福島の日本酒は美味くて人気ってホント!?仕入れ方法や特徴を紹介

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大量の酒樽

福島を襲った大災害として今でも忘れられない、忘れてはならないのが東日本大震災です。震災の影響で、福島県にも大きな被害がもたらされました。また、災害の影響もさることながら、それに輪をかけて福島原発の事故による風評被害によって、福島の県産品は大打撃を受けました。福島県で醸される日本酒も例外ではなく、一時期は生産量、販売量ともに落ち込みました。しかし、現在は放射能検査もしっかり行われていることもあり、各酒蔵は徐々に立ち直りつつあります。そもそも、福島県は古来より米どころのため、良い日本酒ができるエリアなのです。

そこで今回は、福島の日本酒にスポットを当て、その美味しさや人気の銘柄、仕入れ方法についてご紹介していきます。

福島の日本酒の特徴

米と日本酒

福島の日本酒の特徴には、どのようなものがあるのでしょうか。

酒造り400年の歴史

驚くことに、福島の酒造りの歴史はおよそ400年前に始まります。つまり、江戸時代の草創期からです。酒造りのきっかけは、江戸時代に現在の福島である会津藩に入植した名君、保科正之が、近江から杜氏を呼びよせ酒造りをはじめさせたことによります。その後も会津藩の手厚い保護と酒造りに適した抜群の環境、そして杜氏の努力に支えられ、酒蔵は次第に増えていったのです。ピーク時には、会津藩領内に300カ所を超える酒蔵があったといわれています。

レベルが高い

酒造りの伝統は、福島の酒造りのレベルを格段に上昇させました。その結果、現代の日本においても、全国の酒蔵が自分の蔵の酒造りの技を競う「全国新酒観評会」にて、金賞を受賞した数が5年連続日本一という記録を更新中です。

「全国新酒観評会」で金賞が受賞できる酒は5本に1本程度しかありませんから、受賞するだけでも大変であり、栄誉なことなのです。それを福島の酒蔵が、受賞数で日本一を5年連続獲得しているのです。この事実は、東日本大震災の影響から、少なくとも日本酒の品質の面では完全に復活し、さらにパワーアップしている証しと言ってよいでしょう。

福島県内でも産地は多様

ここまでは「福島の日本酒」と一括でご紹介してきましたが、実は「福島の日本酒」と一括で語れるものではありません。なぜなら、そもそも福島県というエリアは、越後山脈と奥羽山脈に挟まれた雪深い内陸エリアの「会津」と、奥羽山脈と阿武隈高地に挟まれた比較的温暖な「中通り」、そして、阿武隈高地から太平洋に面した「浜通り」の3エリアに分かれ、気候も文化も全く異なるからです。

福島の日本酒は以上3エリアでそれぞれ作られていますから、気候の影響を受けやすいとされる日本酒は、3エリアで全く異なる味わいとなります。

もちろん、気候と文化が異なるといっても沖縄と北海道ではありませんから、基本的な味わいは華やかな香りと米の甘み、旨味を感じさせるしっかりした味わいの日本酒という点で共通しています。しかし、会津エリアの喜多方などで醸される日本酒は、ほかの芳醇系に比べて淡麗辛口です。

さらに、福島は米どころでもあるため、今や全国区になった五百万石やポピュラーな山田錦、そして福島独自の「夢の香」などが酒造りに用いられ、それぞれの味わいを出しています。夢の香や山田錦などを使った日本酒は華やかな味わい、五百万石を使ったものは淡麗辛口、というような具合です。

福島の日本酒の厳選5種!

升に盛られた日本酒

福島には多くの「名酒」が存在しますが、その中からこれだけはぜひ店舗で扱ってほしい日本酒を厳選してご紹介いたします。

大七(だいしち) 純米生もと/大七酒造

大七酒造は、260余年の歴史を持つ酒蔵です。酒米は独自開発の精米技術で磨き、より酒米の潜在力を引き出すなどの研究熱心さでも知られています。安達太良山麓からの清涼な伏流水で仕込んだ日本酒は、白桃のような上品な香りと、豊かな米の旨みが感じられ、それでいて飲んだ後に舌がべったりしない、後味のキレがある素晴らしい日本酒です。

また、大七酒造で忘れてはならないのは、全品「生もと造り」である点です。生もと造りは、江戸時代から続く時間と手間がかかる酒造方法ですが、米本来の旨味やコクを引き出せる製法でもあります。この製法によって、全品すべてを作っている酒蔵は日本でも少ないでしょう。

その中でも、「純米生もと」は米の旨味がしっかりした、常温でも燗でも肉類などに合う味わいの日本酒です。グルメ月刊誌「dancyu」でも、日本1美味しいお燗酒に選ばれています。

写楽(しゃらく)/宮泉銘醸

写楽は、福島の日本酒の中では比較的フレッシュさを感じさせる味わいです。しかし、味の芯は1本通っているので、「水のよう」というよりは米の味も感じさせながらそれを押し付けない点が特徴です。宮泉銘醸の社長である宮森氏は、システムエンジニアから家業の酒蔵を継いだ経歴の持ち主です。異色の経歴を持つ社長のスキルを活かして、科学的な分析としっかりした製造工程管理によって、高い品質の日本酒を生み出しています。どのよう料理にもあう究極の食中酒です。

ロ万 (ろまん) 純米吟醸一回火入れ/花泉酒造

使用している酒米は、すべて夢の香や五百万石といった地元・南会津郡産のものです。加える酵母も福島県開発のうつくしま夢酵母を使用するなど、徹底した県産へのこだわりのあるブランドです。

もともとは違う銘柄の日本酒が主流でしたが、新ブランドとして立ち上げた「ロ万」は名水「高清水」を用いて、江戸時代からの伝統技法のもち米4段仕込みで造っています。その結果、米の旨みを凝縮させながら、口当たりはやさしい仕上がりになっています。

「火入れ」とは、生きている日本酒が発酵しすぎないように加熱する工程のことで、通常は2回行います。純米吟醸一回火入れは、火入れを1回に抑えていますから、かすかな発泡感と何より少しシャープな感じのフレッシュさが特徴になっています。白身魚や豆腐料理などとの相性は抜群でしょう。

会津中将 (あいづちゅうじょう)純米大吟醸 特醸酒/鶴乃江酒造

創業200年以上にも及ぶ歴史ある酒蔵の鶴乃江酒造は、会津藩御用達の栄誉を担ってきました。「会津中将」というブランド名も、初代会津藩主、保科正之が会津中将の官位を持っていたことにちなんだものです。

蒸した酒米を絞って、日本酒の元となるエキスを搾る工程を「搾り」といいます。多くの酒蔵では、「絞り」のために圧縮機を使うのに対し、鶴乃江酒造は、江戸時代から続く米の自重だけで搾る槽搾式で行っています。非常に時間もコストもかかる製法ですが、日本酒が空気に触れる時間が長いので、味わいがマイルドになるのです。

その結果、冷やでも燗でも米の優しい旨みが感じられる日本酒に仕上がります。中でも、米の精白度の高いこの純米大吟醸は、「SAKE COMPETITION 2015」で金賞を受賞しています。

飛露喜(ひろき)特別純米/(資)廣木酒造本店

福島の日本酒の中でも、今や最もメジャーなものが「飛露喜」です。飛露喜を醸造する廣木酒造は、人口わずか2万人というこじんまりしたエリアながら、日本酒造りの盛んな会津坂下という町にあります。

味わいは、まろやかな酸味と軽い口当たりが特徴です。十四代や獺祭と同じ傾向ですが、飛露喜はそれらよりももう少し米の甘さや旨味をしっかり利かせた、芳醇系の日本酒です。

一般に購入しようとすると定価の3倍近くのプレミアムがついています。何とか仕入れて提供できれば、飛露喜目当てのお客様をターゲットにした集客が可能になるでしょう。

福島の日本酒を仕入れる方法

酒造りをする酒蔵

福島の日本酒は、どのように仕入れたらよいのでしょうか。一般的な酒卸会社や酒販店では、福島限定での仕入れは難しいですので、以下のルートを試したほうがいいでしょう。

まず試飲してみるには?

仕入れの前にはやはり試飲が必要ですね。1本1本取り寄せて試飲するのは非常にコストもかかり、また数も限られます。そのような時には、お客として福島の日本酒を取り扱っている飲食店に行って、いろいろと飲んでみるのが早道でしょう。

便利なのが、福島の日本酒を置いている飲食店を網羅した「福の酒マップ」というサイトです。こちらのサイトを使えば、福島の日本酒を置いている飲食店の検索だけではなく、日本酒にも詳しいソムリエの田崎真也氏、「酒場放浪記」の吉田類氏など、福島の各日本酒に対する紹介コメントが載っています。また、直取引で仕入れる場合や、気に入った銘柄をまとめて試飲するために必要となる酒蔵の検索までできます。

現地の酒屋に問い合わせる

試飲した上で仕入れたい日本酒のめどが立ったら、今度は福島にある地元の酒販店に仕入れの可能性を問い合わせましょう。以下は、福島の日本酒にこだわって品ぞろえしている酒販店ですので、気に入った銘柄に関連した横展開の提案も受けることができます。

通販で購入する

小規模の飲食店を経営されている、またはスポットで数本入れてみるという場合は、多少コスト高になりますが、ネットで仕入れることが1番速く、確実です。たとえば、ネット通販サイト大手の「楽天」であれば、福島の日本酒のまとめページがありますので、目当ての日本酒を探してもよいでしょう。

まとめ

日本酒用のお米と徳利とお猪口

いかかでしょうか。

福島は酒蔵の数が多く、日本酒の銘柄もそろっている、知る人ぞ知る日本酒大国です。飛露喜を始め、食中酒に合う米のうま味を感じさせる、料理に負けない日本酒がそろっています。ぜひとも福島というエリアに注目して、そこで醸される日本酒の導入を検討してみましょう。