食フェスのメリットや出店方法、メニューのポイントを紹介します

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フェスを楽しむ男女

食フェスというイベントをご存知でしょうか。食フェスは老若男女問わず非常に人気のイベントで、大きな動員力があります。1週間食フェスを開催すれば、数万という単位の人が集まることも多々あります。数万もの人々が集う食フェスということもあって、様々な飲食店がそれぞれの思惑で出店しています。

食フェスは今後の食のトレンドにおいて大きな潮流になっていくこと、そして、現在においても極めてビッグなビジネスチャンスであることは間違いありません。

そこで今回は、食フェスの具体的な内容とそのメリットおよび参加方法、メニューのポイントなどについてご紹介します。

食フェスとは?

食フェスの料理

最初に、食フェスがどういうものかということをイメージしていただきましょう。

食フェスは「グルメフェス」とも呼ばれています。食フェスの主催者は、自らのイベントのことを「フードエンターテイメント」と呼んでいたりもします。

食フェスのフェスは「フェスティバル」、つまり祭りです。祭りと言えば、神社で行われる祭りを思い浮かべる方もいらっしゃるのではないでしょうか。祭りの縁日には焼きソバやタコ焼き、大判焼きといったさまざまな屋台が出て非常に賑やかです。食フェスは、縁日の屋台が飲食店の「出店ブース」に替わっているものと考えていただくのが1番わかりやすいでしょう。

ただし、縁日の場合は通路に沿って屋台が並びますが、多くの食フェスの場合は、イベント会場やドーム球場の外側一杯にぐるりとブースが並びます。そして屋台に囲まれるように、テーブルと椅子が真ん中に置かれます。参加者はそれぞれ好きなお店で食べ物を購入し、買った食べ物をテーブルで食べるというのがよく見る光景です。似ているものとしては、大型ショッピングモールのフードコートがあります。ショッピングモール内の物販店は閑古鳥が鳴いているにも関わらず、フードコートだけは大勢の家族連れなどで賑わっています。食フェスと似ているフードコートが人気なように、当然のことながら食フェスも非常に人気なのです。

食フェスもどんどん細分化され、ラーメン店だけが集まった食フェス、肉料理だけが集まった食フェスなどが開催されるようになり、どの食フェスも人気です。変わった食フェスとして、「そば」と「日本酒」だけがテーマの食フェスが東京の代々木公園で開催されたり、宮城県の「アンコウ肝鍋」、富山県の「白えび雪見鍋」など地方色豊かな食フェスが開催されたこともあるほどです。

食フェスに出店する飲食店も、日中常にウェイティングかかっているような人気店や、各地に支店を出さない有名店なども多く参加しています。最近では、「ミシュラン」の星付き店だけが集まった「ミシュラン・グルメフェス」などというものさえ開催され、大賑わいとなっています。

食フェスは人気!?

賑わうフードコート

食フェスの人気沸騰ぶりをデータで確認してみましょう。

食フェスへ行ったことがあるという人は、全世代合計で15.6%にも上っています。この数字だけを見ると大したことがないような感じもあります。しかし、野球を球場で観戦したことがある人の割合が全世代で15%程度とされていますので、すでに野球に匹敵する国民的イベントだとも言えるのです。

年代で見てみると、最多は女性20歳代で27.0%にもなります。つまり20代女性の4人に1人は食フェスに行ったことがあるということです。

潜在的なニーズである「今後食フェスに行ってみたい」という人は57.1%となっています。これは、60歳代以外は全て過半数超えの結果となっています。

行ったことのある食フェスの種類は、「B級グルメ・ご当地グルメフェス」が参加経験者のうちの34.3%、「肉料理フェス」が32.9%、「ビール・地ビールフェス」が32.6%となっています。この結果から、食フェスの走りとして開催され盛り上がった「B-1グランプリ」から続く流れは大きいようです。

食フェスに好んで行く理由は、「普段は食べられないものが食べられる、飲める」が61.6%でした。これはつまり、普段食べられない人気店、旅行しなければ行けない地方の有名店の料理を食べられることが1番の魅力だということでしょう。

しかし、1度食フェスに行ってみると分かりますが、参加者は1店舗の料理だけ食べるのではありません。様々なブースからいくつも料理を買ってきて、それをテーブルに並べていろいろな味を楽しむというのが、1番よく見る光景です。つまり、有名店に惹かれて食フェスに参加した場合でも、食フェスに出店している知らないお店の料理で美味しそうなものがあれば、一緒に買って食べる可能性があるということです。消費者のこうした傾向は、一般の飲食店でも食フェスに参加する魅力があることを指します。

食フェス出店のメリット・デメリットとは

晴天の中の天秤

非常に盛況な食フェスですが、飲食店が出店するメリットは単純に店舗の料理を販売できるだけではなく、ほかにも多様なメリットがあります。

食フェスの8つのメリット

  1. 販促チャンスの場
    食フェスは絶好の販促チャンス、店舗のアピールの場となります。店舗型の飲食店は、食べログなどのグルメサイトに載せていても、膨大な店舗数に埋もれてなかなかアピールできないことがあります。しかし食フェスは、出店費用だけ支払えば2週間程度の開催期間中に集まる万単位の参加者に対して、店舗と料理をアピールできるのです。食フェスで食べた料理が美味しかったから、実際の店舗にも行くというケースは非常に多いとされます。こうした事実は、大変な販促チャンスだといえるでしょう。
  2. 新メニューのテストができる
    出店時の戦略にもよりますが、現在の人気メニューに加えて新メニューも投入するのも効果的です。なぜなら、新メニューに対する参加者の反応を見ることで、リアルな現場でテストマーケティングを行えるというメリットがあります。
  3. 出店による売上獲得
    店舗での売上のほかに、プラスの売上が獲得できるというメリットです。地方の食品メーカーにとって、今やデパートの地方物産展が大きな販売ルートになっているのと同じように、「食フェス」というルートが店舗のもう1つの大きな売上の柱になれば、経営的にはかなり潤いますし、ビジネスチャンスが広がります。
  4. 高い利益率を確保できる
    食フェスは小さなブースに少ない料理メニューで出店しますから、基本的にはスタッフは最少で済みます。最小のスタッフで望めるにも関わらず、売上は1日に数十万というのも普通です。つまり、非常に安い人件費コストで売上を上げられるため、利益率が高いのです。
  5. 原価率を抑えられる
    人件費だけではなく食材ロスも少なくて済むことです。メニューが少ないことと、出店前に主催者から参加人数予測と過去の出店店舗のおおよその実績を教えてくれますので、1日の販売量が比較的高い精度でわかります。それによって、仕込み数もかなり正確にできるので、ロスが減り、原価率が下がるのです。
  6. ノウハウの取得
    初回参加の場合の話となりますが、食フェスは参加してみないと出店準備やメニュー構成、看板などの装飾といった細かいノウハウがわかりません。会期中には手探りで出店ノウハウを学び、次回以降の出店時の成功確率を上げていくことができます。
  7. エリアマーケティングができる
    食フェスが開催される地方に実店舗での出店を考えている場合、エリアマーケティングもできるでしょう。特に、地方独特の料理が首都圏で受け入れられるのか試す場合、東京で行われる食フェスに参加するのは必須です。仮にそこで全くウケなくても、損失はわずかな出店料だけで済みます。いきなり実店舗を出して失敗してしまった場合、損失は百万円単位、下手をすると千万円単位になってしまうでしょう。そのようなリスク回避も食フェスではできるのです。
  8. 競合店の視察ができる
    熱心な経営者の方であれば競合店に試食にいくこともあるでしょう。しかし、それだけでは味がわかっても消費者に人気なのかどうかまではわかりません。しかし、食フェスであれば試食もできますし、自分の目の前で消費者からの人気の有無までも明確にわかるため、非常に参考になるでしょう。

食フェスのデメリット

食フェスはメリットだけではありません。やはりデメリットもあります。

  1. 出店費用がかかるbr>費用に関しては食フェスの動員力などに左右されますが、1日10万円単位以上は確実にかかります。したがって、それをペイできる売上が上がらなければ、損失が出てしまうということです。
  2. 煩雑な手続きや準備が必要
    屋外に出店するうえでの手続きや準備は意外と手間となります。限られたブースの中で、いかに効率的にオペレーションをしなければならないのかについて頭を悩まされることもあれば、食フェスが開催される地区の自治体によっては、食品衛生責任者の資格を持つスタッフが常駐しなければならなかったりと、クリアしなければならない問題は多々あります。煩雑なことが多いとお思いになられると思いますが、ひとつひとつ確実に問題を解決して、食フェス出店を目指しましょう。

食フェスってどうやったら出店できる?準備は?

エビ入り新鮮サラダ

食フェスはデメリットもあるものの、メリットの方がデメリットよりもはるかに大きいでしょう。デメリットがあることも理解しつつ、食フェス出店で得られるメリットを享受したい思った場合には、どのような準備と手続きが必要となるのでしょうか。

食フェスを検索する

まずは、どの食フェスに出店するのかを考える必要があります。しかし、今現在飲食店向けの食フェス情報のポータルサイトのようなものは存在しません。したがって、参加者側の情報から、食フェスの開催予定を調べるしか方法はありません。たとえば、以下のようなサイトを利用することで出店できそうな食フェスを探してみましょう。

るるぶ.comのイベント情報

あるいは、飲食店向けの団体などに加入している場合は、その団体を経由して出店募集が行われる場合もありえます。まれに、地方自治体が主催する食フェスもあるため、地方自治体のHPも随時チェックしましょう。

すでに出店申し込みが終了している食フェスでも、店舗の販促やPRに最適な食フェスだと思われるものには、参加者として行ってみるのもよいでしょう。食フェスが行われる現場を見れば店舗にふさわしいかわかりますし、いざ出店する際の参考にもなります。また、主催者ブースなどでは次回の出店案内を配布している場合もあります。

申し込みはサイトから

出店したい食フェスが決まったら、主催者の運営しているHPで問い合わせと申し込みができます。しかし、出店費用や出店条件など細かいことまでは書いてないことが多いので、まずは電話かメールで問い合わせをしてみましょう。特に、出店資格は食フェスによって違うのでしっかりとチェックすることが大切です。

参考までに、ある食フェスの出店条件を載せておきます。

  • 現在営業中の飲食店営業許可書を持っていること
  • 出店の際、食品衛生責任者の資格を保有するスタッフが現場に常駐できること
  • 過去に食品衛生法、あるいはこの法律に基づく処分を受けたことがないこと
  • PL保険に加入していること

しっかり出店条件を確認し、店舗が該当していることを確認しましょう。条件に合致していれば、申込みは可能です。申込後、主催者側での選考に通過すれば、出店が可能になります。

準備物は各店舗で用意

出店する場合は、以下のものを各店舗で用意しなければなりません。

  • テント
  • 調理器具
  • 看板などのテントの装飾
  • あわせて販促もするならチラシやパンフレット
  • 釣銭

食フェスは似たような業態の飲食店が軒を連ねますから、まさに熾烈な競争状態となります。他店舗よりも頭ひとつ抜け出すには、看板などの装飾は絶対に目立たなければなりません。初めて参加する場合は、事前にほかの食フェスに参加し、どの程度の看板とデザインにすればよいのかを検討しましょう。

出店費用は食フェスの規模や集客力で様々

出店費用は、参加する食フェスの動員やブースの大きさによってさまざまです。参考情報として、「ジャマイカフェスティバル」という食フェスでは、2.7m×3.6mという非常に小さいブースで2日間出店し、25万円の出店費用となっています。

食フェスでのメニューはどうしたらいい?

辛そうなローストチキン

食フェスを成功させるに準備も重要ですが、何より大切なのはメニューとなります。種類を揃えれば揃えるほど、食材ロスも発生し、オペレーションも複雑になります。つまり、メニューはできるだけ絞り込んだほうがよいのですが、それでウケなければ玉砕状態になってしまいます。ですから、メニューは慎重に考えて決めましょう。メニューの決め方のポイントをご紹介いたします。

申し込み時にメニューを決めておく必要がある

食フェス申し込み時の段階で、提供予定のメニューは必要です。出店するであろう競合のメニューを想定して、特徴のあるメニューをシミュレーションすることで決定する必要があります。メニュー選定の参考になるのは、前年に行われた参加予定の食フェスです。前年の食フェスを何らかの理由で参考にできない場合は、似たようなコンセプトの食フェスを参考にしましょう。

生ものは通らない可能性が高い

多くの場合、生野菜を含む生鮮食品は、主催者が一括で申請する保健所の許可が降りないため出すことができません。保健所の審査基準も自治体によって異なりますので、生ものについては主催者と事前に相談しておくことをおすすめします。

人気メニューで売上優先か、新メニューでアピールか

メニューのコンセプトも重要です。人気の定番メニューを出して売上を取りに行くという方針もあるでしょうし、定番と少し違ったメニューで競合店との違いをアピールし、新たな客層を開拓する方針もあるでしょう。両方ができれば1番よいですが、先に書いたようにメニュー数には限界がありますから、難しい取捨選択を迫られます。

食材、容器の手配も要検討

食材を何食分用意するのか、特に地元ではない食フェスへの出店の場合、調達はどうするのかも検討が必要です。食フェスの食器はプラスティック容器限定ですし、箸なども店舗側で用意することになりますから、どのような形状でいくつ発注するのかを考えましょう。特に、容器は食フェス終了後は使いまわしが利きませんから、数量は慎重に決める必要があります。

仕込みは営業許可のある場所でしかできない

仕込みは営業許可をとってある場所でしかできません。つまり、現地で仕込みができないということです。仕込みの場所についてどうするかは、要検討しましょう。

まとめ

ガーデンパーティー

いかがでしょうか?

飲食店にとって、実店舗以外の営業スタイルを獲得していくことも、これからの時代を生き残るためには非常に重要なこととなるでしょう。食フェスにはデメリット以上にメリットがたくさんあります。ですから、煩雑な準備を乗り越えてでも出店する価値は十分にあるでしょう。

もし、食フェスへの参加経験がなければ、まずは客としていってみましょう。食フェスに参加してみて、店舗をPRできる大きな可能性を感じたら、近隣で行われる食フェスへの出店をぜひ検討してみましょう。