フランチャイズとは?契約の仕組みとメリット、開業までを解説

最終更新日: 2018/07/31
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
他店舗イラスト

「独立して自分のお店を持ちたい」けれど、経営のノウハウがわからなかったり、販売する商品がない場合はどうすればいいのでしょうか。その場合に助けとなるのが、「フランチャイズ」と呼ばれるビジネス形態です。代表的なのがコンビニエンスストアラーメンファストフードの飲食店ですが、エステなどの業界でもフランチャイズが存在します。

今回は、フランチャイズのビジネスモデルにおけるメリット・デメリットの比較と、オーナーになる方法をご紹介します。

フランチャイズとは

フランチャイズについて説明する男性

フランチャイズとは、フランチャイズ本部と加盟店がフランチャイズ契約を結び、加盟店が本部からの指導を受けながら、商品の販売やサービスの提供を行うビジネスモデルのことです。

フランチャイズ本部と加盟店との間には資本関係はなく、加盟店は本部から商品を仕入れ、ノウハウやレシピなどの指導を受け、本部の看板を使って営業することができます。その対価として、加盟店は本部に加盟金とロイヤリティを支払います。

独立開業して自分の店を持ち、その店を繁盛させることは容易ではありませんが、フランチャイズに加盟すると本部の看板を使って営業ができるため、商売がしやすくなります。販売ノウハウやレシピなども本部が教えてくれますので、全くの初心者であっても比較的簡単に独立開業することができます。

フランチャイズの種類・よくある業種とは

フランチャイズイメージ

フランチャイズの種類

フランチャイズの種類には、ビジネス・フォーマット型フランチャイズとターンキー型フランチャイズ、コンバージョン型フランチャイズの3種類があります。

最も多いのがビジネス・フォーマット型フランチャイズで、加盟店は本部からレシピやノウハウの指導を受けることができ、他のチェーン店と同質のサービスを提供できます。ターンキー型フランチャイズは本部が店舗をあらかじめ用意してくれ、オーナーは本部から店舗の鍵を受け取るだけですぐに開業できます。コンバージョン型フランチャイズは不動産業やホテル業に多く、オーナーは本部の看板やブランドイメージをフルに活かして事業を行えます。

フランチャイズの主な業種

フランチャイズの業種で多いのは飲食業や小売業、サービス業です。飲食業のフランチャイズでは、ラーメン店やレストラン、居酒屋が多く、知名度の高い有名な飲食店もフランチャイズ加盟者を募集しています。飲食業のフランチャイズのメリットは、現金商売であるため他の業種と比べると資金繰りが楽になりやすいことです。

小売業のフランチャイズの代表はコンビニエンスストアで、日本の大手コンビニの全てでフランチャイズ加盟者を募集しています。リサイクルショップや金券ショップもフランチャイズが多く、古着屋やはんこ屋、中古車販売店もフランチャイズが多いです。小売業のフランチャイズのメリットは、本部が全店舗の売上データを徹底的に分析しており、売れ筋商品の仕入れができることです。

サービス業のフランチャイズの特徴は、商品を仕入れて販売するのではなく、顧客にサービスを提供することにあります。サービス業のフランチャイズで多いのは学習塾や家事代行サービス、ハウスクリーニングなどです。サービス業のフランチャイズのメリットは、在庫を持たずに事業を始められ、少資金で開業できることです。

フランチャイズのビジネスモデル

フランチャイズ展開を考える人

経営ノウハウや商品、権利、システムなどを提供する側を「フランチャイザー」と呼び、それらを受ける側を「フランチャイジー」と呼びます。

フランチャイジーは、フランチャイザーと加盟契約を結び、同一のロゴ、商品、ブランドイメージを持ってお店を営業する代わりに、フランチャイザーに利用料(ロイヤルティ)を支払います。
ロイヤルティは各社によって異なりますが、主に以下の3つに区分されます。

  • 売上歩合式:売上の一定割合を支払う
  • 粗利分配式:粗利(売上-原価)の一定割合を支払う
  • 定額式:固定額を支払う

ロイヤルティの支払い方式によって、加盟店に残る利益が大きく左右されます。

売上歩合方式とは、加盟店の売上金額に応じて、ロイヤリティの金額が決まる方式です。ロイヤリティのパーセンテージは数%から50%程度に設定しているケースが多く、売上が増えるほどロイヤリティのパーセンテージを低くする場合もあります。

定額方式とは、あらかじめロイヤリティの金額が決まっている方式です。売上金額がいくらであってもロイヤリティの金額は同じですので、加盟店は売上が増えるほど手元に多くのお金が残ります。

粗利分配方式は多くのコンビニエンスストアのフランチャイズで採用している方式で、総売上高から売上原価を差し引いた売上総利益がロイヤリティの対象になります。ロイヤリティのパーセンテージは約30%から約70%で、コンビニによって違いがあります。

方式はフランチャイザーが指定しているケースがほとんどで、売上歩合式が一番多くみられます。売上歩合式の中でも、土地と建物をオーナーが用意することによりロイヤルティフィーを抑えるなど、いくつかプランあるので数社を比較しながら検討しましょう。

数社を一括比較する場合は、「フランチャイズ比較.net」というサイトがありますので活用してみてはいかがでしょうか。

フランチャイズで加盟する本部の選び方や特徴とは?

「フランチャイズ」と「直営店」はどこが違うの?

比べる男性

チェーン店とは、複数の店舗展開を行う経営形態のことで、全国各地に店舗があるコンビニエンスストアなどは典型的なチェーン店です。フランチャイズは正式にはフランチャイズチェーンといい、フランチャイズもチェーン店の一種です。

チェーン店にはレギュラーチェーン店とフランチャイズチェーン店があり、「直営店」と呼ばれます。こちらは本部が社員を雇用しお店を経営します。よって、売上や費用などはすべて本部の管理下に置かれます。ただしその分新規に出店するには本部の資金が必要となるので、展開スピードは遅くなりがちです。

一方フランチャイズチェーンは、加盟店ごとにオーナーが存在します。本部は商材、ノウハウ、仕入れなどの方法は伝えますが、売れる個数などを見極めながら実際に商材の入荷個数を決めたりするのはオーナーです。また、前述のとおりロイヤルティを支払う必要があります。新規出店に関してはオーナー側が一部を負担するので、展開スピードを速めることができます。

フランチャイズにはどのようなメリットがある?

フランチャイズ看板とコイン

フランチャイズを選ぶメリットには以下があげられます。

リスクと費用が抑えられる

店舗を運営するのに必要な、商品、ノウハウ、システム、マニュアルなどが揃っています。また、レジ等の仕組みも完備している場合も多く、商品の仕入れ先の確保などをする必要もありません。したがって、開業のリスクと初期費用が低く抑えられます。

フランチャイザーのブランドイメージを活用できる

フランチャイザーは多くの場合多店舗展開しており、全国的に著名なブランドも少なくありません。消費者にとって馴染みがあるので、新店舗であっても「こんな商品、こんな価格、こんな雰囲気」という安心感を持って来店していただけるため、集客に大きな手間をかける必要はありません。

経営のアドバイスを受けられる

フランチャイザーの本部から、定期的にアドバイザーがお店に訪問して、経営の相談に乗ってくれます。彼らは直営店や過去の加盟店の実績を活用し、的確なアドバイスをしてくれるでしょう。

フランチャイズのデメリット

悩むビジネスマン

一方で、フランチャイズだからこそのデメリットもあります。

経営の柔軟性がない

新しい商品の開発や戦略の策定といったことにはなかなか携わることができません。契約条件も一律で、変更することは難しいといえます。好きなように店舗経営を行いたい場合は、自由度や柔軟性が低くデメリットとなります。フランチャイズは「経営者よりも店長寄り」の人に向いているでしょう。

他の加盟店の影響を受ける

消費者から見るとお店は独立しているのではなく、そのブランドの一員のため、たとえ本部または他の加盟店で不正が起こった場合、それが自店のイメージダウンにつながってしまいます。

フランチャイズの歴史を知ろう

フランチャイズを分析

フランチャイズビジネスが誕生したのは19世紀のアメリカで、ミシン製造会社のシンガー社が販売権を小売店に与えたのが始まりとされています。シンガー社の販売システムは現在のフランチャイズのロイヤリティの仕組みと同じで、同様の販売システムはガソリンスタンドやドラッグストアなどでも取り入れられ、フランチャイズビジネスは全米に浸透しました。この19世紀から第2次世界大戦までのフランチャイズビジネスのことを、伝統的フランチャイズシステムといいます。

第2次世界大戦後、アメリカでは「マクドナルド」や「ケンタッキーフライドチキン」などの外食チェーンがフランチャイズ展開で店舗数を増やし、全米各地に店舗を増やすことに成功しました。これらの外食チェーン店ではレシピや接客スキルなどをマニュアル化することにより、どの店に行っても全く同じ味の商品を提供することができ、ブランドイメージを統一化することができました。

1960年代になると日本でもフランチャイズビジネスが導入されるようになり、コカ・コーラやダスキンなどが日本のフランチャイズビジネスの先駆けとされています。1970年代になると、マクドナルドやケンタッキーフライドチキン、ミスタードーナツなどがフランチャイズ展開で日本での店舗数を増やしました。また、1970年代にはコンビニエンスストアの「セブンイレブン」が日本に上陸し、フランチャイズ展開で店舗数を一気に増やすことに成功しました。

その後、フランチャイズビジネスは日本に深く浸透し、数多くのフランチャイズビジネスが日本で誕生しました。学習塾や介護サービス、ハウスクリーニングなどのサービス業もフランチャイズシステムを導入するようになり、現在ではさまざまな業種がフランチャイズビジネスを行っています。

フランチャイズで開業するには

フランチャイズで開業した女性オーナー

では実際、フランチャイズで開業するにはどうすればよいのでしょうか?

フランチャイズへ加盟するには以下の方法があります。

  1. 情報サイトで探す
    情報サイトでは多くの業種でフランチャイズ加盟店を募集しています。それぞれの企業を比較してみてはどうでしょうか
  2. フランチャイジーのコーポレートサイトに行く
    もし、特定の企業のフランチャイズに加盟したい場合は直接説明会などの申し込みしてみましょう
  3. フランチャイズの展示会へ行く
    年に数回行われている展示会に参加すれば、一度に多くのフランチャイズを知り、比較できます

フランチャイズ比較.net」ならFC本部と展示会情報が一括で検索が可能となっており、おすすめです。

なお、開業資金は企業と加盟条件(支援金の有無、加盟側の土地保有の有無など)によってさまざまです。例えば、塾などのサービス業の場合、広告費や研修にお金がかかる傾向にあるようです。

フランチャイズでも自分流の経営を

フランチャイズイメージをノートに記録

フランチャイズは商品・ノウハウ・仕入れなどがあらかじめ用意されているため、ついオーナーが努力を怠りがちです。また、本部との良好な関係が望ましいため、アドバイザーのいうことをただ受け入れて実質的に「雇われ化」してしまうケースもあります。

ある程度経営に慣れてきたら、「これをすればもっと売上が伸びるのではないか」「こうやって教えたほうが効率がいい」といったアイデアを、ぜひ本部の担当アドバイザーと話してみてください。制限は多いですが、提案することで自身の案が採用されるかもしれません。

経営ノウハウを享受できることはフランチャイズの大きいメリットです。ぜひそこに+αとして自分流の経営を加えてください。