホールスタッフに適しているかの見分け方

それでは以上の4つの要件を満たしてるかどうか、ホールスタッフに適しているかどうかの見分け方を紹介します。

最初の2つの「笑顔」と「ハキハキしているか、人の話を理解できるか」は面接時の対応で判断できます。

4の「人の役に立ちたい」も、「今まで1番感動したことは?」「どういう時に幸せだと思うか?」という質問で、ある程度はわかります。ここで「誰かに感謝されたとき」という内容の答えであれば合格です。ただし、そういう内容ではないからと言って、この気持ちがないとは限りません。

3に関しては、こちらが相当の経験を積んでいない限り、面接だけの判断は難しいでしょう。3と4はやはり仕事をしながら、OJTをしながら判断せざるを得ないのが現実です。

では、採用後にどういう方法でその要件を満たしているかを判断するかですが、たとえば2についても再度確認したいのであれば「何かの説明をして、その説明の内容を復唱させる」ということで、理解力を判断することができます。3については、小さなゴミをあえて通路に落としておいて、そのスタッフが拾うかどうか判断するのも方法でしょう。4については、OJTや実際の接客の場面、あるいはミーティングなどでの発言で判断していきます。

キッチンスタッフの要件と適しているかの見分け方

盛り付けをするキッチンスタッフ

次にキッチンスタッフに適しているかの見分け方です。キッチンスタッフとして働いてもらう上では、最低限以下の4つの要件を満たしていることがポイントとなります。

1:マニュアル・指示を守る、几帳面

一流の調理人であればクリエイティブな才能が必要ですが、一般的な飲食店の場合は、一定のクオリティの料理を安定して提供することが重要です。つまり、キッチンスタッフはマニュアルや指示をその通りに実行できることで十分であり、そしてそれが最も必要な条件となります。自分で味付けを変える、アレンジをする、などをしてしまう人材は向いていないといえるでしょう。

また、指示通りに調理するということは、たとえば調味料の分量を「小さじ1」と言われていたら、毎回きちんと小さじで1杯を図る几帳面さが重要です。慣れてきたから目分量でという行動をとってしまうと、料理のクオリティが下がり、場合によってはオーバーポーションなどをして原価にも影響してしまう可能性があります。

2:理解力がある

これは上の要件と連動しますが、キッチンの仕事が身につくまで隣で手取り足取り教えられない限り、そのスタッフには口頭あるいはマニュアルでレシピを指示することになります。その場合、口頭での情報、文字や写真で情報を正しく理解して「再現」してもらわなければなりません。それができないと、これもまた料理のクオリティを下げてしまいます。

この能力は誰でも持っていそうですが、実際には、入ってくる情報を脳で咀嚼して自分の中に定着させる、ということが意外にできない人も多いのです。

3:手際を考えられる、工夫できる、考えられる

1の要件と一見矛盾するようですが、キッチンスタッフには仕事の効率化が図れるような手際の良さも必要となります。マニュアルや指示を守ってもらうことともしっかり整合しています。

たとえば、必要な食材はマニュアル通りに正しく計量し、その上でそれらを前もって使う順番に並べて置くといったような作業上の工夫を、自分で考えてできるかということです。これがいつまでもできないと、調理のスピードが上がらず、提供までに時間がかかってお客様の不満につながります。場合によってはキッチンスタッフの増員が必要になり、利益を圧迫してしまうこともあります。

4:美的な才能が多少はある

料理で1番大切なのは味ですが、盛り付け方によってはその味に影響がでてきます。また、いくら美味しい料理でも、汚い盛り付けでは満足度が上がりません。その盛り付け方はある程度はマニュアルや指導でコントロールできますが、細かい部分はそのスタッフの美的感覚の問題になってしまいます。芸術的なセンスは不要ですが少なくとも「この盛り付けは汚い」というような判断ができる感性はあると良いでしょう。

キッチンスタッフに適しているかの見分け方

それでは以上の4つの要件を満たしてるかどうか、キッチンスタッフに適しているかどうかの見分け方を紹介します。

キッチンスタッフに適しているかどうかはホールスタッフ以上に、実際にOJTを行ったり仕事をさせている場面でなければ判断がつかない部分が多くあります。

しかし少なくとも1と2は面接時にある程度判断がつきます。面接時にシフトの申請の仕方などを説明し、相手がその内容をメモするか、あるいは復唱させて答えられるか、などで「几帳面」と「理解力」を判断しましょう。

3と4は採用後しか判断できませんが、できるだけ早いタイミングで、マニュアルを渡して簡単な料理を作らせる、などをすると2も含めて料理の手順や手際、あるいは出来上がりで判断できます。

まとめ

男性に接客するホールスタッフ

いかがでしょうか。人材の採用は、企業にとっても店にとって非常に大きな戦略であり、業績に直結することです。

まずは面接時にしっかり見極めて不適合な人材を採用しないこと、そして採用後はできるだけ新人のうちに観察と簡単なテストをして、早めに見極めることを心がけましょう。

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